ハウスダストが発生する原因とは
ハウスダストとは、アカやフケ、動物の毛やフケ、ダニのフンや死がい、カビ、細菌、花粉、繊維のクズなど、1mm以下の小さなゴミのこと。これらはアレルギーを引き起こすアレルゲン因子とも呼ばれています。
このなかでも、ダニは湿気65%~85%、温度20度~30度の環境を好み、条件を満たすと家の中のあちこちに生息しています。特に秋から冬にかけてはダニの死がいが一気に増えるため、喘息が悪化しやすい季節といわれています。
ハウスダストによるアレルギー症状を防ぐには、室内の湿気を取り、普段の掃除でいかにホコリやダニなどのハウスダストをしっかり取りのぞけるかが課題。つまり「ハウスダスト対策=ダニ・ホコリ対策」なのです!
特に、寝具などのファブリック類は適度な湿気と温度が保たれているので、ダニが大好きな場所です。ハウスダスト対策は、寝室やファブリック類を中心に行っていくと効率的ですよ。
【ハウスダスト対策の極意】正しいお掃除方法とポイント
まずはハウスダスト対策として重要な、室内のダニやホコリを取り除くための掃除方法をご紹介します。掃除では大量のホコリが舞うので、ハウスダストをなるべく効率的に取りのぞく必要があります。いつものお掃除とは違い、少し気をつけたいポイントがあるので、チェックしてみましょう。
【1】換気のタイミングに気をつける
掃除するときはホコリが大量に舞うので、「換気」を行うタイミングは重要。掃除中は窓を閉めてホコリが舞わないようにし、掃除後に窓を開けるようにしましょう。
部屋の中で対角線上にある窓2カ所をあけると、効率よく空気が流れます。
換気をするとホコリっぽい室内の空気を入れ替えられるのはもちろん、窓を開けることで室内の湿度が下がるので、ダニの増殖を止めることができます。
掃除後以外にも換気はこまめに行う方がいいでしょう。換気のベストタイミングとしては、寝室の除湿をするために「朝」、結露防止に「寝る前」、他には「洗濯物を室内干ししたあと」などが挙げられます。
<換気するときのポイント>
- 掃除中は換気せず、掃除後に喚起する
- 換気するときは、対角線上にある窓2カ所を開ける
【2】掃除する時間と順番を守って掃除する
掃除を行うベストタイミングは、朝起きたときや、外から帰宅したときです。部屋のホコリが床にすべて落ちているときなので、効率的に集めやすいですよ。
また、フローリングの掃除をする時に、いきなり掃除機を使うのはNG。ハウスダストを舞い上げずにお掃除するには、なるべく室内に人が少ないタイミングをみて、先にドライシートや乾いた状態のモップなどでホコリを取り除いてから、掃除機をかけるようにします。
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トルネード回転モップ
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ちなみに水拭きは、ホコリを端に寄せるだけで、取り除くのには効率的ではありません。一番おすすめなのはモップですが、さらに吸着力がアップするモップ用のスプレーをしておくと、ハウスダストの舞い上がりも少なくなります。
しっかりとホコリを取り除いたら、仕上げに掃除機をかけましょう。掃除機は、押したときより手前にひくときに吸い上げる力が強いのが特徴です。カーペットや畳に掃除機を掛けるときは、手前にゆっくり引くようにかけていくのがポイントです。
ホコリは時間が経てば経つほど家の隅っこ、家具周りなどに溜まっていきます。家の隅や家具周りを重点的に掃除すれば、より効率的ですよ。
<効率的な掃除の順番>
- 朝か帰宅後に掃除する
- 掃除機をかける前に、モップかドライシートでホコリを取り除く
- 掃除機は、手前にゆっくり引くようにかける
- 家の隅や家電周りを重点的に掃除する
【3】エアコンの掃除を定期的に行う
エアコンは、部屋中のホコリを循環させてしまう家電です。フィルター掃除は定期的に行って、ホコリが舞うのを防ぐようにしましょう。
吸い込み口にフィルターを設置すると、集塵(しゅうじん)効果があるのでホコリが舞いにくくなります。また、エアコン本体の内部がカビていると、カビを部屋にまき散らす可能性があります。定期的にカビ取りを行っておくと安心ですよ。
<エアコン掃除のポイント>
- ホコリを舞わせないようエアコン掃除は定期的に行う
- エアコン内部のカビ掃除も行う
【4】家の隅々までホコリもしっかりと取りのぞく
普段の床掃除だけでは、ハウスダストを減らすことは難しいです。部屋中を舞っているホコリは、天井や壁、カーテンレール、窓のサンなど家中のあちこちに溜まっていきます。
