大学で建築・インテリアについて学んだのち、大手家具販売店に就職。現在はインテリア・ライフスタイル専門のママライターとして活動中。念願のマイホームを手に入れ、北欧インテリア×グリーンのある暮らしを楽しんでいます。
冬にお風呂に入る時、洗面所や脱衣所の寒さがつらいお家も少なくないと思います。
洗面所・脱衣所が寒いとお風呂に入るのが億劫おっくうに感じてしまいますよね。
また入浴時だけでなく、朝の身支度や洗濯などの家事のたびに寒さを感じるのもつらいもの。
そんな時は洗面所・脱衣所の寒さ対策をしておきましょう。
簡単にできる方法から暖房器具を取り入れる方法まで、いろいろな対策を紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
洗面所・脱衣所が寒い原因
一般的なお家の間取りでは、リビングなどのメインの部屋を日当たりのいい南側に配置することが多いです。
そのため、洗面所・脱衣所は北側に位置することが少なくありません。
家の中でも北側に位置する場所は、日が当たらず気温の低い空間になってしまいます。
また、浴室の湿気対策として窓や換気扇が備わっていますが、そのせいで外からの冷たい空気が入りこむのも、洗面所や脱衣所が寒くなる原因です。
洗面所・脱衣所が寒いとどうなる?
洗面所・脱衣所が寒いと、当然ながら服を脱ぐのが億劫になりますよね。
「寒い!寒い!」といいながらお風呂に入るのは、誰でもいやなものです。
しかし、洗面所・脱衣所の寒さが引き起こすことは、それだけではありません。
ヒートショックが起こり、命に関わることも
リビングなどのあたたかい部屋から、冷えた洗面所・脱衣所に行って服を脱ぐと、血圧が上昇します。
そして熱いお湯につかって体があたたまると、反対に血圧が下がります。
この血圧の急激な上下によって起こりやすいのが、ヒートショックという症状。
ヒートショックは心臓に負担がかかり、命に関わることもあるといわれています。
高齢の方や高血圧、糖尿病などの持病がある方などにとっては、特に注意が必要だそうです。
小さな子どもがいる場合もお世話の時間が大変
洗面所の寒さは、小さな子どもがいる家庭にとっても大変な問題です。
子どもが小さいと、お風呂上がりに体を拭いて服を着せて……とバタバタしますよね。
洗面所が寒ければ、お世話をしている間に大人が湯冷めしてしまいます。
また、赤ちゃんをお風呂に入れる時に、いったん洗面所へ寝かせる場合があるかもしれませんが、冷たい場所だと赤ちゃんの体調にも関わるかもしれません。
そのため、洗面所の寒さ対策はしっかり行っておくのがおすすめです。
【簡単にできる】洗面所・脱衣所の寒さ対策
それでは、洗面所・脱衣所の寒さ対策にはどんな方法があるのか、具体的に紹介していきます。
比較的簡単にできる、10のアイデアを紹介しますので、ご自宅にあった方法で試してみてくださいね。
いくつかの方法を組み合わせて対策するのもおすすめです。
【1】浴室の換気扇を止める
まずは入浴前に、換気扇を止めるようにしましょう。
浴室の換気扇が入浴中につきっぱなしだと、暖かい空気が流れて外の冷たい空気が洗面所・脱衣所に入ってしまいます。
カビ対策のために換気扇をつけっぱなしにしているお家でも、入浴時だけ止めるなどして調節するのがおすすめです。
【2】浴室の暖房をつける
浴室暖房が備わっている場合は、ぜひ活用しましょう。
浴室のドアを開け、反対に洗面所のドアを閉めて浴室暖房をつければ、洗面所まであたためることができます。
洗面所の空間は狭いことが多いので、短時間であたためられるはず。
稼働時間が短ければ、電気代もそれほど気にならないのではないでしょうか?
