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最近はプラスチック製の扱いやすいまな板を使う人が増えてきましたが、木のまな板の魅力は何と言っても刃当たりの良さ!
プラスチック製のまな板とは違う柔らかい刃当たりが、食材の切りやすさに差をもたらします。
実は、「木のまな板」と一言に言っても、使われている木材や構造によってかなり違いがあるということをご存じですか?
そこで今回は、木製のまな板に使われている木材の種類による特徴の違いを解説します。
木製のまな板の選び方に悩んでいる人は必見です!
木のまな板は何がいい?他の素材とは違うメリットまとめ
まずは、木のまな板の優れている点を確認してみましょう。
- 刃当たりの良さ
- 食材が滑りにくい
- 傷付いても再生する
木のまな板のメリット【1】刃当たりの良さ
木のまな板は、なんといってもほどよい柔らかさが特徴!
包丁の刃先をすっと吸い込んでくれます。
木のまな板は刃当たりがいいといわれますが、刃当たりとは、食材を切るときにまな板に包丁があたる感触のこと。
まな板の相棒、包丁との相性はとても大切ですね。
木のまな板のメリット【2】食材が滑りにくい
木のまな板は食材に付いた水滴などの水分を吸収します。
そのため、食材がまな板にくっつき、滑りにくいというメリットがあります。
水分を吸ってしまうのはデメリットにもなる
お肉などの生ものの水分も吸収してしまうので、そういうものを切ったあとはしっかり洗って乾燥させる必要があります。
衛生面では、ちょっと心配ですね。
だからこそ、木そのものがもつ抗菌、防カビ効果はとても重要と言えます。
詳しくは「木のまな板に使われる木材の種類と特徴」でご紹介しますね。
木のまな板のメリット【3】傷付いても再生する
木のまな板の最大の特徴とも言えるのが再生力!
編集部スタッフは木のまな板の使い心地を確かめる際、桐製のまな板でねぎを切ってみました。
次の日、乾いたまな板を見て気づいたことは、「あれ、まな板の傷が目立たなくなってる?」ということ。
顕微鏡でまな板の表面を観察し、切った直後の画像と比べてみます。
目立った傷は1ヶ所だけで、あとはほとんど消えていました。
木のまな板には、傷を修復しようとする自然の力「復元力」があるんです。
たくさんのすき間がある構造が特徴の桐は、特に、復元力が高いと言われています。
柔軟性があるので、傷がついても元に戻りやすいんです。
木のまな板に使われる木材の種類と特徴
木のまな板に使われる代表的な木材はこちらの2種類。
- 桐
- 檜(ひのき)
このほかにも、銀杏(いちょう)や、朴(ほお)が使われることがあります。
代表的な「桐」と「檜(ひのき)」を比較して、違いを比べてみました。
【桐のまな板】柔らかくて軽い!
木の中でも、特に柔らかいのが桐です。
そのため包丁に優しく、包丁の切れ味が長持ちすると言われています。
先ほどご紹介した通り、包丁の傷を消す復元力も高いです。
また、桐はすき間がたくさんあるため、他の素材に比べて軽いのも特徴です。
桐ってどれくらい軽いの?
というわけで、一回り小さい檜製のまな板と重さを比べてみました。
1.桐製のまな板(株式会社カクセー)
2.檜製のまな板(有限会社ウメザワ)
※(カッコ)はメーカー名。以下省略。
桐製のまな板のほうがサイズが大きいにも関わらず、120gも軽いという結果に。
まな板が軽いと、なんといっても持ち運びがラク。
まな板は調理台だけで使うものではありません。切った食材をまな板に載せたまま鍋に入れるときなど、手にかかる負担も少ないですね。
【檜のまな板】水に強くて抗菌効果があり!
檜は、脂をたくさん含んでいるため水に強い木材と言われています。
耐久性に優れており、神社やお寺の建築材にも檜が使われているんですよ。
檜特有の「香り」に注目
檜の特徴は、なんといってもさわやかないい香りですが、この香りの正体は、檜に含まれる精油です。
檜の精油成分は、抗菌、防カビ、消臭効果があると言われています。
ただし、調理器具としては、香りがあることはデメリットにもなります。
必ずしも、食材に香りが移るとは限りませんが、なんとなく気になる…という方には不向きかもしれません。
素材だけじゃない!まな板の構造の違い
せっかく木のまな板を選ぶのだから、他にも選ぶポイント、知っておきたいですよね。
そこで、次は木のまな板の構造に注目。
木のまな板はどれも同じに見えますが、目に見えない構造には大きく2種類あります。
それは、一枚の板でできているのかそうでないのかということ。
一般に、一枚の板でできているものを一枚板、そうでないものを合板と言います。
一枚板と合板の違いは?
