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生ニンニクの醤油漬け

万能調味料「にんにく醤油」の作り方。材料2つだけで、簡単にプロの味わいに!

キッチン

いろいろな用途に使える万能調味料として知られている「にんにく醤油」。

市販品もありますが、実は自宅で簡単に作ることができる調味料なのです。
今回は、にんにく醤油の作り方だけでなく、にんにく醤油を使うメリットやにんにく醤油を使ったレシピやアレンジ方法をまるごと伝授いたします。

お家で余っているにんにくを使って、万能調味料にんにく醤油を作ってみましょう!

TVや雑誌などのフードスタイリング、メニューや商品開発の傍ら、「お料理の基礎からアレンジまで楽しく美味しく!」をモットーに料理教室を開催しています。また、発酵食品の魅力に魅了された近年は、無農薬味噌作り教室も。食材を簡単にアレンジさせる技などをご紹介していきます。

自家製「にんにく醤油」がおすすめのワケ

「にんにくは好きだけど、丸ごと1個を使い切るのは大変!」
そんな方にぜひ試していただきたいのが、家庭にある調味料で作れる「にんにく醤油」作り。
万能調味料とも呼ばれるにんにく醤油ですが、簡単に作れるという以外にもいろいろなメリットがあります。

【ワケ1】余らせたにんにくを長期保存できる

生のにんにくは、放っておくと芽が出たりしおれてきたりして、2週間程度でダメになってしまいます。冷蔵庫に入れると1か月以上は日持ちするようになりますが、それでも使いきれないという方もいるでしょう。

にんにくを醤油に漬け込んで「にんにく醤油」にすると、密閉容器に入れて冷蔵保存した場合、賞味期限が1年以上と飛躍的に長持ちします
こまで長期保存できれば、これまでにんにくをダメにしてきた人でも、ムダなく使いきれるようになるでしょう。

【ワケ2】独特の風味で料理の味を格上げする

「漬け込まずに生のにんにくと醤油を料理に入れても味は同じじゃない?」と思っている方も多いのではないでしょうか?
でも、実は材料は同じでも、漬け込むという工程を経ると味ががらっと変わってきます。
にんにく醤油は、にんにくと醤油を合わせただけのシンプルな調味料でありながら、驚くほど深い味わいを持ちます。

たとえば、炒め物やパスタにちょっと足すだけで、いつもの料理がワンランク上の味わいに大変身!
大げさに聞こえるかもしれませんが、本当に魔法のような調味料なんです。

これが、普通の「生のにんにく+醤油」だと、とがった味というかパンチの効いた味に……。
にんにく醬油の場合は、まろやかで奥深く嫌味のないにんにくの風味が楽しめます。
そのおいしさは、じっくり漬け込まないと味わえない特別なものと言えるでしょう。

【ワケ3】漬け込んだにんにく自体も活用できる

にんにく醬油を作るのに使った「にんにく」自体も、実は活用できます。
長期間醤油に漬け込むことで、にんにく独自の辛さがマイルドになり、食べやすくなっています。

そのまま食べる」「刻んで料理に混ぜる」「トッピングに使う」など、さまざまな方法で楽しめる、まさに万能とも呼べる調味料になるんですよ。

3ステップで簡単! にんにく醤油の作り方

にんにく醤油の作り方といっても、レシピというほど大した材料や手順は必要ありません。
たった3ステップで簡単に作れるので、ぜひ挑戦してみてください。

煮沸

1.保存容器をしっかり除菌する
にんにく醤油を保存する容器は、ふた付きの密封できるビンが最適です。
まずは保存に使うビンを90度以上のお湯で、5~6分ほどグツグツと煮ましょう。
やけどに注意しながらトングなどで取り出し、キッチンペーパーなどの上で乾かします。

水滴などがついたままだと、雑菌の繁殖につながりかねませんので、煮沸(しゃふつ)消毒後はしっかりとビンを乾燥させましょう。

にんにくの皮をむく

2.にんにくの皮をむく
にんにくの皮をむきます。
むき方はお好みですが、大量に漬け込む用に、後ほどにんにくの皮の簡単なむき方もご紹介しますね。

にんにく醤油

3.にんにくと醤油を入れる
1で煮沸したビンの中に、まずにんにくを入れます。
そのあと、醤油をにんにくが空気にふれない程度まで入れます。
にんにくが空気にふれてしまうと、酸化して傷みの原因になってしまうからです。

