家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
押入れは衣類や布団、季節の飾り物などを収納しておくに便利な場所。
でも「ついごちゃついてしまう」、「十分に活用できていない」とお悩みの方も多いかもしれません。
押入れの空間を活用してすっきりものを収納するためには、ご自宅の押入れに適した収納ケース選びが重要です。
そこで今回は、押入れで使いやすい収納ケースのおすすめアイテムをご紹介します。専門家による使用実例もありますのでぜひ参考にしてください。
収納ケースを選ぶ極意!押入れを「3つのエリア」に分けて考える
押入れは、大きく「上段(天袋)」「中段」「下段」の3つのエリアに分けることができます。(「上段」と「下段」の2段にしか分かれていない場合もあります)。
それぞれのエリアは高さの違いだけではなく、「取り出しやすさ」も大きく異なります。
まずはそれぞれのエリア別に、収納に適したものを把握しておきましょう。
また収納物をすっきり片付けるには収納ケースの活用がカギ。エリアごとにおすすめの収納ケースの特徴も説明していきます。
よく出し入れするものは中段に
中段は収納したものが最も取り出しやすいエリア。
頻繁に出し入れする布団や衣類などの収納に適しています。また、シーツや布団・枕カバーの替え、長い期間身に付けられる春・秋ものの衣類収納にも便利。
いろんな種類のものを収納することが想定されるので、収納するときは透明なケースを使うのがおすすめ。一目で何が入っているか分かるので目的のものがすぐに取り出せます。
< 中段におすすめの収納ケース >
- 一目で中身が分かる透明な収納ケース
- 奥行を活かせる引き出し収納ケース
- 子供も取り出しやすい前開き収納ケース
重い物やかさばるものは下段に
下段には、かさばるものや重い物を収納しておきましょう。衣類などの他、季節家電や大きめの子供のおもちゃなどを置いておくと便利ですよ。
重いものを入れるのであればキャスター付きの収納ケースがおすすめ。
また湿気から守るため、フタ付きの収納ケースに入れて除湿剤を入れておくと安心です。
< 下段におすすめの収納ケース >
- キャスター付きの収納ケース
- フタ付き収納ケース
使用頻度の少ないものは上段に
上段はものが取り出しにくい高さのため、基本的には使う頻度が低く、それほど重さのないものの収納に使います。
たとえば、頻繁に取り出すことのない「思い出の物」や、クリスマスなどのイベントで使う「飾りなどの軽いもの」を入れておくのに便利なスペースです。
取り出すときには脚立に上ったり背伸びをする必要があるので、収納ケースは軽くて取っ手がついているものが便利です。
< 上段におすすめの収納ケース >
- 軽い布製や紙製の収納ボックス
- 中身が分かりやすいインデックス付きの収納ボックス
- 出し入れしやすい取っ手付き収納ケース
ここをチェック!押入れ収納ケースを選ぶときの3つのポイント
押入れのエリア別におすすめの収納物や収納ケースが分かったところで、今度は収納ケースを選ぶ際のチェックポイントを確認しておきましょう。収納ケースを買ったけど使いづらかったということにならないためにも、確認する点を頭に入れて選んでください。
【1】収納ケースの「奥行」をチェック
まずは一番大切なポイントは収納ケースのサイズ、中でも注視すべきは「奥行」です。
部屋に置いて使う時とは違い、押入れという決まった空間で使う場合は、奥行が合わないとそもそも使うことができない場合があります。
上段中段下段どのエリアで使う収納ケースでも、ご自宅の押入れの奥行をきちんと計った上、収納ケースの奥行を確かめてから選ぶようにしてくださいね。
<一般的な押入れの奥行き>
押入れの奥行は通常80~85cmと言われています。
公団住宅やお家の中でも小さめの押入れの場合は80cm未満のものもあるようですが、一般的にはかなり奥行が長いのが特徴です。
