神奈川県在住。文章を書くのが苦手だったことから、克服するためにライティングを勉強。それがいつのまにか本職になってしまう。2016年、鎌倉市に引越したことをきっかけに、学生時代から勉強してきた知識を生かして写真教室の運営を開始。鎌倉を拠点にしながら各地でワークショップ、講演会を行う。趣味は韓国語、刺し子、編み物、ビーチコーミング、お料理等。2018年に出産し、現在は一児のママ。
自宅で過ごす時間が増えた今、自炊生活を充実させたいと考えている人も多いのでは?
そこで最近注目を集めているのが、土鍋での炊飯です!
SNSなどでも「土鍋でごはんを炊いたら意外と簡単だった」「おコゲも出来て、すごくおいしい」と、評判になっています。
土鍋でごはんを炊くことは、おいしさ・調理・後片付けなどの面でもメリットがいっぱい。
かくいう私も、土鍋ごはん歴はもう5年目です。
炊き方も簡単なので、ぜひ皆さんも参考にしてみてください!
土鍋ご飯はなぜおいしい?
炊飯ボタン1つでお米が炊ける炊飯器と比べて、わざわざ土鍋でご飯を炊くメリットって?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
土鍋でご飯を炊くことのメリットは、「とにかくおいしい」ということです。
炊飯器と何が違うの?と、思うかもしれませんが、本当においしいので一度食べてみてください!
……としか言いようがありません。
香り・ツヤ・粘りなど、あらゆる面で土鍋で炊いたご飯は格別なのです。
土鍋ご飯のおいしさの秘密
なぜ土鍋炊飯がおいしくなるのかというとそれは、土鍋に「低温からじっくり加熱できる」という特徴があるからです。
それが、お米のうま味や甘味を引き出してくれます。
お米が甘く感じられるのは、アミラーゼという酵素がでんぷんを分解することが関係しています。
このアミラーゼが活発に働くベストな環境は、40〜50度という温度なのだそう。
土鍋は熱電伝導性が低く、全体があたたまるまでに時間がかかります。すぐに沸騰せずに低温でじっくりと温まっていくため、土鍋炊飯ではアミラーゼが活性化しやすく、お米が甘くなるんですね。
理にかなっている「はじめチョロチョロなかパッパ」
ご飯の炊き方の火加減を表す「はじめチョロチョロ、なかパッパ、赤子泣いてもフタ取るな」という言葉を、聞いたことはありませんか?
こう聞くと火加減のタイミングが難しそうにも思えますが、土鍋で炊飯すると、自然とこの加熱方法で炊けてしまいます。
また、遠赤効果でふっくらと炊きあがるのも土鍋の特徴。
加熱にムラがなく、お米の一粒一粒がまんべんなく加熱されます。じわじわと熱が入っていく状態が、先ほどの言葉の「なかパッパ」の状態です。
蒸らしながらも熱が入っていくので、余計な水分も飛んで、米粒が立った状態で炊きあがります。
土鍋ご飯はおこげまでおいしい
土鍋炊飯では「おこげ」も味わえます。
とても香ばしく、お米の味がよくわかるので、あえて「おこげ」を作りたいって方も多いはず。
少し長めに加熱したり、蒸らした後に数分加熱したりすると、鍋底におこげができますよ。
白ご飯のふっくら感とおこげのカリっとした食感、そのコントラストは病みつきに!
