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窓用断熱シートを貼った窓

窓用断熱シートvs気泡緩衝材(プチプチ)。窓に断熱シートを貼る効果を比較

家事のコツ

真冬に「暖房の効きが悪いなあ」と、なかなか部屋が温まらなくて困ることってありませんか?
その寒さ、もしかしたら窓からくる冷気が原因かもしれません。そこで今回は、数ある防寒グッズの種類の中でも、窓際の寒さを防いでくれる便利アイテムについての比較実験・検証をしていきます。 一番効果が高かったのは?

家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。

窓用断熱シートvsプチプチの違いは? 今回比較するアイテム

窓に貼ると、外気をシャットアウトしてくれる窓用断熱シート。この窓用断熱シートは、だいたい三層構造になっていて、この層の中に空気を含んでいます。そのため、二重窓のような断熱効果を発揮するという構造になっています。

右上が窓用断熱シート。左下が気泡緩衝材(プチプチ)

ちなみに冬専用の窓用断熱シートの見た目は、割れ物の梱包に使う気泡緩衝材、通称プチプチとそっくり! 写真左側が厚さ7ミリの窓用断熱シート、右側が梱包用の気泡緩衝材。素人目には、粒の大きさと厚み以外の違いが分かりません。

窓用断熱シートを貼るメリットをとまとめると以下のようなことが挙げられます。

  • 外気温をシャットアウトして寒さ・暑さ対策
  • 窓の結露対策
  • すりガラスのような目隠し効果
  • 窓際に置いている家具の日焼け防止

でもこれだけ見た目がそっくりだと、さすがにプチプチでもOKなのでは?と思ってしまいますよね。ということで実際に「見た目」「温度変化」で以下の3アイテムで比較したいと思います。

厚さ7㎜の窓用断熱シート(左)とオールシーズン対応の窓用断熱シート(中央)と気泡緩衝材(左)

<比較実験に使用する3アイテム>

  • 写真左:【A】窓用断熱シート(冬専用)
  • 写真中央:【B】窓用断熱シート(夏冬兼用)
  • 写真右:【C】気泡緩衝材。通称プチプチ(梱包用)

窓用断熱シートには、冬専用のものと、夏冬兼用のものがあります。冬用の窓用断熱シートは、7ミリの厚さがあり空気を多く含むような作りに。一方夏冬兼用の窓用断熱シートは、そこまで厚みがありません。

早速比較していきましょう!

【窓用断熱シート比較1】窓に貼った時の「見た目」比較

まずは窓用断熱シート2種類とプチプチを窓にはります。断熱効果以外にも目隠しや効果もある窓用断熱シート。大きんな窓だと、カーテンのようにお部屋の雰囲気に影響しそう。ということで、実際に貼って見た目を比べていきましょう!

窓用断熱シートの「見た目」を比較するために貼る手順

用意するものはハサミと霧吹きだけです。

窓用断熱シートの貼り方の手順1.窓のサイズに合わせてカット

手順1.窓のサイズに合わせてカット

窓用断熱シートを貼る前に、まず窓のサイズに合わせてハサミでカットします。
気泡緩衝材より素材がしっかりしているので、スルスルっと切れました。

窓用断熱シートの貼り方の手順2.窓を霧吹きで湿らせる

手順2.窓を霧吹きで湿らせる

続いて、窓ガラスに霧吹きでまんべんなく水をかけます。
水が垂れるくらい、たっぷり湿らせます。

窓用断熱シートの貼り方の手順3.窓に貼る

手順3.窓用断熱シートを貼る

窓のサイズにカットした窓用断熱シートを当てると、水のチカラでぴたっと吸着して気持ちいいくらい吸いつくように貼れます。

窓用断熱シートの貼り方の手順4.シートを定着させる

手順4.定着させる

あとは、窓用断熱シートを手のひらで伸ばします。

窓用断熱シートを貼った窓

完成

作業時間は5分もかかりませんでした。

断熱シートの貼り方は動画でもチェックできます。

プチプチなども水を使って窓に貼って実験します。

プチプチを窓のサイズに合わせてカットして、窓用断熱シートを貼った時と同じように水で窓に貼り付けます。すると、粘着機能がないはずのプチプチが窓にぴったり貼り付きました! プチプチにこんな力があったとは、驚きです。

