家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
お庭でハーブを育てていると、思ったよりたくさんできて使いきれないということはありませんか?
それなら、ハーブオイルにしてみては?
今回は、専門家にハーブオイルの作り方を教えてもらいました。
市販されているドライハーブでもおいしくできあがるので、ぜひつくってみてください。
料理をワンランクアップ!ハーブオイルの魅力
今回は、菜園家でご自身でハーブも作られている調理師のracssさんに作り方を教えてもらいます。
監修者:racss
北海道の庭で、野菜と共にハーブ・野草・山菜を育てる菜園家。また、それらの食材の楽しみ方・調理方法をプロとして、Yahoo!などの様々なメディアで発信している。Instagram・ブログ『料理+菜園づくり 食育インストラクターracssの日々の暮らし』で、その様子を公開中。
ハーブオイルを加えるとおすすめの使い方は
- ピザにかける
- 作りたてのパスタの仕上げに
- ガパオライスのアクセントに
- 生春巻きのソースに
イタリアンやエスニック料理にかけるというイメージがありますが、実は和食にも合うそうです。
racssさんによると焼き茄子にかけているのだそうです。「いつもはあっさりとお醤油でいただく焼き茄子ですが、コクが加わってパンにもワインにお合う料理に変身します!」
▲写真撮影:racss
ほかにも「冷奴や野菜のおひたし、納豆、お味噌汁にたらすのも意外なおいしさです。温かいトマトスープにかけてみると、ハーブの風味がふわっと上がっておいしいアクセントが生まれます。」とracssさん。
編集部のnoemiuはカマンベールチーズにかけて、ワインのアテにしているとのことです。
ハーブオイルを作るときのポイント
料理に使うハーブオイルを作る際には、いくつがポイントがあります。「衛生面や保存性を高めるために大事」とracssさん。それではひとつひとつご紹介していきます。
ハーブを洗う際は「振り洗い」で
プランターや庭で育てたフレッシュハーブを使う場合は、よく洗う必要がありますよね。水をボウルにためて振り洗いをするのがポイントとracssさん。「何度か水を変えてよくふり洗いをするとキレイになりますよ」とのことです。
ハーブ水気をよく切り、完全に乾かすこと
▲写真撮影:racss
洗った後は、キッチンペーパーに挟んでしっかり水気をとります。その後、ハーブを広げて風通しのよいところで乾かします。
「水分が残っていると、そこから腐敗しやすくなります」とraccさん。乾かすのは面倒かもしれませんが、完全に水気を飛ばす必要があります。
「急ぐときは電子レンジや扇風機などを上手に活用するとよいですよ」とのこと。重要なポイントなので、しっかり行うようにしてください。
▲写真撮影:racss
保存する瓶は必ず殺菌すること
ハーブオイルを保存する瓶とフタは、沸騰したお湯の中に入れて煮沸消毒をするようにしましょう。
もし手間なら「きれいに洗った後に、食器用のアルコールスプレーを吹き付けて殺菌するのもよいでしょう」とのことです。
ハーブの選び方
いろんなハーブを作っていると、どれをハーブオイルにしたらよいか迷ってしまいますよね。racssさんに教えてもらいました。
「メインにしたいハーブを決め、そこに相性のよいハーブを少しずつプラスするとよいでしょう。
メインに使うのにおすすめのハーブは、タイム、オレガノ、バジル、セージ、ディルなど。さらにレモングラス、レモンバーム、ラベンダーやミントなど個性的なハーブを少量足すとおもしろい風味が出せます」
「ニンニク、コショウ、鷹の爪はどのオイルにも合いますが、入れすぎると他のハーブの個性を消してしまう」とracssさん。メインにせず、アクセントとして使うのがよいそうです。
ハーブの種類によって、2パターンの作り方に分かれる
使うハーブの種類によって、ハーブオイルには2つの作り方があります。
油の中で加熱する方法
