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湯たんぽの種類や正しい使い方

上手に使えば節電にも。知っておきたい湯たんぽの使い方

家事のコツ

就寝前に布団に入れておくだけで朝まであたたかく過ごせる暖房器具として、長年愛用されている「湯たんぽ」。
最近ではレンジ対応のものや充電式などさまざまなタイプが販売されて、使うシーンや用途などに応じて選べるようにもなっています。

この記事では、湯たんぽの主な種類やシーンに応じた効果的な湯たんぽの使い方について、くわしくご紹介します。

丁寧に言葉を紡ぐことが信条のライターです。一男一女の父親で、共働き世帯の育児、家事&時短料理など、父親目線でお届けします。 家族で協力し、楽しく家事を行うライフスタイルを目指しています。雑貨/家具の開発をしていたからか、インテリアへのこだわりは少し強めです。

「湯たんぽ」が再注目されているワケ

「湯たんぽ」と聞くと、昔ながらの金属製で楕円形の形をしたアイテムを想像する方もいるかもしれませんが、数年前からその良さが見直され、年々ファンが増えていることをご存知ですか? そうした湯たんぽを使うメリットをご紹介します。

【ワケ1】あまり光熱費がかからず、経済的

電気で温めるタイプや電子レンジで加熱するタイプの湯たんぽもありますが、エアコンやストーブのように長時間電気やガスを使うわけではないため、光熱費をグッと抑えることができます。

また湯たんぽ自体も、比較的安くて長持ちするものが多く、とても家計にやさしい暖房器具といえます。

【ワケ2】室内が乾燥しない

加湿をせずにエアコンやストーブを使用すると、室温は上がっても湿度が保たれず、室内が乾燥しやすくなります。その結果、風邪をひきやすくなったり、肌乾燥のトラブルに見舞われることも。

湯たんぽを使えば、エアコンやストーブを使わなくても暖をとれるため、乾燥対策としても有効な暖房器具といえます。

【ワケ3】優しいぬくもりを得られる

あらかじめ湯たんぽを入れておいた布団に入るときの瞬間を思い浮かべてみてください。
温めらた布団のぬくもりが体全体を包み込むあの感覚は、湯たんぽでならではのものです。

しかも湯たんぽの温かさが朝までほんのり残るので、一晩中リラックスして深い眠りにつくことができます。ちなみに、筆者自身はこれが冬の睡眠の醍醐味だと思っています。

【ワケ4】かわいいカバーでおしゃれに楽しめる

低温やけどを防ぐため、湯たんぽを使うときには、必ずカバーを装着する必要があります。このカバーも最近は、柄、素材、色などの種類も豊富に販売されており、湯たんぽを使う時の気分や場所に合わせて自由に選ぶことができるようになってきました。

例えば、体調が悪いときは少し落ち着いた色のカバーを使ったり、気分を上げたいときには明るい色のカバーを使ったり。シーンに合わせて楽しむことができます。

湯たんぽの種類と特徴は? 注意点やポイントを抑えて使おう

かつては、あまり湯たんぽの種類がありませんでしたが、徐々にファンが増え用途が多様化したためか、最近は色々な種類の湯たんぽがあります。

金属製の湯たんぽ

金属製の湯たんぽ

金属製の湯たんぽは昔ながらの定番。使われている金属の種類は、亜鉛メッキ鋼板(トタン)や銅などがあります。

<金属製湯たんぽの特徴>

金属製の湯たんぽは、熱伝導率が高く、お湯を入れるとすぐに熱くなるという特徴があります。

<金属製の湯たんぽの使い方>

湯たんぽの注ぎ口からお湯を注ぎ、栓をして使います。こぼしてやけどをしないように、湯たんぽの注ぎ口にゆっくりとお湯を注ぎ入れるだけでなく、お湯の温度自体を70度~80度ぐらいにしておくとよいでしょう。

ちなみに筆者は子どもの時に、湯たんぽに入れようとした熱湯を足にこぼし、やけどした経験があります。

また、お湯は栓のところまでしっかり注ぎ、満タンにしましょう。満タンにしないと、湯たんぽ内部の気圧の変化の影響により、変形や破損の恐れがあります。

金属製の湯たんぽを使うときの注意点>

低温やけどを防ぐために、使うときには必ずカバーの装着するようにしましょう。ただし、カバーをしていても長時間直接肌に触れていたりすると、低温やけどになるリスクがあります。ときどき湯たんぽを置く場所を変えて、直接肌に触れないよう心掛けるようにして下さい

