夏の暑い日はできればお出かけは避けたいもの。
でも、小さい子供を抱えていると、おむつを買いに行ったり、公園へお出かけしたりと、なかなかそうもいかないですよね。
最も暑い昼間の時間を避けたとしても、太陽が照り付けたアスファルトは夕方まで高温のまま。
大人よりも地面に近い赤ちゃんや小さな子供は、大人よりも熱中症や脱水になる危険性が高いです。特に、体温調節が上手にできない赤ちゃんは要注意。
今回は赤ちゃんや小さな子供でも使える熱中症対策グッズをご紹介します。
「子供は汗かきだから少々は大丈夫だろう」なんて思わず、万が一の危険に備えてしっかりと対策してあげてくださいね。
目次
赤ちゃんや小さな子供が熱中症になりやすい状況って?
赤ちゃんや小さな子供は、熱しやすく冷めやすい体格特性があります。
環境省の「熱中症環境保健マニュアル」でも、「体温調節能力がまだ十分に発達していないため熱中症のリスクが高くなる」といった注意喚起がされています。
特に、暑い日は体の「深部体温」が大きく上昇することで、熱中症リスクが高まるとされています。
よく晴れた夏の日、日差しでアスファルトが焼けると、地面に近いほど気温は高温になります。
そのため、身長の低い子供やベビーカーに乗った赤ちゃんは、大人よりも危険な状態になりやすいんです。
通常気温は150cmの高さで測りますが、東京都心で気温が32.3℃だったとき、幼児の身長である50cmの高さでは35℃を超えています。
また、さらに地面に近い5cmは36℃以上でした。
大人が暑いと感じている時は、幼児はさらに高温の環境にいることになります。
(引用:熱中症環境保健マニュアル 2018)
このような調査結果もあるので、子供が体感している気温には十分注意する必要があります。
真夏だけじゃない!熱中症は初夏や梅雨明けも警戒
熱中症は真夏だけではなく、初夏や梅雨明けなどにかかる可能性もあります。
急激に気温が上昇することで身体が暑さについていかず、熱をうまく放出できないことが原因です。
暑さに慣れる機会が少ない冷夏の場合は、あまり気温が高くなくても熱中症になる危険があるので早めに注意し始めるようにしましょう。
参考資料
※環境省 熱中症予防情報サイト「熱中症環境保健マニュアル 2018」検索日2021/5/3
注意すべき赤ちゃんの「熱中症のサイン」
お話ができるようになる2~3歳ころであれば「暑い」「のどが渇いた」など自分の欲求を周りに伝えることができます。
しかし、それより小さい赤ちゃんの場合は、熱中症の初期症状である「のどが渇いた」を大人に伝えることができません。
そのため、パパやママなど周りの大人がしっかりと様子を観察してあげることがとても重要です。
注意すべき「熱中症のサイン」をいくつか上げておきますので、頭に入れておいてくださいね。
赤ちゃんの熱中症のサインは主に5つあります。
- 頬が赤く体に触れると熱い
- 母乳やミルクをいつもより飲みたがる
- おしっこが少ない
- 何となく機嫌が悪い
- 元気がない
すべての症状が熱中症につながるわけではありませんが、まずは熱中症かな?と考えることが大切ですよ。
【1】頬が赤く体に触れると熱い
抱っこしたとき、いつもより少し体温が高いかなと感じる程度でも一度熱を計ってみると分かりやすいですよ。
赤ちゃんの体温が38度を超えたら注意が必要です。
【2】母乳やミルクをいつもより飲みたがる
暑い日は身体の水分が奪われるので大人でものどが渇きます。身体の水分が多い赤ちゃんなら尚更です。
母乳やミルクをいつもより飲みたがるしぐさは赤ちゃんからの「のどが乾いた」というサインです。
【3】おしっこが少ない