【3】他の部屋からのあたたかい空気を取り込む
洗面所・脱衣所の近くにエアコンをつけている部屋がある場合は、ドアを開けてその空間の暖気を取り込むのもおすすめ。
部屋ごとの寒暖差が緩和されるので、急激に寒さを感じるということを防げるはずです。
筆者宅は洗面所の向かい側に寝室がある間取り。
いつも入浴のタイミングで寝室のエアコンをつけておくのですが、その時に寝室のドアを開けて洗面所と廊下もあたためるようにしています。
全体が適度にあたたまったら寝室のドアを閉め、洗面所が再び寒くなる前に入浴を済ませると寒さも気になりません。
【4】洗面ボウルに熱めのお湯を張る
洗面所の扉を閉めた状態で洗面ボウルに熱めのお湯を張ると、その湯気によってあたたかくすることができます。
昔ながらの扉のない洗面所や空間が広い洗面所ではあまり効果が感じられないかもしれませんが、少ない水道代で簡単にできる方法です。
また、このお湯を使って洗濯物の手洗いをしてしまうのがおすすめ。
最近なら布マスクを毎日手洗いする人も多いと思うので、ついでに漬け置き洗いをすれば、洗面所もあたたまりマスクも洗えて一石二鳥です。
皮脂汚れや食べこぼしのシミなどもお湯の方が汚れ落ちがよくなります。入浴中に漬け置きして、お風呂から出たあとにすすげばOKなので楽に済ませられますね。
【5】浴槽のふたを開けてシャワーでお湯をためる
浴槽にお湯をためる時にふたを開けておけば、浴室全体が湯気であたたかくなりますよね。
その時に浴室のドアを開け、洗面所のドアは閉めておけば洗面所もあたためることができます。
また、浴室にお湯をためる時にシャワーを使うと、より一層湯気が出てあたたかくなります。
ただし、シャワーだとお湯が冷めやすくなるので、設定温度を少し上げておくといいですよ。
【6】熱めのシャワーを浴室の壁や床にかける
家族が先に入浴した時やお湯につからない時など、浴槽にお湯をためない場合は熱いシャワーを壁や床などにかけてあたためるのがおすすめ。
浴室のドアを開けておくと、洗面所・脱衣所まであたためることができます。
特に床にタイルなどの冷えやすい素材を使っている浴室なら、この方法だと入浴時に足の裏がヒヤッとすることも防げますね。
温度を高めにしてザーっとシャワーをかけて湯気を出すことで、洗面所までスムーズにあたたまります。
【7】洗面所・脱衣所を使う時間にあわせて乾燥機をかける
いつも洗濯物を乾燥機にかけている人は、入浴のタイミングなど洗面所を使う時間にあわせて稼働させるのがおすすめ。
洗濯乾燥機の乾燥モードではヒーターを使うため、洗濯機まわりがあたたまります。
洗面所のドアを閉め、換気扇を止めて乾燥機をかければ、ヒーターの熱によって洗面所全体の気温も上がりやすくなるはず。
機種によって差があるかもしれませんが、毎日乾燥機を使っているなら試してみてはいかがでしょうか?
【8】布団乾燥機の温風であたためる
もし、布団乾燥機をお持ちなら、その温風を使って洗面所をあたためることができます。
布団乾燥機は起動してすぐ温風が出るので、洗面所のドアを閉めておけば短い時間で寒さが軽減しますよ。
タイマー設定できるものがほとんどなので、入浴する15分前などにセットしておけば、洗面所・脱衣所に行く際にはあたたかな空間になっているはずですね。
【9】洗面所・脱衣所の床にジョイントマットを敷く
洗面所の床全体にマットを敷き込むと、床からの冷気を抑えられるのでおすすめです。
床に敷く時に使いやすいのが、ジョイントマット。タイル状のマットを何枚も並べて敷くタイプです。
特にパズル状になっているものならずれにくくて便利ですよ。
子ども用のパズルマットに使われるようなEVA素材の分厚いものや、コルク素材のものなら、保温性もあるのでおすすめです。
【10】窓の断熱対策をする
洗面所や浴室に窓のあるお家は冷気が入りやすく、特に寒さが厳しいと思います。
そんな時は窓の断熱対策をして、寒くならないようにしておきましょう。3つの方法を紹介しますので参考にしてくださいね。
洗面所・脱衣所の窓にカーテンをつける
窓が洗面所・脱衣所にある場合は、カーテンをつけるのも1つの方法。
カーテンレールがない場合は、突っ張り棒とリングランナーなどで穴を開けずに取り付けできます。
洗面所の窓は小さめの場合が多いので、カーテンも短いものなら軽く、突っ張り棒だけでも支えやすいはずです。
ただ、洗面所は湿気が多い空間なので、カビには注意が必要です。
カーテンをつける場合は、カーテンの内側に設置することで結露から守る「断熱カーテン」との併用がおすすめです。
断熱シートを窓に貼る
窓用断熱シートを貼れば簡単に窓からの冷気をカットできますね。