ハーブの味をしっかり引き出すために加熱する方法です。「ハーブを一緒に弱火で加熱していきます。タイムやローズマリーなど固い茎を持つハーブに向いています。実や種のハーブ、ドライになっているハーブを使う際もこちらの方法がおすすめ」とracssさん。風味が飛ばないよう、弱火で加熱するのがポイントなのだそうです。
油に漬けておく方法
オレガノやミントのように葉物系のハーブは、そのままオイルの中にしばらく漬けておく方法が向いています。一晩から数日浸けたままにし、じんわりと味を移していきます。
どちらの方法で作っても、すぐ使えるのがうれしいところ。でも、2週間ほど経つと味が熟成してよりおいしくなるのだそうです。「いくつかのハーブを組み合わせて使うことで、深みのある風味のオイルを作ることができますよ」とracssさん。
肉料理に合う!タイムとニンニクのハーブオイルの作り方
ハーブオイルは肉料理にかけると、香りが引き立ち旨味がアップします。今回は、タイムとニンニクを使用。お肉のソテーによく合うハーブオイルです。「タイムは加熱法が向いている」ということで、早速作り方を教えていただきました。
材料
- オリーブオイル
- タイム
- にんにく
- 鷹の爪
- 黒こしょう
オリーブオイルは材料が漬かる分量にしましょう。
作り方
1.材料を切る
ニンニクは薄くスライスし、タイムは長ければ10cmくらいにカットします。
2.鍋に入れて加熱する
鍋にすべての材料を入れます。オリーブオイルはハーブがしっかり浸るほどの量を入れてください。
弱火で焦がさないように注意しながら5分から10分加熱します。
3.弱火で加熱する
焦がさないように注意しながら、弱火で5~10分加熱します。
4.にんにくに色がついたら火を止める
にんにくにうっすら色が付いてきたら、火を止めます。
5.瓶に移し替える
よく冷ましてから、消毒した瓶へ移しかえて、保存します。
「ハーブは2週間ほどしたら瓶から取り出してください」とracssさん。「肉を焼く前の肉にこのオイルをかけてもいいですし、焼いた後に少量たらしてもおいしくなります」。
お肉以外にも野菜のサラダにも合うのだそう。racssさんは「ポテトサラダに垂らすのもおいしいです」ということです。
トマト料理にぴったり!オレガノのハーブオイル
次は、トマトを使った調理に合うオレガノをメインにしたオイルの作り方をご紹介していただきました。ピザやパスタといったイタリアンと相性抜群のオイルです。
「オレガノはオイルに浸けてじんわり成分を出す方法が向いています」。早速教えていただきます。
材料
- オリーブオイル
- オレガノ
- にんにく
- ローレル
こちらも同様にオリーブオイルは、材料がすべて漬かる文章が必要です。
作り方
1.ニンニクはスライスし、オレガノは瓶に入る長さにカットします。
2.しっかり水気をとったハーブを瓶に入れ、上からオイルを注ぎ入れます。
3.ハーブが完全にオイルに浸るように入れ、常温で一晩寝かせるとできあがり。
一晩置くだけでかなり風味がついていますが、さらに2週間ほど置くとベストです。その後ハーブは取り出します。
作ったハーブオイルを保存するには?
ハーブオイルは、インテリアにしたくなるほど見た目もいいのでつい飾りたくなりますが、「それはNGです」とracssさん。保存に適した場所は冷暗所。「直射日光が当たらない場所を選ぶようにしてください。コンロのそばなど温度変化が大きい場所は避けましょう」とのことです。
また、ほかにも注意点が。「使っていくうちにオイルが減ってきたら、ハーブは取り出します。オイルに浸っていない部分からカビたり腐敗する恐れがあるからです」。
また作る量もあまり大量でない方がよいのだそうです。「1か月ほど使い切れる少なめの量で作るのがおすすめです。小さめのかわいい瓶を用意して、そこに入る分だけ作ってみては」。
今回、編集部でも作ってみて思ったのは、ハーブオイルにすると使い勝手がいいなということ!です。オリーブオイルも酸化するので、「買ってからだいぶたってるな」と思ったらハーブオイルにして料理にどんどんかけてみるのがいいかなと思いました。
みなさんも、racssさんに教わったハーブオイルにぜひチャレンジしてくださいね。