食器と雑貨が大好きな元ライフスタイル雑誌編集者。カオス状態の部屋をなんとかするべくミニマムに暮らすことを目指しています。雑誌編集者の経験を生かしたコーディネート記事やミニマムな暮らしに関する記事を配信中。
最近、白米と玄米をまぜてごはんを炊いています。でも、玄米と白米で異なる浸水時間…おいしく炊くにはいろいろコツが必要で、はっきりいって面倒でした。そんなとき、白米のように炊けて、しかも非常食にもおやつにもなる!という「炒り玄米」に出合いました。
今回は「炒り玄米」の作り方やアレンジレシピについてご紹介します。
クセになる「炒り玄米」をおすすめするワケ
「炒り玄米」とは、その名の通りフライパンなどを使って炒めた玄米のことをいいます。
この見かけ、何かでみたことがありませんか? そうです。玄米茶の中に入っているのが炒り玄米です。玄米は食物繊維が豊富で、美容にも健康にもよいとされるヘルシーフードであることはよく知られています。ただ、そのままだと炊くのに時間がかかったりしてしまいますよね。
そんなとき、ハウジーマガジンでフードライターとして活躍中の杉本優子さんから、玄米を炒れば食べやすくなるとご紹介いただきました。
杉浦優子
神奈川県在住のママライター。2016年、鎌倉市に引越したことをきっかけに、それまでの知識を生かし写真教室の運営を開始。鎌倉を拠点にしながら各地でワークショップ、講演会を行う。趣味は韓国語、刺し子、編み物、ビーチコーミング、お料理など。
まずは杉本優子さんに聞いた、炒り玄米の魅力をご紹介します。
【炒り玄米の魅力】消化がよくなる
米ぬかがついているため、玄米は食物繊維が豊富。「でもその分、消化に悪く、特に胃腸が弱い方は注意が必要です。でも、玄米を炒ると果皮がはじけて割れるので、消化しやすくなるんです。」と杉本優子さん。
女性にとっては玄米はうれしい食材のひとつですが、炒り玄米はそれ以上。ひと手間加えるだけで、さらにうれしい食材に変身してしまうんです。
【炒り玄米の魅力】白米と同じ時間、水の分量で炊ける
玄米は、白米と同じ方法で炊くことはできません。果皮に覆われているため、白米と同じ浸水時間では水が芯まで行き渡らないからです。そのため、ひと晩ほど水に浸さないと食べられない食材です。忙しい主婦なら、前日に浸水って手間以外の何ものでもありませんよね。 でも「炒り玄米」なら白米と同じ浸水時間で大丈夫。だから一緒に炊くことができるんです。
▲写真撮影:杉本優子
【炒り玄米の魅力】そのまま食べられる
玄米はそのまま食べることができませんが、炒った「炒り玄米」は、そのまま食べてOK。
実際食べてみると……カリカリっとしてまるで小さなおかきのようです。香ばしくて病みつきになりそうな食感。ビールのアテにぴったりだなと思いました。
ほかにも、サラダにのせたり、スープにのせたりしてトッピングとしても活躍しそう。また香ばしいのでゴマ代わりに使ってもよさそうです。
【炒り玄米の魅力】いざというときの非常食としても活躍
そのまま食べることができるので、災害時などの非常食にもぴったりです。栄養豊富な炒り玄米は、もしものときに頼もしい存在になるはず。常に切らさないよう、炒り玄米を常備しておくと、いざというときに安心です。
アレンジレシピも豊富なので、消費しながら保存する「ローリングストック」をしてもいいかもしれません。
炒り玄米の作り方
そんないいことづくめの「炒り玄米」。実際、杉本優子さんに教えていただいて作ってみました。
炒り玄米の材料
- 玄米……適量
- 塩……ひとつまみ
道具はフライパン、木べら、ザルがあればOKです。
今回は、24cmのフライパンを使って2合の玄米を炒ります。「フライパンに対して玄米の量が多すぎると、まんべんなく火を通すのが難しくなって、逆に時間もかかってしまいます」と杉本優子さん。慣れるまでは1~2合ずつ炒るようにした方がよさそうです。
では早速、炒り玄米を作ってみます。
玄米を炒る手順
1.玄米を洗う
玄米をさっと水で洗って、ザルに上げます。
2. 塩を加える
フライパンに玄米を移したら、塩をひとつまみ加えます。
3. 玄米を中火で炒る
中火にかけます。パチパチと音がしてきたら、焦げないように木べらで混ぜながら炒ります。
4.茶色に色付いたら完成
全体的に茶色に色付いてきて、パチパチと音がしなくなったら完成です。
保存するときの注意点は?
