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珪藻土とエコカラット。見た目はよく似ていますが、実は全く違う素材なんです。今回は、エコカラットのヒミツに迫るべく、マーナの開発者にインタビューを行いました。
マーナがLIXIL(リクシル)とコラボして作ったアイテムもご紹介します!
エコカラットとは? 珪藻土との違いの秘密
エコカラット(ECOCARAT)とはLIXILが開発した「多孔質セラミックス」のこと。1999年に発売された建材の一種です。
空気を吸ったり放出したりする微細な孔(あな)が開いていて、湿度が高い日には湿気を吸収、逆に空気が乾燥している日は湿気を放出。快適な湿度に保つ機能を持つことから、「調湿壁」とも言われています。
湿気を吸収するといえば、プランクトンの殻の化石が積もってできた堆積岩「珪藻土(けいそうど)」がよく知られていますが、エコカラットとはどう違うのでしょうか?
画期的なキッチンや雑貨を生み出す「マーナ」で商品開発を行っている谷口さんにその秘密を教えていただきました。
実験結果で分かった、エコカラットと珪藻土の吸湿量の違い
マーナ株式会社 開発部プロダクトデザイナー
谷口諒太さん
エコカラットの他に調味料ポットや「きれいに暮らす。」、「清潔謹製」シリーズの開発を担当。
谷口さんは商品開発を行う際に、建材であった「エコカラット」と「珪藻土」の吸水性実験をされたそうです。また、LIXILの方でも比較実験を行っており、その結果がこちら。
相対湿度を50%から90%に上げ、24時間放置したところ、珪藻土の約5倍も湿気を吸湿するという結果に(※LIXILが行った実験結果です。お部屋の使用状況や家具配置、気象などの環境変化によって実験結果は多少異なる場合がありますのでご注意ください)。
マーナの谷口さんも「LIXILさんの実験結果でも、珪藻土とエコカラットでは約5倍の吸湿性の違いがあること分かり、改めて驚いた」のだそうです。
エコカラットと珪藻土の違いの秘密とは?
珪藻土もエコカラットも小さな孔(あな)が無数に開いていて、みずから吸水・放湿する性質をもっています。
この孔(あな)に大きな違いが!
珪藻土は自然に堆積したものなので、土地(産地)によってこの孔(あな)の数や大きさが異なります。
一方、エコカラットはLIXILによって開発された多孔質セラミックスです。そのため、目に見えない「細孔(さいこう)」はバラつきがなくまんべんなく付いていているのが特徴。しかも、孔(あな)のサイズはなんと1ナノメートルの大きさしかありません。
つまり、珪藻土より小さい「孔(あな)」が均一に、しかも豊富についてるので、珪藻土を超える優れた吸水力を発揮するというわけです。
エコカラットで生活雑貨を作ったワケ。マーナの開発秘話
この建材「エコカラット」を使って、さまざまな生活雑貨を生み出した谷口さん。その開発秘話に迫ります。
マーナ「エコカラットシリーズ」はこうして生まれた!
元々建材であったエコカラットを、どうして生活雑貨の素材として取り入れよう!ということになったのか、まずはきっかけについて聞いてみました。
――谷口さん「商品発売の1年ほど前に、LIXILの方とお話する機会があって、そこでエコカラットの存在を知りました。
話を聞いてみると、珪藻土の約5倍の吸・放湿性があることを知り驚きました。
市場には珪藻土の商品は多数発売されていましたが、エコカラットの性能を活かした生活雑貨ができたらおもしろいと感じました。
壁材として作られた素材を生活雑貨に加工するのは、今まで誰もやったことのないチャレンジ。LIXILとの共同開発とはどのように行われたのか伺いました。
――谷口さん「商品開発のファーストステップとして、エコカラットの特性を理解するところからスタート。壁に使用されているタイルをLIXILさんからサンプルでいただき、それを社内でアイデアに適したサイズにカットして様々な環境・条件で使用しました。
商品化する際は、エコカラットの特性を踏まえてこちらからアイデアを出しました。その後、商品化するのに適しているかといったさまざまなことをLIXILさんに教えていただいて、アイテムを6つに絞りました。」
なるほど。いろんな実験を重ねられて商品化されていったのですね。
「エコカラットシリーズ」で一番のおすすめアイテムは?
