前菜からデザートのレシピ、スパイスやハーブの使い方、器の知識まで、幅広く学べるヨーロッパ家庭料理教室の講師として活動。お料理やお菓子作りの魅力は、作った人と食べる人の間におしゃべりを生んでくれるところです。人を笑顔にさせる、ほっとあたたかなひと工夫をお届けします。
フルーツ本来のおいしさがぎゅっと詰まった手作りジャム。正しく煮沸消毒して瓶詰めすれば、低糖でもジャム本来の味わいを長く楽しむことができます。今回はその瓶詰めのコツと裏ワザ保存法をご紹介します。
1年以上保存するために。正しいジャムの瓶詰め方法
ジャムの作り方はいたってシンプルで、果物に糖分を入れて煮詰めるだけ。食べきれなかった果物の大量消費にもぴったりで、甘さと煮詰め方を調節すればお好みの味に仕上げることができます。でも「手作りジャムは長持ちしない」と思っている方もいるのでは?
それはもしかすると、瓶の密閉方法を間違っているだけかもしれません。
実は、手作りジャムでも簡単なコツさえマスターすれば、1年以上の長期保存も可能なんです。
長期保存するためのジャムの瓶詰め方法
ジャムを長期保存できるかどうかは、瓶詰めする際に脱気(だっき)できるかどうかにかかっています。脱気とは瓶の中の空気を抜き、内圧を下げることを言います。
本格的な瓶詰め方法になるのでちょっとしたコツがいりますが、ジャムだけでなく甘露煮などにも応用できるのでぜひマスターしてください。
1.瓶を煮沸消毒する
鍋にたっぷりの水を入れ、よく洗った瓶を入れて15分くらい煮沸殺菌します。
(ふたに付いているパッキンは煮沸消毒できないので、一度外すようにします)
2.ジャムを入れてフタを閉める
瓶に煮詰めた熱いジャムを入れて、フタを軽く閉めます。
3.再度、煮沸殺菌する
鍋にお湯を半分くらい入れ、その瓶を入れ、10分から15分ほど煮沸殺菌をします。
その後、瓶を取り出してふたをゆるめ、再び強くしめなおします。
4.もう1度、瓶が浸かるくらいのお湯の中で15分ほど煮沸殺菌をします。
5.逆さまにして冷ます
瓶を引き揚げ、瓶が冷めるまで逆さまにして置いておきます。
瓶が冷めた時、ふたが凹んだ状態になっていれば脱気成功です!
作業中はヤケド気をつけてくださいね。
もっと簡単なジャムの瓶詰め方法
しっかりと脱気させる本格的な瓶詰めがちょっと面倒という方には、簡単な瓶詰め方法があります。
できたての熱いジャムを煮沸消毒した熱い瓶に詰めて逆さまにして置いておくだけ。
とっても簡単ですね。
この方法でも、半年から1年間の保存が可能です。
手作りジャムを長持ちさせる正しい保存方法とは
1度開けたジャム瓶はもちろんのこと、できれば未開封のジャム瓶も冷蔵庫に入れておきましょう。
冷蔵庫のない昔のジャムは、糖分が80%以上のものもあったとか。
現在は健康志向から、低糖のものが好まれるようになっています。手作りジャムを糖分を自分の好みに仕上げているなら、冷蔵保存は必須です。
冷蔵庫でちゃんと保存して長期間おいしさを保ちたいものですね。
もっと長持ちさせたいときの裏ワザ保存法
作ったジャムの量が少ない時は、食べる分だけ小出しにできる冷凍保存がおすすめです。ただし冷凍保存を前提にジャムを作る場合は、瓶詰めをする時に以下の点に注意してください。
ジャムを冷凍保存する時の注意点
- 瓶が割れないよう耐熱性のあるものを選ぶ
- 満タンに詰めないようにする
- 瓶の破損が気になるなら保存袋などを利用する
手作りジャムのおいしさを長く楽しもう!
別記事では「はちみつ入りリンゴジャムの作り方」もご紹介しています。フルーツが旬の時期には、ぜひ手作りジャムにチャレンジしてみてください。
今回ご紹介した方法を参考にすると長くおいしさを楽しめますよ。