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お菓子作りに使うグラニュー糖。普段の料理では登場することが少なく、常備していなかったりいざ使おうとしたら量が足りなかったりといったことが起こりがち。そんな時は、わざわざ買いに行かなくてもいい場合も。代用として使える砂糖や食品をご紹介します。
グラニュー糖ってどんな砂糖?
グラニュー糖はサトウキビやサトウダイコンなどの原料から不純物を取り除いて結晶化させた、純度の高い砂糖のこと。見た目はサラサラしていて、結晶がキラキラして見えます。なめてみると、クセのないすっきりとした甘さです。
<グラニュー糖の特徴>
- サラサラして溶けやすい
- 色がつきにくい
- 甘さにクセがない
- 固まりにくい
スティックシュガーとして使われるのも、溶けやすいこととクセがないので、コーヒーや紅茶の風味を阻害しないからです。お菓子作りのレシピでも「グラニュー糖」と指定があるのは、このためです。グラニュー糖の特徴を生かして、他にも以下のようなことに使われます。
<グラニュー糖の主な使い道>
- クッキー……サクっとした仕上がりになる
- 生クリーム……真っ白に仕上がる
- ジャムやソース……素材の本来の色をそのまま生かせる
- コーヒーや紅茶……風味を邪魔せず甘みだけをつけられる
上にあげたような使い道では、グラニュー糖を他の砂糖や食品で代用することができます。ただ逆に、グラニュー糖でなければうまくできないという場合もあります。
<グラニュー糖の代用が難しい場合>
- マカロンやダックワースなど、サクサク感が大事なお菓子を作るとき
- クッキーやラスクにまぶして、キラキラした見た目にしたいとき
- メレンゲやキャラメリゼを失敗なく作りたいとき
サクサクとした食感がおしいさの決め手となるとき、ふんわり感やパリパリ感を上手に出したいとき、グラニュー糖のつぶつぶ感を生かしてでデコレーションしたいときは、レシピ通りグラニュー糖を使うほうがよいでしょう。
グラニュー糖の代用として使えるのは?
40mlの紅茶に、代用にできそうな砂糖や食品を小さじ1杯ずつ入れて、味の違いを比べました。
グラニュー糖の代わりに使ったときに、あまり差がでない順にご紹介。レシピによっては代用が難しかったり、まったく違った味や仕上がりになることもあるので、注意点も合わせてチェックしてみてください。
「コーヒー用のスティックシュガー」で代用
中身はグラニュー糖なのでそのまま代用できます。ただ1本5g程度と量は少ないので足りない分を補いたい時におすすめ。来客用にストックしているという人は、一度余っているものがないか探してみましょう。
紅茶に入れてみたところ、すっきりとした甘みで紅茶の風味がちゃんと生きていた印象でした。
「角砂糖」で代用
白い角砂糖の原料はグラニュー糖なので代用として使っても、味にはまったく違いはでてきません。一方、茶色の角砂糖は、きび砂糖や黒糖を使用していることが多いので、コクや風味、色が違ってきます。両方あるなら、白いものを使うほうが◎。ただし、お菓子をつくるために正確な分量を使う必要があるときには、潰す必要があります。
紅茶に入れると、白い角砂糖はグラニュー糖と同じくすっきりした甘み、茶色の角砂糖はコクのある甘みを感じました。どちらも紅茶の風味は引き立つ印象でした。
「粉糖」で代用
グラニュー糖をすりつぶしたものが粉糖なので、代用として適した砂糖です。グラニュー糖より粒がこまかく他の材料に混ざりやすいので、生クリームや卵に混ぜるときにもおすすめ。色もつかないので、真っ白に仕上げたいときにもぴったりです。
紅茶に入れると、サッと一瞬で溶けて見えなくなりました。紅茶の風味を引き立てるすっきりとした甘みの印象でした。
「上白糖」で代用
一般的に砂糖といえば上白糖を指す、おなじみの砂糖。常備している人も多いでしょう。上白糖は、グラニュー糖よりもしっとりとしているのが特徴。甘味が強くコクがあるので、代用として使うなら、グラニュー糖の分量より少な目にするとよいでしょう。また焦げやすいので、焼いたときの色の加減には注意しましょう。
紅茶に入れてみたところ、グラニュー糖より甘みを強く感じる印象でした。
「三温糖」で代用
糖液を煮詰めて作られる三温糖。加熱により黄褐色のカラメル色になっていて、上白糖より強い甘みが特徴です。コクや香ばしい風味もあるので、マドレーヌやクッキーなどで風味や色が気にならない場合に代用するとよいでしょう。