身体に水分が足りているかどうかは、おしっこの量で見分けることができます。
赤ちゃんの場合であれば、おむつが濡れているか、いつもより濡れが少ないかどうかに気を配りましょう。
【4】何となく機嫌が悪い
抱っこしても・母乳やミルクを飲ませても泣き止まない、お昼寝できないなど、いつもより何となく機嫌が悪いかな、と感じたら注意が必要です。
【5】元気がない
お気に入りのおもちゃで遊ばない、笑顔が少ない、いつもより動きが鈍いなど、元気がない場合は特に注意が必要。
呼びかけに反応しないほど元気がない場合や、時間になっても母乳やミルクを飲まないなど水分補給ができない場合は大変危険な状態です。
このようなサインが出たら、むりやり水分を取らせることはやめ、すぐに医療機関を受診しましょう。
赤ちゃんや子供とのお出かけ時に効果的な熱中症対策方法
熱中症対策として大切なのは体調管理です。
疲れや空腹、睡眠不足は熱中症のリスクを高めます。
朝ごはんをしっかり食べ、エネルギー補給後に活動するようにします。
体調管理を万全にしていても、屋外に出かけるときにはしっかりと熱中症対策をしましょう。
ここでは赤ちゃんや子供と出かける際に気を付けてほしい熱中症対策のポイントを5つご紹介します。
お出かけするときの熱中症対策【1】日陰を歩く
日向と日陰で気温差はほとんどありませんが、路面の表面温度が大きく違います。
ベビーカーに乗った赤ちゃんや小さな子供の場合は、この路面温度で体感に大きな差がでます。
できるだけ日陰を歩いて涼しく過ごさせてあげてくださいね。
お出かけするときの熱中症対策【2】ベビーカーの日よけを使う
夏の暑い日差しは熱中症のリスクを高めるだけでなく、赤ちゃんの柔らかい肌にもダメージを与えます。
できるだけ日よけを使って直射日光を避けましょう。
お出かけするときの熱中症対策【3】こまめな水分補給をする
こまめに水分補給をして身体の水分を補いましょう。
保冷機能がついた水筒や赤ちゃん用のマグ、いつでも授乳ができるようケープなどの準備も忘れずに行ってくださいね。
お出かけするときの熱中症対策【4】帽子をかぶせる
帽子をかぶって日差しから頭を守るのは特に重要。
脳は体温調節をする器官なので、頭を守ることで汗をかくなどの体温調節がうまくいきます。
お出かけ時は、帽子をかぶせて直射日光から頭を守りましょう。
お出かけするときの熱中症対策【5】冷感グッズなどを使う
ベビーカーは路面の熱を受けやすく、中に風が当たりにくい特徴があります。
保冷剤をタオルに巻いて首や背中の当たる部分に設置たり、ベビーカー用の扇風機を使ったりして赤ちゃんの快適をサポートしてあげてくださいね。
最近ではベビーカー用の保冷シートや冷感タオルなど、便利な冷感グッズが販売されています。それらを上手に使うと、より快適に楽しめますよ。
気になる方は「赤ちゃんや子供におすすめの熱中症対策グッズ」を参考にしてください。
赤ちゃんや子供を熱中症から守るために
熱中症にならないためには、気温が高い時間帯は外出しないのがおすすめです。
しかしそうもいかないときは、しっかりと熱中症対策をして赤ちゃんの健康を守ってあげてくださいね。
また、部屋の中であっても気温が高ければ熱中症になる可能性はあります。
エアコンを上手に使って、室温を調節しましょう。
このとき、エアコンからの風が直接赤ちゃんの身体に当たらないよう配慮してくださいね。
お昼寝はゴザを敷いた床や畳の上など、風通しのよい場所を選びましょう。
夏用のお昼寝布団や綿素材の衣服なら適度に汗を吸ってくれるので、赤ちゃんも快適に過ごせますよ。
赤ちゃんや子供におすすめの熱中症対策グッズ13選
