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クローゼットの湿気対策

【プロが教える】梅雨前にやりたい!クローゼットの湿気対策

家事のコツ

クローゼットは実は部屋の中でも湿気がこもりやすい場所のひとつです。ちゃんと湿気対策をしていないのとカビが生えてしまうということも。
そこで今回は、クローゼットの湿気対策について、住宅収納スペシャリストとクリンネストの資格をもつ専門家の方にお伺いしました。

家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。

クローゼットの湿気がひどい。そのワケは?

クローゼットは、洋服やモノが日焼けして色あせないよう窓がなく、暗室であることがほとんどです。また間取り上もクローゼットは日が当たらず冷えやすい北側に配置されていることが多く、冬場はほかの部屋との温度差が発生して結露することも。

また、ウォークインクローゼットの場合でも扉がひとつで、空気の通り道を考えた作りになっていることもあまりありません。そのため、部屋から入り込んでしまった湿気を逃がすことができないというのが、クローゼットの宿命。

しかも、洋服や布団の素材である繊維や羽毛は、どれも吸湿性に優れています。こういったアイテムを小さな空間に収納するので、クローゼットは湿気がこもりやすいのです。

「クローゼットの湿気対策」のコツ

大切な服やカバンをカビや湿気から守るためにはどうしたらよいのでしょうか? 「住宅収納スペシャリストであり、お掃除のプロ「クリンネスト」でもある藤野ことさんに教えていただきました。

藤野ことのプロフィール画像

藤野こと
整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト、クリンネスト2級。「家事は素早くラクに!」をモットーに、家事が時短になるテクや片付けに関する記事を「ESSE-online」「収納マガジン」などで多数執筆。

服と服の間に隙間ができるよう「8割収納」を目指す

クローゼットにぎゅうぎゅう詰めにされた衣類はシワになるだけでなく、湿気がこもりカビやダニの温床になってしまいます。

クローゼットは❝8割収納❞が理想。ハンガーパイプに吊るす洋服にはスペースに余裕を持たせるようにしましょう。もしぎゅうぎゅうに掛かっているなら、畳んでしまえる洋服は収納ケースに入れましょう」と藤野さん。

そのためには、もう着ない洋服は整理するという意識をもつことが大事です。「まだ着るかも」と思ってクローゼットに掛けておくと、お気に入りの洋服にまでカビが生えてしまうことにも。

クローゼットの湿気対策にハンガーをそろえる

また、「洋服の種類別にハンガーをそろえると、同じ方向にキレイに並べられるので隙間ができやすくなりますよ」とのこと。確かにハンガーをそろえておくと、服がかさなりにくくなるだけでなく、見た目にも整理されたキレイなクローゼットになりますよね。

風通しをよくする

洋服を減らして❝8割収納❞をキープしても、クローゼット閉め切ったままでは湿気の逃げ道がありません。

「ときどきクローゼットを扉を開けっ放しにしておき、こまめな換気を心がけましょう。クローゼットを開けて、扇風機で送風するのもおすすめです」

また、クローゼット下にスノコを使うのもひとつの手だそう。「湿気が溜まりやすいクローゼットの下は、直接モノを置くとカビの繁殖を早めてしまう原因に。そこでスノコを設置し、その上に衣装ケースや収納アイテムを置くと安心です」

「高床式のスノコなら通気性が抜群で、掃除機のノズルが入るので掃除も簡単になります。スノコの下に除湿剤を置いておくとさらに効果的です」クローゼット下にスノコを置いている人は少ないかもしれませんが、掃除もしやすくなるのは一石二鳥ですね。

一度着た服は乾かしてからしまう

「一度着ても洗わないコートやジャケットなどの洋服をすぐにクローゼットにしまうのはNGです」と藤野さん。一度着用した洋服をそのままクローゼットに直行させる、イコールそのまま湿気を持ち込むということです。

特に注意したいのが、雨で濡れたり湿度の高い日に着た洋服。少しでも湿っているなら、ほかの洋服にふれない場所でしっかりと乾かしましょう

藤野さんによると「アウターの一時置き場を作って、玄関かクローゼット横にコートハンガーを置くのがおすすめ」とのこと。もし置くスペースがない場合でも大丈夫。最近はドア裏や壁面を有効活用できるアイテムがいっぱい。下記記事でいろんなタイプのコートハンガーを紹介していますので、参考にしてみてくださいね。

