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ホイップクリームの作り方

初心者も簡単「ホイップクリーム」の泡立て方。6分・7分・8分・9分立ての違い、道具選びを徹底解説

家事のコツ

お菓子を作るとよく出てくる「生クリーム」「ホイップクリーム」。そしてそれらの「〇分立て」という言葉。
実はこれらをマスターしないと、ケーキのデコレーションがうまくいかないことも……。
そこで今回は、料理写真家haru.さんに教えてもらいながら、「ホイップクリームのすべて」をレクチャーします。

家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。

生クリームを選ぶときのポイント

泡立てたホイップを作ろうとスーパーへ行くと、「純正生クリーム」「ホイップ」と書いてあるものがあり、どれを買うか迷いませんか?

実は「生クリーム」と「ホイップクリーム」は違う

生クリームとホイップクリームで大きく違うのは、以下の2点です。

  • 植物性脂肪か動物性脂肪か
  • クリームの脂肪分の量

生クリームは乳脂肪のみであるのに対し、ホイップクリームは植物性油脂や添加物を主原料としています。この違いが、風味、泡立ちやすさ、価格、保存性などに影響を与えます。

生クリームホイップクリーム
風味コクがありまろやか軽くあっさりめ
やや黄みがかった白真っ白に近い色合い
泡立ちやすさやや時間がかかる短時間で泡立ちやすい
保存性要冷蔵で短期間比較的日持ちしやすい
価格高め比較的安価

お店で「クリーム」と表示されているものは乳脂肪のみの生クリームであることが多く、「ホイップクリーム」と表示されているものは植物性油脂などが使われていることが多いです。

ただ、「ホイップクリーム」という言葉は、上記のように“商品の種類”を示す場合と、ホイップしたクリームという意味で、“泡立てた状態”を指す場合の、2通りの使われ方があります。ここからは、後者の“泡立てたクリーム”としてのホイップクリームを説明していきます。

ホイップクリームに向いているのは?

生クリーム

脂肪分の違いによって、泡立てやすさや味わいにも違いが出てきます。お菓子作りやケーキのデコレーションには、乳脂肪分35〜45%のものがよく使われています

  • 低脂肪タイプ(35~36%)……泡立てるのに少し時間がかかるものの、ふわっと口当たりの軽いホイップに仕上がります。ただ、安定性がなく絞るときにダレやすいことも。
  • 高脂肪タイプ(45~47%)……脂肪分が多いだけに、味わいは濃厚でミルク感もしっかり。低脂肪タイプより早く泡立てることができ、保形性の高いクリームに仕上がります。そのため絞ったときにダレにくいクリームに仕上がります。ただ、ボリュームは出にくく、分離しやすい特徴があります。
  • 植物性クリーム……泡立てやすく、時間が経っても安定しているのが特徴。軽い口当たりでボリュームも出やすい一方、風味はややミルク感に乏しいことがあります。

基本的には、口当たりの好みや仕上がりの用途に合わせて選ぶのがポイントです。ただし、チョコレートを混ぜて作るガナッシュやチョコクリームなどの場合は、レシピで指定されている乳脂肪分のものを使うことが大切です。脂肪分が合っていないと、固まらなかったり、食感が悪くなったりすることがあります。

ホイップクリームを作るための「道具」選びのポイント

ふわっとしたホイップクリームを作るのに、道具選びも大事です。特にボウルと泡立て器は、適したものを選ぶことで理想的な仕上がりを実現できます。

「ボウル」は、大・小 2つ必要。ベストはステンレス製

<p>「DULTON/ダルトン」ボウル</p>

「DULTON/ダルトン」ボウル

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生クリームは温度が高いと、泡立ちにくく、分離しやすいという特徴があります。そこで、効率的にふわふわのキレイなホイップクリームを作るためには、氷水に当てて冷やしながら泡立てる必要があります。そのためボウルは、氷水を入れる大きめのものと、生クリーム用の小さめのもの、大小2つを用意しましょう。

また、ボウルはステンレス製を使うのがベスト。ステンレスは熱伝導に優れているので、氷水にあてた際、クリーム全体を効率よく冷やすことが可能です。また、ガラスやプラスチックに比べて、泡立てに影響する油分を残しにくいのもメリット。ニオイ移りもしにくく、ホイップクリームの色や風味に影響を与えません。

