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氷のうを使う人

暑さ対策以外にもおすすめ!覚えておきたい「氷のうの作り方」

家事のコツ

熱中症対策やけがをした際のアイシングに使う冷却グッズには、さまざまな種類があります。
冷却ジェルシートや保冷剤などの手軽なグッズもありますが、形を変形しやすく患部を効率的に冷やせる氷のう(アイスバッグ)は特におすすめ。
中に入れる氷などの量で温度調節ができるので、いろんな状況に対応できるのも心強いですね。
今回の記事では、いざというときに知っておくと便利な市販のアイスバッグの使い方や誰でも簡単にできるビニール袋氷のうの作り方について、くわしくご紹介します。

キッチン道具の担当者。元司書であることから、モノを買うときは納得するまで調べ尽くす性分。ハウジーではクラスコと一緒に100を超えるキッチン道具の比較や検証を実施。本当に気に入ったキッチン道具の紹介や「困った!」を解決する記事をお届けしていきます。

市販のアイスバックを使った「氷のう」の作り方

一般的にアイシングバッグやアイスバッグという名称で売られている「氷のう」。どれも基本的な構造はほとんど同じなので、作り方(使い方)のコツについて簡単に解説します。

市販の氷嚢の使い方

1.アイスバッグの3/4くらいまで氷を入れます。
ロックアイスなど角がとがった氷の場合、内面に傷がつき、水もれを起こすおそれがあります。氷は小さめに砕くか、少量の水を入れて表面をなめらかにした上で使用しましょう。

市販の氷嚢の使い方

2.氷と一緒に少量の水を入れると、患部に密着しやすくなります。

市販の氷嚢の使い方

3.アイスバッグの中の空気をできるだけ抜いて、ふたをしっかり閉めてください。

覚えておきたい!簡単「ビニール袋氷のう」の作り方

市販の氷のう(アイスバッグ)は「そんなに必要なシーンがなさそうだし、買うほどじゃない」と思っている方は、おうちで作れる簡易的な氷のうの作り方を覚えておくと、いざという時に役立ちます。
必要なのはご家庭にあるビニール袋ざるだけ。
失敗しないコツも一緒にご紹介しますので、チェックしてください。

1.氷を袋に入れる
まずは氷を袋に入れます。袋の大きさや冷やしたい箇所によっても異なりますが、一般的にはビニール袋の1/3から2/3程度が適量です。
使用するビニール袋の厚みが薄い場合は、破れないように2枚重ねにしましょう。
袋に入れる前に、ザルなどに氷を移して水にひたし、氷同士がくっつかない状態にしてください。
外出先で作る場合でざるが無いときは、袋に少量の水を入れるという方法もあります。


2.氷を平らになるように並べる
平面に置いて、氷が平らになるように並べます。
こうすることで、患部に氷が当たる表面積が増えます。

3.空気を抜く
ビニール袋の開口部に口をあててビニール袋内の空気を吸い出し、しっかりと空気を抜きます。

4.袋の口を縛る
ビニール袋の開口部を持ち、本体を回転させ十分にねじります。
最後にしっかりと袋の口を縛ったら、完成です。

《氷に霜がついている場合は注意》
氷に霜がついている場合(家庭用の冷凍庫で作ったものや、コンビニなどで買ってきたものは霜がついていることがあります)は、そのままだと温度が低すぎて凍傷になるリスクがあります。水にひたしたり少量の水を入れることでちょうど良い温度になります。

「ビニール袋氷のう」は簡単に作れるものの、空気を抜く過程などは難しいと思う方もいらっしゃるかもしれませんね。「毎回ビニール袋で作るのが大変だし面倒くさい!」という方には、市販のアイスバッグの方がおすすめです。

「氷のう」と保冷剤との違いは?

