食器と雑貨が大好きな元ライフスタイル雑誌編集者。カオス状態の部屋をなんとかするべくミニマムに暮らすことを目指しています。雑誌編集者の経験を生かしたコーディネート記事やミニマムな暮らしに関する記事を配信中。
ミルクを温めるための片手鍋「ミルクパン」。ミニマリストを目指していろんな鍋を処分している私が、捨てて困ったのがミルクパン。理由は、小ぶりで取り回しが効くので、思ったよりいろんな使い道があるからです。
ひとつ持っていると、とっても便利なミルクパン。今回は、そんなミルクパンの使い道をご紹介。関西の人から聞いた意外な使い道も発見しました!
ミルクパンがひとつあると便利なワケ
ミルクパンとは、その名の通り「牛乳を温める鍋」のことです。だいたい1人分のマグカップにちょうどよい直径10cmぐらいのサイズのものから、2人分の量になる16センチサイズのものがラインナップ。小ぶりで取り回しがきくので、ひとつあるととっても便利です。
<ミルクパンが便利なワケ>
- 小ぶりなため取り回しが効く
- お湯を沸かすときに光熱費が安く済む
- 見た目がかわいいので、器や小鍋代わりとして使える
- 小さいので、洗い物をするときシンクで場所をとらない
- 作りすぎることがないので、フードロスにつながる
- 小さいのでかさばらず、収納場所に困らない
ただ、サイズが小さいだけにIHコンロを使っている人は注意が必要です。IHコンロは、規格にもよりますが鍋底の直径が11cm以下のものは使えないことがほとんどです。また、IHのトッププレートと密着しない鍋底が丸いものは使えません。そのため、ミニミルクパンと呼ばれる10センチのもの、口径部分がすぼまっているチューリップ型のミルクパンは使えない場合も。
IHコンロを使っている人は、IH対応かどうかちゃんとチェックしてから使うようにしてくださいね。
メモリ付きミルクパンは「離乳食」作りに
10~14cmサイズのポピュラーなサイズのミルクパンは、離乳食を作るのにぴったり。子供一人分のちょうどよい量を作ることができます。また、注ぎ口が付いているため、汁気の多い離乳食を器に盛り付けやすいというのもうれしい点。
さらにシンクで場所もとらないので、洗い物もラクチンです。
一人分の「お粥、リゾット」作りに
お粥は、家族の誰かが風邪を引いた時、一人の分量だけを作りたいということがありますよね。しかも水分を多く含んだお粥は、食べ応えがあるため、作りすぎた場合「もう食べられない」と余らせてしまうことも。
そんな事態を防ぐために、ミルクパンは最適です。一人分のおかゆの分量は「七割粥」と呼ばれる米1に対して水7の割合なる、お米1/2合に対して水60ミリリットルで作るのが一般的。ミルクパンなら、15cm前後のサイズのものを選ぶと◎です。
一人分の「スープ」を作ったり温めるのに
ミルクパンは、スープを作ったり温めたりするのにも便利です。1人分食べるスープの目安は、マグカップ1杯で150ml、スープカップで200mlぐらい。吹きこぼれを防止するためにも、満水容量がプラス200mlぐらいの余裕をもってミルクパンを選ぶとよいでしょう。
写真のミルクパンは、雪平鍋代わりにもなる優れもの。16cmのサイズがあるので3人分ぐらいのスープを作るのに適しています。
一人分の「味噌汁」を作るのに
ちょうどよい量の味噌汁を作るのにも、ミルクパンはもってこい。もしお玉を使うなら、15cmぐらいの口径のものを選ぶと◎。口径が14cm~16cmぐらいで、満水容量が1リットルぐらいのものなら、2人暮らしにちょうどよい味噌汁ができあがります。
味噌汁を頻繁に作るなら、素材はステンレスかホーローがおすすめ。どちらも味噌の酸性に強い素材であるためです。
また、豚汁用に具だくさんの汁物を作るなら、チューリップ型のものより具材が入れやすい口径が広いタイプのものの方が使いやすいでしょう。
「ゆで卵」を作るのに
お弁当のおかずにするため、インスタントラーメンの上にのせるために、ゆで卵を1~2コだけ作りたいというシーンがありますよね。大きな鍋しかないと、卵が沈む高さまで水をいれてゆでるのも時間がかかって大変。光熱費もバカになりません。
そんなときには、ミルクパンの出番! 小さいので余分な水を使うことなく効率的にお湯を沸かすことができます。写真のように12cmサイズのミルクパンで卵3コ、10cmサイズで2コをゆでることが可能。
ただし、ホーロー製やセラミック加工、フッ素加工をしたミルクパンは、温度変化に弱いため注意が必要です。これらの素材でできたミルクパンでゆで卵を作るときには、別の器で卵を冷やすといった配慮を。丈夫で温度変化に強いテンレス製ミルクパンなら、ゆでた後同じ鍋で卵をひやしてもOKです。
「ソース」を作ったり温めるのに
▲写真撮影:haru.
