キッチン道具の担当者。元司書であることから、モノを買うときは納得するまで調べ尽くす性分。ハウジーではクラスコと一緒に100を超えるキッチン道具の比較や検証を実施。本当に気に入ったキッチン道具の紹介や「困った!」を解決する記事をお届けしていきます。
準備するモノがとても多い、入園グッズや入学グッズ。洋服や小物のお下がりがあると重宝しますが「前に使っていた子の名前が消せず、困っている」という人も多いのでは?
今回は、保育士さんから教えてもらった「お下がりの名前の消し方」やSNSでも話題になった裏技について、くわしくご紹介します。
兄弟(姉妹)のお下がりを使うとき、名前を消す方法は?
「保育園グッズの名前付けはどうする?」の記事でもご紹介したように、子どもがスムーズに集団生活を送るためにも、名前付けはとても大切な作業。
知り合いから譲ってもらったものや上の子のお下がり、フリマアプリで購入したものにも、必ず自分の子どもの名前を書く必要があります。
でも、油性のインクやスタンプで書かれた文字って、普通に洗うだけでは落としにくいんですよね。素材によって消し方も異なるので「どうやって消せばいいか分からない」というお悩みの声も。
お下がりで使えるもの
- 服、体操服、スモックなどの衣類
- バッグ(手さげ袋、レッスンバッグなど)
- 靴、上ぐつ
- お弁当グッズ、水筒
- お道具箱
- お昼寝グッズ
他にも色々ありますが、園や学校で使うものは、布・プラスチック・ゴムといった素材のものがほとんど。
そこで今回は、4人の子どもがいるという保育士の木村光さんから、素材別に名前の消し方や隠し方を教えてもらいました。
木村ヒカル(保育士)
保育園・障害児者施設での勤務経験があり、ママやパパが子育て期を「めいっぱい楽しめる」ような情報を発信。
私も実際に試してみたので、その中でも特におすすめの方法をご紹介します。
【布】洋服やバッグの名前を消す方法
洋服の名前は、「油性マジック」や「お名前スタンプ」で書くのが一般的。
今回は、洗濯タグに油性マジックで書かれている名前を消してみます。
【方法1】除光液を使って名前を消す
油性マジックは除光液で消えるという話はよく聞きますよね。実際に私も除光液を使って消してみました。必要なものは
- 除光液
- 使い古した歯ブラシ
- タオル
- (新聞)
除光液の代用として、似た成分の消毒用エタノールを使ってもOKですよ。
1.除光液をたらす
名前を消したい部分に、文字のインクがにじむ程度まで、除光液を染み込ませます。このとき、衣類部分までなるべく染みないようにします。
2.歯ブラシでたたく
使い古しの歯ブラシなどで、上からトントンと軽くたたきます。
3.薄くなったらお湯で流す
このくらいインクの色が薄くなってきたらお湯で洗い流します。
4.洗濯する
その後洗濯します。こんな感じに、うっすら残っていますが名前が消えました。
<注意点1:目立たたない部分で試してみる>
除光液を使うと、洋服の素材によっては生地を傷めてしまうこともあります。そのため、タグに書かれた名前を消すようにしてください。また、心配なら事前に目立たない部分で試してみるのもひとつの手です。
<注意点2:衣類部分に染みないように注意する>
また、衣類部分に名前が染みないように注意しましょう。今回、このように染みてしまったため、すぐにお湯で流して洗濯してもうっすら黒くなってしまいました。
<注意点3:タオルや新聞紙を敷く>
また、作業するときは古タオルを敷くのを忘れずに。今回も写真のようにインクが大量にタオルにうつってしまいました。
またタオル+その下に新聞紙を何枚か敷くのもおすすめです。
【方法3】お名前シールを貼って消す
「除光液で消すのは面倒」と思うなら、お名前シールを使うという手もあります。貼り付けるだけなのでこちらの方が断然お手軽です。必ず「洗濯できる」と書いてあるものを選ぶようにしましょう。
最近100均でも見かけるようになった、アイロン不要のお名前シールを貼ってみました。個人的には、これを貼ったうえで上から書けば十分だと思います。ただし、何度も洗濯するとはがれることがあるので気を付けてくださいね。
お名前シールには柄ものや無地のもの、サイズも豊富にそろっているので、服をデコレーションする気分で使ってみてもいいかもしれません。
【方法4】アイロンタイプのお名前シールを貼って消す
アイロンを使うタイプのシール素材にはいくつかの種類があります。
ラバータイプのお名前シールは、厚手で少し伸縮性があるのが特徴。しっかりと記事に貼り付くので洗濯ではがれにくいのがうれしい点。タグだけでなく洋服の裏地に貼るのにもぴったりです。ただし一度貼るとはがしにくいという難点も。
こちらはコットン素材のアイロンシールです。しっかりと貼り付いて、しかもはがすことも可能。
ただ、下地やもとの名前がやや透けて見えてしまいます。一度除光液でうっすら消してから、その上に貼るといいかもしれませんね。
【方法4】マスキングテープを貼って消す
少し前にSNSでも話題になっていたのが、マスキングテープでタグ部分に書かれた名前を消す方法。
