大学で建築・インテリアについて学んだのち、大手家具販売店に就職。現在はインテリア・ライフスタイル専門のママライターとして活動中。念願のマイホームを手に入れ、北欧インテリア×グリーンのある暮らしを楽しんでいます。
もらったり買ったりしたお花を飾っても、いまいち素敵に見えない…と思ったことはありませんか?実は、フラワーベースを選ぶ時には、いくつかチェックしておきたいポイントがあるんです。
そこで今回は、フラワーベースの選び方についてくわしくご紹介します。
【ポイント1】お花とのバランスを考えてサイズを選ぼう
お花を飾る場所が決まっているなら、そのスペースにあったサイズであることがまず大切です。でも、場所を考慮するだけでは「飾ったときお花が素敵に見えない」なんてこともありえます。
それはなぜでしょうか?実は、お花とフラワーベースのサイズ感には相性があります。
まず、黄金比を考える
お花をフラワーベースに生けた時に、しっくりこないなぁ……という場合は、それぞれの長さの比率をチェックしてみましょう。
実は、お花とフラワーベースには黄金比があります。
フラワーベースの高さとフラワーベースから出ているお花の部分が「1:1の比率」になるように生けるのがベストといわれています。
お花をバランスよく飾るために、ぜひ意識しておいてくださいね。
次に、様々なサイズのフラワーベースをそろえる
お花を長く楽しむためには、毎日茎の先端をカットしていくことが大切。
茎をカットすると徐々にお花の背が低くなっていくため、お花のサイズに合わせてフラワーベースのサイズも替えていく必要があります。
花束を飾っている場合でも、枯れたものを取り除いていくと本数が減り、最後は一輪挿しくらいのものでよくなることも。
いくつかのサイズをそろえておけばその時々に合ったフラワーベースに取り替えることができ、お花を素敵なまま長く楽しめます。
さらに、お花屋さんで買ってきた背の高いお花を生ける、ミニブーケを飾る、ガーデニングの鉢から摘んだ小花を飾る……など、シーンによって必要なフラワーベースの大きさは異なります。
大小さまざまなサイズのフラワーベースを持っていれば、花の長さや量に合わせて実際に挿しかえて選べるので、しっくりこない問題を解決することができます。
【ポイント2】お花の本数や高さに合わせて形を選ぼう
フラワーベースの形は、主に3つのタイプに分かれます。
それぞれの形のメリットを知っておくと、フラワーベースを選びやすくなります。
また、形を選ぶ時は洗いやすさや安定感も考えておきましょう。
特に子どもやペットのいるお家では、倒れやすそうなものよりどっしりと安定感のある形の方が安心です。
一輪挿しにもぴったりな「つぼ型」
フラワーベースの口が細くなっているタイプが「つぼ型」です。
先がキュッとすぼんでいることでお花が倒れにくくなり、まとまりよく飾れる形です。
一輪挿しとしても使いやすい形。
下の部分がどっしりと大きく安定感のあるものなら、水が少なくても倒れにくく使いやすいです。
信楽焼の素朴なあたたかみが魅力。花瓶の「土の風合い」と生けられた植物が絶妙にマッチします。かわいらしい洋風のアレンジにもシックな和風のアレンジにも自然になじみます。
花束を飾るのにぴったりな「ラッパ型」
口が広がった形をしているのが「ラッパ型」。
花束など多い本数のお花を飾りたい時や、ボリュームのある姿のお花を生ける時におすすめです。
ふんわりと広がるように生けられるので、ブーケの雰囲気を残したい時にもぴったり。
上部が広がっていて洗いやすいのもメリット。
ただし安定しにくい場合があるので、重量感のあるものを選んだり、水を多めに入れて安定させるようにするとよいでしょう。
ブーケをふんわり飾るのも、枝ものをスタイリッシュに飾るのも得意。テラリウムに使ったり、中にLEDライトを入れて花瓶ランプにしたり、ムーディな使い方も楽しめます。
高さのあるお花も生けやすい「筒型」
縦に真っ直ぐの形をした「筒型」のフラワーベースは安定感があります。
