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米のとぎ方

マスターすれば味が変わる!ご飯がおいしくなる正しいお米の研ぎ方

キッチン

自炊の基本である炊飯。どんなときも温かいご飯さえあれば、なんとなく心がほっとしますよね。

ご飯をおいしくするためには、実は炊く前の研ぎ方がとても重要。

「買ったばかりのお米なのに、なんだかご飯がおいしくない」というような悩みも、「米の正しい研ぎ方」を知ることで解決できますよ。

この記事では、ご飯がおいしくなるお米の研ぎ方を調理師が写真付きで解説します。ぜひ参考にしてみてください!

調理師・ライター。つくること・食べることが大好きで調理師免許を取得。医療福祉施設での勤務経験あり。おいしいご飯のレシピや暮らしの便利なもの、日ごろの衛生管理について、わかりやすい記事をお届けします。オムライスとモンブランが大好きです!

なぜお米を研ぐ必要がある?

そもそも、なぜご飯を炊く前にお米を研ぐのでしょうか?主な理由は2つあります。

  • お米の表面についているぬかやゴミを取り除くため
  • お米に水分を浸透しやすくするため

お米を研ぐ最終的な理由は「おいしいご飯を炊くため」。逆に言えば、目的が「お米を食べられる状態にする」だけなら、お米を研ぐ必要はないんです。適量の水を加えて炊飯すれば、お米は研がずともご飯になります。

しかし、研がずに炊いたお米はぬか臭く、また水分が浸透しにくいため食感もあまり良くありません。

農家の方が作ってくださったお米をおいしく食べるためにも、ぜひ正しい研ぎ方をマスターしましょう!

<研ぐ必要がないお米とは?>

玄米

一口にお米といっても、中には無洗米のように研ぐ必要がないものや、玄米のように研ぎ方が異なるものもあります。

無洗米は精米する時点でお米周りのぬか層や胚乳(はいにゅう)、肌ぬかを除去してあるため、研ぐ必要がありません。炊く場合は表面をさっと洗うだけ。精白米と同じように研いでしまうと、お米が割れたり欠けたりして、おいしさが損なわれてしまいます。

一方、玄米は、ぬか層や胚芽(はいにゅう)が丸ごと残っているお米。さまざま炊き方がありますが、いずれの炊き方であっても精白米とは研ぎ方が異なります。

このようにお米ごとに正しい研ぎ方があるので、研ぐときはお米の種類をよく確認しましょう。

ご飯をおいしくするお米の研ぎ方

ここでは精白米を例にして、正しいお米の研ぎ方を紹介します。写真でくわしく見ていきましょう。

お米の研ぎ方

お米に水を通してさっと水切りをする

手順1.お米を水にさっと浸し、水気を切る

ザルを重ねたボウルに計量したお米を入れ、浄水またはミネラルウォーターを注ぎ入れます。
全体的にお米が浸ったら、すぐにザルをあげて水気を切ります。

米を研ぐときの手の形

手順2.お米を研ぐ

水気を切ったお米をザルに入れたままボウルに戻し、お米を研ぎます。
手は野球ボールを持つように、指先をふんわり曲げた形にしましょう。

米のとぎ方

指先を軽く曲げたままお米の中に入れ、そのまま軽い力でお米全体をかき混ぜるように研ぎます。
ザルに押し付けたり米を握ったりせず、円を描くように20回ほどかき混ぜましょう。

といだ米をすすぐ

手順3.お米をすすぐ

研ぎ終わったらたっぷりの水でお米をすすぎます。このとき使う水は浄水やミネラルウォーターでなくても構いません。
すすぎ終わりの目安は、水がうっすら濁っている程度。お好みで完全に水が透き通るまですすいでもOKです。

お米に浸水させる

手順4.お米を浸水させる

すすぎ終わったお米は、炊く前にきれいな水で浸水させます。
炊飯器によって炊飯モードに浸水の時間が含まれている場合は、お米を釜に入れて水加減をしたらそのまま炊飯しましょう。
鍋で炊く場合は30分ほど水に浸すか、水気を切った米をドーナツ型にして自然に水を含ませてから炊飯してください。

ふっくらご飯

正しくお米を研いで炊いたご飯は、お米粒が立ってふっくらツヤツヤ。
ぬか臭さはなく甘みがあって、ご飯だけでついつい箸が進むくらいに絶品です!