このシートは洗面所でも浴室でも使えます。
断熱シートは、緩衝材のプチプチのようなものや、薄いフィルムタイプなど素材もさまざま。
窓からの冷気をカットできるので、洗面所の気温低下を防止するのに役立ちます。
洗面所や浴室の窓にプラダンをはめ込む方法も
プラダン(プラスチック段ボール)を窓枠サイズにカットし、窓の内側にはめ込んで、二重窓(内窓)のようにして冷気をカットする方法もあります。
プラダンは半透明のものを使えば、外からの明かりも確保できますよ。
プラダンで作る二重窓は、換気をする時は簡単に外せる上に、低コストで作れるのがメリット。
材料は、ホームセンターや100均、ネット通販でも手に入れることができます。
窓からの冷気が抑えられるので、手軽な洗面所・脱衣所の寒さ対策になります。
プラダンを使った二重窓の作り方
プラダンを使った二重窓は、とても簡単に作れます。
作り方を画像つきで紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
まずは材料を揃えます。必要な材料は3つだけ。
< 材料 >
- プラスチック段ボール(設置したい窓に合わせた大きさのもの)
- サッシなどにつける隙間テープ
- 両面テープ
< 作り方 >
1.プラダンをカットする
プラダンを窓枠より少し小さいサイズにカットします。プラダンはカッターナイフで簡単に切ることができます。
2.隙間テープを周囲に貼る
隙間テープをプラダンの周囲に貼りつけていきます。
3.持ち手をつける
余ったプラダンを小さくカットし、両面テープで好きな場所に貼って持ち手にします。
4.完成
プラダン内窓の完成です。
窓にはめ込む
窓の手前の位置に、窓枠にぴったりはめ込んで設置します。
取り外し方
換気などで取り外したいときは、持ち手を持って外します。
洗面所・脱衣所をしっかりあたためるなら暖房器具がおすすめ
比較的簡単にできる寒さ対策をお伝えしましたが、更にしっかりあたためたい場合は、暖房器具の導入を検討するのがおすすめです。
ここでは、どんな暖房器具が洗面所・脱衣所に向いているのかを紹介します。
おすすめはセラミックファンヒーター
洗面所・脱衣所に取り入れる暖房器具なら、ヒーターを検討する人が多いと思います。
ヒーターには石油、ガスやハロゲン、オイルなどさまざまなものがありますが、おすすめはセラミックファンヒーター。
セラミックファンヒーターは、あたたかい風を素早く出してくれるタイプ。
狭い場所をあたためるのに適していて、電気を使うのでガスや灯油のような燃料もいらず手軽で安全に取り入れられます。
洗面所・脱衣所にぴったりなヒーターの選び方ポイント
洗面所・脱衣所に置くヒーターを選ぶ時にチェックしておきたいポイントを紹介します。
狭い空間で短い時間だけ使うということを念頭において選ぶのがおすすめです。
洗面所・脱衣所にあうサイズ
まずチェックしたいのはヒーターの本体サイズ。
洗面所・脱衣所はリビングなどに比べて狭い空間なので、ヒーターのサイズが大きいと置き場所に困ってしまいます。
また、コンセントの位置もチェックしてどこに置くのかを考え、そのスペースにあったサイズを選ぶことが大切です。
持ち運びやすさ
狭い洗面所・脱衣所なので、ヒーターを置きっぱなしにしていると邪魔になることもあると思います。
使わない時は棚などに収納しておきたいという人もいるかもしれません。
またヒーターを、日中はワークスペースなどで使い、夜の入浴時には洗面所で使うという場合もありますよね。
そういう使い方をするなら、持ち運びやすいタイプがおすすめです。
持ち手がついたもの、軽量なものなどを選ぶと扱いやすいです。
人感センサーや転倒時自動オフ機能などもチェック
人がいる時だけセンサーが反応して起動する人感センサー付きヒーターなら、節電にもつながります。
洗面所から出た時にスイッチを消し忘れても安心ですね。
また、転倒オフ機能もあるかチェックしておくのがおすすめです。
狭い洗面所なので、うっかり足を引っかけて倒すことがあるかもしれません。
そんな場合に備えて、転倒しても自動で電源がオフになる機能があると便利です。
洗面所・脱衣所の寒さを和らげて快適に!
いかがでしたか? 今回の記事では洗面所・脱衣所の寒さ対策について紹介しました。
洗面所が寒いと、入浴する時にヒートショックなどの危険もあるので、そのまま我慢するのはあまりおすすめできません。
少しでも対策をして、洗面所・脱衣所の寒さを軽減していきましょう。
ご紹介した方法を参考に、冬でも快適な洗面所・脱衣所をつくってくださいね。
参考資料
恩賜財団 済生会「冬場に多発!温度差で起こるヒートショック」 検索日2021/12/6