神奈川県在住。文章を書くのが苦手だったことから、克服するためにライティングを勉強。それがいつのまにか本職になってしまう。2016年、鎌倉市に引越したことをきっかけに、学生時代から勉強してきた知識を生かして写真教室の運営を開始。鎌倉を拠点にしながら各地でワークショップ、講演会を行う。趣味は韓国語、刺し子、編み物、ビーチコーミング、お料理等。2018年に出産し、現在は一児のママ。
だんだんと寒くなるこの季節……。冬は、色々と溜め込みやすい時期だと言われています。動物が冬眠する際にたくさんの食べ物を身体に取り込むように、人間の体も、冬はいろんなものを溜め込んでしまうのです。
寒い時期に発生するこれらの不調。実は、「黒い食材」を取り入れることで整えることができます。今回は「黒い食べ物」による食養生についてご紹介していきましょう。
冬の養生に【腎】を整える「黒い食べ物」がいいワケ
冬になると、「手足が冷えやすくなる」「なんだかだるい」「不眠がちになる」「便秘や下痢になりやすい」など、不調を感じることはありませんか?
なんとなく「自律神経が乱れているな」と、感じている人もいるかもしれませんね。
東洋医学の考えでは、冬は「腎」が弱まりやすい季節と考えられています。
この「腎」が弱まると、疲れやすくなったり冷えに悩んだり……。また、白髪や抜け毛、頻尿などさまざまな不調があらわれやすくなるそうです。
毎年、このような体の不調に悩むことがあるという人は、寒くなる前の季節から冬養生の対策を始めるのがおすすめです。
冬養生にいいとされている黒い食べ物とは、
- 海藻(ひじき、わかめ、昆布、海苔)
- 黒豆、黒ごま、小豆、クルミ
- きくらげ、しいたけ
- 黒米、玄米
- そば
- 黒酢
- 醤油
- 味噌
などです。見た目に黒っぽい食材が多いのは、見ただけでもおわかりいただけますよね?
これらの黒い食材に含まれる色素には、アントシアニン、ルチンなどのポリフェノールや栄養素が豊富に含まれています。それぞれ身体を温めたり、造血作用を促進したりする働きがあり、冬の不調を整えるのに一役買ってくれる食材です。
黒い食材には他にも、抗酸化作用や血圧抑制、内臓脂肪を減らすなど、さまざまな健康効果が期待できるものが含まれています。
上記に挙げたような黒い食材を積極的に取り入れれば、つらい冷えや血行不良などによる身体の不調をケアできるようになりますよ。
【ススメ1】簡単に毎日「黒食材」をとりいれるため食べ方
食材にはさまざまな色があり、赤・黃・緑など、彩りよく食材をとり入れることが、栄養学的にもよいとされていますよね。
ただ、これは私も経験があるのですが、「彩りの良さ」を優先してしまうと、黒い食材のことは忘れがちになることも……。
食生活を振り返ってみると、中には、家の中に黒い食材が全くストックされていない! なんて人もいるかもしれません。
ただ、黒い食材の多くは、海藻や黒豆、そばや醤油など、長期保存ができるものばかり。乾物が多く、ストックにうってつけ。毎日の献立を考えるのにも役立ちます。
また、簡単に毎日の食事にプラスできるものが多いので、実は一度生活の中に取り入れてしまうと、簡単に習慣化することができます。
忙しい朝は、簡単に作れる「ふりかけ」
朝のあわただしい食卓に黒い食材をプラスするなら、のりやごまなどの乾物を活用しましょう。そのまま白米などと一緒に食べてもいいですが、ちょっと工夫をするなら自家製の「ふりかけ」を作っておくと便利。お弁当にも活用できます。作り方は簡単とても簡単。
<自家製「黒食材のふりかけ」の作り方>
- 黒ごま・白ごまをフライパンでいります。
- その後、塩か醤油で味付けをします。このとき、醤油は焦げてしまうので、一旦火を止めて予熱で水分を飛ばすのがポイント。
- できたら容器に保存します。香りが飛びやすいので、密閉容器できるものがおすすめです。
1週間程度で食べきるのがベター。
のりを入れたり、かつお節をプラスしたりして、自分なりのアレンジも楽しんでみてくださいね。
毎日、手軽に取り入れるなら「海藻のお味噌汁」
お味噌も黒い食材のひとつに数えられます。お味噌汁なら毎日でも食べられますよね。お味噌汁はインスタントのものも種類豊富なので、お料理が苦手な方にもおすすめです。
わかめは黒い食材でもあり、お味噌汁の定番の具。乾燥わかめなどを活用すれば、インスタントのお味噌汁でも食養生ができてしまいます。
白ご飯を「雑穀米」に
毎日食べる白いごはんを「雑穀米」にするのもおすすめです。黒い食材のひとつ「黒米」や「玄米」だけなら食べにくいものの、それらが混じった「雑穀米」なら白ご飯と同じ感覚で食べられるからです。
雑穀米といえば「米・麦・あわ・きび・豆類の5種類が入った「五穀米」を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、最近では「黒豆」が混じったものや様々なスーパーフードが混じったものも当時状しています。中には十穀米から三十穀米なんていうのも。
白いご飯を食べるのと同じような味・食感で食べられるものも多いので、抵抗なくとりいれられるはずです。「ごはん」は毎日食卓に必ず並ぶものなので、黒い食材を意識しなくてもとれるのもおすすめする理由です。
【ススメ2】心も体もリラックスできる「黒のホットドリンク」
寒くなると体が冷えますよね。実は、冷えは身体にとっては大きなストレス。温かいお風呂であたたまると体の緊張が緩んでホッとするように、寒くなる季節はホッと温まるリラックスタイムを用意するようにするのが大切です。
ストレスは万病のもと。ここでも黒い食材を活用し、より冬養生となるように工夫しましょう。
とっても簡単にできる「黒豆茶」
最近は「黒豆茶」という商品名でも売っているのを見かけますが、煎り黒豆とお湯さえあれば、気軽に作って飲むことができます。
ポリフェノールたっぷりの黒豆。毎日でも飲みたい一杯です
<黒豆茶の作り方>
- 黒豆7~10粒程度をカップに入れる
- そして、お湯を注ぐだけ
香ばしいいい匂いが、嗅覚でもほっこりさせてくれます。ちなみに、出しガラとなるお豆もおいしくいただけますよ。
黒豆茶が飲みにくいと感じる方は、ほうじ茶や紅茶などに黒豆を浮かべてみるのもおすすめです。渋みが加わることで、飲みやすく感じられるでしょう。
就寝前やおやつに!「黒ごまホットミルク」
黒ごまのふりかけをご紹介しましたが、黒ごまはドリンクにするのもおすすです。
甘味を加えておやつ代わりに飲むのもよし、寝る前のホットミルク代わりに飲むのもよし。
心も体も癒してくれる一杯です。
<黒ごまホットミルクの作り方>
- すった黒ごま(練りごまでもOK)をカップに入れる
- 温かいミルクを注いで混ぜる
- 甘味が欲しい場合は、はちみつをスプーン1杯程度加えてできあがり!
寒さ対策は「黒い食材」で体の中から
冷え込みが本格的になる前に、黒い食材を活用した食養生の準備をはじめてみてはいかがでしょうか?
アツアツのお鍋で温まるのもいいですが、「腎」を意識した食生活で身体をケアしてみると、思わぬ不調が整うかもしれませんよ。