保存容器には、粗熱をとってから移すようにしましょう。杉本優子さんによると「密閉容器に入れて冷暗所に保存すれば、約1年ほど持つ」とのことです。
「炒り玄米」を使ったアレンジレシピ
そのままポリポリ食べてもよい「炒り玄米」ですが、どうせならいろんな料理に使いたいですよね。そこで、いろんな料理に使ってみました。
おにぎりのトッピングに使う
一番の定番は、白米と一緒に食べること! 特にもっちりとした食感の新米やもち米と合わせるのがおすすめ。食感のハーモニーが楽しく、味にも変化のあるおにぎりが完成します。
お茶漬けのトッピングに使う
おかきのような食感と香ばしさが楽しい「炒り玄米」。だから、お茶漬けのおかきの代用にぴったり。わざわざお茶漬けの素を買わなくても、お漬物、梅干し、鮭などに海苔と炒り玄米を加えるだけで、食感が楽しいお茶漬けが完成します。
スープにトッピングする
クルトン代わりにスープにトッピングするのもおすすめ。香ばしさが増して、カップスープもバージョンアップ。コーンスープやポタージュはもちろん、中華ベースのスープとも相性抜群です。
サラダにトッピングする
サラダにトッピングすると、カリカリ感が加わって野菜のおいしさがより引き立ちます。写真は、サラダチキン、パプリカ、セロリを使ったチョップドサラダです。それ以外にもレタスサラダやコブサラダにかけてもいいですよ。
食感だけでなく、色どりと香ばしさがプラスされておいしいですよ!
ゴマ代わりに和え物に使う
ゴマ代わりに炒り玄米を使うのもひとつのアイデア。ゴマより存在感が大きく腹持ちもするので、副菜でもボリューミィな仕上がりに。
ほうれん草だけでなく、いんげんやきんぴらに合わせても相性よし。和えてからすぐはポリポリとした食感ですが、ひと晩置くと固さが和らいで、ポリっとした食感に。
アイスクリームにかける
アイスクリームにトッピングすると、ちょっとしたアクセントに。口の中でアイスがほんのり溶けた後、香ばしい炒り玄米が残って新食感をプラス。
おすすめは、バニラアイスクリームにきなこと炒り玄米のWトッピングをすること。また「ピノ」にまぶすとチョコクランキーのような仕上がりに。「雪見だいふく」とも相性抜群です。
炒り玄米クッキーにする
炒り玄米はクッキーにぴったりです。ポリポリっとした食感が楽しいひと品に仕上がります。
作り方は簡単です。
- 材料は、小麦粉150g、砂糖75g、サラダ油75g、卵1個、炒り玄米大さじ2。すべてポリ袋に入れ、袋の上から手でもんで混ぜる
- ポリ袋の下の端をカットして、クッキングシートの上に細く絞り出す
- 180度のオーブンで8分ほど焼けば出来上がり
20分ほどで完成する手軽なおやつです。家にある材料でできて、洗い物も少ないので初心者さんにもおすすめ。
自家製の玄米茶にする
煎茶に混ぜると、自家製玄米茶になります。お茶好きの人は煎茶、ほうじ茶、玄米茶……とお茶缶が増えてしまいがち。でも、炒り玄米があれば、煎茶に混ぜるだけで玄米茶が楽しめます。
炒り玄米って常備するだけで、とっても便利
働き盛りのシングルは、どうしても食物繊維が不足する生活になりがち。といっても玄米を炊くのはハードルが高かったのですが、炒り玄米にしてその問題もクリア。しかも炊いたお米を切らした際にも、炒り玄米があれば、レトルト白米にトッピングするだけでヘルシーな主食に!
震災を経験している私の場合、非常食が常備できているという安心感も増すので一石二鳥です。
ローリングストックをしているつもりでも、缶詰やレトルトだと知らない間に消費期限が切れていたということもあるかもしれません。でも、炒り玄米は賞味期限が長いだけでなく、玄米茶にしたりして手軽に消費できるので、そういった心配もありません。
簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。
参考資料
「玄米の栄養について」秋田栄養短期大学栄養学 移動公開講座