北海道の庭で、野菜と共にハーブ・野草・山菜を育てる菜園家。また、それらの食材の楽しみ方・調理方法をプロとして、Yahoo!などの様々なメディアで発信している。Instagram・ブログ『料理+菜園づくり 食育インストラクターracssの日々の暮らし』で、その様子を公開中。
朝、トーストにバターを塗ろうとしたら、「バターが硬くてうまく塗れない!」なんてイライラすることはありませんか?
冷蔵庫で保管してあるバターは、そのままでは硬くてトーストに塗るのが難しいです。
やわらかく・塗りやすくするバターにする方法について考えてみましょう。
バターは「常温に戻しておく」のがベスト
バターは15度くらいでやわらかくなり始めます。
お菓子作りなどで「室温(常温)に戻す」というのはこの状態のこと。
20度くらいでいわゆる「ポマード状」となり、さらにやわらかい状態になります。
どのくらいで常温に戻るの?
バターが溶ける温度は28度以上とされているので、夏以外なら、使う分だけ冷蔵庫から出して室内に置いておくのがベスト。
15分から20分くらいでやわらかくなります。
前の晩から出しておいて、朝にやわらかいバターを使うというのもOKです。
その際は必要以上に空気に触れて酸化しないよう、ふた付きのお気に入り容器があるといいですね。
溶かしすぎに注意!電子レンジでバターをやわらかくする方法
冷蔵庫から出しておくのを忘れてしまった、室温が低くてなかなかやわらかくならない…ということもありますね。
急ぐときは電子レンジを使うのもいいのですが、ちょっと目を離すと溶けすぎてしまいます。
バター20gほどを電子レンジ500Wで20秒かけただけで、こんなに溶けてしまいました。
電子レンジを使う場合は、「解凍モード」または200W程度の低いワット数で様子を見ながら温めましょう。
バターが少量の場合は、低いワット数でも30秒ほどもすればやわらかくなってきます。
●溶かしすぎに注意!
バターは液状にまで溶けてしまうと、元には戻りません。
もう一度冷えて固まっても、乳脂肪分とタンパク質、空気とに分離してしまっているので、舌触りや風味が悪くなります。
おすすめ!バターに温めたコップをかぶせる方法
失敗せず、楽にバターをやわらかくする方法が、「バターに温めたコップをかぶせておく」というもの。
1.耐熱のコップを用意し、熱いお湯を縁まで注いで2~3分コップを温めます。
お湯がない場合は水を入れたコップを電子レンジで2分ほど加熱すればOK。
2.コップが温まったらお湯を捨て、バターを入れた容器に逆さにかぶせます。
コップはドーム状で内側に熱がこもるため、じんわりとバターを溶かすことができます。
室温がかなり低い日でしたが、10分ほどそのままにしておくと、ナイフがすっと入るくらいのやわらかさになりました。
この方法はコップを温めるという一手間がかかるものの、バターを溶かしすぎないのでおすすめ。
朝食準備の最初にしておくといいかもしれませんね。
塗りやすいバターナイフを選ぼう!
最近のバターナイフは進化しています。
手の熱を伝えて溶かす「熱伝導」タイプや、穴が開いていて麺状にバターを削れるタイプもあります。
我が家では洗いやすさを考えて、穴あきタイプではなく歯が波状になっているバターナイフを選びました。
冷蔵庫から出したばかりの硬いバターも、薄く削り取ることができ、熱いトーストにのせると、すぐやわらかくなって塗り伸ばしやすくなります。
このように、使用するバターナイフの素材や形状に注目してアイテム選びをするのもポイント。
美味しさを保つバターの保存方法は?
冷蔵庫でのバターの保存は、空気に触れて酸化が進むことや他の食品のにおい移りを防ぐために、密閉状態にするのが大切。
密閉できるバターケースに入れたり、ラップで切り口を包んだりしましょう。
バターの美味しさは、開封してから2週間ほどすると徐々に失われていきます。
冷蔵庫に入れておけば腐ったりカビが生えたりすることはあまりありませんが、長く置きすぎると脂肪分が酸化して、バターの色が変わってきたり、においが乳臭くなってきたりします。
バターの消費ペースが遅いなら、分割して使わない分は冷凍保存しましょう。
一回分にカットしたものをジップ付き袋に入れて、冷凍しておくのがおすすめです。
使いたいときだけ必要な個数を取り出し、やわらかくして使うスタイル。
小分けカットにして冷凍すると、バターソテーやシチューに少しだけ足したいときなどにも、凍ったままポンと入れられるので便利です。
冷凍庫なら、小分けカットしたものでも2ヶ月くらいは美味しさをキープできますよ。
バターを塗るときのプチストレスを解消しよう
トーストにバターを塗りやすくする方法をご紹介しました。
朝の忙しい時間でもできるわずかなひと手間ですので、ぜひ試してみてください。