ネットショップで10年間、商品ページの制作を担当。キッチングッズやゴミ箱などの商品を知り尽くすプロ。豊富な商品知識と主婦歴20年の家事経験で、ライフスタイルにマッチしたアイテムをご提案します。
白湯やお茶を沸かすのに必要な「やかん」。頻繁に使うアイテムだけに、キッチンに出しっぱなしにしているという人も多いはず。そのため、自分の好みにあった「おしゃれなやかん」を選びたいですよね。
今回は、やかんのおすすめをご紹介します。
やかんを選ぶ際のポイント3つ
電気ケトルを使っている増えてきた昨今。湯をわざわざ沸かすのがめんどくさいと思われるかもしれませんが、「やかん」には電気ケトルにはない魅力があります。
<やかんを使うメリット>
- 塩素をぬくため10~15分沸かし続けることができる
- 丸洗いできる
- ストーブでお湯を沸かせる
塩素を抜くことができるので「白湯(さゆ)」を作るのにぴったり。また、鉄製だと鉄分をとることもでき、一石二鳥です。
そんなやかんの選ぶポイントをご紹介します。
【素材】重視するポイントで選ぶ
素材によって、沸く早さに違いがあります。また白湯を沸かしたときのおいしさも異なります。自分が何を一番重視するのか、整理して選んでください。
かわいさ重視なら「ホーロー製」のやかん
ガラス質のホーローは着色が自由にできるため、カラーバリエーションが豊富。また柄やキャラクターをあしらったものあります。そのため、キッチンインテリアの一部になります。コンロに出しっぱなしにしているというなら、ホーロー製を選ぶのもひとつの手です。
また、ホーロー製のやかんは保温性が高いので、沸かしたお湯がしばらく温かいというのも魅力のひとつです。さらに耐冷性にも優れ、冷蔵庫に入れておいてもOK。ニオイ移りもしにくいのがうれしいところ。
ただし、ホーローは衝撃や温度変化に弱いというデメリットも。そのため、ホーロー製やかんの空炊きは厳禁。落としたり、空炊きしてヒビが入ると、そこからサビが発生することもあります。
サビにくくお手入れしやすい「ステンレス製」のやかん
ステンレスは丈夫で長く使い続けることが可能。さらにサビにも強いといった面から、やかんに最も多く使われる素材です。
そのためラインナップも豊富。中には刃物の生産地、燕三条で作られた日本製のモノも。フォルムやディテールにこだわった職人技が光る逸品もあります。
値段の安さを重視するなら「アルミ製」のやかん
昔からあるアルミ製のやかん。アルミは軽いため、大容量のやかんに大量の水をいれても持ち運べるというのがメリットです。熱伝導もよいため、銅には劣るもののお湯も早く沸きます。
ただ、耐久性には劣るため、へこんだりすることも。ただ、他の素材に比べて安価であるため、気軽に買い替えらるのはうれしいところです。
白湯がおいしさを重視するなら「鉄製」のやかん
南部鉄器が有名な鉄製のやかん「鉄瓶」。鉄がカルキを吸着するので、まろやかで口当たりがよい白湯をつくることが可能。さらに鉄分が溶けだすので鉄分補給にもよいとされています。熱伝導がよく保温性に優れているので、早く沸いてなかなか冷めないというのも利点です。
ただ、鉄はサビに弱いため、使った後は空炊きを数秒して水分をきっちり飛ばす必要が。これを面倒を思わず丁寧に扱えるかどうかがセレクトポイントです。決して安いアイテムではありませんが、お手入れ方法さえ分かっていれば、一生だけでなく親から子へ引き継いで使うことができるアイテムです。
経年変化を楽しんで一生ものにするなら「銅製」のやかん
銅は熱伝導にとても優れているので、お湯が早く沸くというのが最大のメリットです。銅には抗菌作用があるとされているのも衛生的にも◎。また、使う年数に応じて変色を楽しむことができるのも銅ならではの魅力です。
ただし、鉄瓶より高価です。経年変化を楽しむ一生ものにすると決めて買うならおすすめです。
まろやかな白湯がわく「セラミック製」のやかん
ガス火にかけて沸かせるセラミック製のやかんもあります。いわゆる「土瓶」と呼ばれるものです。遠赤外線効果が期待できるため、白湯を沸かすとまろやかな味わいに。また金属イオンが出ないので、お茶やコーヒーの成分と化学反応を起こすことがないため、お茶本来のおいしさを味わうことが可能。薬を飲むために、塩素をぬいたぬるま湯を作りたいといった場合にも最適です。
ただしセラミックは、土鍋や急須と同じ陶器であるため、割れやすいのが難点。扱いには注意が必要です。
【容量】やかんの「容量」と実際に「沸かせる量」には違いが!
