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ダウンジャケットの洗い方と注意点

知らずに洗濯するのはNG!ダウンジャケットの洗濯を失敗しない7つのポイント

家事のコツ

冬の間出ずっぱりのダウンジャケットは、想像以上に汚れています。
見た目は汚れていなくても、中身の羽毛が汗や汚れを吸っているので、いつしか羽毛がぺちゃんこになったり、臭いが気になったりすることも。

ダウンジャケットは、素材によっては自宅で洗濯できるものもあります。
気軽にお手入れができるのはうれしいものの、ポイントを押さえないと失敗することも。

そこで今回は、ダウンジャケットを洗濯するときに押えておきたい7つのポイントをご紹介します。
お気に入りのダウンジャケットを長く気持ちよく着るためにも、ぜひ最後までチェックしてくださいね。

管理栄養士兼ライターをしている、2児の母です。部屋の片付けが少々苦手…。ハウジーのコラムを読みながらステキなおうちになるよう、悪戦苦闘中です。日々の暮らしに彩りを添えるような記事をお届けできればと思います。

ダウンの洗濯でありがちな失敗例

普通の服と同じような方法で、ダウンジャケットを洗濯するのはおすすめできません。
型崩れしてしまった、臭くなった、保温力が下がった……など、さまざまな失敗が考えられるからです。

ダウンジャケットを洗濯するときにありがちな失敗例を挙げてみました。

  • 自宅で洗濯できないものを洗濯してしまった
  • シミやほつれができてしまった
  • 洗濯機で洗うと浮いてしまう
  • 洗濯機で回したらぺちゃんこになった
  • カビ臭いニオイがする
  • 乾かすと羽毛が偏って変な形に
  • コインランドリーで洗濯と乾燥をしたら傷んだ

ダウンジャケットは高価なものも多く、洗濯に失敗して着られなくなるのだけは避けたいですよね。
そこで、これらの失敗を防ぐためのコツや解決策をご紹介していきます。

【ポイント1】洗濯表示は要チェック

洗濯表示を確認する

ダウンジャケットに使用されている素材には、洗濯できるものとできないものがあります。
洗濯できない素材にもかかわらず、洗濯をしてしまうと素材が傷んだり、縮んだりして着られなくなるかもしれません。
洗濯の可否については、ダウンジャケットの内側についている洗濯表示タグを確認してみましょう。

洗濯できない主な素材は以下の通り。

  • レザー
  • ファー
  • シルク
  • ウール
  • カシミヤ
  • アンゴラ
  • レーヨン
  • キュプラ など
洗濯表示

このようなマークが記載されているものは、手洗いができる、もしくは洗濯機で洗えます。
素材によって推奨されている水の温度帯が決まっているので、表示温度以上のお湯を使用しないようにしましょう。

家庭での洗濯ができない場合の洗濯表示

逆に、このようなマークが記載されているものは、水洗い不可です。つまり洗濯機と手洗い、どちらもNG。
もし水洗い不可のものを洗濯する場合、自己責任でおこなう必要があります。

<ドライコースとドライクリーニングは別物>

洗濯機によっては「ドライコース」もありますが、こちらはドライクリーニングとは別物です。
ドライコースは、やさしい水流で洗い、短めの脱水時間に設定されているもの。これも「水洗い」になるので、ドライクリーニング推奨のものは洗わないようにしましょう。

【ポイント2】シミやほつれを防ぐ

ダウンジャケットのシミやほつれを防ぐ

手洗いでゆっくり丁寧に取り扱った場合でも、シミやステッチのほつれなどが起こる可能性があります。
シミの場合「輪ジミ」や「際(きわ)つき」がダウンジャケットに起こりやすいのです。

輪ジミができたときの対策

輪ジミとは、文字どおり輪のようにシミができること。
ダウンジャケットに残った洗剤や汚れが、時間とともに輪ジミになります。
ほかにも、レーヨンやキュプラなど縮みやすい素材が使われていると、水を吸った部分が縮むので光の反射が変わり、シミのようになるのです。

輪ジミができてしまった場合の対策は、素材によって異なります。
水洗い可能な素材に輪ジミができた場合は、もう一度洗濯をすると残った汚れが落ちるので、シミも取れるでしょう。
ただし、レーヨンやシルクなどの縮みやすい素材の場合、さらに水で洗ってしまうことで縮みがひどくなり、型崩れの原因に。
水洗い不可の場合はクリーニング店などプロに任せましょう。

際つきを防ぐためのポイント

際つきとは、ダウンジャケットの縫い目に沿ってできるシミのこと。
ダウンジャケットの場合、表面の生地は保温力を高めるために、空気が通りにくい加工を施しています。
そのため、羽毛など中綿の水分は生地からではなく縫い目から逃げていくのですが、水分が集中することで乾きにくくなるのです。
水分が集中するということは、残った洗剤や汚れも集まってしまうので、縫い目部分にシミができやすくなります。

際つきを防ぐには、除湿機やサーキュレーターなどを併用し、すばやく乾かすのがコツです。
縮みの心配がない素材の場合は、低温の乾燥機を利用するのもひとつの手。
その際、短時間回してダウンジャケットの形などを確認し、また短時間回して……と繰り返すとよいでしょう。