>>「賃貸でも大丈夫!狭い玄関にぴったりなコートハンガーのおすすめ23選」

また一度着た服をみんなどうしているのかについて聞いたこちらの記事「主婦100人が回答!一度着たけどすぐ洗わない服の置き場所」も参考にしてみてくださいね。

一度使ったバッグ・帽子もお手入れ後しまう

バッグをクローゼットに収納している場合、こちらも洋服と同様、一度使った後は手入れをしてからしまうようにしましょう。

特に革のバッグは、カビが生えやすいので要注意。革は湿気を吸いやすく逃がしやすい性質があるので、湿度の高い日に使った場合水気を吸ってしまっています。面倒と思うかもしれませんが、収納するたびに表面を柔らかい布で拭いて、新聞紙を丸めたものを中に詰めるようにしましょう。こちらも雨の日は、表面を拭いた後は少し乾かしてからしまう方がよいでしょう。さらに購入時によく付いている不織布カバーに入れておくと、ホコリも傷もつきにくくなるので、なおよしです。

またクローゼットで盲点になるのが帽子。一度かぶった帽子は汗を吸って湿気ています。都度、洗濯ができるアイテムではないので、かぶった後は必ず一度乾かしましょう。こちらも型崩れ防止を兼ねて、湿気を吸う新聞紙を入れておくと◎。

クローゼットの湿気を取るのにおすすめの方法

クローゼットの湿気対策をするときに、除湿効果や消臭効果が期待できるおすすめの方法についても教えていただきました。

除湿剤を使う

<p>フォーラル除湿シート</p>

フォーラル除湿シート

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「普段はクローゼット用の除湿剤を入れておきましょう」と藤野さん。洋服と洋服の間に隙間をあけて気を付けていても、そもそも部屋の湿度が高くなる梅雨の時期はそれだけでは不十分。

大切な洋服を守るためにも、クローゼット用除湿剤を使う方がベターです。

重曹を使う

重曹でクローゼットの湿気対策

除湿と脱臭の効果がある重曹を使っても◎。

「重曹を布製の小袋に入れるか、空き瓶に入れて布やガーゼでフタをして置くようにしましょう」と藤野さん。さらに重曹を除湿剤の代わりに使うと、ほかにもいいことが。

「重曹が固まってきたら水かぬるま湯を加えて重曹水にしてしまいましょう。ナチュラル洗剤として掃除に使うことができます。また、固まった重曹をトイレに入れて一晩放置すれば、ちょっとした黒ずみをキレイにしてくれます」と藤野さん。

重曹は除湿剤として使った後も、ほかの用途で使えて二度おいしいアイテム。ゴミが出ずとてもエコというのもうれいい点です。

炭を活用する

冷蔵庫やブーツの脱臭剤の材料としてよく使われる炭を活用してもOK。重曹と同じように、炭も除湿と脱臭の効果が期待できます。

「使う際は不織布やお茶パックに包んでクローゼットに置いておくだけです。天日干しにすれば、繰り返し使えるので経済的です」と藤野さん。

買い替えが必要ないのもうれしいポイントですね。

珪藻土アイテムを使う

<p>「&NE」珪藻土ドライオブジェ ビル</p>

「&NE」珪藻土ドライオブジェ ビル

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食材の除湿剤やお風呂マットとしても使われている「珪藻土」ですが、最近はクローゼットにおけるオブジェも発売されています。

珪藻土も炭や重曹と同じように、除湿効果だけでなく脱臭効果もあるのでクローゼットにはもってこい。帽子に忍ばせておくのもおすすめです。

新聞紙を活用する

新聞紙も湿気をよく吸うアイテムです。表面積を増やすため、折りたたむのではなくクシャクシャッと丸めて使うのがベター。バッグの中身に詰めると、型崩れ防止になるだけでなく、除湿と消臭効果も期待できます。「しかもダニはインクのニオイが苦手なので、防虫効果にもなり一石四鳥ですよ!」と藤野さん。

「ただし、新聞紙だけでクローゼットを完全に除湿するのは難しい」とのことなので、ほかの除湿方法と併用するようにしましょう。

お気に入りの洋服のためにも湿気対策を

湿度が高くなるこれからの季節。とくに梅雨は知らず知らずのうちに湿気をクローゼットに持ち込んでしまいます。

ちょっとした湿気対策をするだけでも、クローゼットの環境は変わってきます。カビが発生してお気に入りの服やカバンを捨てなくてはならなくなった!という前に、やってみてくださいね。

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