お米だけでも何杯でも食べられてしまうので、もは主役のごちそうです。
基本的な土鍋炊飯の方法は?おいしく炊くための手順
さて、ここからは土鍋で炊飯するときの方法についてご紹介します。
ここで紹介する炊飯方法は「一般的な土鍋」を使って炊く場合の方法です。
1.お米を研ぐ
ボウルにお米を入れて研ぎます。お米はスグに吸水するので、1度目のお水はさっとかき回す程度ですぐに捨ててください。
長く浸してしまうと、ぬかくさい水をお米が吸ってしまうので手早く行いましょう。
<ポイント>
おいしいごはんに炊き上げるコツは、水ににごりがなくなるまで研ぐこと。
雑味のないごはんに炊きあがります。力いっぱいに研ぐ必要はありません。サラサラとかき混ぜながら水が透明になるまで洗ってください。
2.吸水させる
ごはんを炊くときにはお米をしっかり吸水(浸水)させることが大切です。時間にしてだいたい20分〜1時間程度必要です。夏は少し短めでも大丈夫でしょう。
もし、急いでいるときは、温水でお米を研ぐと吸水の手間をすっとばすことができますので試してみてください。
3.鍋に米と水を入れる
浸したお米の水を切ってから、土鍋に米を移し替えます。
水加減は、1合に対して200mlくらいが目安。
米の吸水具合や土鍋によっても炊きあがりが変わるので、水加減は経験を加味して調整するとよいでしょう。
最後に、塩をひとつまみ入れましょう。米のうま味を塩が引き出してくれます。
塩分が気になる方は、天然塩の品質のいいものを使うと安心です。
4.炊く
フタをして火にかけます。
知らないと損! 土鍋炊飯を失敗しないコツ
土鍋でご飯を炊く時に失敗しないコツと手順をこのようにまとめてみました。
【コツ1】失敗しないための手順
- 最初は中火で炊きます。
- 蒸気が勢いよく出てきたら、弱火にして15分炊きます。
- 火を止めて10〜15分程度蒸らします。
- 蒸らし終えたらしゃもじで全体を切るように混ぜてください。余計な水分を飛ばします。
もし、4の段階で水が残っている場合は、もう少し弱火で加熱してみてください。数分ほど加熱したら蒸らしてみて、水分が抜けているか確認します。
(慣れないうちは、このような微調整が必要になることもあります)
<ポイント>
パチッパチッと音がしたら、鍋底が焦げ始めているかもしれませんので注意してください。
【コツ2】土鍋の大きさに対するお米の量
土鍋でごはんを炊くときは、お米の量が鍋の1/3〜1/2以下になるようにします。
目測で構いませんので、土鍋に対してお米の量が適切かどうかを確認しましょう。
土鍋のサイズに対して、容量以上にたくさんのお米を入れてしまうと、吹きこぼれてしまう原因になります。また、お米を炊く際に失敗しやすくなります。
【コツ2】土鍋の「個体差」を楽しむ
同じ炊き方で炊いても、土鍋によって炊きあがりは変わります。
土鍋によって差があることを楽しむようにして、あまり神経質にならないことです。好みの水加減、炊き方を編みだすのも土鍋炊飯の醍醐味ですよ!
どうしてもお手持ちの土鍋で上手に炊けない場合は、炊飯専用に作られた「炊飯土鍋」を試してみるのもおすすめ。
初めての方でも簡単に、おいしい土鍋ご飯が楽しめます。
土鍋のNGとは? 気をつけたいこと3つ
冬の鍋料理だけでなく、毎日の炊飯にも使うとなると、土鍋の出番は今までよりもずっと多くなります。
ここでは、土鍋を長持ちさせるために、気をつけたいことが3つご紹介します。
【1】割れないように「水」に気をつける
土鍋の底部分などは、このようにコーティングがされていないことがほとんど。
もし、水が染み込んだ状態で火にかけると、土鍋が割れることがあり危険です。
そのため、土鍋に米を入れて浸水させるのもよくありません。
土鍋自身に湿気がまわるからです。
土鍋を火にかけるときは、必ず鍋底などに水気がないかをチェックするようにしましょう。
また、土鍋は急な温度変化にも弱いので、熱々の状態で冷たい水をかけることもNG。
火から下ろした直後に流し台などに置かないように気をつけてくださいね。
【2】洗い方に気をつける
一般的な土鍋は、素地ににおいが染み込みやすくなっています。そのため、洗剤で洗うと洗剤のにおいが移ってしまうこともあるので注意しましょう。
また、強くこすりすぎると、小さなキズとなって破損の原因にも……。
土鍋を洗うときは、優しくスポンジなどを使うようにして、傷をつけないように注意を払ってください。もし焦げた場合は、お水を入れた鍋に重曹を入れて10分ほど加熱するとよいでしょう。
冷めてからいつもどおりに洗えば、コゲが落ちやすくなります。
【3】湿気に気をつける
土鍋は本来、吸水性の高い素材で出来ているので、底面に釉薬(ゆうやく)のかかっていない土鍋の場合は特に、使い終わった後の水洗いで、ある程度吸水や吸湿をしています。
乾燥が不十分な状態のまま片付けてしまうと、カビやにおい移りの原因になってしまうことも。
こういったトラブルを防ぐためにも、土鍋を保管するときはしっかり乾燥させてから保管しましょう。
土鍋ごはんで炊き立てのおいしさを楽しもう
土鍋での炊飯は面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば炊飯器よりも手軽で愛着がわくもの。
「保温ができない」「予約炊飯ができない」というデメリットのある土鍋炊飯ですが、だからこそ炊きたてを楽しむ習慣が生まれるのです。
余ったごはんは、アツアツのまますぐにラップに包んで冷凍すると、土鍋ごはんおいしさをそのまま保存できますよ。
モノを大切にしたり、大切な人と過ごす時間を大切にしたりする考え方が広まりつつある現在。
新しい日常に、土鍋でおいしいご飯を炊くという習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。