2人の子供を持つ著者が、実体験から「お出かけのときにあると本当に助かる」と思うグッズを種類ごとにセレクトしました。
屋外だけでなく家の中で使えるグッズもあるので、赤ちゃんの成長度合いや必要に応じてそろえておくと便利ですよ。
お出かけ先で慌てないよう、時間があるときに準備しておいてくださいね。
赤ちゃんや子供向け熱中症対策グッズ【1】冷感グッズ
まずは触るだけでひんやり冷たさを感じることができる冷感グッズをいくつかご紹介します。
●ベビーカー用冷感シート・マット
保冷剤をわざわざタオルで包んで、ちょうどいい位置に設置するのって実は結構手間がかかります。
完璧に設置したつもりでも、使っているうちにズレてきたり、赤ちゃんが濡れてしまったり…。
そんな手間を省いてくれるのがベビーカーに設置できる冷感シートやマット。
洗濯することもできるので清潔に使えるのも魅力です。
●抱っこ紐用保冷パッド
パパ・ママと赤ちゃんが密着する抱っこ紐は、さほど気温が高くなくてもとにかく暑いですよね。
両手が使えて便利な反面、熱中症のリスクを考えると、暑い日はどうしても敬遠しがちです。
そこで便利なのが抱っこ紐の内側に取り付けできる保冷パッド。
赤ちゃんが汗をかきやすい背中を冷やしてくれるお役立ちアイテムです。
取り付け方次第では、チャイルドシートやベビーカーにも使えますよ。
●冷感タオル
自分で歩けるようになったころの小さな子供の場合は、冷感タオルが便利です。
水で濡らすだけで冷たくなるので公園などでもすぐに使うことができますよ。
首に巻いて使ったり、顔を拭いたりと使い勝手が良いのも特徴です。
専用ボトル付きなら、濡れた状態でもマザーバッグなどに入れて持ち運べるのでおすすめです。
●冷感ブランケット
かけたり巻いたり、おむつ替えのときに敷いたりと、赤ちゃんとのお出かけにブランケットはマストなアイテムです。
家ではお昼寝用に使えますし、冬は保温用・夏は冷感用、洗い替え用と複数枚持っておいてもOK。
外では日よけとして、冷房の効いた場所では寒さ対策としても活躍しますよ。
暑い日に使うなら、通気性の良いものを選ぶのがおすすめです。
●冷感敷きパッド
赤ちゃんと過ごす夏、意外と難しいのが家にいるときの室温調節です。
「赤ちゃんは暑がり」と言うけどエアコンの設定温度が低すぎると寒くなったりするし、実際にどれくらいの温度に設定すれば良いのかよく分からない、というのがパパ・ママの本音ではないでしょうか。
特に寝ている赤ちゃんは、たくさんの汗をかきます。
そこで活躍するのが、ベビー布団の上に敷くだけで快適な眠りを誘う冷感敷きパッドです。
ひんやり・さらさらとした肌触りで、赤ちゃんもぐっすり寝てくれますよ。
赤ちゃんや子供向け熱中症対策グッズ【2】紫外線カットグッズ
続いてご紹介するのは、赤ちゃんや子供を日差しから守ってくれる紫外線カットグッズです。
●遮熱シート・サンシェード
車でお出かけをするとき、窓から入る日差しで赤ちゃんがぐずって困った、という経験を持つパパ・ママは多いのではないでしょうか。
暑くても「暑い」と言えない赤ちゃんは泣くことでしか不快感を伝えられません。
運転中だとどうしてあげることもできず、ただただ胸を痛めることになります。
今は、車自体にあらかじめ日よけが装備されている車種もあり、日よけだけなら100円均一でも買えます。
ですが、遮光のみなので、暑い日の対策としては不十分です。
熱中症対策なら遮光・遮熱機能付きを用意することをおすすめします。
●日よけ・ベビー帽子
赤ちゃんや小さな子供用の帽子で熱中症対策をするなら、つばが広いもの・フラップが付いたものがおすすめです。
特に首の後ろが暑くなると体温が上がりやすくなりますので、しっかりと日差しをガードしましょう。