ソースを作るのにもミルクパンは大活躍します。しかも注ぎ口があるので、容器に差し替えるときも汁漏れしにくいのもうれしい点。写真のように、注ぎ口が両方あるミルクパンなら、利き手にとらわれず使用できるので使い勝手も抜群。
いろんなソースを作る可能性があるなら、酸性にもアルカリ性にも強いステンレス製やホーロー製のミルクパンを選ぶと安心です。
「インスタントラーメン」を作るのに
口径15cmのミルクパンは、袋タイプのインスタントラーメンを作るのにジャストサイズ! 注ぎ口があるので、ラーメン鉢に最後の一滴まで汁漏れすることなく入れることが可能。さらにメモリが付いたミルクパンなら、軽量カップいらずで即席ラーメンを作ることができ、洗い物が少なくてすみますよ。
「レトルト食品」を温めるのに
手抜きランチの定番、レトルト食品。レトルトパウチを一人分だけ湯せんで温めるときにも、ミルクパンはおすすめです。レンジでチンする手もありますが、ミートソースのように湯せんで温めた方が取り出しやすいレトルトパウチも。
フッ素加工を施したミルクパンは、お湯を沸騰させる目的で使うと加工がはがれやすくなるので注意を。深めのミルクパンなら、レトルトパウチの高さにぴったり合います。
お弁当や「ちょっとしたおかず」作りに
小さくて取り回しが効くミルクパンは、1~2人分の煮物やお弁当のおかずを作るのに最適です。一人暮らしの人は、雪平鍋の代わりに使うと◎。13~15cmぐらいのサイズが汁物にも煮物にも使えて便利です。
ミルクパンの柄は、他の片手鍋に比べて短いことも多く、冷蔵庫に収納しやすいのもうれしい点。最近はふた付きのミルクパンも発売されているので、チェックしてみてください。
また家族で暮らしている人には、副菜を作るときにミルクパンが活躍。大きすぎると作りすぎてしまう汁物もミルクパンなら、ちょうどよい量を作れるのでフードロス削減にも一役かうことができます。
少量の「カレー」を作るのに
ついつい作りすぎてしまうカレー。いくら「翌日カレーがおいしい」と言ってもさすがに2日が限界という人も多いのでは。「カレーを食べ飽きた」という事態を防ぐ、1~2人のちょうどよい量のカレーを作るのに、ミルクパンが大活躍。
さらに、スパイスカレーのように炒める必要がある場合には、写真のようなフッ素加工されたものを使うとOK。普通ならフライパンで炒めてから鍋に移して煮込んで……という工程が必要ですが、フッ素加工のミルクパンなら、ひとつで完結。洗い物が少なくてすみます。
ちょっとした量の「唐揚げ」を作るのに
子供が大好きな唐揚げ。「お弁当に入れて!」と頼まれても、唐揚げを数個作るために朝から天ぷら鍋を取り出すのはひと苦労。そんなときはミルクパンの出番です。
ミルクパンなら、油を使う量が少なくてすんでお財布にやさしいのもうれしい点。さらに口がすぼまったカタチなら、油ハネも防げて一石二鳥です。
素材は、天ぷら鍋にも使われているホーロー製のミルクパンが最適です。
ただし、ミルクパンを天ぷら鍋の代用にする際にはいくつか注意が必要です。
- 油の温度がすぐ上るため発火に注意する
- 温度変化が激しいので、火加減や温度管理を徹底する
- 油を入れすぎない
上記の点を考えると、14cm以下の小さいミルクパンで揚げ物をするのは避けた方がよいでしょう。また底面が丸いタイプは安定感が悪いので、揚げ物をするのは危険です。
