管理栄養士兼ライターをしている、2児の母です。部屋の片付けが少々苦手…。ハウジーのコラムを読みながらステキなおうちになるよう、悪戦苦闘中です。日々の暮らしに彩りを添えるような記事をお届けできればと思います。
サイズの大きな食パンは、一度に1斤食べきるのは至難の業ですよね。でも買ってきた状態のまま常温保存しておくと、どんどんパサパサになっておいしくなくなります。
今回は、食パンのベストな保存方法やどのくらい保存できるのかをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
食パンのベストな保存方法は?
残った食パンを保存する場合、どんな方法がベストなのでしょうか。
食パンを常温保存する場合は、2日以内が目安
食パンを常温で保存した場合、おいしく食べられるのは「2日目まで」ともいわれています。実際、パン屋さんの食パンも、スーパーで買ってきた食パンも、2日以降は途端にパサついてしまいますよね。
大手パンメーカーの食パンは少し長くて3~4日。消費期限が長いのは、微生物が混入しないよう衛生面でより徹底して管理されているため。ただし、梅雨時期や夏場は最大2日となっているので注意が必要です。
食パンを常温で保存するときは、直射日光のあたる場所や、高温多湿になる場所は避けましょう。カビや品質低下の原因となってしまいます。こうした問題を避けるために、見た目もおしゃれな「ブレッドケース」を使って、保存するのもおすすめです。
また、食パンの袋の口を留めるプラスチック製の留め具「バッグクロージャー」を使うのもあまりおすすめできません。袋の口を十分に閉められず、乾燥の原因となってしまうためです。代わりに輪ゴムなどで袋の口を閉めましょう。
食パンを冷蔵で保存するのはNG
「常温だとカビが心配。でもすぐには食べないから冷蔵庫で保存しよう」そう考えたことはありませんか?実は、食パンを冷蔵庫で保存するのはおすすめできません。その理由は、食パンに含まれるデンプンが劣化するからです。
冷蔵庫に食パンを入れるとデンプンの劣化が進みやすくなり、水分が抜けて固いパンになってしまいます。ちなみにデンプンは、0~4度の温度帯が最も苦手。まさに冷蔵庫の温度帯ですね。
たとえラップや保存袋に入れて乾燥を防いだとしても、デンプンの劣化は止められないので、意味がありません。食パンを保存するなら、常温か冷凍で保存するようにしましょう。
食パンは冷凍保存がベスト
0~4度の温度帯では劣化が進むデンプンも、逆に0度を下回ると劣化の速度がゆるやかになります。そのため、冷凍庫なら長期保存しても食パン独自のふわふわ感が失われにくく、おいしさが保てるのです。それでも2週間程度で食べきるようにはしましょう。
<食パンの保存期間の目安まとめ>
- 常温:1~2日(大手パンメーカーの食パンは3~4日)※ただし梅雨の時期は要注意
- 冷蔵:基本NG
- 冷凍:2週間
食パンをおいしく安全に保存するため、次でご紹介するポイントをしっかり押さえるようにしましょう。
食パンを冷凍保存するときのポイント
食パンを冷凍保存するときのポイントは、全部で5つ。順番にみていきましょう。
【ポイント1】食パンを買ってきてすぐに保存する
ごはんも炊きたてのものを冷凍保存した方がよいといわれているように、食パンも焼きたてのおいしい状態で冷凍保存するのがベストです。よくやってしまうのが、常温で保存しておいた後、食べきれないからと残りを冷凍すること。この方法では、常温保存している間にすでに劣化が始まっているので、せっかく冷凍してもおいしくないばかりか長持ちさせることできません。せっかくなら、買ってきて1~2日で食べる分と食べきれない分を分けて、食べきれない分はさっさと冷凍してしまうのがおすすめです。
【ポイント2】食パンを1枚ずつ切る
切れていない状態の食パンを購入することもありますよね。その場合は、1枚ずつスライスしてから保存するようにしましょう。スライスした状態だと、冷凍するスピードが速く、解凍する際も少ない時間で済みます。
わたしもやってしまったのですが、1/2斤ほど残った状態でまるごと冷凍したところ、解凍にとても時間がかかりました。トーストすると外は焦げているのに中はまだ冷たい状態。結局電子レンジで強制的に解凍するはめに……。
また、凍るまでには時間がかかるので、スライスした状態よりもデンプンの劣化が進む可能性が高くなります。早く冷凍することも、食パンをおいしさを保つポイント。面倒でも1枚ずつ切って冷凍保存するようにしましょう。
【ポイント3】食パンを1枚ずつ包む
「スライスしてある食パンだったら、袋ごと保存してもいいのでは」と思いませんか? 1枚ずつラップに包むのが面倒で、つい袋ごと冷凍庫に入れる人もいますが、あまりおすすめできません。