合板のまな板は、木の端材が使われており、まな板のコストダウンにつながっています。
檜は産地の名前がブランドのようになっていて、有名な産地の檜を使ったまな板は、どうしても価格が高めになります。
こちらの檜製まな板は、日本三大檜に数えられる木曽産のまな板。
有名な産地の檜でできていますが、合板なので価格は約1,000円。お求めやすい価格になっています。
また、合板のまな板は木を圧縮して形を整え接着しているので、一枚板のまな板より反りにくいと言われています。
長く使うなら一枚板のまな板がおすすめ
木のまな板を長く使っていると、よく使う真ん中の部分がどうしても減ってきます。
一枚板のまな板なら、削り直して平らにすることができますが、合板のまな板には限界があります。
また、合板のまな板は、木と木のつなぎ目から割れてきたり、黒カビが発生したりということも。
いつかは買い替える必要があります。
その点、一枚板のまな板なら、何年、何十年と使い続けることが可能。気に入ったものを長く使いたい人には、一枚板の方がおすすめです。
一枚板か合板か、どうやって見分ける?
先ほどご紹介した桐製のまな板と檜製のまな板は、実は一枚板ではなく何枚かの木が合わせられた合板です。
画像の赤い線でなぞったところが木と木のつなぎ目。
桐製のまな板は2枚、檜製のまな板は4枚の木が合わさっています。
…ところが、ご覧の通り木目だけでは中の構造がどうなっているのかは分かりにくいです。
●一枚板か合板かは「まな板の側面」をチェック
こちらは、合板の檜製のまな板の側面。
側面を見てみると、複数の木が重なっているように見えます。
一枚板のまな板と見比べてみると…
この通り。側面を見れば一目瞭然。簡単に見分けがつきますね。
木のまな板の構造についてまとめてみました。
使い方にもよりますが、まな板の反りにくさでは、合板のほうが優勢。価格的にも安価で手に入りやすいです。
価格が高くても、一生ものとも言える一枚板に魅力を感じる方もいらっしゃるはず。
木のまな板を選ぶ際は、素材だけではなく構造にも注目してみてください。
傷が付きやすい木のまな板のお手入れ方法
プラスチックより包丁傷がつきやすい木のまな板。
柔らかく刃当たりが良いのはメリットではありますが、毎日使うものなので、傷に汚れが入り込んでしまうのが心配ですよね。
長く使うためにも、日々のお手入れ方法はしっかり確認しておきましょう。
木のまな板のお手入れポイント
木のまな板を使った後は、タワシでゴシゴシ洗うのが鉄則。
傷に入り込んだ汚れや食材のカスを掻き出すように、しっかり洗いましょう。
木は、膨張と収縮を繰り返しているので、包丁傷がきれいに元に戻ることがあります。
これは木のまな板のいいところでもあるのですが、傷に入り込んだ汚れが残ったまま傷が元に戻ってしまうと、汚れが閉じ込められてしまうことになります。
木のまな板を使ったら速やかに洗う!ということを心掛けてください。
●木のまな板に漂白剤はNG!
実は、木のまな板には漂白剤がNGです。
木の内部にまで漂白剤が浸透してしまい、変色する恐れがあります。
消毒のため、漂白剤で漬け置きすることはできないので、覚えておきましょう。
使う前のひと手間で汚れを防ぐ
木のまな板は、使う前に水で濡らすと汚れがつきにくくなります。
木のまな板の「水分を吸収する」という特徴を活かして、清潔な水をまな板に吸わせます。
まな板の表面に水の膜を作っておくことで、生ものの水分を吸いこみにくくなるんです。
使う前のひと手間で、お手入れもラクになりますよ。
大切な木のまな板がカビたときの対処方法
吸水性のある木のまな板は、乾燥に時間がかかるというのも心配のひとつ。
乾燥に時間がかかるとどうしてもカビが発生しやすく、さらにお手入れに手間がかかってしまうということに。
こちらは、30年ほど使っている檜のまな板。すごい貫禄ですね。
長年使っていると、このように黒カビがついてしまうことがあります。
ですが、厚みのあるまな板の場合、カビてしまった部分を削ってきれいに再生させることができます。
お手入れに手間がかかるのは、マイナスばかりではありません。
お手入れすることで、まな板に愛着がわくということもあります。
まな板は、何年か使ったら処分と割りきって選ぶのもありですが、お手入れしながら長く使うのもひとつの選択です。
料理にこだわる人はぜひ木のまな板を使ってみて
木製のまな板はプラスチック製のまな板とは違い、扱いやお手入れが大変なこともあります。
しかし、包丁を使うときの刃当たりの良さなどから、木のまな板を愛用する人も多いです。
料理にこだわりたい人、1つのものを長く使いたい人は、ぜひ木のまな板を使ってみてください。
木のまな板のおすすめアイテムはこちらの記事で紹介しているので、気になった人はこちらもチェックしてみてくださいね。