熱中症対策に効果的な飲み物を管理栄養士が解説!NGな飲み物・飲み方も!

気温が高くなってくると、熱中症対策を講じなくてはなりませんね。

熱中症対策には「水分補給」が大切なのはみなさんご存知のはずですが、具体的にどんな飲み物がよいと思いますか?
実は、ひとくちに飲み物といっても、熱中症対策になる飲み物とそうでないものがあるのです

この記事では、熱中症対策には適している飲み物とNGな飲み物、また、適切な水分補給のタイミングについてご説明します。

熱中症対策に効果的な飲み物の種類

熱中症対策で真っ先に思いつくのが、飲み物を摂取する「水分補給」です。
では、具体的にどんな飲み物を摂取するのが効果的なのでしょうか。

熱中症対策に効果的な飲み物
  • スポーツドリンク
  • 経口補水液
  • 塩分が入った清涼飲料水
  • 麦茶などのノンカフェイン飲料

今回はこの4つについてご紹介します。
それぞれの飲み物を摂るときの注意点も併せて説明しますね。

熱中症対策に効果的な飲み物【1】スポーツドリンク

スポーツドリンク
《 おすすめのシーン 》

運動前や作業前

スポーツドリンクは、電解質(塩分や各種ミネラル)が入っているので、汗で失われた成分を補給するのに適した飲み物です。
また、体に取り込まれやすいように成分が調整されているので、素早く水分補給ができるのもメリット。

スポーツドリンクを飲むときの注意点

スポーツドリンクは、糖分が多いのがデメリットです。
特に汗をかいたり、運動をあまりしていないのにスポーツドリンクをたくさん飲むと、エネルギーの摂り過ぎにもつながるので注意が必要です。


熱中症対策に効果的な飲み物【2】経口補水液

経口補水液
《 おすすめのシーン 》

運動中や作業中
運動後や作業後

経口補水液はスポーツドリンクと混同されがちですが、スポーツドリンクよりも塩分が多く、糖分が少ないのが特徴です。
水分や塩分を含む電解質がより速く吸収できるよう、考えられています。

そのため、運動や作業中といった汗をたくさんかくときに飲むと、素早く水分や電解質が補給でき、熱中症予防につながるのです。

経口補水液を飲むときの注意点

経口補水液を飲む際に注意してほしいのが、飲む量です。
ほかの飲み物より塩分やカリウムが多く含まれているので、1日あたり500~1000mlと目安量が決まっています

また、高血圧や腎臓病、糖尿病など持病がある場合は、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。


熱中症対策に効果的な飲み物【3】塩分が入った清涼飲料水

清涼飲料水
《 おすすめのシーン 》

運動後や作業後

場合によっては、スポーツドリンクや経口補水液がすぐ手に入らないことがあるかもしれません。
そんなときは、少量の塩分が入った清涼飲料水をおすすめします。
自動販売機でも購入できるので、いつでも手に入れられるのがメリット。

塩分が入った清涼飲料水を飲むときの注意点

スポーツドリンクと同様に糖分が多いのが気になります。
また、スポーツドリンクや経口補水液のように、塩分やミネラルなどの電解質のバランスが考えられていると限りません

スポーツドリンクや経口補水液も手に入る状況なら、清涼飲料水ではなくスポーツドリンクや経口補水液を選ぶといいでしょう。


熱中症対策に効果的な飲み物【4】麦茶などノンカフェインの飲料

麦茶
《 おすすめのシーン 》

食事や就寝前など(運動・作業時以外)

運動や作業をしていないとき=日常生活では、麦茶などのノンカフェイン飲料をおすすめします。
起床後や就寝前などの水分補給にもピッタリです。

カフェイン入りのお茶はNG

なお、お茶には緑茶やウーロン茶などカフェイン入りのものもありますが、こちらは熱中症対策の飲み物としてはおすすめできません。
その理由は次で説明しますね。

熱中症対策にはNGな飲み物や飲み方とは?

