包丁は形だけでなく、材質もさまざま。
今回は、材質の違う3種類の三徳包丁を集めて、その切れ味について比較していきたいと思います。
①ステンレス三徳包丁(株式会社タフコ)
②セラミック包丁(株式会社フォーエバー)
③チタン包丁(株式会社フォーエバー)
※(カッコ)の中はメーカー名、以下省略。
家庭用の包丁なら、ステンレスが主流ですが、金属じゃないセラミックや、最近流行の兆しのあるチタンも気になるところ。
どんな違いがあるのか、トマトを切ってみました。
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包丁比較
目次
チタンとステンレスとセラミックの重さの違い
①ステンレス三徳包丁で切った後に②セラミック包丁で切ってみると、「わっ!軽くて切りやすい」と思わず声をあげたスタッフ。
セラミックが軽いのは、なんとなく知っていたけれど、そんなに!?
次に③チタン包丁で切ってみると、「これも軽いです。さっきのセラミックとどっちが軽いんでしょう?」というわけで、包丁の重さを測ってみました。
結果はこちら。
いちばん軽かったのは、③チタン包丁。続いて②セラミック包丁でした。
①ステンレス三徳包丁との重さの差は大きいですね!
軽い包丁は手に負担が少ないので、力に自信のない方にはオススメ。
でも、逆に軽すぎて頼りないな、使いにくいなと感じる方も…
包丁を持ってみて、まず感じるのは重さ。
重いか軽いかで、包丁の印象は大きく分かれます。
新品の包丁なら切れる!
3種類の包丁で切ったトマトはこちら。
とくに大きな違いはありません。どの包丁も、問題なく切れました。
包丁は、今回はじめて使う新品で、刃の先がとても鋭くなっています。
これは、食材に当たる刃の面積が小さいということ。
小さい面積に力が集中するので、よく切れるのです。
「新しい包丁は切れる」
これは当たり前のことなのかもしれません。
じゃあ、よくいわれる「切れ味がいい包丁」って、どういう包丁なんでしょう?
セラミック包丁は半年研がなくても抜群の切れ味?
包丁は、切れ味がいい状態が長く続くことも大切。
使う人の感じ方に違いはあると思いますが、使っていくうちに、刃先は摩耗して幅が広がっていくので、食材に当たる面積が大きくなります。
これが、包丁が切れなくなる、切れ味が落ちたという状態。
ということは、摩耗に強く硬い材質のほうが、切れ味が長続きするということがいえますね。
とくに②のセラミックは硬いので、半年は包丁を研がなくても大丈夫といわれています。
切れ味で3種類の包丁を比較すると②のセラミック包丁に軍配が上がります。
硬いセラミック包丁が苦手なものとは?
でも、②のセラミック包丁は硬さがデメリットになることも。硬いと刃が割れやすいのです。
これを、刃こぼれしやすいといいますが、かぼちゃなど硬い食材は切らないほうが無難。
万能な三徳包丁のはずなのに、存分に使うことができないのはちょっと不便ですね。
また、切れ味のいい状態が長く続くとはいっても、いつかは切れ味が悪くなります。
セラミックを研ぐには、専用の研ぎ器が必要。
となると、切れ味は②のセラミック包丁より劣っても、①ステンレス三徳包丁と③チタン包丁のほうが幅広く万能に使えるといえます。
チタン・セラミック包丁は錆びない
切れ味はもうひとつだけど、ステンレスの包丁がよく使われているのは錆びにくいから。
昔の包丁の材質といえば、鉄にカーボンを加えた鋼(炭化鉄)でした。
切れ味抜群といわれますが、最大の弱点は錆びること!
鋼に含まれるカーボンが空気中の水分と反応して錆びてしまうのです。
放っておくと、こんな痛々しい姿に…
包丁の材質は、鋼から、ステンレス、セラミック、チタンという順に進んできたのですが、切れ味とともに、錆びにくさが求められてきました。
ある包丁メーカーさんのお話によると、お客さまのクレームの8割は「包丁が錆びる!」ということなんだとか。
ステンレスは錆びにくいだけで、錆びないとはいい切れません。
②セラミック包丁は金属ではないので錆びの心配はまったくありませんね。
また、チタンは金属ですが錆びないといわれています。
チタン包丁は高価だが臭い移りの心配なし
最近注目のチタンは、空気とすぐに反応して強い皮膜を作るので錆びないそう。
金属特有のにおいもないので、食材ににおい移りしないのもいいところです。
その点は、同じく錆びない②セラミック包丁も同じですが、③チタン包丁は、金属ならではの重厚さがあります。
ただ、加工に手間がかかるので、お値段は少々高め。
デザインのバリエーションもまだまだ少ないのが現実です。
最後に特徴をまとめました。
まんべんなくバランスが取れているのはステンレスでしょうか。
でも、何を重視するかで使いやすい材質は変わってきます。
表を参考に条件と合う材質を選んでくださいね。



包丁比較シリーズ