窓用断熱シートvsプチプチの「見た目」の比較結果

それでは見た目を比較していきましょう。まずは、冬専用の窓用断熱シートの見た目はこちらです。

冬用の窓用断熱シートの見た目比較

次に夏冬兼用の窓用断熱シートの見た目もみてみましょう。

夏冬兼用の窓用断熱シートの見た目比較

最後にプチプチも水を使って窓に貼ってみました。

窓に貼ったプチプチ

そんなに冬専用の窓用断熱シートと見た目はかわらないように思いましたが、広範囲にわたってはると部屋からの存在感は抜群に。やっぱりプチプチ感はいなめず、少し見た目が悪いような気がします。

並べて比較してみましょう。

窓に貼った時のシートの見た目の比較表

窓用断熱シートの効果の比較まとめ

見た目も似ている分、冬専用の窓用断熱シートとプチプチはほとんど同じに見えます。一方、夏冬兼用の窓用断熱シートは1つだけ印象が異なり窓の外がクリアに見えます。粒が細かいプチプチは、向こう側がほとんど見えず、外の光が入りにくいので、部屋の中も少し暗くなった印象がありました。

リビングに冬専用の窓用断熱シートやプチプチを貼ると、お部屋全体が暗くなってしまうかもしれません。一方、外からの視線を遮ったり、家具の日焼けを防いだりする効果を期待するなら、こちらがよいと思います。

【窓用断熱シート比較2】窓際の「温度変化」比較

見た目以上に「プチプチでも窓用断熱シートと同じ断熱効果が得られるのか」は気になるポイント。編集部では、冬専用の窓用断熱シートが一番厚い分、断熱効果も高いのでは?と予想しました。この予想には根拠があります。

以前、床用断熱シートの保温力を比較した際、保温力の高さ=断熱材の厚さということがわかりました。その様子は下記記事を参考にしてください。

>>床用断熱シート比較!底冷えする床に1番効果的な保温シートは?

果たして、予想通りの結果になっていたのでしょうか。早速実験をして比較していきましょう。

窓用断熱シート「温度変化」を比較実験する手順

まずは温度変化を比較する実験の手順をお伝えします。

窓際の「温度変化」比較実験の手順

手順1.室温を18度になるまで上げる

窓用断熱シートを窓に貼って、エアコンをON。窓際に置いた温度計が18度になるまで、室温を上げます。18度になるまで部屋を暖めたところで、エアコンの電源を切ります。

手順2.3回に分けて室温をチェック

スタート時、30分後、1時間後の温度を測ります。
時間によって外の温度が変わることを考えて、外の気温も測り、その温度差をチェック。

手順3.外気温と室温の温度差をチェック

外気温と室温の温度差が大きければ大きいほど断熱効果が高いと言えます。

窓に断熱材を取り付けることで室内の暖かさが外に逃げるのをおさえられるので、外の気温との温度差は大きくなるはず。断熱シートの効果が低ければ、室内の暖かさは窓を通して外に逃げてしまうので、外の気温との差が縮まるということになります。

窓用断熱シートvsプチプチの断熱効果の実験結果

外気温と室温の温度差をグラフで表します。

  • 【A】冬専用の窓用断熱シート
  • 【B】夏冬兼用の窓用断熱シート
  • 【C】梱包用の気泡緩衝材(プチプチ)
窓用断熱シートの効果と温度変化を現したグラフ

スタートから開始30分まで、厚さ7ミリある冬専用の窓用断熱シートは予想通り1位。室内の温度を、他の窓用断熱シートより高くキープすることができました。しかし、最下位のプチプチと比べると、その差は平均でわずか1.4度。一番差が小さい時は、わずか0.9度の差しかありませんでした。

また、断熱効果には断熱シートの分厚さがカギとなるという予想に反し、1時間後で比べてみた場合は夏冬兼用の窓用断熱シートとほぼ同じという結果に。こんなに差が出ないとは誰も予想していませんでした。

窓用断熱シートは本当に断熱効果があるのか実験

プチプチは大健闘ですが、窓用断熱シートのほうは、正直期待ハズレ。こうなってくると、「プチプチとそこまで断熱効果が変わらないなんて、そもそも窓用断熱シートは本当に室内を暖かくしてくれているの?」という新しい疑問も浮かんできます。