風で飛んだり、赤ちゃんが落としたりしないように、あご紐が付いたものを選ぶとGOODですよ。
通気性の良い素材を選び・洗濯機で洗えるかどうかにも注目しましょう。
赤ちゃんや子供向け熱中症対策グッズ【3】水分補給グッズ
何度もご紹介しているように、赤ちゃんはたくさん汗をかきますので、夏の暑い日のお出かけに水分補給はとても大切です。
そのため、水分補給グッズもしっかり準備しておきましょう。
●ベビーストローマグ
次のミルクまでの水分補給や、お乳トラブルのときなど、生後5か月ごろを過ぎればカフェインフリーの麦茶やベビー用飲料を飲ませる機会もありますよね。
授乳できればいいのですが、お出かけ先によっては授乳しにくい場所もあるでしょう。
そんなときに役立つのがストローマグです。
ストローと言っても、哺乳瓶の乳首のような形状のものから、ストロー型、直接口をつけて飲めるものまで、成長に合わせて使えるのがこのアイテム最大の特徴です。
保冷機能が付いたものなら赤ちゃんのクールダウンにも役立ちますよ。
●イオン飲料
生後3ヶ月から飲むことができるイオン飲料は、ベビー用品売り場で見かけたことがある方も多いはず。
飲みやすいほのかなりんご風味で、赤ちゃんもしっかりと飲んでくれますよ。
汗で失われる水分やイオンを補給できる熱中症対策にぴったりのアイテムです。
紙パックに入っているので、バッグにそのまま入れておけるだけでなく、常温で保存できる点もうれしいポイント。
著者も子供の急な発熱用やお出かけ用として常備しています。
赤ちゃんや子供向け熱中症対策グッズ【4】ベビーカー関連グッズ
赤ちゃんとのお出かけに欠かせないベビーカーに関連したグッズもあります。
●ハイシートベビーカー
著者は使ったことがありませんが、シートの位置が高いハイシートベビーカーなら、路面からの熱が伝わりにくいそうです。
赤ちゃんを乗せたり降ろしたりするだけではなく、荷物の出し入れも楽々できそうです。
●ベビーカー用のサンシェード
一般的にベビーカーには幌が付いていますが、幌で日差しをガードできるのは赤ちゃんの頭から胸あたりまで。
それだけでは、可愛い足が夏の強い日差しにあたってしまいます。
そこで、前面からも日差しをカットできるアイテムが販売されています。
著者はブランケットで対応していますが、こちらも熱中症対策に有効なアイテムとして使えそうです。
●ベビーケープ
ベビーカーに乗った赤ちゃんにかけてあげることで、日よけとして使えるのがベビーケープです。
抱っこ紐にも取り付けられるものなら、抱っこした赤ちゃんも日差しから守ることができます。
さらに、ひんやり素材でできているものなら冷感グッズとしても使うことができますよ。
●小型扇風機
ベビーカーやチャイルドシートに取り付けて使える小型の扇風機は、穏やかな風を赤ちゃんに送ることができる熱中症対策にぴったりのアイテムです。
万が一赤ちゃんが触っても安心な、柔らかい羽根のものや羽根なしのものがおすすめ。
手持ちで使えるので、パパやママが暑い時も便利ですよ。
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正しい熱中症対策で夏を楽しもう
赤ちゃんや小さな子供の熱中症グッズについて見てきましたがいかがでしたか?
赤ちゃんの体調が変化したときは、周りの大人が常に気を配り、早い段階で熱中症を疑うことが大切です。
暑くなる時間のお出かけは避け、こまめな水分補給や今回ご紹介した熱中症対策グッズを上手に使って、しっかりと対策をしましょう。
正しい知識と事前の準備で、赤ちゃんと一緒に快適な夏を楽しんでくださいね。