熱中症対策には飲み物が大切ですが、中にはおすすめできないものもあります。
どんな飲み物がよくないのか、また理由を併せて説明していきます。

熱中症対策にNGな飲み物
    • カフェイン入りの飲料(コーヒー、紅茶、緑茶など)
    • アルコール
    • 塩分を含まない飲料

熱中症対策にはNGな飲み物【1】カフェイン入りの飲料

コーヒー
先ほど、おすすめ飲料の項目でカフェイン入りのお茶はおすすめできないと説明しました。
その理由は、カフェインの利尿作用にあります。
せっかく水分を補給しても、出ていく量が多いと簡単に脱水状態になってしまうからです。
運動や作業後にひと息つきたいときには飲んでもよいですが、運動や作業前~作業中には控えたほうがよさそうです。

熱中症対策にはNGな飲み物【2】アルコール

ビール
アルコールにも利尿作用があるため、熱中症対策の水分補給としては適切ではありません。
また、アルコールがおすすめできないもうひとつの理由が、ビタミンB1を大量に消費するところです。

夏バテの原因はビタミンB1不足!?

ビタミンB1は、糖の代謝に必要な栄養素ですが、汗や尿で溶け出てしまうので、夏場は特に不足しがちです。
ちなみに、ビタミンB1が不足すると疲れやだるさ、集中力の低下などといった、夏バテの症状を招きます。
夏バテ防止のためにも、アルコールの摂りすぎは控えるようにしてくださいね。

熱中症対策にはNGな飲み物【3】塩分を含まない飲料

ペットボトルの水
実は、運動や作業前~作業後の飲み物に、水や麦茶などは適していません。
その理由は、塩分を含まないからです。
塩分を含まない飲み物をいくら飲んでも、失われた電解質は補給できません。
汗をかいたときは、少量の塩分を含む飲み物をおすすめします。

水や麦茶ばかりを飲むとどうなる?

屋外で水を飲む女性
塩分を含まない水や麦茶などをたくさん飲むと、脳がこれ以上水を飲むなという指令を出します。
水をたくさん飲むと血液中のナトリウムが薄まるのですが、あまりにも薄まると体の機能に影響が出ることも。
そのため、血液中のナトリウムをキープするために、脳が水分を拒否するよう指令を出すのです。

脳が水分を拒否すると、一時的にのどの渇きがおさまりますが、実は水分が不足しているケースも多々あります
「水を飲んでのどの渇きがおさまったのに、熱中症になってしまった」というケースは、塩分を含まない飲み物を飲んだからかもしれません。

塩分を含まない飲み物ばかり飲んでいると脱水症状になる可能性があるので、汗をかいたら塩分を含む飲み物を補給しましょう

食事で塩分を多くとってもダメ
「飲み物じゃなくて、食事のときに多く塩分をとれば問題ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、とりすぎた塩分は尿中に排出されてしまいます。

また、塩分を排出するために体内の水分を余計に使ってしまうので、逆に脱水のリスクが高まってしまうのです。
そのため、汗をかいた分だけ塩分入りの飲み物を補給するようにしましょう。

アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の違い

熱中症対策に適した飲み物はお分かりいただけたと思います。
実は、これらの飲み物には熱中症対策に効果的な「飲むタイミング」があるのです。

その説明に入る前に、まずはスポーツドリンクや経口補水液などの説明でよく見かける「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」という2種類の飲料の違いからご紹介しますね。

アイソトニック飲料とは

アイソトニック飲料とは、血液や体液の浸透圧1液体に溶けている物質は、濃度の低い方から高い方へ移動する性質があります。
この時、物質が移動する時にかかる圧を「浸透圧」と呼びます。
と等しい飲み物のことを言います。
スポーツドリンクなどが該当します。

水分だけでなく、糖分や塩分がバランスよく体に吸収されるのが特徴です。
運動前など、安静時には体液と浸透圧が等しいアイソトニック飲料が吸収されやすくなります。
また、糖分が多いので運動や作業中のエネルギー源として◎です。

