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【完全版】窓用断熱シートVS気泡緩衝材(プチプチ)!窓に断熱シートを貼る効果は?
真冬に「なんだかエアコンの効きが悪いなあ」と感じて設定温度を高くしたり、エアコンだけなくファンヒーターを使ってみたりした経験はありませんか?
暖房をつけてもなかなか部屋が温まらなくて困ってる人って、意外と多いはず…。
暖房器具に頼りすぎるのはよくないですが、寒さを我慢するのは嫌ですよね。
その寒さ、もしかしたら窓からくる冷気が原因かもしれません。
そこで今回は、数ある防寒グッズの種類の中でも、窓際の寒さを防いでくれる便利アイテムについての比較実験・検証をしていきます♪
防寒グッズを利用したエコライフは電気代の節約につながるので、お財布にもうれしいですよ。
それでは、さっそく詳しくみていきましょう!

窓際の寒さ対策の鉄板!「窓用断熱シート」とは?

ホームセンターなどで、こんなシートが売られているのを見たことはないでしょうか?
これは窓用断熱シート。窓に貼りつけると、窓からの冷気をシャットアウトしてくれます。
シートは大抵三層構造で、中には空気層を含んでいます。
このような複層構造が断熱効果を発揮し、窓から部屋に伝わるの外の寒さや暑さを感じにくくしてくれます。

窓用断熱シートには、冬だけでなくオールシーズン使えるタイプもあります。
夏場、強い西日が当たる窓があると部屋全体が蒸し暑くなってしまいますが、窓用断熱シートを貼っておけば暑さも入り込みにくくなります。
夏でも冬でも活躍するのが窓用断熱シートなんです。
窓の結露も防ぐ
窓用断熱シートは窓ガラスの表面温度の低下をおさえてくれるので、屋外と屋内の温度差で生まれる結露を防ぐことも可能。
結露がひどいと、カーテンや窓際の床にカビが発生するリスクが高くなります。
室内も快適に、窓際のお手入れも楽になるので一石二鳥です。
日焼けや外からの視線が気になる時も効果的
窓用断熱シートには他にも様々なメリットがあります。
窓ガラスに直接貼るので、外から室内が見えにくくなり、外からの視線を感じにくくなるのはうれしいポイントですね。
道路に面しているお部屋に、目隠し目的で導入するのもおすすめです。
また、窓から差し込む日差しで大切な家具が日焼けしてしまうのを防ぐという効果も!
窓用断熱シートによって窓に貼った時の「景色の見え方」が異なるので、どのくらい透けるかを購入する前に確認しておくとよさそうです。
オールシーズン用も定期的に張替えを
オールシーズン使えるタイプでも、窓に貼りっぱなしにしておくと徐々に断熱シートの性能が衰えてしまいます。暑さや寒さが気にならない季節は外し、半年に1回程度に交換するようにしてください。
窓用断熱シートは種類が豊富!

こちらは、オーソドックスなタイプの窓用断熱シートです。
窓際の断熱だけでなく、結露を防いでくれる効果もあるのがポイント。
写真は厚さ7mmのタイプですが、厚さ2mm~4mmのタイプも人気です。
他にも、おしゃれな柄が入っているものや、すりガラスや複層ガラスなど特殊なガラスに貼れるものなどがあり、意外と種類は豊富です。
そんな窓用断熱シート、使ってみたことがない人は「本当に効果があるの?」と疑問に思われるかもしれません。
また、窓全体に貼るのはなかなか重労働のように感じますが、だれでも簡単に貼ることはできるのでしょうか。
というわけで、今回は編集部の撮影室で、窓用断熱シートを実際に使ってみました。
本当に簡単?窓用断熱シートの貼り方・剥がし方
窓用断熱シートの貼り方には「シールタイプ」と「水で貼るタイプ」の2種類があります。
シールタイプ
粘着シールで貼っていく。しっかり貼ると剥がれにくいが、貼り直しを繰り返すと粘着力が落ちる。窓にシールの跡が残ってしまう場合も。
水で貼るタイプ
霧吹きを用意する必要があるが、1人でも貼りやすい。糊残りもしにくく再利用可能なので剥がして何度でも使える。
今回は「水で貼るタイプ」を実際に撮影室の窓に貼ってみたいと思います。
窓用断熱シートの貼り方

手順1.窓のサイズに合わせてカット
用意するものはハサミと霧吹きだけ。
窓用断熱シートを貼る前に、まず窓のサイズに合わせてハサミでカットします。
気泡緩衝材より素材がしっかりしているので、スルスルっと切れました!