ちなみに、金属製の湯たんぽは使用後そのまま放置しておくと、カビが発生してしまします。使った後は、必ず十分乾燥させてから保管するようにしましょう。

陶器製の湯たんぽ

陶器製の湯たんぽ

金属製の湯たんぽが普及する以前は、陶器製の湯たんぽが一般的でした。

<陶器製の湯たんぽの特徴>

陶器製の湯たんぽの特徴は、身体にじんわりと温かさを伝えることです。また、保温性も高く、朝まで温かさを保つことができます。

陶器製の湯たんぽの使い方

70度ぐらいに加熱したお湯を注ぎ口に注ぎ、栓をして使用します。

重くて割れやすい陶器製の湯たんぽに満タンまでお湯を注いでしまうと、更に重くなって持ち運びが困難になります。湯量は満タンの3/4ぐらいに抑えましょう

陶器製の湯たんぽを使うときの注意点

陶器製湯たんぽは重く、壊れやすいというデメリットがあります。ベッドから落として割ってしまわないよう大切に扱うことをお忘れなく。

金属製の湯たんぽと同じく、カバーをかける必要があります。カバーをかけていても低温やけどの恐れがあるため、長時間、湯たんぽに直接触れないようにしましょう。

プラスチック製湯たんぽ

始めて湯たんぽを購入するという人におすすめなのが、プラスチック製の湯たんぽです。

<プラスチック製湯たんぽの特徴>

サイズや形、色の豊富なバリエーションがあるのが特徴です。また、プラスチック製は他のものより安価でお手入れが簡単です。お求めやすい価格で、手入れも簡単にできるため、初めて購入する湯たんぽとして適しています。

カバーの種類も豊富で、湯たんぽライフを楽しみたいという方にもおすすめです。ただし、保温性が低いことがデメリットといえます。

プラスチック製の湯たんぽの使い方

プラスチック製の湯たんぽ

注ぎ口に70~80度ぐらいに加熱したお湯を注ぎ、栓をします。

陶器製の湯たんぽを使うときの注意点

プラスチック製は、熱湯を注ぐと変形する恐れがあるので注意しましょう。また、満タンまで湯を入れないと、内部に空気が入り変形してしまう可能性があるので、注意しましょう。

ゴム製湯たんぽ

ゴム製の湯たんぽ

ゴム製の湯たんぽは、主に欧州で使われています。

ゴム製の湯たんぽの特徴

ゴム製の湯たんぽは、やわらかいのが特徴。こちらも、カバーの種類は結構豊富です。

身体のラインに合わせて、あたためたい個所に重点的に当てることができるのが魅力のひとつ。ただし、金属製や陶器製の湯たんぽより保温性は低めです。

ゴム製の湯たんぽの使い方

やわらかくて身体のラインに合わせられるという特徴を生かすために、注ぎ入れるお湯の量は満タンの70%ぐらいをおすすめします。

ゴム製湯たんぽの注意点

自立しないため、本体を手で持ったまま、側面にある注ぎ口からお湯を入れる必要があります。このとき、お湯がこぼれてやけどしないよう、注意しましょう。

電子レンジ対応の湯たんぽ

電子レンジで温める湯たんぽ

電子レンジで温めるタイプの湯たんぽは、ジェル状のものが一般的。そのジェルを温めることで、湯たんぽとしての役割を果たします。

電子レンジ対応の湯たんぽの特徴

使いたい時に、電子レンジで1、2分温めるだけで、すぐに暖をとれるのが、電子レンジ対応湯たんぽの最大の魅力です。お湯を沸かしたり、中身を入れ替えたりといった手間がなく、手軽に使うことが可能です。

電子レンジ対応の湯たんぽをの使い方

使いたいときに電子レンジで1~2分温めるだけですむものがほとんどです。

電子レンジ対応の湯たんぽを使うときの注意点

経年劣化や加熱のし過ぎで中身が爆発する恐れも。安全性を考えると、定期的に買い替えることをおすすめします。

蓄熱式(充電タイプ)湯たんぽ

USBで充電できる湯たんぽ

充電タイプの湯たんぽは、本体の中のヒーターで保温材を蓄熱します。

過電流保護、過充電保護などの機能を持つ商品も多数あり、コンセントの抜き忘れ、電源の消し忘れなどの心配もありません。
USBタイプの小型の充電式湯たんぽもあり、職場や外出先など、場所を選ばず使うことができます。

蓄熱式湯たんぽ(充電タイプの)の使い方

家庭用のコンセントから充電します。充電が終わると蓄熱される仕組み。
充電時間は約20分。表面の温度が約60度になる商品が一般的です。

他の湯たんぽに比べ温度が低くて保温時間も短いですが、数時間は保温されているので部分的にやさしく温めたいときなどにおすすめです。

【シーン別】おすすしめの湯たんぽをセレクト

こんなに種類があると「どう選べばいいか、わからない」という方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、用途別におすすめの湯たんぽの種類をご紹介します。

