規約やベランダの広さなどの問題で、なかなか外に布団を干せない近頃のマンション事情。
また、戸建てにお住まいの場合でも、天候や立地など様々な事情により屋外に布団を干せずに悩まれている方は意外と多いです。
外干しが出来ない場合、「室内でもちゃんと布団が干せるのかどうか」は気になるところですよね。
この記事では、室内での布団干しの干し方とコツ・アイデア、布団を室内干しする際のおすすめアイテムなどをご紹介します。
目次
マンションで布団を干すときの悩み
DIMSDRIVEというサイトが2016年に行った、布団干しに関するアンケートによると、3,957人の約41%にあたる1,622人が、「布団干し日和にかかわらず布団を干せない」と回答しています。
その主な理由が、以下の3つです。
休みの日に晴天にならない
先ほどのアンケートで、「布団干し日和にかかわらず布団を干せない」と回答した1,622人のうち、42.7%(681人)の人が、「仕事が休みのときしか布団を干せない」と回答しています。
そして、その日が晴天だと布団を外に干すものの、天気が悪い場合は布団干しを我慢しているという結果が出ています。
ただ、ここで勘違いされているのが、布団干しの効果。
布団を干すと、布団の中が除湿され、乾燥した空気がたまってふかふか状態になります。
これを、外で干すと得られる効果だと思っている方が大多数かもしれませんが、実は室内で干しても、同様の効果を得られます。
布団をしっかり除湿し、十分布団を乾燥させればよいので、天候が悪くても、室内でも布団を干せるのです。
布団への付着物や大気汚染が気になる
室外に布団を干すと、花粉や黄砂などがついてしまう可能性があります。
また、特に大きな道路の近くに住んでいる場合は、布団が排気ガスまみれにならないかも心配ですよね。
実際、布団たたきなどで、布団をたたいて取り除こうとしても、粒子が細かいと繊維の奥に入り込んで取れなくなります。
それが原因で、アレルギー反応や、体調に影響が出てしまうかもしれません。
そうした心配が、外に布団を干すときの悩みの一つになっています。
【花粉対策】花粉から布団を守るには?「布団乾燥機」と「布団干し袋+天日干し」対決
布団を干すスペースがない
アンケートで約20%の方が回答していますが、マンションによっては、ベランダ自体がなかったり、ベランダが狭く干すスペースがない場合があります。
そうしたところでは、室外で布団を干せません。
また、設備としてベランダはあっても、その住宅の景観維持や、他の住人への配慮などが理由で、室外で布団を干すことを禁止しているマンションもあるので、あらかじめチェックしておく必要があります。
参考資料
※インターワイヤード株式会社 DIMSDRIVE「『布団干し』に関するアンケート」検索日2021/7/29
布団干しは室内でも効果ある?
人は、寝ている間にコップ約1杯分の汗をかくといわれています。
そうした汗による水分や部屋の湿気などが、布団の内に溜まってしまうと、カビやダニなどの繁殖につながってしまいます。
布団干しは、布団の内に溜まった湿気をしっかりと乾燥させ、カビやダニなどの繁殖を防ぐという目的で行います。
反対に、まったく布団を干さないと衛生的に悪い状態になってしまいます。
そうならないために、週1回程度、室内でも布団を干し十分除湿しましょう。
風通しがよい場所で布団を乾燥させることで、布団がふっくらします。
カビが繁殖しやすい湿度は60%以上。
なので、室内を50%程度の湿度を維持すると、カビの繁殖を抑えることができるので、とても効果的です。
また、布団に付着している皮脂なども、定期的な掃除機がけで取り除けます。
そうすれば、常に清潔な布団を維持できます。
参考資料
※西川株式会社「湿気と汚れに要注意!布団のプロが教える寝具のカビ予防と対策」検索日2021/7/27
室内でも布団干しをしたほうがいい3つの理由
室内でも布団を干した方がよい理由はいくつかありますが、代表的なものを3つご紹介します。
【理由1】カビ・ダニの繁殖防止
布団に付いた汗やフケ、皮脂などを放置しているとカビやダニが大繁殖しますが、室内の風通しのよい場所で定期的に布団を干すことで、それを抑えることができます。
布団の湿気を取り除くことで部屋全体の除湿にもつながり、カビなどが発生しにくい環境になります。
【理由2】消臭効果
布団に付いた汗などが、カビの繁殖の栄養源になってしまいます。また、それを放置していると「におい」の原因にもなります。
布団を干し、布団の中の湿気を取り除くことで、その「におい」を抑えることができます。
特に梅雨などの湿気が多い時期などは、においが発生しやすいので、こまめに布団を干しておくとよいでしょう。
【理由3】安眠効果
ふっくらした布団に包まれて寝るのは、気持ちのよいものですよね?