理由のひとつは、ラップに包んだ場合に比べて食パンが乾燥しやすく、冷凍焼けを起こしやすいため。またもうひとつの理由は、解凍した食パンを食べきれずもう一度冷凍すると、食パンの品質が劣化してしまうからです。
水分の蒸発を防いでおいしさをキープするためには、基本は切った食パンを1枚ずつラップで包むこと。このときぴっちりと空気が入らないように包みましょう。
もし1枚ずつ包むのが面倒なら、食パンを2枚を重ねて冷凍してもOK。重ねて冷凍するとくっつくことがあるかもしれませんが、隙間にナイフなどを差し込めば簡単にはがすことができるので大丈夫です。
また、食べきれる量だけを解凍するようにしましょう。
【ポイント4】食パンを保存袋や保存容器に入れてニオイ移りを避ける
パンはニオイ移りがしやすい食材です。そのため、食パンをラップに包むだけでなく、さらに冷凍用の保存袋や保存容器に入れるようにしましょう。このとき空気をしっかり抜くようにしましょう。またラップに包んで保存袋に入れることで、フワフワ食感の鍵となる「水分」の蒸発をさらに防ぐことができます。
【ポイント5】賞味期限が分かるようにしておく
冷凍庫は長期保存できるとつい油断して、いつ買ってきた食パンだったか分からなくなりがち。実際、わたしもいつのものか分からない化石のような食パンを発掘したことも……。
賞味期限が分かるようにラベリングしたり、マジックで日付を書いたりするのを忘れないようにしましょう。
【ポイント6】ラップではなくアルミホイルでもOK
食品ラップの代わりにアルミホイルで包んでもOKです。ラップより水分が抜けにくく、熱伝導がよいので早く凍ります。包んだそのままの状態で凍らせてもよいのですが、より乾燥やニオイ移りを防ぐために、ラップのときと同様に保存袋に入れるようにしましょう。
ちなみに、アルミホイルに包んだまま食パンを焼くとしっとりふわふわの食感に、アルミホイルを開けた状態で焼くとサクサクふわふわの食感になるのでぜひ試してみてください
また最近では、アルミ製の食パン専用保存袋も発売されています。
アルミをはさんだ3層構造になっていて、ニオイ移りや乾燥を防いでくれるパン保存袋。ベージュの袋に食パンのイラストが描かれたデザイン性の高さもポイント。1枚の袋に、5~6枚切り食パンが3枚収められる収納力にも注目です。
4枚切り食パンが2枚入るサイズ。内側がアルミになっているので、食パンをパンを乾燥やニオイ移りから守り、おいしさを保って保存できます。
食パンのおいしさをキープするアルミ製のチャック付き袋。保存開始の日付などをメモしておけるメモスペースがあります。
冷凍食パンをおいしく解凍する方法
冷凍した食パンをおいしく解凍する方法を3つお伝えします。
【解凍方法1】凍ったままトーストする
食パンを凍ったままトーストすることで、外はサクサク、中はしっとりとした食感になります。
このときのポイントは、高めの温度で焼くこと。オーブントースターは簡単かつ高温で焼けるので、冷凍した食パンを解凍するのにピッタリ。
<冷凍食パンをトーストする方法>
- トースターを1200Wで余熱しておく
- その後、食パン表面の霜を取ってから、トースターで2~3分焼く
トースターの種類によってW数が異なるので、焦げないよう様子を見るようにしてくださいね。
【解凍方法3】自然解凍する
3枚切りなど分厚い食パンの場合、凍ったままトーストすると表面は焦げているのに中は冷たいこともあります。中まで焼けるか心配なときは、自然解凍してからトーストするとよいでしょう。
また、サンドイッチなど生で食べたいときも、自然解凍がおすすめです。
<冷凍食パンを自然解凍する方法>
- 冷凍庫から取り出し、食パン表面の霜を取り除く
- その後、乾燥を防ぐために、ラップに包んだまま常温で1~2時間置いておく
【解凍方法3】電子レンジで解凍する
「サンドイッチなど生で使いたいけど、自然解凍する時間がない!」、「生の食感が好き」というときは電子レンジを利用しましょう。電子レンジで解凍することで、焼きたてのようなふわふわ食感が復活しますよ。
<冷凍食パンを電子レンジで解凍する方法>
- 冷凍庫から食パンを取り出し、表面の霜を取り除く
- その後、ラップに包んだまま、電子レンジ500Wで1分加熱する(6枚切りの場合)
電子レンジは思いのほか早く解凍できるので、時間設定に注意しましょう。トーストと同じような感覚で加熱すると、パサパサになったり、焦げたりします。
食パンはすぐに冷凍保存しておいしさキープ
食パンがパサパサにしてしまう前に、早めに冷凍保存して正解。できれば、できたてのおいしさをそのままキープしましょう!
ポイントはとにかく
- 空気に触れる面を少なくして乾燥を防ぐ
- 2週間を目安に食べきる
こと。毎朝食べるものだからこそ、賢く保存したいものですよね。