ただ、ステンレス製のボウルを使うと、泡立て器との摩擦で黒い粒が出ることがあります。これはステンレスの表面にある酸化被膜が削れたもので、特に有害なものではありません。

ガラス製ボウルは、清潔に保ちやすくホイップクリームに影響は与えにくいものの、重いので泡立てる際に取り回しがにしくいのが難点。また、冷えるのに時間がかかってしまいます。プラスチック製ボウルは、ホイップクリーム作りには、あまり向いていません。その理由は、泡立て器で傷がつきやすい、冷たさを保ちにくい、油分もニオイの残りやすいためです。また軽すぎて、泡立てにくいということもあります。

「泡立て器」は、中くらいで、ワイヤーの本数が多いものを

<p>「OXO/オクソー」ステンレスウィスク</p>

「OXO/オクソー」ステンレスウィスク

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泡立て器は、中くらいのサイズのものを使用しましょう。小さすぎると泡立てに時間がかかり、逆に大きすぎると手に負担がかかりすぎるためです。

また、ワイヤーは本数が多い方が空気を含ませやすいので、6本以上のものを選ぶと◎。形もスリムなものより、空気を含ませやすいバルーン型のものの方が向いています。

柄は、20~25cmぐらいの長めの方が、手が疲れません。柄の形も握りやすいものを選びましょう。

多用途に使える「泡立て器付きブレンダー」もおすすめ

<p>「BRUNO/ブルーノ」マルチスティックブレンダー2</p>

「BRUNO/ブルーノ」マルチスティックブレンダー2

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電動の泡立て器を買うほどスイーツを作ることもないという方におすすめなのが、泡立て器付きブレンダー。泡立てること以外にも、混ぜる、つぶす、刻む、砕くことができて、野菜のみじん切り、ディップ作る、スープ作りと多用途に活躍します。

計量カップ、または計量スプーン

<p>「pyrex/パイレックス」メジャーカップ</p>

「pyrex/パイレックス」メジャーカップ

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生クリームや砂糖を正確に量るため計量カップや軽量スプーン。「なくてもいいじゃないの?」と思われるかもしれせんが、特にお菓子作りでは、微妙な分量の差ができあがりに直結するので必須です。

特にクリームを量る計量カップは、透明で温度変化に強いもの、つまり耐熱ガラス製のものがおすすめ。冷蔵庫から出したばかりの生クリームを量るとき、耐冷性があると破損する危険性が少ないためです。

計量カップは、液体状のものが量りやすい深めのものを選ぶとよいでしょう。

ホイップクリームを上手に作るためのコツ

道具を用意したら、実際に泡立ててホイップクリームを作ってみましょう。今回は、基本の作り方を、料理写真家のharu.さんに教えてもらいました。写真もすべてharu.さん撮影です。

haru.のプロフィール画像

haru.

料理写真家。料理フォトグラファーとして活躍するだけでなく、旅行や料理に関する記事も執筆。料理写真講座の講師も担当。料理好きを生かしたInstagramアカウントも運用中。

ホイップクリームの作り方

基本のホイップ道具

一見難しそうに思えるホイップクリームですが、コツを押さえれば簡単にできますよ。

< 材料 >

  • 生クリーム…200g
  • グラニュー糖…15g
  • 氷水…適量
  • ボウル…大きさの違うもの大小2個
  • 泡立て器(電動でも可)