紅茶に入れてみたところ、グラニュー糖よりまったりしたコクのある甘みになる印象でした。
「きび糖」で代用
さとうきびを生成して作られるきび糖。白砂糖よりもカルシウムやカリウムなどのミネラルを多く含んでいて健康のために使っている人もいるのでは。きび糖はグラニュー糖に似てサラサラしているのが特徴。代用として使える砂糖です。
紅茶にいれてみたところ、グラニュー糖より優しく控えめな甘さが印象的でした。ただ甘さが際立ってないので、グラニュー糖の代用と考えると多めに使ってしまうというリスクも。お菓子を作るときに使う場合は、あらかじめ甘さ控えめのものができあがると心得ておきましょう。
「氷砂糖」で代用
グラニュー糖や上白糖と原料は同じ。代用として使うことが可能ですが、大きな結晶になっているためこのままでは溶けにくいのが難点。とくにお菓子のように分量を細かく量る必要があるときには、フードプロセッサーなどで細かく砕く必要が。包丁やフォークで砕くことができないので、フードプロセッサーがある家庭なら代用してみてもいいかもしれません。
氷砂糖の結晶1コと同じ分量のグラニュー糖と比べたところ、甘さに遜色なし。ただ溶けるのに時間がかかってしまうと感じました。
「コーヒー用シロップ」で代用
果糖ぶどう糖液糖が原料のコーヒー用シロップ。クセのない甘さでグラニュー糖の代用としてもOK。ただし液体なので、サラサラ感を出したいレシピには向きません。
紅茶に入れると、グラニュー糖よりも甘みが際立つ印象。入れすぎるとくどい甘さになってしまうかもしれません。
「水あめ」で代用
水あめは無色透明なので、色をつけたくない場合の代用として使用できます。ただ液状なので、シロップと同じくサクっと仕上げたいレシピには向きません。
紅茶にいれると、ふんわりと綿菓子の香りが。味はやさしく、際立った甘みは感じませんでした。紅茶の味が薄くなったようにも感じたので、代用する時は味をみながら使った方がよさそうです。
「はちみつ」で代用
はちみつを代用として使う時は、甘みが強いので、量は控えめにするとよいでしょう。また独特の風味が出ることは頭に入れておきましょう。ねっとりとした固さがあり、ケーキやパンに使うとうまくふくらまないこともあるので注意が必要です。
また、はちみつを乳児に与えるのは厳禁です。小さな子供が食べるもの飲むものへの代用は絶対に避けるようにしてください。
紅茶に入れてみたところ、同じ分量のグラニュー糖より甘さが際立った印象に。はちみつ特有の風味が出るので、グラニュー糖の代用というよりはちみつを使った料理と考えて使うとよいかもしれません。
「黒砂糖」で代用
さとうきびを原料とする黒砂糖。マドレーヌやクッキーなど白くなくてもOKな焼き菓子であれば、グラニュー糖の代用として使えます。ただ、たくさん使うと味わいが違ってくるので、少しの量だけ使うほうがベター。もし写真のように固まりの場合は、細かく砕いてから使うようにしましょう。
紅茶に入れたところ、香ばしさが引き立って甘い黒ウーロン茶を飲んでいるような風味に。他の砂糖に比べて、特徴的な甘さになるので、「黒砂糖の風味を生かしてグラニュー糖とは違った味わいに仕上げる」と考えて使う方がよいと思います。
「メープルシロップ」で代用
メープルシロップは、サトウカエデという木の樹液を煮詰めてできています。ホットケーキ用に家にストックしている人もいるのでは。
紅茶に入れてテイスティングしたところ、紅茶の風味よりメープルの香ばしさが引き立つ結果に。メープルシロップ特有の風味が強く出るので、メープルの味わいを生かすと考えて代用するとよいでしょう。特にワッフルやパウンドケーキといった焼き菓子は、メープルの香ばしい甘みに合うのでおすすめです。
グラニュー糖を代用して、作りたい時にお菓子作りを楽しもう
グラニュー糖を他の砂糖や食品で代用する場合は、以下のコツも参考にしてください。
- 表面をなめらかに仕上げたいなら、粒子の細かいもので代用する
- 粒子が粗いもので代用するなら、表面が気にならないようチョコチップやナッツを加える
- シロップなど水分のあるものは、しっとり感を楽しめるケーキで代用に使う
- 黒砂糖など風味があるものは、味のアレンジとして楽しむ
グラニュー糖がない場合もすぐにあきらめず、身近な代用品でお菓子作りにチャレンジしてくださいね。