キッチン道具の担当者。元司書であることから、モノを買うときは納得するまで調べ尽くす性分。ハウジーではクラスコと一緒に100を超えるキッチン道具の比較や検証を実施。本当に気に入ったキッチン道具の紹介や「困った!」を解決する記事をお届けしていきます。
リフォーム時、朝食を食べたり、できた料理をサーブしたりする暮らしに夢見て設置したキッチンカウンター。でもある日、私はふと気が付いたのです。単なる「物置き」になってしまっていることを! そこで「キッチンカウンターを片付けて素敵に保つ方法」を整理収納アドバイザーの柳澤知伽さんにアドバイスしていただきました。
物置化してしまう!「キッチンカウンター」の理想と現実
キッチンカウンターって、「カフェ風なお部屋にできそう!」とか「家族やお客さんの顔を見て会話しながらお料理できて、なんか素敵そう」というイメージ、ありませんか?わが家のリフォームの際も「ほら、ここから向こう側にお皿を受け渡しもできます。お子さんが遊んでいる様子も見れるので安心ですよね」と住宅メーカーの営業さんが猛プッシュ。そんなこんなで選んだ、憧れのキッチンカウンターのあるリビング&ダイニングだったのですが……。
――数年経ったある日。
片づけが苦手な編集部Uchidaは、ふと気づいてしまったのです。「わが家のキッチンカウンターってこんなんだったっけ?」
本体はカウンター越しにリビングが見えるはずなのに、バリケードのように置かれた雑多なもので全く見えません。
皿の受け渡しなんてとんでもない。カウンターで朝食なんて夢のまた夢……。
もうどこから手をつければいいのか、わからない状態です。
そんな折、ふと思いつきました。
「そうだ!県内にいらっしゃる整理収納アドバイザーの柳澤さんに相談してみよう。お洒落で便利な収納アイデアも教えてもらえるかも!」
というわけで、キッチンカウンター上の整理収納に役立つアドバイスと実演をして頂きました。
その様子を2回にわたってお届けします。
みんなのキッチンカウンターの悩みを調査
さて、ひとつ心配だったのは「カウンター上が散らかりやすくて悩んでいるのは私だけなのでは?」ということ。
もし誰も悩んでいないなら、企画として社内にわざわざ来ていただくより、プライベートで自宅に来ていただく方がいいですからね。
――すると。
社内アンケートの結果では、何と「自宅・実家にキッチンカウンターがある」と答えた方のうち全員が「悩みがある」と回答。
意外と皆さん、何かしらの悩みがあるようです。同時に画像も募ってみたのですが、こちらは「見せられない」という方ばかりで、「一部分だけ」「匿名で」という条件で提供いただきました。
【アンケート1】どんなことで悩んでいますか?
特に多かった意見をピックアップしています。
- いつのまにか物置になっちゃう
- カウンター上や椅子が物置になり、全く活用できていない
- 収納用品を置いても油やホコリで汚れ、お手入れが大変
- ホコリが溜まりやすい!
- 何かごちゃごちゃしちゃう
- カウンター越しにやり取りする際、飾っているものが邪魔になる
- きちんと並べてもごっちゃり感が否めない
どれもこれも身に覚えがありすぎて。分かる……分かりすぎて、つらい……。
【アンケート2】キッチンカウンターには何を置いてるの?
さらにくわしく、「どういうモノを置いているか」についてリサーチしてみると……。
●カウンターについ放置してしまいがちなもの
郵便物(特にDM)、回覧板、充電中のスマートフォン、鍵、書類(仕事関連や子ども関係のプリントなど)、絆創膏、文庫本、リモコン(エアコンやテレビなど)、化粧品、ポケットティッシュ、ヘアゴム、シュシュ、アクセサリー
●カウンターについ放置してしまいがちなもの
茶葉、調味料、貯金箱、固定電話(モデム類)、文房具、電気ケトル、花瓶、観葉植物(造花)、ティッシュ、小物雑貨
などが多数意見として挙がってきました。
ちなみに、ある日のわが家のカウンターにあった上記以外のモノとしては。
- 日本酒の瓶
- 昨年の大掃除後に放置されたままの洗剤スプレー
- 「なんかお洒落」とノリと勢いで買ったバナナハンガー
- 観葉植物(造花)や空っぽの花瓶
- とっくに香りがなくなったポプリ
- ご飯前に子どもから取り上げたお菓子
何というか、もう自分でも残念すぎます……。とりあえず、カウンターの天板が全く見えないくらい、いつの間にか色んなモノがいっぱい。果たしてどのくらい理想に近づけるのでしょうか?