お米を水切りするときのQ&A

Q1. ザルで水気を切ってもお米に吸水させられるの?

A1. お米の表面に残った水分で、十分に吸水させられます。ただし表面が乾燥しないよう、ラップや濡れぶきんをかけておきましょう。

Q2. なぜお米をドーナツ型にするの?

A2. 水を切れやすくするためです(ザルで水切りをすると中心に水が溜まっていきます)。

お米を研ぐときに大切な5つのポイント

お米を研ぐときのポイントは全部で5つあります。お米を研ぐ流れとあわせて理解することで、よりおいしいご飯が炊けますよ。

【ポイント1】水切りしやすい道具を使う

米研ぎに必要なもの

お米を研ぐときは、さっと水切りできる点からボウルとザルを使うのがおすすめです。

ボウルの材質はお好みのものでOK。金属やガラスはもちろん、最近では米とぎ専用のボウルも登場しています。

また一昔前は「炊飯器の釜で米を研ぐと釜が劣化する」と言われていましたが、近年はメーカーや機種によって、内釜でお米を研ぐことを推奨している製品も。

時間がないときは内釜を利用すると時短になります。内釜を使う際は、あらかじめ炊飯器の取扱説明書を確認しておきましょう。

【ポイント2】最初と最後はきれいな水を使う

ミネラルウォーター

お米は炊いてそのまま食べるものなので、吸収する水分が味を大きく左右します。

質が高いお米を買っても、カルキ臭い水を吸収させれば、ご飯の味も悪くなってしまうんです。

お米が水をよく吸うタイミングは、最初に水を注いだときと研ぎ終わって最後に浸水させるとき。そのため、少なくとも最初と最後だけは浄水器の水かミネラルウォーターを使い、きれいな水を吸わせましょう。

【ポイント3】最初の水はすぐに捨てる

米のとぎ方

お米はいわば乾物なので、水を加えると表面からぐんぐん水分を吸っていきます。

しかし、お米を研ぐときお米が最初に吸う水は、ぬかが溶け出したぬか臭い水。ぬか臭い水を多く吸うと、ご飯もぬか臭くなってしまいます。

そのため最初に入れる水はできる限りすぐに捨て、すばやく米とぎの段階に移りましょう。

【ポイント4】お湯で洗うのはNG

お湯で米を研ぐのはNG

お米を洗うとき、熱いお湯(40度以上)で洗うのはNGです。

40度以上のお湯でお米を洗うとでんぷんが溶け出して、炊いたときに中がかたいアルデンテのような食感になってしまいます。

食感に影響がないのは、30~40度くらいのぬるいお湯。しかしぬるいお湯を使うと、お米が肌ぬかの臭いを吸着しやすくなる可能性があるので注意しましょう。

臭いや食感の点から、米とぎには冷たい水を使うことが推奨されています。

【ポイント5】研ぐときに力を入れすぎない

米を研ぐときは力加減に気を付ける

お米は案外デリケートな食品。研ぐときに力を入れすぎると、欠けたり割れたりしてしまいます。

欠けや割れが多くなると炊き上がったご飯は粒が立たず、べちゃっとした仕上がりに。

今は精米技術が進化しているため、力強く研いでぬかを落とす必要はありません。軽い力で研いで、ふっくらおいしいご飯に仕上げましょう。

お米を正しく研いで、ご飯をおいしく炊き上げよう!

正しいお米の研ぎ方をマスターすれば、毎日食べているご飯の味がガラリと変わります。

この記事で紹介した、研ぎ方のポイントと具体的な手順を参考に、毎日食べるご飯をおいしく炊いてみてくださいね。

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