寝るときにおすすめの湯たんぽ

寝るときに湯たんぽを使う方法

ご家庭で使う湯たんぽを選ぶ際のポイントは「最もリラックスできる湯たんぽはどれか? 」ということ。

寝るときやリビングでのんびり過ごすときは、保温性が高く長時間じんわりと温かさを伝えてくれる陶器製の湯たんぽがおすすめです。破損リスクや重たいというデメリットはありますが、自宅時間をほっこり楽しむことができます。

アロマと組み合わせて使うと、ほんのりとした温かさと香りに包まれ、高いリラックス効果を得られますよ。

就寝時の湯たんぽの使い方

就寝時に湯たんぽを使う場合、寝る30分ぐらい前から、布団の中に温かい湯たんぽを入れておきます。布団に入るときに、湯たんぽのぬくもりを、体全体で感じられるようにしておくことが、安眠への第1歩です。

指先、足先など冷え切った部分に直接湯たんぽを置きたいところですが、太ももの前面、腹部、お尻、二の腕を温めると温まった血液が心臓まで戻り、冷えを抑えられるそうです(※参考)。
湯たんぽに触れたい気持ちをグッとこらえ、布団の中では湯たんぽを腹部やお尻の近くに置くだけで、直接触れないようにしましょう。

そのためにも、寝る直前ではなく、あらかじめ布団に湯たんぽを入れておくことが重要かもしれません。

オフィスにおすすめの湯たんぽ

USBで充電できる湯たんぽ

オフィスで暖が必要になるのは、冬とは限りません。冷房がついている夏のオフィスで長時間働いていると、手足の指先が冷たくなったり、肩や腰を動かしにくく感じたりした経験があると思います。

そんなとき手軽に使えるのが、充電式の湯たんぽです。

自席のコンセントで20分足らず充電したらコードレスで使えるので、おなかや腰、指先などに当てたりして、目的の応じて使うことができます。

小さなサイズの商品も多くあり、クッションのような見た目なので、オフィスにあっても違和感がありません。

1~2分加熱すればすぐに使えるという、電子レンジ対応の湯たんぽもラクチンなのですが、自分の席から離れずに湯たんぽを使えるという手軽さの面で、充電式の湯たんぽをおすすめです。

アウトドアにおすすめの湯たんぽ

<p>ソックスデポカバー付き湯たんぽ</p>

ソックスデポカバー付き湯たんぽ

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特に秋から春にかけてのキャンプは、外気が低く、防寒をしても、指先、足先などから体を冷えてしまうため、なるべく長時間温かさが持続する湯たんぽがよいとは思います。一方で、重量や壊れやすさなども考慮する必要があります。

頑丈さや使いやすさ、適度の温度を考えると、プラスティック製の湯たんぽがベスト。金属製や陶磁器製より保温時間は短めですが、ブランケットや寝袋と一緒に使えば、少しですが朝までぬくもりを残すこともできます。

万が一壊れてしまっても、すぐに買い替えられることもおすすめのポイントのひとつです。

防災グッズしておすすめの湯たんぽ

<p>ウインター アリー フォー キャンパー 3点セット</p>

ウインター アリー フォー キャンパー 3点セット

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防災グッズにするなら、丈夫で耐久性もある金属製の湯たんぽが最適です。

金属製の湯たんぽはお湯を入れたらすぐに温かくなるため、冷え切った体をすぐに温めることができます。そして、その温かさを長時間持続させることができます。陶器製に比べて壊れにくく、他の素材の湯たんぽより長く使えるのもメリットのひとつ。

また、もし災害などで電気やガスなどのパイプラインが止まってしまった場合でも、ポケットコンロなどで湯を沸かし、それを湯たんぽに注げば唯一の暖房器具として暖をとることができます。
湯たんぽの残り湯も使うことができるので水もムダになりません。

上記のような理由で、最もエコなアイテムなのは金属製の湯たんぽ。保温性や持続性、耐久性などを総合的に考えたとき、最も優れていると言えます。

湯たんぽでリラックスタイムを

先日、働くママの友人5人に湯たんぽについて質問したところ、その内4人が「湯たんぽを持っていない」。残りの1名も「持ってはいるが、使っていない」という回答でした。
その理由は、いずれも「住まいの断熱効果が高く、湯たんぽが必要ではない」というものでした。
マンションか一軒家かなど、住まいの環境により湯たんぽの必要性は違うのかもしれません。

ですが、5人とも「リラックス効果を得られるなら」と、湯たんぽの使用に前向きだったので、実際に湯たんぽを使うとその実力の高さに驚くかもしれませんね。

エコの側面のみならず、肌のうるおい維持や冷え対策など、湯たんぽを使うメリットはたくさんあります

あなたもぜひ、自分の目的や用途に最適な湯たんぽを見つけて、すてきな湯たんぽライフをエンジョイしていただければと思います。


参考資料

青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所・湯たんぽについて)
「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察 Ⅳ」(『共立女子大学家政学部紀要』 第56号 2010年 p.13-21)

初回更新日:2020年10月22日
更新日:2023年1月25日

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