押入れの奥までめいっぱい使いたい時は、奥行70cm程度の収納ケースを選ぶとピッタリ入るでしょう。
【2】収納ケースの「開け方」をチェック
収納ケースには主に3つの開け方が存在します。
開け方別の特徴を把握しておけば、押入れのどのエリアで使うと便利かが見えてきますよ。
■「引き出し」タイプの収納ケース
引き出しタイプの収納ケースは、衣類を入れたり仕切りを活用して小物を収納したりするのにとても便利です。
引き出し収納は、取り出しやすくしまいやすいということがメリットなので、日常使いのもの、使用頻度の高いものを収納するのに適しています。
ただし、引き出し収納ケースは目線より高いところに置くのは不向き。
引き出しの中身が確認しづらくなるので使いにくくなるためです。また押入れの扉が開いた状態で地震が起こった時、上から引き出しが飛び出てくる恐れもあります。
引き出しタイプには、収納ケースが連結している多段タイプや1段ずつに分かれた単品売りのタイプがあります。
もし引っ越しの予定がある場合には、多段タイプより単品売りのタイプがおすすめ。組み換えや買い足しができるので、引っ越し先の収納場所にも合わせやすく、ライフスタイルの変化にも対応することができます。
■「フタ付き」タイプの収納ケース
フタ付き収納ボックスは、シーズンオフの衣類や寝具の保管にぴったり。
衣類であれば、アイテムや着る人別、季節別などでケースを分けて収納すると衣替えが簡単に行えます。
フタ付き収納ボックスの特徴は、引き出し収納ケースよりも密封性が高いこと。湿気対策や防虫効果も期待できますね。
■「前開き」タイプの収納ケース
前開きタイプの収納ケースの最大の特徴は、前から物を取り出せること。
収納ケースのフタを開けたり引き出したりしなくても、ケースの中身を確認できるのもメリットです。
また、前開きなら目線より低い位置でも出し入れがしやすいので、押入れの下段で引き出し収納ケースの上に置いて使うこともできます。
出し入れが簡単なのでお子様のおもちゃの収納にも向いています。
さらに、どんな物でも収納しやすいので、畳まなくてもいい衣類……下着や靴下などをポイポイとしまっておくこともできます。
難点があるとすれば、引き出しタイプやフタ付きタイプの収納ケースに比べると容量が少ないものが多いです。
他の引き出しタイプやフタ付きタイプと組み合わせて使うのがおすすめですよ。
【3】収納ケースの「頑丈さ」をチェック
押入れで使う収納ケースは、衣類を詰め込みすぎたり上に重いものを乗せたりすると、たわんだりひびが入ることも。
安価で手に入るものが多いとはいえ、買い替えるとなれば新しいものの購入費用以外にも、壊れた収納ケースの処分費用がかかってしまう場合もあります。
長く快適に使い続けるためにも頑丈さをチェックしておくのがおすすめです。
【押入れ中段】におすすめの収納ケース6選
ここからは押入れのエリア別におすすめの収納ケースを紹介します。
まずは押入れの中段におすすめのアイテムから。中段で頻繁に出し入れするものを収納する場合は、開け閉めのしやすさや、中の確認のしやすさに注目すると出し入れのストレスを減らせます。
大きく口が開いて出し入れしやすい前開き式
天馬 プロフィックス カバコ L
ふたを上にあげると開口部が開くフラップ式の収納ケースです。口が大きく開くので押し入れ内でも収納物の出し入れラクラク。半透明なので中に収納してあるものがすぐに分かります。同じシリーズで積み重ねて使えます。
前開きタイプのカバコと組み合わせて収納力アップ
天馬 プロフィックス カバゾコ
カバコの底(ゾコ)にセットすれば、収納力がさらにアップ。引き出し式で奥に入れた物も出し入れしやすく、小物の整理にも最適。同じシリーズでそろえれば見た目もすっきり整えられます。
フロストカラーで押し入れ内でもおしゃれに
サンカ ナチュラ フロック
積み重ねても楽に出し入れできる前開き式。洋服などの収納はもちろん、子どもでも開閉しやすいのでおもちゃの収納にもピッタリです。ほんのり透けるフロストカラーで押し入れ内の見た目にこだわる方にもおすすめ。