開発者からみたおすすめアイテムってあるんでしょうか?
――谷口さん「エコカラットシリーズの中で最も反響があったのは、「ボトル乾燥スティック」です。
ボトル乾燥スティックは、洗ったあとの濡れた水筒に刺して置いておくだけ。
エコカラットは周囲の湿気を効率よく吸収するので、水筒の水滴に直接触れていなくても乾いてしまうのだとか。
――谷口さん「普段、水筒やボトルを洗って、逆さに置いて一晩経っても水滴が残っていることに不満をお持ちの方が多くいらっしゃいました。
これは水筒にボトル乾燥スティックを入れておくだけ。短時間で水滴がなくなるので、反響をいただけたのだと思います。」
水筒は毎日使うもの。乾かないとずっと水切りカゴやトレーに置きっぱなしになってしまいます。
ずっと濡れたまま放置しておくのは、衛生的にも気になりますよね。
こちらの記事「水筒が乾かない問題を解決した!便利グッズの実力とは」では、このボトル乾燥スティックを実際に使った様子をリポートしているので、ぜひ参考にしてください。
おもしろいアイテムばかり「エコカラットシリーズ」のラインアップ
エコカラットシリーズには、他にもおもしろいアイテムがたくさんあります。
その優れた吸水・速乾性を活かして、暮らしのプチストレスを解消してくれます。
食器もカラッと乾く「水切りトレー」
「エコカラット」水切りトレー
エコカラットを使用しているから、食器の水滴も素早く乾きます。1~2人分の食器類を乾かすのに便利なサイズ。板状なので、使用後は立てかけて収納して正解。
固まりやすい塩や砂糖もおまかせ「ドライキーパー」
「エコカラット」ドライキーパー
湿気が多いと固まる塩はもちろん、乾燥で固まる砂糖もサラサラに。湿気が多い場合も少ない場合にも対応してちょうどいい状態にしてくれるのはエコカラットだからこそ。スプーンで割らないといけない、カチコチストレスを解消してくれます。
焼きたてのパリッ感キープ「トースト皿」
「エコカラット」トースト皿
朝食がトースト派の人に朗報! 焼きたてのトーストの湿気を吸い取り、パリッとした食感をキープしてくれるアイテム。電子レンジの使用もOKなので、温めたパンの湿気取りにも活躍します。
水回りのお手入れもラクに「洗面トレー」
「エコカラット」洗面トレー
ヌメリが気になる水回り。コップや歯ブラシなどの洗面グッズをスッキリひとまとめに置いてカラッとした状態に。洗面まわりのお手入れをラクにしてくれるアイテムです。
コップも衛生的「コップ置き」
「エコカラット」コップ置き
洗面トレーと一緒に使ってほしいコップスタンド。洗面グッズは衛生面を考えると、いつまでも濡れたままにしておきたくないところ。エコカラットならすぐに乾きます!
エコカラットのバスマットがない!意外な理由とは
商品ラインアップをみて、あれれ?と思うことが。
珪藻土バスマットがあるのに「なぜエコカラットバスマットがないんだろう?」ということ。
谷口さんに直撃してみました。
――谷口さん「エコカラットは食器類と同じ陶磁器です。基本的に壁用の建材として作られたものなので、意図的に負荷をかけることを想定していません。
そのため、一般的な珪藻土の製品と比べると割れやすく、荷重のかかるバスマットは使用時に破損する恐れがあるので、あえて開発しませんでした。」
エコカラットは「多孔質セラミックス」。食器のように扱いには気を付けなければいけないようです。
マーナの「エコカラットシリーズ」で快適生活を
「水筒がなかなか乾かず片付けられない」、「歯ブラシやコップは雑菌が気になるので早く乾かしたい」。そんな毎日のプチストレスを解消してくれるマーナの「エコカラットシリーズ」。
この記事を参考に一度使ってみて、快適さを実感してくださいね。
ほかにも「そろえて便利なマーナのキッチングッズ」を以下でご紹介していますので、ぜひチェックしてくださいね。