< 作り方 >

基本のホイップ手順1

1.大きめのボウルに氷水を適量入れます。

あまり多く入れすぎるとホイップクリームを泡立てる際にあふれてしまうので、少量でOKです。

基本のホイップ手順2

2.ひとまわり小さいボウルに生クリーム・グラニュー糖を入れます。

あれば溶けやすいグラニュー糖を。なければ砂糖(上白糖や三温糖等)でも大丈夫です。

基本のホイップ手順3

3.小さいボウルを大きいボウルに入れて、生クリームを冷やしながら泡立て器で泡立てはじめます。

生クリームの入ったボウルを少し傾け、空気を含むようにふわっと混ぜていきます。途中で氷がとけてしまった場合は、氷を数個追加してください。

7分立てのホイップクリーム

4.お好みの状態まで泡立てたら完成です。

6分立て・7分立てといった違いは、次の段落で紹介します。

ホイップクリームを上手に泡立てる方法

ホイップクリームを失敗なく作るため、注意したいのは次の2点です。

  • しっかりと冷やしながら泡立てること
  • 泡立てすぎないこと
ホイップクリームの作り方

生クリームは温度が高いと泡立ちにくくなるため、氷水で冷やしながらホイップするのがコツ。

泡立て器やボウルなどを事前に冷蔵庫で冷やしておくと、短時間にきれいなホイップクリームを作ることができます」とharu.さん。

9分立てのホイップクリーム

また、生クリームを泡立てる時は、泡立てすぎに注意が必要です。

特に電動の泡立て器を使う場合は「いっきに泡立てず、途中で何度か固さを確認しながら泡立てていくと失敗がありません」とharu.さん。

〇分立てって?生クリームの泡立てとかたさ

生クリームは、泡立てる時間によって少しずつ状態が変わっていきます。長く泡立てると、だんだんクリームがかたくなって、ツノが立つようになります。
ふんわりやわらかめのホイップにしたいときは、泡立てすぎないように気をつけましょう。

「6分立て」とは?

6分立てのホイップクリーム

かなりゆるめ。泡立て器ですくうと、ゆっくり落ちていくくらいのやわらかさです。

<6分立てホイップクリームの用途>

  • ムース・ババロア
  • フルーツやプリンにかけるソース風クリーム

「7分立て」の生クリーム

7分立てのホイップクリーム

少しとろみがあり、泡立て器を持ち上げるとツノの先がすっと曲がるくらい。塗り広げやすい固さで、ケーキの表面にクリームを塗って整える「ナッペ」にぴったりの状態です。

<7分立てホイップクリームの用途>

  • スポンジケーキの表面に塗るナッペ
  • ロールケーキの中に塗るクリーム

「8分立て」の生クリーム

8分立てのホイップクリーム

しっかりとしたツノが立ち、形もある程度キープできます。しぼり出しに向いていて、ケーキのデコレーションにぴったりの固さです。

<8分立てホイップクリームの用途>

  • ケーキやカップケーキのデコレーション
  • シュークリームの中に詰めるクリーム

「9分立て」の生クリーム

9分立てのホイップクリーム

かなりかためのクリームで、ツノがピンと立ちます。混ぜすぎると分離しやすいので、ここまで泡立てるときは注意が必要です。

<9分立てホイップクリームの用途>

  • デコレーションの立体的な絞り出し
  • 飲み物の上に浮かべる

泡立て過ぎたらどうなるの?

生クリームを泡立てすぎると、分離してボソボソになり、なめらかさが失われてしまいます。さらに泡立てが進むと、水分と脂肪分が分かれてバターのような状態になってしまうことも。

もし、泡立てすぎて失敗した!という時も、使い方を工夫すればおいしくいただけますよ。以下のような使い道があります。

  • ビスケットに添えて、クリームチーズ風のディップに
  • グラタンやシチューに加える
  • カレーやミートソースの隠し味に

ホイップクリームが余った時は?

生クリームをホイップすると、予想外に量が多くなって全部使いきれない……ということもあると思います。せっかく頑張って泡立てたのに、捨てるのはもったいないですよね。そんな時は、ドリンクに浮かべたり料理に使ったりしておいしく活用することができます

以下の記事では、余ったホイップクリームの活用アイデアを紹介しているので、ぜひチェックしてください。

>>もう無駄にしない! 余ったホイップクリームを最後まで楽しむ活用アイデア

遊び感覚で作れるホイップクリームメーカーも!

ホイップクリーム作りの基本や、失敗しにくいコツをご紹介してきました。自分で泡立てると、好みのかたさに調整できるのがうれしいポイントですよね。

でも、「道具をそろえたり、後片付けがちょっと面倒……」という人もいるかもしれません。そんなときは、遊び感覚で使えるホイップクリームメーカーを取り入れてみるのもおすすめです!

<p>ふりふりクリームメーカー</p>

ふりふりクリームメーカー

アイテムを見る

こちらは「ふりふりクリームメーカー」という商品です。生クリームと砂糖を入れて振るだけで、ホイップクリームが簡単に完成! 絞り口付きの容器だから、そのままスイーツにデコレーションもできます。ふりふりするだけなので、子どもと一緒に楽しめるのもいいですね!

今回ご紹介した内容を、お菓子作りやティータイムにぜひ役立ててみてくださいね。

公開日:2020年5月20月
更新日:2025年4月11月

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