家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
収納術が集約された他人の「クローゼット」って気になりませんか?
クローゼットをちょっと拝見 して、収納のヒントをみつける連載企画。第1回目は、たくさんのカバンを持った38歳女性のクローゼットをご紹介します。
洋服が好きなキャリアウーマンが使う「寝室のクローゼット」
今回38歳・会社員のMさんが見せてくれたのは寝室のクローゼットです。
どんなクローゼットを使っているの?
6畳の寝室の一面がクローゼットに。扉は2か所あり、1か所は両開きで大きく開いて、下には引き出し式の収納ケースをイン。写真右側のクローゼットはロングコートなどアウターを収納しているのだそう。
かなりたっぷり洋服がはいっている姿がうかがえます。
拝見するクローゼットの中身は?
週の半分がリモートになったため通勤ではパソコンを持ち歩けるデカバッグを、プライベートではトレンドの小バッグを、買い物時のサブバッグには布バッグを、と使い分けた結果…35つものカバン持ちさんに。
さらに家の近所にアウトレットモールがあることも重なってどんどん洋服が増え、気が付けばボーダーTは6枚も。確かにボーダーTって同じようなものをつい買ってしまいますよね。
そんな彼女のクローゼットの中身はこちら
- カバン 35枚
- アウター 約10枚
- ボーダーT 6枚
- シャツ 25枚+α
- セーター・ニット類 22枚
- マフラーなど小物類 約50枚
- 帽子 7つ
シャツ類が「+α(アルファ)」ってどういうことでしょう!?
うかがったところ、ランドリ―ルーム横にも収納場所があって、時と場合のよって収納場所を使い分けているとのこと!つまり、アルファ分は数えられない(ぐらい洋服がある)ということでした。
スカートなどのボトムス、ワンピースなどもそちらに収納されているので、こちらには記載なし。
想像以上のモノ持ちさん。早速クローゼットを拝見します。
棚上の「カバン雪崩」を防止するテクニック
「クローゼット上は手を伸ばして、やっと届く程度の身長」ということで、編み出したアイデアがこちら。
カバンをファイルボックスに入れる収納方法。さらにひと目でわかるように、付せんを貼るという工夫も。
「こうすれば、カバンを取り出した際に他のものが絡まって一緒についてくるということもなく、雪崩れ防止に。革カバンは不織布や収納用布にいれてホコリがつかないようにしています」。
サブカバンとしてかかせない布バックは、折りたたんで数枚を一緒にインすることで収納力をアップ。
出番の多い布カバンは吊り下げ収納ボックスに。
「使う頻度によって、収納場所を変えています。」とMさん。生活動線を考えて「使いやすい」クローゼットを目指しているのだそう。
「広げてみたら違った」を防ぐ収納テクニック
似たようなネイビーのボーダーTを3枚持っているMさん。
毎朝の洋服選びで「広げたみたら思っていたのと違った」ということが頻繁にあって考え出した収納術が、あえて色別に分けないということ。
「Tシャツは3つ折りにして、取り出しやすいように工夫しています」。このときボーダーTはあえて、他のTシャツと交互に並べることで自分の中で把握できる状態に。
さらに他にも間違えないような工夫が。
「隅からお気に入り順、登板頻度順に並べています。この並びだと間違えないということもあるんですが、洋服選びに迷った時にはとにかく隅っこのアイテムを使えばいいということもあって……。」
なるほど!ダブルで間違いなし状態をキープしているんですね。
ニットやカーディガンは、Tシャツと同じ畳み方をすると取り出しにくいので、2つ折りに。「カーディンガンのボタンは最低限の部分だけとめています。」
仕事が忙しいときでもできる「最低限のことで収納する」ことにこだわっているのだそうです。
「アイテムの道づれ現象」を防ぐ収納アイテム
1つのアイテムを取り出すとほかのアイテムも一緒に出てしまうという「道づれ現象」。
アイテムが多くて、つい詰めすぎるとよく起こる現象ですよね。
この現象を防ぐべくいろいろ試した結果、Mさんがたどりついたアイテムは不織布の仕切りケース。
昔はポリプロピレンケースを使っていたのだそうですが、アイテムがどんどん増えるMさんにとって、ギューギュー詰めができる不織布がやっぱり一番という結論に。
「道づれ現象が起きないよう、なるべく小さなケースを使って小分けにしています。あと長いアイテムや靴下はなるべく❝くるくる巻く❞ようにして、ほかのアイテムと絡まらないようにしています」。
「隙間を余すところなく」有効活用するテクニック
「とにかく物が多いので、隙間という隙間は有効活用しています」とMさん。
早速、隙間活用術をみていきましょう。
まずはこちら。形が崩れやすい麦わら帽子は、ハンガーにかけた洋服下の隙間がぴったり。その横はメガネなどの小物を置いています。
吊り下げ収納上ももちろん活用。型崩れしやすい斜め掛けバックがぴったりON。布製で軽めのカバンを置くようにしているので、吊り下げ型収納ケースへの影響なしに。
吊り下げ型収納ケースの下。「ここはぴったりサイズのかごを探し回って、靴下など下着類を❝くるくるにして放り込む❞収納スペースにしています。下着類なのでちょっとお見せできないですが……」
クローゼットの隙間をどう使うか迷ったらヒントにしてみてください。
38歳キャリアウーマンのクローゼットから得た「ヒント」
「とにかくキレイに並べすぎないようにしています。」とMさん。
- ボーダーTはキレイに畳みすぎない
- カーディガンのボタンは最低限しか止めない
- 小分けにして「くるくる放り込む」
など時短を意識されているように感じます。
「昔はアイテムをカラー別に分けたりして、美しいクローゼットにこだわっていた時期もありました。でも仕事が忙しくなると、その状態をキープするのが難しくなるんです。クローゼットが散らかると、洋服を決めるのも時間がかかるし、洗濯物を収納するのも嫌になってしまう。イライラの原因になっているなと、ある日ふと気が付いたんです」。
繁忙期こそ、朝さっと洋服を選んで、夜さっと洋服をしまいたい。だからいっそキレイに並べる、見た目の美しさにこだわることをやめたというMさん。
「使いやすいだけにこだわったら、クローゼットが多少乱れてもイライラすることがなくなりました。」
Mさんのクローゼットには、「イライラのない収納術」というヒントが隠されていました。