高さのあるお花もすっきりと飾りやすいのがメリット。枝ものにも使いやすいです。
くびれがなく洗いやすいのもポイント。
手が入れて洗える太さなら、きれいな状態をキープしやすくお花も長持ちします。
ガラス×ウッドの異素材の組み合わせ。飾るお花やグリーンによって全く違う雰囲気を演出できます。頭の重いバラやあじさいも品よくまとまります。
【ポイント3】お花が引き立つ色を選ぼう
お花の色合いをさらに引き立てるためには、フラワーベースの色もチェックしておきたいポイントです。
どんな色のフラワーベースを選んだらいいのか、色彩検定1級の資格を持つ筆者が簡単にお教えします。
初心者には「白と透明」のフラワーベース
まず持っておきたいのは白や透明のフラワーベース。どんなお花とも相性がいいので、迷わず使うことができます。
置く場所やインテリアテイストを選ばず、和風のお花にも洋風のお花にも使いやすいのもうれしいポイント。定番カラーなのでサイズや形が豊富で選びやすいというメリットもあります。
中級者には「グレー」のフラワーベース
次におすすめしたいのがグレーのフラワーベースです。グレーはもともと他の色を引き立てる特徴があり、鮮やかなお花の魅力を引き出すのにもぴったり。
また、グレーには「スタイリッシュ」や「都会的」といったイメージがあり、お花をインテリアアイテムとしておしゃれに見せるのにも役立ちます。
そしてグレーとピンクの組み合わせはファッションでも人気ですよね。
種類が豊富で飾る機会も多いピンクのお花は、グレーのフラワーベースを合わせるのがおすすめ。ピンク色のかわいらしさをさらに引き立たせてくれますよ。
上級者にはお花と「反対色」のフラワーベース
色付きのフラワーベースを使ってみたいという時は、お花と反対の色を選ぶのがおすすめです。
例えばピンク色のお花には緑のフラワーベース、黄色いお花には青いフラワーベース、赤には青緑……という合わせ方です。
反対色を使うことで、お互いの色を引き立てる効果があります。
ただし、鮮やかな色のお花と同じくらいビビッドな色のフラワーベースを合わせると派手になってしまいます。そんなときは鮮やかになりすぎない控えめな色を使うようにしましょう。
写真のように黄色いお花に合わせるなら、暗めの青いフラワーベースがしっくりきます。
メインはあくまでもお花なので、お花の活き活きとした色合いが引き出されるカラーのフラワーベースを選んでくださいね。
【ポイント4】雰囲気に合わせて素材を選ぼう
フラワーベースは、陶器やガラスを使った素材が主流です。
どちらも割れやすいというデメリットはありますが、重さがあって倒れにくいという特徴もあります。
また素材によって雰囲気が変わるので、お部屋のインテリアに合わせて選ぶのもおすすめです。
お花のみずみずしさが演出できる「ガラス製」
透明感のあるガラス製のフラワーベースは、お花のみずみずしさが演出できるのが魅力。インテリアを選ばずお部屋の雰囲気に合わせやすいのもメリットです。
涼しげな見た目で春夏にお花を生けるのにぴったり。もちろん、秋冬に使っても大丈夫ですよ。
透明で中が見えるので、水や茎の様子がよくわかるのも使いやすいポイント。
水が汚れていないか茎が変色していないかがよくわかるので、水を替えたり茎を水切りしたりするタイミングをつかみやすいです。お花を生けるのに慣れていない人にもおすすめですよ。
同じシリーズでいろいろなサイズをそろえることができます。大きさによって形が違うので、並べるだけでも動きのあるディスプレイを楽しめます。安定感があり、バランスのとりにくい枝物やドライフラワーにもおすすめです。
デザイン性の高さを求めるなら「陶器製」
陶器製のフラワーベースはデザイン性の高いものが豊富。
北欧風やアンティーク風など、さまざまなテイストのものがあります。
はっきりとした色や模様を楽しめるのも陶器製ならでは。
特徴的なデザインなら、お花を飾らずにオブジェとして使うこともできますよ。
陶器製は茎の様子が見えないので、フラワーベースのデザインを楽しみながらスタイリッシュにお花を飾りたいという時にもおすすめです。