小さくて光熱費がかからないといったメリットはあるものの、小さいからこそ温度管理には細心の注意が必要であるということを肝に銘じて。
関西人の意外な使い道!「たこ焼き」を作るときに
生粋の関西人である編集部ひらこは、タコ焼きを作る際にミルクパンを活用するのだとか。生地はボウルを使って作るという人が多いと思うのですが、ミルクパンで作ると一石二鳥にいいことが。
まず、ミルクパンは注ぎ口が付いているので、タコ焼き器に流しやすいというメリットがあります。その上、取っ手が付いているので傾けたりしてかき混ぜやすいということも。
編集部ひらこの周りでは常識だとのこと。タコパをする際に、ぜひミルクパンを使ってみてください。
大阪風のお好み焼きを作るときにも!
キャベツや小エビといった具材を全部混ぜてから焼き上げる「大阪風お好み焼き」。お店で食べると、取っ手のついた小さなステンレス製の器で1人分ずつ混ぜて焼いている様子を見たことがあるはず。
1人分ずつ小さな器で混ぜるのは、生地に空気を含ませてふんわり焼き上げるため。その器の代わりに小さなミルクパンはぴったり。しかも注ぎ口がついているので、最後の一滴までキレイに流し込むことが可能です。
実際に、私もやってみましたが、取っ手がついていて混ぜやすい! 大阪風お好み焼きを作る際にもミルクパンを活用してみてください!
「チャイ」作りに
インド式のミルクティー「チャイ」。スパイスを煮込んだお湯に、茶葉を加えて作るチャイもミルクパンのお得意分野です。
作り方は簡単。棒状のシナモン、カルダモン、グローブを水で煮出したら、火を一旦止めて茶葉を加えます。その後ミルクと砂糖を加えて沸騰する前に火を止め、茶こしでこしたらできあがり!
チューリップ型ミルクパンを使えば、吹きこぼれしにくいので◎。
スパイスの香りとこっくりとした味わいの一杯が、ミルクパンひとつあれば楽しめます。
「フォンデュ」にもぴったり
見た目もかわいいミルクパンなら、テーブルにそのままサーブできるのもうれしいところ。そのため食卓を囲んで楽しむチーズフォンデュやチョコレートフォンデュをするのにミルクパンは最適!
写真は、ミッフィーの仲間「ボリス」の顔をほどこしたミルクパン。カラーもチョコフォンデュにぴったりで、子供が喜ぶこと間違いなしです!
「ジャム」作りにぴったり
▲写真撮影:haru.
ジャム作りにはミルクパンが最適。特にメモリが付いたミルクパンを使うのがおすすめです。
下記の記事では、ミルクパンを使ったリンゴジャムの作り方をご紹介。ジャムに適したミルクパンの選び方もくわしく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
>>ジャム作りに最適な鍋とは?選び方を知ってリンゴジャムを作ろう
ミルクパンの使い道は、無限大
ミルクパンを買ってみたものの、食器棚の肥やしになっているという人はもったいない。この記事を参考に今すぐフル活用してみてください。
サイズ別の使い道をまとめると……
- 10cmぐらいのチューリップ型ミルクパン……一人分の飲み物や離乳食作りに
- 14cmぐらいまでのミルクパン……一人分のおかず作りやスープを作るのに
- 15cm以上の大きめミルクパン……2人以上の汁物や副菜を作る2つめの鍋として
こらから一人暮らしを始める人にはぴったりのミルクパン。料理をする人もしない人もぜひおすすめしたいアイテムです!