手順2.窓を霧吹きで湿らせる
続いて、窓ガラスに霧吹きでまんべんなく水をかけます。
水が垂れるくらい、たっぷり湿らせます。

手順3.断熱シートを貼る
窓のサイズにカットした断熱シートを当てると、水のチカラでぴたっと吸着して気持ちいいくらい吸いつくように貼れます。

手順4.定着させる
あとは、断熱シートを手のひらで伸ばします。

これで完了です。作業時間は5分もかかりませんでした。
断熱シートの貼り方は動画でもチェックできます。
水で貼るタイプの断熱シートは何度でも貼り直せる

水で貼るタイプは水だけで貼り付けているので、失敗しても何度でも貼り直せるのが大きなメリット。
大きな窓に1人で貼るのは大変なので、やり直しができるものは安心ですね。
剥がす方法も簡単で、シールの跡が残る心配もなし!
窓に貼る前と貼った後ではどう変わる?

窓の向こうの景色は見えにくくなりましたが、眺めが気になる方には、厚みのすくないタイプもあります。
こちらは、オールシーズン使えるタイプ。
何も貼らない状態の窓と比べると透明さは落ちますが、すりガラス程度です。
無事に窓に貼ることができたので、次は窓に貼った時の「見た目」や窓際の「温度変化」などを比較してみたいと思います!
窓用断熱シート比較【1】窓に貼った時の「見た目」比較
今回比較するアイテムはこちらの3アイテム。
- 厚さ7mmの窓用断熱シート
- オールシーズン使える断熱シート
- 気泡緩衝材
写真を見て気づかれた方も多いかと思うのですが、この窓用断熱シート、見た目は気泡緩衝材(プチプチ)にそっくりなんです!

気泡緩衝材というのは、こちら。
荷物を梱包する時に使われるポリエチレンシートです。通称「プチプチ」。
割れ物のお皿や、電化製品を買ったときに、こういうシートが周りに巻かれているところ、見たことありますよね。

窓用断熱シートと気泡緩衝材を並べてみました。
左側が厚さ7mmの窓用断熱シート、右側が梱包用の気泡緩衝材です。
素人目には、粒の大きさと厚み以外の違いが分かりません。
もしかすると、窓用断熱シートを気泡緩衝材で代用することは可能なのでは?
というわけで、気泡緩衝材も水を使って窓に貼ってみることにしました。

気泡緩衝材を窓のサイズに合わせてカットして、窓用断熱シートを貼った時と同じように水で窓に貼り付けます。
すると、粘着機能がないはずの気泡緩衝材が窓にぴったり貼り付きました。気泡緩衝材にこんな力があったとは…。
ただし、見た目は気泡緩衝材なので、ちょっと貧乏臭いでしょうか。
2種類の窓用断熱シートと並べてみて、窓に貼った時の違いを見比べてみました。
窓に貼った時のシートの見た目と「景色の見え方」

見た目も似ている分、厚さ7mmの窓用断熱シートと気泡緩衝材はほとんど同じに見えます。
一方、オールシーズン使える断熱シートは1つだけ印象が異なります。
夏にも使えるオールシーズン用の断熱シートは窓の外がクリアに見えますが、粒が細かい気泡緩衝材は、向こう側がほとんど見えません。
外の光が入りにくいので、部屋の中も少し暗くなった印象がありました。
リビングなどに分厚い窓用断熱シートや気泡緩衝材を貼ると、お部屋全体が暗くなってしまうかもしれません。
一方で、外からの視線を遮ったり、家具の日焼けを防いだりするにはある程度厚みがある方がよいと思います。
窓用断熱シート比較【2】窓際の「温度変化」比較

貼り方や見た目以上に、「気泡緩衝材でも窓用断熱シートと同じ断熱効果が得られるのか」、は気になるポイントですよね。
気になる断熱効果を知るために、窓際に温度計を置いて試してみました。
窓際の「温度変化」比較実験の手順
まずは温度変化を比較する実験の手順をお伝えします。

手順1.室温を18度になるまで上げる
シートを窓に貼って、エアコンをON。
窓際に置いた温度計が18度になるまで、室温を上げます。
18度になるまで部屋を暖めたところで、エアコンの電源を切ります。
手順2.3回に分けて室温をチェック
スタート時、30分後、1時間後の温度を測ります。
時間によって外の温度が変わることを考えて、外の気温も測り、その温度差をチェック。
手順3.外気温と室温の温度差をチェック
外気温と室温の温度差が大きければ大きいほど断熱効果が高いと言えます。
窓に断熱材を取り付けることで室内の暖かさが外に逃げるのをおさえられるので、外の気温との温度差は大きくなるはず。
断熱シートの効果が低ければ、室内の暖かさは窓を通して外に逃げてしまうので、外の気温との差が縮まるということになります。
一番断熱効果が高い断熱シートの予想
編集部では、1位は厚さ7mmの窓用断熱シートではないかと予想しました。
この予想には根拠があります。

以前、床用断熱シートの保温力比較を実施した際、保温力の高さ=断熱材の厚さということを確認しました。
床用断熱シートはアルミ蒸着フィルムと発泡ポリエチレン層が組み合わさったもので、発泡ポリエチレン層には空気を含んで熱が逃げるのをガードするという性質があります。
つまり、発泡ポリエチレン層が分厚いものほど、高い断熱効果を発揮するというわけです。
同じ断熱シートである以上、より熱が逃げるのを防ぐには断熱シートの分厚さがカギとなるはず。
果たして、予想通りの結果になっていたのでしょうか。
実験結果をまとめてみました。
窓用の断熱シートvs気泡緩衝材、気になる断熱効果は?