整理収納アドバイザーが「キッチンカウンターの整理術」をアドバイス
家族の共有の場所ということや、その場所で過ごす時間が長いなどの条件も重なり、どうしても「定位置」が決まってないモノなどが集まりやすくなるカウンター。
早速、整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーターの資格をお持ちの柳澤さんにアドバイスをもらいました。
<今回、アドバイスしてくれる専門家>
柳澤知伽 (Chika Yanagisawa)
整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
自宅サロンレッスンやお片付けのサポートを通じ、依頼者に応じてアドバイス。「ちょっとやってみようかな」と思える話をセミナーでは提案。インテリア&収納コーディネートで、憧れの空間をかなえるお手伝いも。
今まで行かれたご家庭でも、やはりキッチンカウンターは「物置」と化しているところがほとんどだそうです。早速解決策についてアドバイスをもらうべくインタビュー開始!
【専門家アドバイス】キッチンカウンターが物置化する原因は?
まずはじめに、今回のテーマですが…カウンターが散らかりやすい原因ってズバリ何?と伺ってみました。
「カウンターがモノを一番置きやすい高さだからということもあると思います」
「屈まず」「背を伸ばさず」にモノが取れる、この(キッチンカウンター)くらいの高さっていうのは一番モノが置きやすい&取り出ししやすいというのがあります」
(キッチンカウンターは)その条件にちょうどあてはまってるんですね」
チラシとかDMもたまりますよね。ポストから持ってきて「後で見る」みたいなことがよくあります。
「チラシなどがたまる場合は、まず動線で考えてみて!
例えば(キッチンに)入ってきて、カウンター上にチラシを置いてしまうんだったら、カウンターの下にゴミ箱を置いておくといいですね。で、立ち読みして(不要なものをその場で)捨てる!」
なるほど、そのくらいしないとチラシやDMの増殖は避けられないということですね。
キッチンカウンターに限らず、玄関やダイニングテーブルなどにちょい置きしがちなケースもあります。溜まりやすい場所にゴミ箱を置くことがため込み防止の秘訣だなと思いまました。
【専門家アドバイス】キッチンカウンターを片付けるコツ
でも、片付けよう!って思ったときもう何から手を付けたらいいかわからないということも結構あります。どうしたらいいんでしょうか。
「まず、カウンター上にあるモノを全部把握して」
「で、絶対にカウンターに置いておかないといけないモノかどうか、違うところにおいてここでなくてもいいモノかどうか……と考えていって整理します」
耳が痛い……。そもそも整理整頓は、そこにあるモノを必要なモノと不要な野のに分けて不要な物を捨てる「整理」と必要な物を使いやすい場所に置く「整頓」がひとつになった言葉。
カウンターの上を整理整頓ということは、そこに不要なものは取り除かなくてはいけないわけですね。
そこで、柳澤さんに理想的なキッチンカウンターってどういう状態ですか?と直球質問してみました。
「基本は何もも置いていないキッチンカウンターです」
なんてストレートなお言葉。
思わず勢いで「ですよね……」と言ってしまいそうでしたが、後編でお伝えする実践編で「全部捨てて終了」ということは避けたいので、「さてどうする?」と思ったときに、ありがたいご提案が。
「どういう状態を理想とするかはその人やご家庭によっても違うので、まず「こんなふうにしたい」という理想(=ゴール)や目的を決めてみましょうか。」
なるほど。はじめに思い描いていた理想のキッチンカウンターを常に思い出しながらお片付けすればいいんですね!
次回の実演の前に、今回のアドバイスをおさらい
「足の踏みいれ場もないくらい。さあ、何からしようかな?という状態」を片付けてきたと語る整理収納アドバイザー柳澤知伽さん。
今回のアドバイスをまとめると
- チラシなどのちょい置きは、その場でCHECK&ゴミ箱GOを徹底する
- 片付けようと思ったときには、まずゴールや目的を決める
- キッチンカウンターにあるモノを全部把握
→キッチンカウンターに「絶対」置いておかなくてはいけないか考える
また、キッチンカウンターに置いておくべきモノについても、適当に置くのではなく「使いやすいように置く」ことも大事。
このあたりの工夫については、実演を交えながら解説・質問&回答という形で進めさせていただきたいと思います。
「STOP物置き化」!
次回は、いよいよアドバイス実演編。
収納アイテムを買う前に気をつけたいポイントや、今あるアイテムを上手に使う方法など、たくさん教えていただいたので必見ですよ♪