この疑問を解消するべく、「窓用断熱シートをはがした後にどれだけ室温が下がるか」をさらに実験してみました。

窓用断熱シートをはがす

窓から断熱シートをはがした途端、窓から冷気が押し寄せてきます。窓際の温度は、あっという間に10.3度から9.8度まで下がりました。窓からの冷気が入り込むだけでエアコンの効き悪くなったと感じ、断熱シートを貼っていた状態のほうが部屋が暖まるのが早いと感じました。たった1枚の断熱シートを貼っているかいないかで、部屋にいる時の体感温度やエアコンの効きはかなり違うということが分かりました。

今回の実験の様子は動画でも見ることができます。

【実験結果】比較実験でわかった窓際の冷気対策アイテムの選び方まとめ

今回の実験で分かったことを踏まえ、窓際の冷気対策アイテムを選ぶときのポイントをまとめてみました。注目していただきたいポイントは4つあります。

【断熱効果】厚ければ厚いほど、断熱効果が高い

断熱シートは厚ければ厚いほど、お部屋の暖かさをキープできます。そのため、冬専用の窓用断熱シートのように7ミリ程度厚さがあるものが一番おすすめです。

しかし、窓用断熱シートをわざわざ用意するのが面倒だと感じるなら、梱包用のプチプチを窓に1枚貼るだけでも、断熱効果は期待できます!

【見た目】プチプチはインテリア性・明るさはいまいち

見た目や明るさを気にするなら、プチプチはあまりおすすめできません。

柄入りの窓用断熱シート

今回の実験では使用していませんが、窓用断熱シートの中にはレース柄やステンドグラス柄など、見た目もかわいいものがたくさんあります。こういった窓用断熱シートはカーテンのような感覚で使えて、インテリア性も抜群。

また、窓用断熱シートは厚みや柄によって、窓に貼った時の明るさにも違いがありました。厚みのある断熱シートの場合は外の光が入りにくくなり、お部屋全体が暗くなってしまうことも。

ただし、厚みのある窓用断熱シートは「外からの視線を遮る」「家具の日焼けを防ぐ」といった効果もあるので、適材適所で使い分けるようにしましょう。

【コスパ】プチプチも思ったより断熱効果あり

できる限り予算をかけたくないという人は、プチプチを窓に貼るのもひとつの手です。断熱効果の比較実験では、窓用断熱シートには劣るものの、しっかり断熱効果があるということが証明されました。

「水で貼るタイプ」の断熱シートと同じく水だけで貼ったりはがしたりできるのも魅力的ですね。
梱包材を再利用してもよし、ホームセンター新品を必要なサイズ分買うも良し。
ぜひお家の窓で試してみていただければと思います。

【注意点】特殊な窓の場合は注意が必要

窓用断熱シートは特殊な窓にも対応しているかもチェック

実験では紹介していませんが、すりガラスやワイヤー入りガラス、複層ガラスなどをお使いの場合は、窓用断熱シートを使えない場合があります。断熱シートを貼ってしまうとシートとガラスの間に熱が籠るので、ガラスが割れてしまうことがあるようです。これはプチプチにも同じことがいえるので、お家の窓ガラスの種類はしっかり確認しましょう。

ただし、窓用断熱シートの中には「すりガラス対応」のものなど、特殊な窓に貼ることができるものも販売されています。

窓からの冷気を防いでエコな冬を

なんといっても、窓は家の中で一番室内の温かい空気が逃げやすい場所です。窓からの冷気を防いで、室内の空気を逃がさないようにシャットアウトするだけで、エアコンの効きがよくなったと感じることができ、暖房費の節約にもつながります。

ただし窓用断熱材もプチプチも定期的な張替えは必須。窓専用の断熱アイテムであっても、その性能は衰えてしまいます。夏冬兼用の窓用断熱シートなら、半年に1回程度は交換するようにしてください。

まだまだ日本の住宅で、二重窓が浸透していない中、窓用断熱シートやプチプチはこれだけの効果があることが証明されました。この実験結果をもとに、ぜひ「窓の断熱」を試してみてくださいね。

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