漬け方いろいろ。にんにく醤油の主な調理方法

また、漬けるにんにくですが、生のまま漬け込む以外にも、いろいろな調理法があります。

「にんにく醤油」の調理方法

  • 皮ごと漬ける。
  • 皮をむいて半分にカットする。
  • 皮をむいて薄切りにする。
  • 皮をむいて電子レンジでやわらかくする。
  • 皮をむいて素揚げする。
  • 皮をむいて焼き目をつける。

私は早く味をなじませたいので、にんにくを2mmくらいの薄切りにして漬けています。
こうすると2週間ほどで使い始めることができます。

知って得する「にんにく醤油」作りの豆知識

ここでは「にんにく醤油」を作るときに役立つ、ちょっとした豆知識をご紹介します。
にんにくの薄皮を簡単にむく方法や、使う醤油の種類などを抑えておくと、より「にんにく醤油」作りが楽しくなりますよ。

にんにくの皮の簡単な3つのむき方

にんにく醤油を大量に作りたい場合、一度にたくさんのにんにくをむくのは大変ですよね。
そんな時、ぜひ試してみてほしいのが次の3つの方法です。

【皮のむき方1】水に漬けておく

ニンニクの皮むき

ある程度の房にほぐしたにんにくをボウルに入れて、水に漬けておきましょう。
3~4時間すれば、薄皮まで簡単にむくことができます。

【皮のむき方2】ふた付きのビンに入れてひたすら振る

ニンニクの皮むきの裏技

まるごとビンに入れてふたをしてひたすら振ります。
にんにくがビンの側面に当たって、きれいにむくことができます。
むいたにんにくで使わない分は冷凍保存も可能です。

【皮のむき方3】にんにくの皮むき器を使う

パール金属の便利グッズにんにくの皮むき器

にんにく醬油を作る際、たくさんにんにくの皮をむかなくてはなりません。
便利なにんにく皮むき器を使えば、あっという間に処理ができるので便利です。

<p>簡単ニンニク皮むき器</p>

簡単ニンニク皮むき器

アイテムを見る

使い方は、小房に分けたにんにくの上下を切り落とし、皮むき器に入れて数回転がすだけ。
シリコンが皮をとらえるので、つるっときれいにむけます。

にんにく皮むき器を使う時に気をつけたいのは、収穫したての皮がみずみずしいにんにくだと、上手く薄皮が取れないということ。ある程度、乾燥したにんにくだとキレイに皮が取れます

使用する醤油の選び方

JAS規格によると、醤油の種類は大きく5つに分類されてます。
こいくち醤油・うすくち醤油・再仕込(さいしこみ)醤油・たまり醤油・白醤油の5つで、それぞれ醤油によって風味が異なるので、色々と試してみるのもよいかもしれません。

ただし、できあがったにんにく醤油をより幅広い用途で使いたい場合は、一般家庭でもよく用いられる「こいくち醤油」がおすすめ。
ちなみに減塩醤油で作る場合は、普通の塩分量の醤油で作る場合よりもカビや菌の発生に注意して保存する必要があります。

一般的な作り方は醤油だけで漬ける方法ですが、酒や酢などを少し加えてアレンジすることで口当たりがよくなるので、お好みに応じて調整してみてくださいね。
くわしいアレンジ方法は、のちほどご紹介します。

にんにく醤油の保管の仕方と食べ頃は?