先に紹介した方法と比べても、ほとんど手間がかからずコスパも◎。
はがれやすいのでタグに何重かぐるっとまいて、きっちり貼り合わせる必要があります。こうすれば、意外にも数回の洗濯なら耐えられます。ちなみに写真は3回洗濯を繰り返したものです。
ただし洋服の裏地にぴったりくっつくわけではないので、あくまで応急処置として使う方がよいでしょう。
【方法5】マジックで線を引く
時間に余裕がない場合は、マジックで線を引いて隠し、他の場所に書き直すという方法も。
「マジックで線を引いて消すのは、見た目的にちょっと……」という場合は、星印やハートマークでかわいくごまかしてあげるのも、ひとつの手です。
【方法6】タグをハサミで切る
また、もしタグに名前が書かれているなら、いっそのこと切り取ってもOK。ただし、サイズや洗濯方法がわからなくなってしまう場合もあるので、他の場所に書いておくとよいでしょう。
これらの方法はあくまで最終手段。ただし、保育士の経験もある木村さんは「お下がりの衣類の名前がきれいに落ちなくても、集団生活で先生や子どもが見た時に名前が分かる状態であればいいと思う」とおっしゃっていました。あまり躍起になって消す必要もないかもしれませんね。
【ゴム】運動靴や上履きの名前を消す方法
子どもの成長が早くて、しょっちゅう買い直しが必要なアイテムといえば靴。兄弟姉妹がいるならお下がりを有効活用したいですよね。靴は布の部分やゴム部分など名前を書く場所の素材によって、消えにくいことも。そこで、特に消えにくい上履きのゴム部分を使って試してみました。
【方法1】除光液を使って名前を消す
木村さんによると「運動靴や上履きのゴム部分にマジックで書かれた名前は、除光液かエタノールを使うのがおすすめ」とのこと。
まずは「バレエシューズ」タイプの上履きのバンド部分で試してみます。消し方は簡単。除光液をしみこませ、インクがにじんできたら水でよく洗い流します。
元のベルトと比べると少し黒ずんでしまいましたが、上から書き直す分には気にならない程度になりました。
【方法2】除光液+メラミンスポンジを使って名前を消す
上履きのつま先やかかと部分にもゴムが使われていますよね。ここは除光液だけではほとんど消えません。
木村さんによると「除光液かエタノールを染み込ませてメラミンスポンジで消すといいですよ」とのこと。
除光液をかけてティッシュで拭き取ったあと、少し水を含ませたメラミンスポンジでこすりました。
名前を書いた時期やゴムの素材によってきれいに消えない場合もありますが、写真ぐらいまで薄くしてから、マジック上書きすればOK。うっすらと残ったとしても新たな名前を上から書くなら、あまり気にならないと思います。
【プラスチック】お弁当箱やコップの名前を消す方法
お弁当箱やコップ、水筒などプラスチック素材にも名前付けは必須。そのためお下がりを使うときに、目立つ場所に大きく名前が書いてあることもありますよね。間違いなく使うためにも、プラスチック製品はしっかり消したいもの。ここでも木村さんに方法を教えてもらって、実際やってみました。
【方法1】消しゴムを使って名前を消す
お弁当箱やコップなどにマジックで書かれた名前。これを消すのに、木村さんがおすすめする方法は「消しゴム」。
▲写真撮影:木村光
実際やってみると、普通にこするだけで、こんなにピカピカの状態になりました!
うまく消えない場合は、力加減を調整したり、動かす向きを変えてみてくださいね。
【方法2】メラミンスポンジでこすって名前を消す
メラミンスポンジでも消えると聞いたので、やってみました。
水で含ませたメラミンスポンジで軽くこすります。
あまり強くこすると傷が付くので注意しながら行います。
こんなふうに、キレイに消えます。
【方法3】除光液やエタノールで拭いて名前を消す
衣類やゴムにも使った除光液やエタノール。いろんな道具を買いそろえるのが面倒だという人もいると思うので、プラスチック製品でも試してみました。
キッチンペーパーに軽く除光液を含ませてサッと拭くだけ。写真のようにきれいに消えました。
名前を消した後は、除光液やエタノールが残らないようにしっかりと洗うようにしましょう。
ただし、このとき絵柄の上に書いてある名前を消す場合は注意が必要です。
今回試してみたところ、書いてあった名前自体は消えたのですが、塗装部分まではがれてしまいました。除光液やエタノールを使うときには、少し消えても気にならない絵柄の隅で試してみてからこの方法で消すかどうか判断してくださいね。
お下がりを上手に使って、エコな暮らしを
環境にも家計にもやさしい「お下がり」という習慣。
うちの子も毎日大量に着替えが必要だった園生活時代、親戚やママ友からお下がりを譲ってもらって、とても助かったことがあります。
新しい服だけでなく誰かのお下がりの場合も、せっかくならきれいな状態で大切に使いたいもの。そのために私自身もいろいろな方法を試してきました。
ご紹介した方法で、気持ちよく使ってもらえるお手伝いができるとうれしいです。