やかんに記載されている容量は、「満水容量」であることがほとんどです。満水容量とは読んで字のごとく「やかんいっぱいいっぱい、つまり満タンまで入れた場合の容量のこと」を指しています。だたやかんに満タンに入れて沸かすと吹きこぼれますよね。そのため、満水容量の7割くらいが実際に沸かせる量です。
容量は家族の人数やどんな用途で使うか想像しながら決めるとよいでしょう。
- 0.5~1リットル……1人分の白湯やお茶を淹れる、カップ麺を作ったりするなら
- 2~3リットル……3~4人の家庭で、麦茶などを作りたいなら
- 5~10リットル……スポーツをする家族がいて毎日大量のお茶が必要になるなら
【デザイン】洗いやすいか・収納しやすか
電気ケトルとは違い、隅々まで洗うことができるのがやかんの魅力のひとつとお伝えしましたが、デザインによっては洗いにくいものも。洗いやすいかどうかは、下記の3つのポイントを抑えるとよいでしょう。
<洗いやすさを重視する際のセレクトポイント>
- フタをとったときの口が10cm以上ある広いやかん
- 背が低いやかん
- 取っ手が稼働式で倒せるやかん
また、デザインは収納しやすさにも関わってきます。やかんのデザインは大きく分けるとポットのように縦に長いものと平たい形のものがあります。
写真のような平たい形のものなら、冷蔵庫の棚に入れることができます。麦茶を作る場合「やかんで麦茶を煮出してピッチャーに入れる」ということが多いと思いますが、冷蔵庫におさまるやかんを選ぶと、ピッチャーに入れるひと手間がなくなります。
【注ぎ口】麦茶・白湯・コーヒー?何に使うお湯を沸かすか
お湯をどれぐらい注ぐことが多いのかを考えて注ぎ口のタイプを選びましょう。
- コーヒードリップ……注ぎ口が細いやかん
- 麦茶を沸かしてピッチャーに移す……注ぎ口が大きいやかん
- 沸かしたお湯を湯のみに直接いれる……尻漏れしにくく湯切りのよいもの
コーヒーをドリップすることとお茶を入れること、両方を考えられたアイテムもあります。最近のやかんは、注ぎ口にこだわって作られたものがほとんどです。注ぎ口については、商品ページでぜひチェックしてほしいポイントです。
【機能】火を止めるタイミングがわかる笛吹機能
お湯が沸騰したときに「ピー」という音で知らせてくれる「笛吹機能」。空炊きをよくしてしまうという心配があるなら、笛吹機能のあるものを選ぶ方がベター。
また大量のお湯を沸かす際は、なかなか沸かないので、笛吹機能があると便利です。
【熱源】IH対応かどうか
最近マンションではIHコンロであることが多くなってきました。そのため、引っ越しの機会がありそうなら、IH対応を選んでおくと無難です。
やかんはIHに対応していないアイテムもあるので、忘れずにチェックしたいポイントです。
おすすめのやかん10選び
重視するポイント別のベストワンのやかんをご紹介。ただし、日本製とホーロー製は意見が割れたので、ベスト3までチョイス。実際アイテムを見て年間300ページもの商品ページを作っているタカハシと編集長noemiuが、売れているアイテムも加味して決めた決定版です。
シンプルかつかわいさを追求するなら「ホーロー製やかん」
木とホーローが一体感となり描くラインが印象的。ぽってりとしたフォルムと木との組みあせがミニマムながら温もりを演出し、ティータイムを楽しく彩ります。湯量が調節しやすいようにこだわった注ぎ口もポイント。コーヒーを淹れるときにも急須に注ぐときにも、マルチに活躍。ティータイムに欠かせないアイテムになりそうな予感です。
好きな色のやかんが見つかる「カラバリ豊富なやかん」TOP2シリーズ
ケトルとポットいいとこどりをした「ポトル」。洗いやすい口径に少量でも大量でも注ぎやすい口、存在感のある高さ、ユニセックスな色合いと機能性にもデザインにもこだわったやけん。「野田琺瑯」の技術が詰まったアイテムです。
富士ホーローの笛吹ケトル。カラーのバリエーションが多いだけでなく、写真の丸い形だけでなく四角いものもありラインナップが豊富なのが魅力です。写真左から、ワインレッド、ライトグレー、アッシュピンク、ホワイト、マスタード。それ以外にスモークブルーも展開。
好きな色が選べるのがうれしいところです。
かわいさ重視なら「ミッフィーフェイスのやかん」
ミッフィーの顔があしらわれたやかん。裏側はミッフィーが眠っている絵柄になっています。同シリーズには、ミッフィーのお友だち「ボリス」の顔をあしらった茶色のやかんもあり、こちらも大人気アイテムです。一人暮らしでもファミリーにも使いやすい1.2リットルサイズというのも人気の理由のひとつ。IH対応。満水容量は2リットル。
品質にこだわる人に「日本製のやかん」BEST3
受け継がれてきた確かな職人技で作られる日本製のやかん。フォルムや注ぎ口など、細部までこだわりが詰まったアイテムも多いので、使い勝手も抜群。品質も確かで、長く愛用できるアイテムばかり。売れているアイテムを加味しながら、おすすめトップ3をご紹介します。