先ほどご紹介したとおり、外ではなく室内で布団を干しても、ちゃんと除湿と乾燥さえ出来れば、ふっくらした布団になりますよ。
湿気を取り除いた軽い布団で寝ると、とてもリラックスして熟睡できます。
室内で布団干しをする方法とコツ・アイデア
室内で布団を干す方法は、晴れた日と雨の日で違います。
それぞれ干し方とそのコツ、アイデアなどをご紹介します。
晴天の日の干し方
晴れた日の室内布団干しのポイントは、部屋を換気をして、風通しの良い場所に干すことです。
まずは部屋の窓を開けて、『風の通り道』を作りましょう。
そして、折りたたみ式の布団干しアイテムに布団をかけ、風通しの良い場所で2時間ほど(片面1時間ずつ)乾燥させます。
途中で裏返すことで、布団全体をまんべんなく除湿できます。
また日当たりがよい場所に置けば、乾燥スピードがアップします。
「わが家には布団干しアイテムがない!」という場合は、ダイニングチェアで代用するというアイデアがあります。
2脚のチェアを、少し間隔をあけて並べ、背もたれの部分に布団をかけます。
内側と外側を入れ替えながら干せば、布団干しアイテムと同様の効果がありますよ。
移動が大変なマットレスは、風通しの良い場所に立てかけて乾燥させるとよいでしょう。
ただ、あまりに重くて動かせない場合は、普段からマットレスの下に除湿シートなどを敷いて使うのがよいかもしれません。
風通しがよくないときは、扇風機などを使って、周りの空気を循環させましょう。

雨天の場合の干し方
窓が開けられない雨の日は、エアコンを有効活用しましょう。
晴れた日と同様、布団を布団干しアイテムや椅子にかけ、エアコンの除湿機能を使って、湿気を取り除きます。
エアコンは部屋全体の湿気を取り除くので、除湿作業の後も、布団の乾燥状態を維持できます。
空気の循環を促す扇風機なども併用すれば、早く除湿・乾燥ができます。
雨の日に窓の近くで布団を干してしまうと、窓の隙間などから湿気が入り、除湿効果が上がりません。
なるべくエアコンなどの風が当たる場所に干しましょう。
室内干しだけで大丈夫?自宅で出来る布団のダニ対策
布団で繁殖しやすいダニの存在は、カビと同様に見過ごせないものです。
しかし、残念ながら室内での布団干しだけでは、なかなかダニを取り除けません。
ここではダニ対策についてご紹介します。
掃除機がけでダニ退治
ダニは熱に弱く、約50度の温度だとおよそ30分。60度以上だと、一瞬で死滅するといわれています。
室内で布団を干しただけでは、布団内部の温度が50度以上にならないため、布団内のダニを駆除しきれず、一部は残ってしまう可能性があります。
そんなときに活躍するのが「掃除機」です。
布団干しの際に、布団自体を掃除機がけすれば、ダニや、皮脂やフケなどを取り除くことができます。
窓を開けて換気をしたうえで、週1~2回の頻度で、ゆっくり布団に掃除機をかければ、ダニの繁殖を抑える効果が得られます。
掃除機がけにムラがあると、ダニが残ってしまう可能性があるので、両面をまんべんなく、丁寧に行いましょう。
- 掃除機がけは部屋の換気をした上で行う。
- 布団の両面を、ゆっくりと丁寧に、まんべんなく掃除機がけする。
- 頻度は週1~2回。
布団乾燥機の有効活用
掃除機がけだけだと、「本当にちゃんとダニを取り除けているのか?」と心配と思う方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときは、布団乾燥機が有効です。
布団の間にノズルを入れると、熱風が出て布団を加熱します。
一般的な布団乾燥機で、50度の温度で30分以上加熱すると、ダニ対策の効果があります。
最近の布団乾燥機には「ダニ駆除」モードがついているものがあるので、自宅に1台あると安心なアイテムです。
参考資料
※アース製薬株式会社 Dannyダニのいない生活をめざす「専門家に聞いた!家電でダニを減らすマル秘テクニック」検索日2021/7/30

室内の布団干しアイテム選びのポイント
室内で快適に布団を干すには、「布団干しアイテム選び」が重要。
ここでは、そうした布団干しアイテムの選び方のポイントを3つご紹介します。
【1】布団を干す場所の広さで選ぶ
一人暮らしのマンションやアパートなどでは、スペースに限りがありますよね。
そうした際には、使うときだけ広げ、使わないときには折りたたんで収納できる、「スタンド式の布団干しアイテム」がおすすめ。
出し入れは少し面倒ですが、スペースを有効活用できます。
また、収納性も同時にチェックしましょう!