上品でかわいらしいレース模様のフラワーベース。白やベージュのお花を生けると大人の装いに。ピンクや黄色など色のあるお花を生けると、鮮やかな美しさがより引き立ちます。
お部屋にアクセントになる「ワイヤー製」
最近では、花瓶の形をデザインしたワイヤー製のフラワーベースも人気です。
インテリア性が高く、お部屋におしゃれなアクセントがほしい時にぴったり。
生花を生けたい時は手持ちの瓶などと組み合わせ、ドライフラワーやフェイクフラワーを飾る時はそのまま挿すだけでOK。
ガラスや陶器と違って軽量で割れる心配もなく、気軽に扱えます。
3連のワイヤーフレームとガラス菅がセットになったフラワーベース。生花やグリーンを挿すだけで空間をぐっとお洒落に演出します。
【ポイント5】直感で好きなデザインを選ぼう
フラワーベースはパッと見て気に入ったものをチョイスすることも大切です。好みのデザインならお花を生けなくてもオブジェとして楽しめますよ。
初心者は「シンプルなデザイン」を
フラワーベースをあまり持っていない初心者さんは、まずはシンプルなデザインのものを選ぶのがおすすめ。
無駄な装飾のないデザインなら、どんな種類のお花を合わせてもまとまりやすくお花の魅力をしっかり引き立ててくれます。
またナチュラルやモダンなど、どんなテイストのインテリアにもよく合うので、簡単にお部屋にお気に入りのスペースを作ることができます。
特に人気なのは「北欧デザイン」
フラワーベースで特に人気があるのが、北欧デザイン。
北欧の国々では長い冬をお家の中で過ごすので、お花を飾って部屋を心地よい空間にし、やがてくるあたたかい季節を待っているんだそう。
そのため、北欧デザインのフラワーベースがとても豊富にあります。
手頃な価格で手に入るものもあるので、数をたくさんそろえたい時や高価なものはちょっと……という人にもぴったりです。
オブジェとしても使える「個性的なデザイン」
個性的なデザインのフラワーベースなら、お花を生けていない時もオブジェとして飾っておくことができます。
ディスプレイとしてよく見えるところに置いておけば、いざお花を生けようという時にもサッと手に取れますよね。
フラワーベースはしまい込むよりすぐ取り出せるようにしておく方が、気軽に花のある暮らしを楽しめますよ。
上を向いたおちょぼ口の、とぼけた雰囲気が愛らしい一輪挿し。手のひらにおさまるほどのサイズで気軽にお花を飾れます。
迷ったら……マルチに使えるタイプを
フラワーベースはたくさん持っている方がおすすめとお話しましたが、そんなにたくさん置いておけないこともあると思います。
そんな時は、マルチに使えるタイプが1つあると便利です。
お皿と花瓶がセットになったKINTOのアクアカルチャーベースは、いろいろな植物を楽しむためのフラワーベースです。
本数の多いお花を生ける時は、お皿を外したシンプルなフラワーベースとして。
茎が細くてぐらぐらしがちなお花なら、お皿を使ってサポートしてあげるといいですよ。
そのほかにも、アジサイなどボリュームのあるお花を飾る時や繊細なドライフラワーを飾る時にもお皿を使うと安定します。
また、アクアカルチャーベースの大きな特徴は、ヒヤシンスの球根やアボカドの種などの水耕栽培を楽しめること。お皿で球根や種を支えられます。
茎をカットして挿し木にしたい多肉植物を乗せ、根っこが生えるのを見守る時にもぴったり。お皿があることで取れやすい多肉植物の葉を守れます。
アクアカルチャーベースが1つあれば、お花からグリーンまでいろいろな飾り方で楽しむことができますよ。
お気に入りのフラワーベースでお花を素敵に飾ってみて
いかがでしたか?
フラワーベース選びに迷ったら、今回ご紹介した5つのポイントをチェックしてみてください。
フラワーベースを既にいくつか持っている場合でも、ポイントを確認しながら選ぶと同じようなものがそろう心配が少なくなるはずです。
バリエーション豊かなフラワーベースの中からお気に入りのものを見つけて、お花を素敵に飾ってみてくださいね。