グラフで表したのは、外気温と室温の温度差です。
- オレンジの線…厚さ7mmの窓用断熱シート
- 水色の線…オールシーズン使える断熱シート
- 黄緑の線…気泡緩衝材
スタートから開始30分まで、厚さ7mmの窓用断熱シートは予想通り1位。
室内の温度を、他の断熱シートより高くキープすることができました。
しかし、最下位の気泡緩衝材と比べると、その差は平均でわずか1.4度。
一番差が小さい時は、わずか0.9度の差しかありませんでした。
また、断熱効果には断熱シートの分厚さがカギとなるという予想に反し、1時間後には薄いオールシーズン使える断熱シートとほぼ同じという結果に。
こんなに差が出ないとは誰も予想していませんでした。
窓用断熱シートは本当に断熱効果がある?
気泡緩衝材は大健闘ですが、窓専用の断熱シートのほうは、正直期待ハズレ。
こうなってくると、「気泡緩衝材とそこまで断熱効果が変わらないなんて、そもそも窓用断熱シートは本当に室内を暖かくしてくれているの?」という新しい疑問も浮かんできます。
この疑問を解消するべく、「断熱シートを剥がした後にどれだけ室温が下がるか」をさらに実験してみました。

窓から断熱シートを剥がした途端、窓から冷気が押し寄せてきます。
窓際の温度は、あっという間に10.3度から9.8度まで下がりました。
窓からの冷気が入り込むだけでエアコンの効き悪くなったと感じ、断熱シートを貼っていた状態のほうが部屋が暖まるのが早いと感じました。
たった1枚の断熱シートを貼っているかいないかで、部屋にいる時の体感温度やエアコンの効きはかなり違うということが分かりました。
今回の実験の様子は動画でも見ることができます。
「断熱シートの貼り方」も一緒に紹介しているので、あわせてチェックしてみてくださいね。
【実験結果】窓際の冷気対策アイテムの選び方まとめ
今回の実験で分かったことを踏まえ、窓際の冷気対策アイテムを選ぶときのポイントをまとめてみました。
注視していただきたいポイントは4つあります。
【ポイント1】断熱効果の高さ
断熱シートは厚ければ厚いほど、お部屋の暖かさをキープできます。
そのため、7mm程度厚みのある断熱シートが一番おすすめです。
しかし、窓用断熱シートをわざわざ用意するのが面倒だと感じるなら、梱包用の気泡緩衝材を窓に1枚貼るだけでも、断熱効果は期待できます!
【ポイント2】貼ったときの見た目・明るさ
見た目や明るさを気にするなら、気泡緩衝材は貧乏臭いかんじがするのであまりおすすめできません。

今回の実験では使用していませんが、窓用断熱シートの中にはレース柄やステンドグラス柄など、デザイン性に富んだものがたくさんあります。
また、窓用断熱シートは厚みや柄によって、窓に貼った時の明るさにも違いがありました。
厚みのある断熱シートの場合は外の光が入りにくくなり、お部屋全体が暗くなってしまうことも。
ただし、厚みのある断熱シートは「外からの視線を遮る」「家具の日焼けを防ぐ」といった効果もあるので、適材適所で使い分けるようにしましょう。
【ポイント3】価格
できる限り予算をかけずに部屋を暖かくしたい!というコスパ重視の方は、気泡緩衝材を窓に貼るのも1つの手です。
断熱効果の比較実験では、窓用断熱シートに若干劣るものの、しっかり断熱効果があるということが証明されました。
「水で貼るタイプ」の断熱シートと同じく水だけで貼ったり剥がしたりできるのも魅力的ですね。
梱包材を再利用しても良し、ホームセンター等で新品を必要なサイズ分買うも良し。
ぜひお家の窓で試してみていただければと思います。
【ポイント4】特殊な窓にも対応しているか

実験では紹介していませんが、すりガラスやワイヤー入りガラス、複層ガラスなどをお使いの場合は、窓用断熱シートを使えない場合があります。
断熱シートを貼ってしまうとシートとガラスの間に熱が籠るので、ガラスが割れてしまうことがあるようです。
これは気泡緩衝材にも同じことが言えるので、お家の窓ガラスの種類はしっかり確認しましょう。
ただし、窓用断熱シートの中には「すりガラス対応」のものなど、特殊な窓に貼ることができるものも販売されています。
窓からの冷気を防いでエコな冬を
なんといっても、窓は家の中で一番熱が逃げやすい場所。
窓からの冷気を防ぐだけでエアコンの効きが良くなったと感じられ、暖房費の節約にもつながります。
ぜひ「窓の断熱」を試してみてくださいね。