シンプルで飽きがこないデザインがそろう「She’s cooking(シーズ・クッキング)」の笛吹ケトル。広口で洗いやすいだけでなく、底面も広く少しでも水が早く沸くように計算されたデザインです。伝導率も写真の満水容量1.6リットルと2.6リットルの2サイズあり。笛吹の付いてないシンプルタイプもラインナップ。
末長く使い続けてもらえることを願って作られた「千歳」のやかん。「お湯を沸かす」という毎日行うシンプルな目的だからこそこだわったディテールがいっぱい。例えば、本体は素早くお湯がわくようなフォルムに、注ぎ口は水切れよく、フタのつまみと取っ手は馴染みよくといった具合。クラシカルで美しいやかんです。
大正11年創業。燕三条の老舗道具店「工房アイザワ」のやかん。丸みのあるやさしいフォルムと注ぎやすさを考えた持ち手、水切れよい注ぎ口と細部にまで技を結集。まさに“機能美”を体現しした逸品です。写真の「つや消し」と光沢が美しい「鏡面仕上げ」のアイテムもあり。IH対応。満水容量は1.7リットル。
鉄分をとれる白湯を作りたいなら「鉄製のやかん」
鉄瓶を多く作り続ける池永鉄工とプロダクトデザイナー小泉誠とコラボしたブランド「tetu」の鉄瓶です。鉄瓶はフタを開けて乾かす必要がありますが、こちらのアイテムは鉄瓶のフチにフタが掛けられるデザインになっているのがうれしいところ。注ぎ口も湯切れがよいようにひと工夫あるのもうれしいところ。
満水容量は1.0リットル。毎朝飲む白湯に欠かせないアイテムになりそうです。
家族の人数が多い人には「大容量のやかん」
満水容量が5リットル、湯を沸かせる適正容量は3.9リットルという大容量のやかん。沸くまで時間がかかる大容量でも、笛吹機能が付いているのでずっとコンロ前で見張っておく必要もなし。フタ部分の口径も広いので、洗いやすいのもおすすめのポイント。丈夫なステンレス製でサビにくく、洗いやすいので、毎日使い倒してもOK。夏の麦茶作りに活躍すること間違いなしです。
一人暮らしにぴったり「小さめのやかん」
一人暮らしのやかんには、1~1.5Lくらいの容量を選ぶのがおすすめです。
満水容量は1リットル。0.5~0.6リットルのお湯が沸かせる小さなやかんです。一人分のお湯を沸かすのにぴったりサイズ。茶こしが付いているので、煮出す必要のある麦茶作るのにも◎。刃物の街、燕三条の職人が作った日本製のアイテムです。
冷蔵庫に収納したいなら「フラットケトル」
冷蔵庫に入れて冷やしたいなら、取っ手が折りたためる「フラットケトル」を選ぶとよいでしょう。素材は、耐冷性にすぐれたホーロー製かステンレス製が正解。
写真のアイテムは茶こしも付いているので、麦茶を作って冷やす工程すべてがこれひとつで完結するホーロー製ケトルです。IH対応。満水容量は2.3リットル。
コーヒードリップに向いた「注ぎ口が細いやかん」
コーヒーをドリップしたいなら、湯量がコントロールしやすい注ぎ口が細いものを選ぶのがおすすめ。最近は、コーヒードリップを想定したやかんも多数発売されています。
コーヒーウェアを多数発売する「HARIO(ハリオ)」のホーロー製ケトル。白いボディと持ち手とフタの天然木が褐色のコーヒーとマッチ。おしゃれな食卓を演出します。
持ち手が上ではなく横についているので、傾け具合を調節しやすく湯量のコントロールがしやすいのもポイント。適量をまわしかけやすくなっています。
麦茶を煮出し用に使うなら、茶こし付きやかん
麦茶を煮出して作りたいなら、茶こし付きのやかんを選ぶと便利です。
写真のケトルは、新潟県燕三条で作られたやかん。18-8ステンレスを使っていて丈夫で使い勝手も抜群の小さめサイズのやかん。IHにも対応。
アウトドアで使うなら「2WAYタイプやかん」
冬キャンプにあったかいお湯をはマストです。でもソロキャンだったりすると荷物が多くなるのは大変ですよね。そこで、キャンプにおすすめなのは、2WAYタイプのやかんです。
こちらはアウトドアブランドの「キャプテンスタッグ」のケトル。1台でケトルにも片手鍋にもなる2WAYアイテムです。コの字型になった取っ手は、ネジを緩めてまっぐ伸ばすことが可能。調理にも湯沸かしにも使えて一石二鳥です。荷物をコンパクトにしたいアウトドアにぴったりです。
やかんは重視したいポイントで選ぼう
迷わないように、重視したいポイント別にご紹介。どれもコンロに出しっぱなしにしていてもサマになるおしゃれなものばかりです。
冬は朝に白湯作りに、夏は麦茶作りに欠かせないやかん。電気ケトルでは味わえないおいしさを追求できるものや大容量を一気に沸かせるタイプなど、種類が豊富にあることもやかんの魅力です。
スタッフで話し合って厳選したアイテムなので、ぜひ参考にしてみてくださいね!