元小学校家庭科教諭。子どものハウスダストアレルギーをきっかけにおそうじにはまり、ブログ「節約ママのこだわり掃除」をスタート。時短家事や節約を楽しみながら日々研究中です。 著書「家族が笑顔になる おそうじの魔法」など。
原因不明のくしゃみ、せき、喘息(ぜんそく)、鼻水、鼻がつまる、目のかゆみなどに悩むことはありませんか。
これらの症状は、もしかしたらハウスダストが原因かもしれません。
わが家にもハウスダストアレルギーの家族がいるので、10年以上ハウスダスト対策を実践してきました。
その経験を元に、家庭でできる「ハウスダストを減らす掃除方法」や「増やさない工夫」についてご紹介します。
ハウスダストが発生する原因とは
ハウスダストとは、アカやフケ、動物の毛やフケ、ダニのフンや死がい、カビ、細菌、花粉、繊維のクズなど、1mm以下の小さなゴミのことを言います。
これらはアレルギーを引き起こすアレルゲン因子とも呼ばれています。
このなかでも、ダニは湿気65%~85%、温度20度~30度の環境を好み、条件を満たせば家の中のあちこちに存在します。
特に秋から冬にかけてはダニの死がいが一気に増えるため、喘息が悪化しやすい季節と言われています。
ハウスダストによるアレルギー症状を防ぐには、室内の湿気を取り、普段の掃除でいかにホコリやダニなどのハウスダストをしっかり取りのぞけるかが課題。
つまり「ハウスダスト対策=ダニ・ホコリ対策」なのです!
特に、寝具などのファブリック類は適度な湿気と温度が保たれているので、ダニが大好きな場所です。
ハウスダスト対策は、寝室やファブリック類を中心に行っていくと効率的ですよ。
【ハウスダスト対策の極意】正しいお掃除方法
まずはハウスダスト対策として重要な、室内のダニやホコリを取り除くための掃除方法をご紹介します。
掃除では大量のホコリが舞うので、ハウスダストをなるべく効率的に取りのぞく必要があります。
いつものお掃除とは違い、少し気をつけたいポイントがあるので、チェックしてみましょう。
【1】換気のタイミングに気をつける
掃除するときはホコリが大量に舞うので、「換気」を行うタイミングは重要。
掃除中は窓を閉めてホコリが舞わないようにし、掃除後に窓を開けるようにしましょう。
部屋の中で対角線上にある窓2カ所をあけると、効率よく空気が流れます。
換気をするとホコリっぽい室内の空気を入れ替えられるのはもちろん、窓を開けることで室内の湿度が下がるので、ダニの増殖を止めることができます。
掃除後以外にも換気はこまめに行いたいですね。
換気のベストタイミングとしては、寝室の除湿をするために「朝」、結露防止に「寝る前」、他には「洗濯物を室内干ししたあと」などが挙げられます。
【2】掃除のタイミングと順番
掃除を行うベストタイミングは、朝起きたときや、外から帰宅したときなどです。
部屋のホコリが床にすべて落ちているときなので、効率的に集めやすいですよ。
フローリングの掃除をする時に、いきなり掃除機を使うのはNG。
ハウスダストを舞い上げずにお掃除するには、なるべく室内に人が少ないタイミングをみて、先にドライシートや乾いた状態のモップなどでホコリを取り除いてから、掃除機をかけると効率的です。
ちなみに水拭きでは、ホコリを端に寄せるだけで、取り除くのには効率的ではありません。
一番おすすめなのはモップですが、さらに吸着力がアップするモップ用のスプレーをしておくと、ハウスダストの舞い上がりも少なくなります。
しっかりとホコリを取り除いたら、仕上げに掃除機がけをしましょう。
<掃除機をかける時のポイント>
掃除機を使うときは、押したときより手前にひくときに吸い上げる力が強いです。
カーペットや畳などを掃除機がけする時は、手前にゆっくり引くようにかけていくのもポイント。
ホコリは時間が経てば経つほど家のすみ、家具周りなどに溜まっていきます。
家のすみや家具周りを重点的に掃除すれば、より効率的ですよ。
【3】エアコンの掃除を忘れず定期的に行う
エアコンは、部屋中のホコリを循環させてしまう家電です。
フィルター掃除は定期的に行い、ホコリが舞うのを防ぐ必要があります。
<エアコン掃除のポイント>
吸い込み口にフィルターを設置すると、集塵(しゅうじん)効果があるのでホコリが舞いにくくなります。
また、エアコン本体の内部がカビていると、カビを部屋にまき散らす可能性があります。
定期的にカビ取りを行っておくと安心ですよ。
【4】家電裏のホコリもしっかりと取りのぞく
普段の床掃除だけでは、ハウスダストを減らすことは難しいです。