漬けたばかりだと、にんにくの辛みと醤油のしょっぱさで、すぐに使うことはできません。
味に丸みが出てくるのはその先です。

漬けたにんにく醤油の保管は、涼しい季節なら日が当たらない涼しい場所で、また暑い夏などは冷蔵庫で保管すると良いでしょう。

醤油の味がなじむのは、だいたい二週間から1カ月後くらいが目安。冷蔵庫よりも常温で漬けた方が、味がなじむのが早いように思いますよ。
醤油を継ぎ足した場合は、また少し寝かせて味をなじませましょう。

漬け込んだにんにくをおいしく食べたい場合は、味が中心まで染みるまで待つ必要があります。
生で丸ごと漬けた場合は、約3カ月後くらいはかかるかもしれません。にんにくがしっかりと醤油色になったら食べ頃です。

ちょい足しで風味に変化を。にんにく醬油のアレンジ方法

唐辛子入りのにんにく醤油

にんにく醬油の基本は、「にんにく」「醬油」の2つだけですが、ここにプラスアルファのアレンジをするのもおすすめです。
いくつかにんにく醤油のアレンジ方法をご提案するので、ぜひ試してみてくださいね。

【にんにく醤油のアレンジ1】唐辛子をプラスする

ベーシックなアレンジが、唐辛子を入れること。
ピリッとした辛さが味に奥行きをもたらします。

また、辛味成分のカプサイシンは防腐作用があることから、にんにく醬油をより長持ちさせたい場合にもおすすめの方法です。

【にんにく醤油のアレンジ方法2】「酒+みりんor砂糖」をプラスする

酒とみりん(あるいは砂糖)を足すことで甘さとコクが加わり、より万能な調味料になります。
煮切って足すとよいでしょう。これひとつで味が決まるといっても過言ではありません。

ただし、にんにくと醤油のときよりも保存容器にカビが生えやすくなるので、冷蔵庫で寝かせるようにしましょう。

【にんにく醤油のアレンジ方法3】昆布をプラスする

昆布を加えると、うま味がプラスされます。
よりまろやかで奥深い味わいに。和食と相性ばつぐんです。
一緒に漬け込んだ昆布は1~2週間程度で取り出しましょう

【にんにく醤油のアレンジ方法4】ハーブ類をプラスする

洋風なハーブとも相性抜群です。
特に香り高いローズマリーやローリエはおすすめ

水分が多いバジルやタイムなどの葉物よりも、ローズマリーやローリエなど枝物のハーブのほうが漬け込みには向いています。

※ハーブ類は1~2週間で取り出しましょう。

【にんにく醤油のアレンジ方法5】しょうがをプラスする

にんにくと相性ばつぐんのしょうがも、おすすめの食材です。
しょうがを薄くスライスしたものを一緒に漬け込むと、さわやかな風味が楽しめます。

また、にんにくに浸かったしょうがも料理に使うことができますよ。

ご飯のおともから下味まで! にんにく醤油を使った活用レシピ

にんにく醤油は、そのまま卵かけごはんにかけたり、いわしやサンマなど青魚のお刺身にかけたり、また、唐揚げの下味に使うだけでも、ふだんのお料理がワンランクアップします。

こちらでは、にんにく醬油や中身のにんにくを利用した絶品簡単レシピをご紹介します。

にんにく醤油の冷奴

にんにく醤油の冷ややっこ

豆腐に、刻んだ醬油漬けにんにくをプラスするだけの簡単レシピです。
いつもの冷奴がおいしいおつまみに大変身しますよ。

<にんにく醤油の冷奴(1人分)の材料>

  • 豆腐…… 1/2丁
  • 醬油漬けにんにく…… 適量
  • 好みの薬味(ねぎ、かつお節、大葉など)…… 適量
  • 醤油やポン酢 …… 適量

にんにく醤油の冷奴の作り方>

1.豆腐に刻んだ醬油漬けにんにくと、好みの薬味を乗せる。
2.醬油やポン酢で味を整えたら完成。

ごま油やラー油をプラスするのもおすすめです。ただし、にんにくに味がしっかりついているので、醬油は控えめに。

にんにく醤油チャーハン

にんにく醤油チャーハン

いつものチャーハンににんにく醤油を加えるだけで、プロ顔負けの味わいに。我が家の定番レシピです。

<にんにく醤油チャーハン(1人分)の材料>

  • ごはん …… 茶碗山盛り1杯
  • 卵 …… 1個
  • ねぎ …… 適量

    <調味料>
  • ☆にんにく醬油 …… 小さじ1
  • ☆塩こしょう …… 適量
  • ☆鶏がらスープの素 …… 小さじ1強
  • (お好みで)ハムやチャーシュー、野菜など

