キッチン道具の担当者。元司書であることから、モノを買うときは納得するまで調べ尽くす性分。ハウジーではクラスコと一緒に100を超えるキッチン道具の比較や検証を実施。本当に気に入ったキッチン道具の紹介や「困った!」を解決する記事をお届けしていきます。
現代人の食生活は塩分の取り過ぎとも言われています。
そこで注目されているのが、簡単に減塩できる便利グッズ「醤油スプレー」。
でも、一体どのくらい減塩できるのでしょう? 気になる使い勝手は?
今回の記事では、人気の醤油スプレー「ちょいかけスプレー」と100均アイテムを比較してしてみました。
醤油スプレーとは?
醤油に含まれる塩分の量は、濃口醤油で小さじ1杯あたり約1g、減塩醤油だと約0.5gくらいといわれています。意外と少ないと思われるかもしれませんが、例えば「しょうゆラーメン1杯で約5~6g」、「牛丼にすると1杯約3.9g」になるのでバカにできません。
そこで話題になったのが、醤油スプレー。
ワンプッシュで、醤油を細かい霧状にして吹きかけられるアイテムです。
醤油スプレーを使うメリットは?
話題になった理由は、ワンプッシュの量が微量で済むので「減塩」になるという点。
日本人は塩分の取りすぎとはよく聞きますよね。それ以外にも実際に醤油スプレーを使ってみると、いくつかのメリットを感じました。
<使って分かった醤油スプレーのメリット>
- 塩分の摂取量を抑えられる
- 広範囲にかけられる
- いつも一定の量が出るので、料理の味付けが手軽にできる
- 醤油の使いすぎを防止できるので、経済的
醤油スプレーを使うとよい料理
では実際どういう料理に使ったらよいのでしょうか。
おすすめなのは、食べる直前に醤油をかけて味を調節する料理です。特にお刺身や握り寿司のような「小皿入れて醤油付けて食べる」スタイルの料理は、つい醤油をつけすぎてしまいがちなので、活躍します。
<醤油スプレーに向いている料理>
- 冷ややっこ
- 目玉焼き
- 納豆
- 焼き魚
- 寿司、刺身
基本的には、調理中の味付けには向いていません。微量で味を調整したいときには使えますが、料理初心者で追いスプレーをした結果、最終的には味が濃くなってしまったという失敗も起こりえます。小さじ1杯より多いレシピなら、計量スプーンを使った方が無難でしょう。
それでは本当に減塩になるのか、また使ったときにどういったデメリットがあるのか、100均の醤油スプレーと「ちょいかけスプレー」を比較して検証してみます。
vs100均!2つの醤油スプレーを比較してみた
まずは今回比較するアイテムの特徴からみていきます。
今回比較する2つのアイテム
ちょいかけスプレー
容量は80ml。ワンプッシュで出る量は、メーカーサイトによると約0.1ccです。
100均の「しょうゆスプレー」
100均でも醤油スプレーをみかけるようになりました。こちらはワンプッシュで出る量は、約0.15㏄です。
【醤油スプレー比較実験1】本当に減塩になるのか
同じくらいの距離からワンプッシュしてみました。
写真左の100均の醤油スプレーの方が、広範囲に広がっているように見えます。
またわずかな差ですが、100均の方が量が多いように感じます。
ただ、どちらも10プッシュで約1cc~1.5ccなので、1滴ずつ醤油が出るプッシュ式の醤油差しに比べてもかなり減塩できると思います。
【醤油スプレー比較実験2】目詰まりにしくいのはどっち?
醤油スプレーって「目詰まり」しないか心配ですよね?
また先ほどやった噴射実験の差は何なのかというのが気になって、噴射部分を顕微鏡で拡大してみました。
肉眼では全く違いがわかりませんでしたが、こうして見ると100均の方が噴射口が若干大きいことが分かります。
今回、醤油スプレーとの相性があまりよくないと言われがちなキッコーマンさんの醤油を、あえて使ってみたのですが、実験中は数日空けて使っても、どちらも特に詰まりは生じませんでした。ただ、「噴射口が小さい方が、多少詰まりやすい」という問題は構造的に残ると思います。
醤油は空気に触れたまま時間が経つと結晶化してしまうので、噴射口に醤油がついたままの状態だとどうしても目詰まりは起きやすくなります。そのため醤油スプレーを使う際には以下のような点に気を付けるとよいでしょう。
<目詰まりをしないように注意する点>
- 噴射口に醤油がついた場合はすぐに拭き取る
- 使用したらキャップをすぐに閉めて、噴射口になるべく空気を触れさせないようする
ちなみに、もし醤油スプレーが目詰まりしてしまった場合は、一旦中身を別の容器に移してから、本体をぬるま湯に入れ、透明な水が出るまでプッシュすれば使えるようになりますよ。
プッシュしても醤油が出てこない場合は一度試してみてくださいね。
【醤油スプレー比較実験3】飛び散りにくいのはどっち?
醤油のスプレーというと「お皿の上で使うときに、周りに飛び散らない?」と気になりますよね。
それぞれ同じ大きさの小皿に、同じくらいの距離で噴射してみました。
まずは、100均の醤油スプレー。小皿からはみ出た醤油が紙に飛び散っています。
次は「ちょいかけスプレー」の飛び散り方の図。やっぱり少し飛び散りは見られますが、100均のときと比べるとお皿から飛び散る量は少なめです。
広範囲に霧状の醤油がかかるので、スプレーする距離を間違えると周りに醤油が飛び散ってしまうことに。小さなお皿に使うときはなるべくお皿の近くでスプレーするのがポイントです。
実験でどのくらいの距離や傾きで噴射したか気になる方は、動画もぜひチェックしてみてくださいね。
噴射の比較動画はこちら↓
【結果】比較してわかった、醤油スプレーを選ぶときのポイント
使い比べてみた結果、100均の醤油スプレーの方がプッシュするときにやや固く、近い距離など狙った場所に吹きかけにくく感じました。
毎日使うものだけに、プッシュのしやすさも重要なポイントだと思いました。
逆に、「ちょいかけスプレー」はプッシュしやすいだけでなく、ムラなくきれい噴射できるので醤油の使いすぎといった心配もなさそうでした。
ただ、細かい短所に目をつぶれば、100均のほうも、大皿料理やフライパンで調理しているときに風味付けに使ったりするのには問題ない使用感でしたので、用途によって選ばれてもよいかなと思います。
今回わかったことは、スプレーだと醤油の香りがふわっと広がるので、量のわりには「醤油がかかっている」という満足感を得られそうだなと感じました。
また醤油スプレーを選ぶときには以下のポイントに気を付けて選ぶとよいとわかりましたので参考にしてみて下さい。
<醤油スプレーを選ぶときの3つのポイント>
- ムラなく均一にスプレーできる
- 軽い力でプッシュしやすい
- 近距離でもスプレーしやすい
ちなみに、他の霧吹きとかスプレー容器で代用できないかなーと思っている人! 最初はうまく霧状になりますが、すぐに目詰まりしてしまうのでやめておきましょう。しかも噴射口の素材によっては、さびたり変質したりすることもあるので、衛生面も心配。醤油を入れたいなら、やっぱり専用スプレーを使うのをおすすめします。
醤油スプレーを使うと、いつもより少ない量でもしっかりと醤油の風味を楽しめます。
無理せずおいしく減塩できる便利グッズとして、ぜひ取り入れてみてくださいね。