部屋中を舞っているホコリは、天井や壁、カーテンレール、窓のサンなど家中のあちこちに溜まっていきます。
すみずみで徹底的に掃除をするときは、天井など高いところから始めるのがおすすめ。
はたきなどを使うとホコリが舞ってしまうので、ハンディモップや乾拭きなどで静かにホコリを吸着させるようにして取り除いていきます。
見落としがちなのが、冷蔵庫やテレビなど大物家電の裏側のホコリ。
ファンや静電気でホコリが集まりやすいので、定期的に家電を移動させて掃除機で吸い取ることで、ハウスダストを効率的に減らすことができます。
<家具の隙間掃除のポイント>
家電や家具など重たいものを移動させるのが難しいときは、隙間用の掃除道具が便利です。
使い捨てのフローリングシートを挟んで引き出すと、効率よくホコリを取りのぞけます。
ハウスダストを増やさないための5つの工夫
ハウスダストを、掃除だけで完璧に取りのぞくのはとても大変です。
なるべく、掃除の手間を減らすような工夫をしておきましょう。
ここでは、「ハウスダストを増やさないための5つの工夫」をご紹介します。
【1】毎日換気を行い、部屋の湿度を下げる
室内は部屋干し、呼気(こき)、料理の蒸気、浴室の蒸気などで、常に湿気がこもりやすいです。
湿気が気になる時は、換気などで室内の湿気を逃すだけでもかなり除湿することができます。
24時間換気システムがある場合は、切らないで上手に活用しましょう。
しかし、梅雨の時期や冬の季節は換気がしにくく、室内の湿度が上がりがち。
そんな時期には、除湿器やエアコンなど除湿ができる家電に頼りましょう。
洗濯物や押し入れなどには除湿器を使い、布団の除湿には布団乾燥機を使用すれば効率的です。
「布団乾燥機を使うときは」
布団乾燥機の「ダニモード」は高温によりダニを死滅させることができます。
ただし死がいがそのまま残っていると意味がないので、「ダニモード」使用後は掃除機でしっかりと吸い取っておきましょう。
【2】空気清浄機を使ってハウスダストを減らす
花粉の季節や真冬など、換気が頻繁にできない時期は、空気清浄機を稼働させることで室内のハウスダストを減らせます。
ただ、空気清浄機のフィルター部分にホコリがたまってくると吸い込みが悪くなります。
定期的にチェックして、交換が必要なものはフィルターも定期的に交換する必要があります。
【3】ダニ対策などハウスダスト関連グッズを使う
ファブリック類にダニが近寄りにくくする忌避(きひ)剤や、ホコリを舞いにくくするスプレーなど、関連グッズがたくさんあります。
特に、布団はダニが好む場所なので、寄りつかないよう予防することが重要。
我が家でも、寝室・押し入れなどは重点的にハウスダスト対策の関連グッズを取り入れるようにしています。
【4】ファブリック類のカバーを高密度のものにかえる
ソファーカバーや布団カバー、クッションカバーなどは小まめに洗うことで、ダニの餌となるアカやフケを取り除くことができます。
ただ、布団や布団カバーをこまめに洗うのは結構大変。
そんなときは、カバー自体を高密度にしてダニが通りにくいものにすれば、寝室で布団を敷いてもホコリが舞いにくくなるのを実感できます。
静電気でホコリを集めやすい毛布などは避け、防ダニ加工の枕カバー、敷ふとんカバー、掛け布団カバーにするのがオススメです。
わが家も高密度のカバーに変えることで、室内でホコリが舞うことが減りました。
布団類に掃除機をかけるときは、カバーを外した状態でハウスダストを吸い取ってくださいね。
【5】洗濯物を取り入れる前にホコリを落とす
天日干しした洗濯物は、かるく叩いてから取り入れることで、家にホコリが入り込むことを防げます。
干している衣類などをちょっとゆするだけでも、かなりの花粉や繊維くずが舞い上がるので、洗濯物からもハウスダストが大量に出ていることが分かります。
家の中のハウスダストを減らすのはもちろん、家に入り込ませない工夫をすることも大事です。
「ハウスダストを意識した掃除」で家の中を快適に
日ごろからハウスダストを意識した掃除と室内で増やさない工夫をすることで、家の中に潜むハウスダストを減らすことができます。
ただ、完璧に取り除くことはとても大変で無理なことなので、空気清浄機など市販の家電やダニの忌避剤などといった関連アイテムを併用することをオススメします。
ハウスダスト対策で大事なのは、除湿やホコリの除去を行うこと。
日々取り組むことで、家の湿気が減ってカビ対策にもつながるので、一石二鳥ですよ。
参考資料
千葉県医師会「ハウスダストアレルギーとは」 検索日:2022/11/08