代表的なアイソトニック飲料

代表的なアイソトニック飲料には下記のようなものがあります。

代表的なアイソトニック飲料
  • スポーツドリンク
  • GREEN DA・KA・RA(サントリー)
  • ビタミンウォーター(サントリー)


※SUNTORY お客様センター「「アイソトニック飲料」とは、どのような飲料ですか?」検索日2021/3/11

ハイポトニック飲料とは

ハイポトニック飲料とは、血液や体液の浸透圧より低い飲み物のことを言います。
経口補水液などが該当します。

糖分が少なく、塩分が多めなのが特徴です。
運動や作業中など汗をかいて、血液や体液の浸透圧が低くなっているときに吸収がよくなります。

代表的なハイポトニック飲料

代表的なハイポトニック飲料には下記のようなものがあります。

代表的なハイポトニック飲料
  • 経口補水液
  • SUPER H2O(アサヒ飲料)
  • ヴァームウォーター(明治)


※アサヒ飲料「SUPER H2O」検索日2021/3/11
※明治「ヴァームウォーター」検索日2021/3/11

アイソトニック飲料を薄めるとハイポトニック飲料になる?

アイソトニック飲料とハイポトニック飲料の違いは浸透圧の違いにあります。
では、アイソトニック飲料を薄めるとハイポトニック飲料になるのでしょうか?

たしかに、糖分が多いアイソトニック飲料を薄めると、浸透圧が低くなるので運動や作業中は吸収されやすくなります。
しかし、アイソトニック飲料の糖分は商品によって差があります。
糖分が少ないアイソトニック飲料を薄めると、かえって水分の吸収が悪くなるので、注意しましょう。
薄める際は、栄養成分値をよく確認してくださいね。

熱中症対策に重要な「飲むタイミング」

先ほどもご紹介しましたが、飲み物が体に吸収されやすいタイミングは飲み物によって異なります。
こちらでは「運動前」「運動中」「運動後」の3つのタイミングに分けて、具体的にどんな飲み物が効果的かお伝えします。

「運動前」に効果的な飲み物は?

ヨガの前に水を飲む
運動や作業前には、スポーツドリンクなどのアイソトニック飲料をおすすめします
先ほども説明したように、運動や作業前は安静にしている状態です。
血液や体液も浸透圧が変わっていないので、アイソトニック飲料の方が吸収されやすいのです。

「運動中」に効果的な飲み物は?

運動中に水を飲む
運動や作業中は、経口補水液などのハイポトニック飲料がおすすめです
汗をかいた状態では、浸透圧が低くなります。
スポーツドリンクなどアイソトニック飲料は吸収されにくいので、ハイポトニック飲料の方が適しているのです。

「運動後」に効果的な飲み物は?

休憩中に水を飲む
運動や作業後も、ハイポトニック飲料がおすすめです
やはり汗をかいて、浸透圧が低くなっている状態なので、ハイポトニック飲料で速やかに水分補給を行いましょう。

シーンに応じて飲み物を使い分けよう

飲み物で熱中症対策をするポイントを最後におさらいしましょう。
飲み物で熱中症対策をするポイント

飲み物で熱中症対策をするポイント
  • 塩分と糖分を適度に含む飲み物がおすすめ
  • アルコールやカフェイン飲料は熱中症対策に適していない
  • 汗をかいたときは必ず塩分を含む飲み物を摂る
  • 運動や作業前などはスポーツドリンク
  • 運動や作業中~後は経口補水液

以上のポイントを抑えて、熱中症対策に役立ててくださいね。

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参考資料
※鈴木志保子著「理論と実践 スポーツ栄養学」日本文芸社 2018/7/14
※疲れに効くコラム powered by リポビタン「夏バテになった時こそビタミンB1を!」検索日2021/3/11
※塩百科「浸透圧・脱水作用」検索日2021/3/11