氷のうはさまざまなシーンで使えます。
一般的には、スポーツをした後や怪我をした時などのアイシングに使われることが多いです。最近では暑いときの熱中症対策グッズとしても人気ですね。

ただ、単に冷やすだけでいいなら、「ケーキ屋さん等で買い物をした時などにもらえる保冷剤とかで十分じゃないか?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

氷のうを、保冷剤など他の冷却グッズと比べたときの大きな違い(メリット)は……

  • やわらかい素材で形状が変化するため、肌に密着させやすい=効率的に冷やせる
  • 氷や水の量により温度を調整しやすい=色々な状況に対応できる

という2つのポイントが挙げられます。

袋状になっている氷のうは表面積が大きく、広範囲を一度に冷やすことができます。冷やしたい部分に当てる表面積だけでなく温度も調整しやすく、状況に合わせて効率的に冷やせます。

保冷剤にも様々なサイズがありますが、手のひらに収まる程度のサイズが一般的で、氷のうに比べると冷却に使える表面積は小さいです。また保冷剤は直接肌に当てると凍傷する可能性があり、タオルやハンカチに包んで使つのが一般的です。包むタオルやハンカチの厚みによっては、十分な冷却効果が得られないことがあります。

氷のうはどんな時に使うのがおすすめ?

氷のうを実際に使うとき、注意しないといけない点もあります。昔は氷のうを使うのが常識だったことも今は非常識なんてことも。
ここでは「氷のうをどんなシーンで使うのがおすすめなのか」について、簡単にご紹介しますね。

熱中症対策グッズに

氷のうは、暑さで体温が上がりすぎないように体をクールダウンさせるのにも役立ちます。ただし、氷のうだけで防げるわけではなく、水分補給や他の対策も併せて行うことが大事です。

くわしくは、一般財団法人日本気象協会が推進しているプロジェクト「熱中症ゼロへ」のページをご確認くださいね。

日焼けして赤くなったときに

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赤くヒリヒリするような日焼けをした肌は、なるべく早く冷やしてあげることが大切。
冷やした後は、忘れずにしっかり保湿も行ってくださいね。

冷やす際に冷却ジェルシートや冷たい湿布を使うという方もいらっしゃいますが、これらはダメージを受けた肌には刺激が強く、はがすときに痛みを伴うので、避けた方がよいでしょう。

気になる痛みの一時しのぎに

氷のうは、冷やした方がいい「痛み」の一時的な緩和にも役立ちます。
ただし、ひどい虫歯など痛みが強い場合は、冷やすとかえって痛みが増してしまうことも。
気になる痛みがある場合は、まずは医師に確認してからお使いくださいね。

スポーツをする際のアイシングに

ねんざを氷のうで冷やすアイシング

アイシング(ケガをした患部やその周辺をすぐに冷やすこと)が必要な怪我をした場合などにも、氷のうは用いられます。冷やす時間は約15~20分程度。痛みの感覚がなくなるくらいまでが目安なので、冷やしすぎにも気をつけましょう。あくまで応急処置なので、必ず整形外科医かスポーツ医を受診するようにしてくださいね。

運動直後のクールダウンや筋肉の疲労回復を早めたい場合も、冷やす時間の目安は同じです。
運動後~20分くらいを目安にアイシングをしてみましょう。

氷のうを活用しよう

氷のうを使う

氷のうは昔から発熱時などに利用されてきましたが、最近では特にスポーツシーンなどに使われることも増え、さらに活用するシーンが増えていきました。
万が一の時にすごく重宝するので、一つだけでも家庭に備えておくか作り方を知っておくと安心ですね。


参考資料

くすりの博物館「<その24>衛生器具 熱の不快を取り去る-氷嚢(ひょうのう)と氷枕-」検索日:2021/9/10
厚生労働省  検索日:2021/9/10
「スポーツ選手のための応急処置」身体運動文化フォーラム = Human movement arts forum (1), 69-82, 2006-03-31 関西大学身体運動文化学会
ナース専科「クーリング(冷罨法)とは|目的と方法〜根拠がわかる看護技術」検索日:2021/9/10
市立名寄短期大学紀要「大学病院と公立病院における小児科看護師の発熱対処行動」細野 恵子、岩元 純 2008
EPARK「子どものたんこぶの処置|冷やす?病院は何科?治らない&固くなる」検索日:2022//5/23
「疾患への理解を深める病態生理学」編著 副島昭典・小池秀海 東京医学社 2013年

※上記の資料のほか、記事内容については医師や関連研究の取材内容を元に執筆しておりますが、あくまで見解の一つであり業界の総意ではない意見も含まれることと、取材当時の情報となりますのでご了承ください。

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