マットな質感で中身が隠せるタイプの前開きケース
収納ケース ロッキンポッド
フタをスライドさせて片手で開けられるフラップ式ケース。フルオープンにもできるので奥にしまった物も取り出しやすく便利です。マットな質感で中身の見えないタイプ。お部屋に出して使ってもおしゃれです。
前からでも上からでも出し入れ可能
窓付きマルチ収納ボックス
前と上から収納物の出し入れができるケース。前面に付いているファスナーは大きく開くので、物が取り出しやすくなっています。またスタッキングしても透明窓から中身が分かるので便利。使わないときはコンパクトにおりたためます。
前開き&引き出し2wayスタイルの新しいカタチ
JEJ モストロ オープンチェスト
前面のカバーだけを開くと手前のものを取り出すのに便利な前開きオープンスタイルに。引き出しをスライドするとカバーが持ち上がり、奥のものが取りやすい引き出しスタイルに。他のケースの上に置いたり、同じシリーズでスタッキングも可能です。
【押入れ下段】におすすめの収納ケース8選
押入れ下段では引き出し式やキャスター付きの収納ケースを使うと、収納物が取り出しやすくおすすめです。押入れの奥まで無駄なく使える、奥行きの長いタイプの収納ケースなどを紹介します。
【 奥行60cm 】中の物が見やすくほどよく隠せる半透明タイプ
押入れ収納ケース 浅型 FT
たたんだシャツが横に2枚入るサイズの引き出しです。中の収納物が分かりやすく、丸見えにならずにすっきり収納できる半透明タイプ。同サイズや浅型タイプと積み重ねできます。
押入れ下段をタンスのように使える
天馬 押入れ収納ケース
押し入れの下段をタンスのような引き出し収納に。深型でたっぷりしまえます。キャスター付きで、衣替えや掃除のときは楽に外に出すことができます。
丈夫で長持ち、ロングセラー収納ケース
Fits フィッツ フィッツケース ロング
しっかりとした頑丈なつくりの収納ケース。積み重ねて使ってもたわみにくく、引き出しやすいのが特徴です。ズレにくいように凹凸があり、ピッタリ重なるので見た目もすっきり。ロングセラー商品のフィッツケースなら、将来買い足すときも安心です。
横にジョイント可能、安定して使える
押入れ収納ケース 1段
上に積み重ねてもしっかり部品がはまってズレない仕組みになっています。さらに天板にはジョイント機能付きで横に並べて連結可能。2台一緒に移動させたい時もスムーズに移動させることができお掃除もラクラクです。
耐久性に優れた頑丈なフタ式収納ケース
天馬 ロックス
リブ加工で肉厚に設計されたボディ。頑丈で耐久性に優れているので長く使えます。中身がすぐに分かるオールクリアタイプ。別売りのキャスターが取り付け可能で掃除や衣替えの際に便利です。
片手で運べるフタ付き収納ボックス
天馬 PRXフリーボックス35ハンドル付
大きな取っ手が握りやすく持ち運びしやすい収納ケースです。フタは片側が開くタイプで、大きく開けたまま止まってくれるから出し入れしやすく便利。簡易キャスターは付け替えると移動方向を変えられるので、横移動も縦移動もできます。取っ手は倒せば積み重ねることもできます。
耐荷重100kgの頑丈な収納ボックス
トランクカーゴ
フタ裏の格子状リブ構造で頑丈に作られた収納ボックスです。本体裏と天板の凹凸がかみあって積み重ねてもズレない仕組み。軽量で持ち運びやすく、テーブルや踏み台として使用することも可能です。
折り畳みできるフタ付きボックス
グリッドコンテナー スタンダード
押し入れを奥まで活用できる60cmサイズ。同じサイズはもちろん別サイズを積み重ねても便利に使えます。使わないときは折りたためるので季節ものの収納にも◎。
【押入れ上段】におすすめの収納ケース6選
上段で使う収納ケースは下からの引き出しやすさがポイント。取っ手が下に付いたタイプなど出し入れしやすい収納ケースを紹介します。
下から手を入れて引き出せる
サンカ オンボックス