にんにく醤油チャーハンの作り方>

1.あたためたフライパンに油をしき、溶きほぐした卵を入れる。野菜を入れる場合は卵の前に炒めて おき、お皿に取り出します。
2.手早くあたたかいご飯を投入し、卵とよくなじませるように炒める。炒めた野菜やハムなどを入れるときはこの時点で。
3.☆の調味料を加え、よく混ぜる。
4.仕上げにねぎを加えて軽く炒めれば完成。

にんにく醬油は鍋肌に沿わせて入れると香ばしくなります。ご家族が喜ぶこと間違いなしですね。

にんにく醤油入り「きのこの和風パスタ」

にんにく醤油でパスタ

きのことベーコンの和風パスタに、にんにく醤油を加えるだけの簡単レシピです。
にんにく醤油+バターの風味が食欲をそそります。

<きのこの和風パスタ(1人分)の材料>

  • パスタ…… 100g
  • きのこ各種…… 1/2パック分
  • ベーコン…… 1枚
  • (好みで)大葉、唐辛子
  • にんにく醬油 …… 大さじ1
  • バター …… 適量

きのこの和風パスタの作り方>

1.パスタを規定通りの時間ゆでる。

2.フライパンにオリーブオイルをしき、きのことベーコンを炒める。(唐辛子を入れるときはここで)

3.きのこがしんなりしたら、にんにく醤油を加えてさらに炒め、火を止めておく。

4.フライパンにゆであがったパスタを加え、軽く炒める。バターを加えて全体になじんだら完成。

豚肉となすのにんにく醬油炒め

にんにくの豚肉炒め

リーズナブルな豚こま切れ肉で、ボリューム満点のおかずを作ってみませんか?豚肉、なす、きのこににんにく醬油がベストマッチです。

<豚肉となすのにんにく醬油炒め(1人分)の材料>

  • 豚こま切れ肉 100g
  • なす(中)1/2本
  • きのこ類 50g(今回はしいたけとマイタケを使用)
  • (お好みで)大葉

    <調味料>
  • ☆にんにく醬油 大さじ1
  • ☆みりん 大さじ1
  • ☆酒 大さじ1
  • ☆(さっぱりさせたいときは酢小さじ1を加えても)

豚肉となすのにんにく醬油作り方>

1.なすは5mm幅に切って水にさらしておく。きのこ類は食べやすい大きさに切る。

2.熱したフライパンに油をしき、豚肉を入れて炒める。

3.火が通ってきたら1を入れてしんなりするまで炒める。

4.☆の調味料を3に入れ、軽く炒める。好みで大葉を盛り付けて完成。

サバとしいたけとチーズの揚げ春巻き

にんにく醤油で春巻

サバ缶を使った変わり種春巻きはいかがですか?お弁当のおかずにもピッタリです。

<サバとしいたけとチーズの揚げ春巻き(1人分)の材料>

  • 春巻きの皮…… 2枚
  • サバ水煮缶…… 1/2缶
  • しいたけ(中)…… 2枚
  • 大葉…… 2枚

    <調味料>
  • ごま油……  適量
  • 水溶き片栗粉 …… 適量
  • とろけるチーズ …… 適量
  • ☆にんにく醬油 …… 大さじ1/2
  • ☆酒 …… 小さじ1
  • ☆みりん …… 小さじ1
  • ☆砂糖 …… 小さじ1

<作り方>

1.しいたけを薄くスライスし、大葉は千切りにしておく。

2.サバ水煮缶は水を切っておく。骨が気になるようなら取り除いておく。

3.熱したフライパンにごま油をしき、1の材料を加えて軽く炒める。

4.フライパンに☆の調味料を入れて軽く炒める。味が薄ければにんにく醬油をもう少し足し、汁気が残るようであれば水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。

5.春巻きの皮に4ととろけるチーズを乗せ、具がはみ出ないよう折りたたみながら包む。

6.熱した油(約180度)で、5がキツネ色になるまで揚げたら完成。

にんにく醤油で味つけの幅に広がりを

「なんでもっと早くから漬けてなかったんだろう!」と思わせる万能調味料にんにく醤油。
普段の料理にプラスすることで、味付けの幅が広がります。
ぜひ、いろんな料理にお試しくださいね。

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