折りたたんだときのサイズなど、コンパクトに収納できるかどうかも重要なポイントです。
【2】布団の幅で選ぶ
布団干しアイテムに布団をかけるときは、布団の幅に合わせてかける必要があります。
なので、布団の幅のサイズよりも布団干しアイテムの幅が短いと、うまく布団をかけられません。
自宅で使っている布団のサイズ(幅)を確認し、その幅に合わせて布団干しアイテムを選びましょう。
ベッド サイズ |
幅(センチ) | |
敷布団 | 掛け布団 | |
シングル | 100 | 150 |
セミ ダブル |
120 | 170 |
ダブル | 140 | 190 |
クイーン | 160 | 220 |
幅や高さなどのサイズを変えられる布団干しアイテムは、布団のサイズに合わせて調節できるので便利です。
【3】1回に干す枚数で選ぶ
家族がたくさんいると、複数の布団を一気に干したいものですよね。
扇型の布団干しは、1度に何枚も干せて便利です。
洗濯物干しとしても使えるので、梅雨の時期など、室内干しが必要なときに大活躍します。
家族の人数や干したい布団の枚数に合わせて、アイテムを選ぶようにしましょう。
おすすめの「室内用布団干しアイテム」――イチ推しはコレ!
布団干しには様々なタイプがあり、コンパクトさ・移動性・収納性など、それぞれ特徴があります。
今回もっともおすすめするアイテムは、コレ・・・【高さの替えれる室内ふとん干し】です!
このアイテムの最大の特徴であり便利でもあるポイントは、「高さが変えられる」ところです。
使う人の身長に合わせて高さを調節できるので、背が高くない方でも、重い布団を簡単にかけられます。
また、強い力を加えると倒れてしまう可能性はありますが、脚部が倒れないように広がっているのも、おすすめポイント。
小さなお子さんがいるご家庭にも、とても安心できる構造です。
思った以上活躍するのが、ストッパー付きのキャスター。
布団を干したまま、風の通りなどに合わせて移動させられるのはかなり便利です。
強いていえば、布団の幅のサイズに合わせて、ポールが伸長すれば、さらに使いやすかったかもしれませんね。
わが家でも愛用中の布団干しアイテム
筆者は実際にこのアイテムを使い、室内のエアコンが直接当たる場所で、扇風機を併用しながら布団を干しています。
布団の両面を、約1時間ずつ干すと、布団がかなりふっくらし、軽く感じるようになります。
子ども達からも「干した後の布団の肌触りがよい」と、とても好評です。
その他のおすすめの室内の布団干しアイテム3選
先程ご紹介したアイテム以外に、おすすめを3つご紹介します。
これらも、それぞれ特徴的なメリットをもつアイテムなので、部屋の特性や干す布団の量に合ったものを選んでくださいね。
アイリスオーヤマ 物干し ASF-4R
扇型に広げられる布団干しで、最大4枚まで干すことができます。
太めのパイプで頑丈にできていて安定感がありますが、少し重く感じるかもしれません。
アイリスオーヤマ ふとん干し
2.2キロととても軽量ですが、伸長式の竿を伸ばせば、布団を2枚まで干すことができます。
普段は、部屋干し用の洗濯物がけとしても使えます。
平安伸銅工業 X型室内用物干し
シンプルな形状で華奢な感じがしますが、布団をかけても問題ない強度があります。
簡単に組み立てられるのも特徴。コンパクトに収納できるのも魅力です。
布団の室内干しについてのまとめ
雨など天候のせいだけでなく、住環境やルールの問題などでなかなか外に布団を干せない昨今。
室内用の布団干しは、マンション生活の必需アイテムといっても過言ではありません。
色々な制約がある中で使わなければならないからこそ、こういったアイテムは部屋やニーズに合うものを選びたいものです。
この記事が、あなたにとってのベストアイテムに出会う機会になればうれしいです。
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