ボックス下部のくぼみに指を入れて引き出せる収納ボックス。棚上の整理に活躍します。フタ付きなのでホコリが入るのを防ぎ、上にものをのせることができるので便利です。
キャスターの向きを変えて前後左右にスライドOK
クローズケース ワイド
狭いスペースにぴったりの収納ケース。キャリーケース型で詰めやすく、洋服の整理は飾りや思い出のアイテムなど小物類の収納にも便利。キャスターの位置を付け替えれば、引き出す向きを自由に変えることができます。
大切な想い出をスタイリッシュに保管
山崎実業「tower (タワー)」 作品収納ボックス
子どもの作品などをまとめて収納しておけるメモリアルボックスです。縦・横収納可能で、押し入れの12cnの隙間に省スペースに収まります。持ちやすい取っ手で出し入れラクラク。
すきまに置いても立ててもOK
東和産業 布団収納袋
取っ手が縦にも横にも付いているので楽に引き出せる収納ケースです。棚上に寝かせたり、押し入れ中段や下段に立てて置いてもOK。4つ角に芯板が入っているので、布団など柔らかい収納物もしっかりスマートに収まります。
かさばる布団をコンパクトに収納
コンパクト 優収納アルファ
かさばる羽毛布団をキューブ型にして収納できます。ケースの最下部に取っ手がついているので、棚上に置いても出し入れラクラク。内側に防虫剤を入れられるポケットが付いています。
専門家がアドバイス! 収納ケースの使い方実例
今回、整理収納アドバイザー高尾ひろみさんに、引き出し収納ケースとフタ付き収納ケースの使い勝手の違いについて、実例を交えてご紹介いただきました。
引き出し収納ケースに比べると開閉が面倒なフタ付き収納ケースですが、入れるおくと便利なアイテムは何かについても教えていただいていますよ。
高尾ひろみ
夫と小学生の娘の3人家族。30年以上の中古マンションを3年前にリノベーションし移住。お片付け=整理収納を楽しみながら学ぶ事で、きっと明日への自分時間を楽しめます。お家で過ごす時間、そのお家の中に居るのは大切な家族。お家を大好きな場所に変えていける整理収納を、私は皆様と一緒に叶えていきたい。お部屋も、あなたの人生も、整理収納で変えてみませんか?
使用頻度の少ないものはフタ付き収納ケースに
「我が家では収納ケースを色々と使いまわしていて、季節ごとに替えるシーツや布団カバーなどは引き出し収納にしていました。ただ、シーツや布団カバーは畳むと重くなり、引き出しに歪みが出てくることがあります。」
「考えてみると、この引き出しは夏か冬にしか開けない……。
寝具の重みで引き出しが開けにくいよりも、フタ付き収納ケースで1年に1回開ける方が便利では?と思い、フタ付き収納ケースに変えてみました。」
「引き出し収納ケースとは違い、フタ付き収納ケースなら、押入れやクローゼットの上段に収納可能。
使用頻度が高くないものを入れた収納ケースは、上段をうまく活用しましょう。」
フタ付き収納ケースはアウトドア用品の収納にも便利
フタ付き収納ボックスは、そのまま持ち運べるのがいいところ。
アウトドア好きの友人アドバイザーもフタ付き収納ケースを愛用していました。
こちらは、無印良品のポリプロピレン頑丈収納ボックス。
中身が透けて見えないのでスッキリしていますね。
キャンプ先では椅子代わりにもなる頑丈さ。
アウトドア用品を入れる場合は、帰宅後の片付けがしやすい場所に収納しておくのがおすすめ。
出し入れが便利な玄関先に近い収納庫や駐車場に近いお部屋の押入れなどを活用しましょう。
使いやすい収納ケースで押入れを無駄なく活用しよう
押入れのエリア別に使いやすい収納ケースのおすすめをご紹介しました。
いろいろなタイプがある収納ケースは、中に入れるものや置く場所によって使い分けると、押入れ空間を無駄なく使いきることができます。
「どこに入れたいか」、「何を入れたいか」を明確にしてから、お家の押入れにピッタリの収納ケースを選んでくださいね。
長く使える収納アイテムは、こちらでも多数紹介しています。ぜひご覧ください。