すみずみで徹底的に掃除をするときは、天井に近い高いところから始めるのがおすすめ。はたきなどを使うとホコリが舞ってしまうので、ハンディモップや乾拭きなどで静かにホコリを吸着させるようにして取り除いていきます。
見落としがちなのが、冷蔵庫やテレビなど大物家電の裏側のホコリ。ファンや静電気でホコリが集まりやすいので、定期的に家電を移動させて掃除機で吸い取ることで、ハウスダストを効率的に減らすことができます。
また家具の隙間も忘れずに掃除しましょう。家電や家具など重たいものを移動させるのが難しいときは、隙間用の掃除道具が便利です。
「sm@rt」すき間ホコリ取り
写真のように、使い捨てのフローリングシートを挟んで引き出すと、効率よくホコリを取りのぞくことができます。
<ホコリを取り除くときのポイント>
- 天井に近い高い所から低い所へ掃除する
- 大型家電の裏、周りを掃除するのが、ハウスダストを減らすのに効果的
- 隙間専用の掃除道具を使うと効率がよい
ハウスダストを増やさないための5つの工夫
ハウスダストを、掃除だけで完璧に取りのぞくのはとても大変です。なるべく、掃除の手間を減らすような工夫をしておきましょう。そこで、「ハウスダストを増やさないための5つの工夫」をご紹介します。
【1】毎日換気を行い、部屋の湿度を下げる
室内は、呼気(こき)、料理の蒸気、浴室の蒸気などで、常に湿気がこもりやすい場所です。窓を開けて室内の湿気を逃すだけでもかなり除湿することができます。24時間換気システムがある場合は、切らないで上手に活用しましょう。
梅雨の時期や冬の季節は換気がしにくく、室内の湿度が上がりがちになります。そんな時期には、除湿ができる家電に頼りましょう。洗濯物の乾燥、押し入れの除湿には除湿器を使い、布団の除湿には布団乾燥機を使用すれば効率的です。
布団乾燥機を使うときは、「ダニモード」を使うとダニを死滅させることができます。ただしダニの死がいがそのまま残っていると意味がないので、「ダニモード」使用後は掃除機でしっかりと吸い取っておきましょう。
【2】空気清浄機を使ってハウスダストを減らす
空気清浄機
花粉の季節や真冬など、換気が頻繁にできない時期は、空気清浄機を稼働させることで室内のハウスダストを減らせます。
ただ、空気清浄機のフィルター部分にホコリがたまってくると吸い込みが悪くなります。フィルターも定期的にチェックして交換するようにしましょう。
【3】ダニ対策などハウスダスト関連グッズを使う
ハウスダスト関連グッズは、ファブリック類にダニが近寄りにくくする忌避(きひ)剤や、ホコリを舞いにくくするスプレーなど、いろいろあります。
特に、布団はダニが好む場所なので、寄りつかないよう予防することが重要。我が家でも、寝室・押し入れなどは重点的にハウスダスト対策の関連グッズを取り入れるようにしています。
【4】ファブリック類のカバーを高密度のものに変える
高密度カバー
ソファーカバーや布団カバー、クッションカバーなどは小まめに洗うことで、ダニの餌となるアカやフケを取り除くことができます。
ただ、布団や布団カバーをこまめに洗うのは結構大変です。そんなときは、ダニが通りにくい高密度カバーにしてにすれば、寝室で布団を敷いてもホコリが舞いにくくなるのを実感できます。
静電気でホコリを集めやすい毛布などは避け、防ダニ加工の枕カバー、敷ふとんカバー、掛け布団カバーにするのがオススメです。
わが家も高密度のカバーに変えることで、室内でホコリが舞うことが減りました。布団類に掃除機をかけるときは、カバーを外した状態でハウスダストを吸い取ってくださいね。
【5】洗濯物を取り込む前にホコリを落とす
天日干しした洗濯物は、かるく叩いてから取り入れることで、家にホコリが入り込むことを防げます。
干している衣類などをちょっとゆするだけでも、かなりの花粉や繊維くずが舞い上がるので、洗濯物からもハウスダストが大量に出ていることが分かります。家の中のハウスダストを減らすのはもちろん、家に入り込ませない工夫をすることも大事です。
「ハウスダストを意識した掃除」で家の中を快適に
日ごろからハウスダストを意識した掃除と室内で増やさない工夫をすることで、家の中に潜むハウスダストを減らすことができます。
ただ、完璧に取り除くことはとても大変で無理なことなので、空気清浄機など市販の家電やダニの忌避剤などといった関連アイテムを併用することをオススメします。
ハウスダスト対策で大事なのは、除湿やホコリの除去を行うこと。
日々取り組むことで、家の湿気が減ってカビ対策にもつながるので、一石二鳥ですよ。
参考資料
千葉県医師会「ハウスダストアレルギーとは」 検索日:2022/11/08
公開日:2022年1月10日
更新日:2022年11月14日