糸のほつれを防ぐためのポイント

洗濯による糸のほつれもよくある失敗のひとつ。
汚れを落とそうとゴシゴシ洗ってしまうと、ステッチ部分の糸が切れてほつれてしまいます。

ほつれを防ぐには、ゴシゴシ洗いは厳禁。丁寧に押し洗いするとよいでしょう。
万一ほつれてしまった場合、糸を引き抜いたり、切ってしまったりするのはおすすめできません。
そのままの状態でお直しに出すことをおすすめします。

【ポイント3】洗濯機で浮かないようにする

洗濯機で浮かないようにする

洗濯機でダウンジャケットを洗うと、いつまでもプカプカ浮いて洗えないケースがしばしば。
その理由は、ダウンジャケットの中身の羽毛にあります。

羽毛は軽量かつ空気を含むので、水に沈みにくいのです。
そのままの状態で洗濯を続けても、中身がキレイになっているとは考えにくいですね。
特に、縦型洗濯機の場合は沈みにくいので注意しましょう。

失敗しないためには、ダウンジャケットを手洗いするか、洗濯機に水がたまった時点でダウンジャケットを押し込むようにしましょう。
ダウンジャケットを入れたネットに、バスタオルを巻き付けるという方法もあります。

【ポイント4】乾かし方に気を付ける

乾かし方に注意が必要なダウンジャケット

洗濯機でダウンジャケットを洗うと、ぺちゃんこになることもあります。
これは、羽毛が水を含んで周辺の羽毛とくっついてしまうからです。
さらに脱水によって羽毛同士がくっつき、ふわふわ感がなくなってしまいます。

「乾いたらふわふわに戻るのでは?」と思うかもしれませんが、このままの状態で乾かしてもぺちゃんこのままです。

ぺちゃんこにならないようにするためには、脱水後のダウンジャケットを広げて、全体を軽くもみほぐしましょう。
乾かしている間、数回ほぐしてあげるとよりふわふわ感が戻ります

低温の乾燥機にかけるのも手です。
ダウン内の湿気が抜け、羽毛本来のふわふわ感が復活します。

ただし、布団たたきなどを使用するのはNGです!
羽毛の軸部分が折れたり、羽毛が割けたりすると、元には戻りません。

<シームレスダウンは乾燥機NG>

シームレスダウンとは、縫い目がないダウンのこと。縫う代わりに接着剤を使用しています。
シームレスダウンを乾燥機にかけると、接着剤が溶けてしまうのでやめましょう。

【ポイント5】しっかり乾かす

ダウンジャケットを洗濯すると、カビ臭くなることもあります。
これは、ダウンジャケットの表面だけでなく、中綿までしっかり乾燥できていないのが原因です。

また、洗濯やクリーニングをしてキレイにしたのに、ダウンジャケットの表面にカビが生えてしまうケースもあります。
クローゼットなど保管場所の湿気が多いと、こうしたトラブルが起こってしまいます。

カビの発生を防ぐには、中綿までしっかり乾かすことが重要です。

失敗しないために、ダウンジャケットを洗濯したら、2~3日陰干しをして、しっかりと乾かしましょう。
サーキュレーターなどで風を当てたり、浴室乾燥機を使用したりするのもおすすめです。

その際、コートやパーカー用として販売されている、幅が肉厚なハンガーを使用すると、より乾きやすくなります。
心配な場合は、乾燥時間をもう1日増やしてください。
低温の乾燥機で10分程度、仕上げ乾燥させるのも◎

もしダウンジャケットがカビ臭くなってしまった場合は、もう一度水洗いしてください。
キレイにしたダウンジャケットを保管する場合は、保管場所に除湿剤を置いたり、定期的に空気の入れ替えをしたりするとよいでしょう。

【ポイント6】羽毛がかたよらないようにする

羽毛が偏らないようにする

ダウンジャケットを洗濯し、乾かすと羽毛がかたよって形が変わることもあります。
これは、洗濯や脱水をする際に羽毛が移動したり、変な位置で固まったりすることで起こるのです。

生地を傷めたり、羽毛がかたよったりするため、ダウンジャケットをゴシゴシ洗うのはNGです。
また、ダウンジャケットを脱水する際、雑きん絞りや長時間脱水機にかけるのもNG
羽毛がかたよって型崩れの原因になるので、やめましょう。

ダウンジャケットを脱水するときは、洗濯機でごく短時間脱水をするか、バスタオルで包み込んで水分を取ることをおすすめします。

羽毛がかたよってしまった場合は、かたよった箇所を手で軽くつまんでほぐし、全体をバサバサ振る、この作業を繰り返しましょう。

乾燥機OKの場合はかたよった箇所をほぐしたあと、自然乾燥で半乾き~完全に乾燥させてから、低温モードで回しましょう。
湿気が飛ぶことで羽毛がふわふわになり、全体的にボリュームが出ます。

力の入れすぎはNG

かたよった羽毛をほぐす際、思いっきり力を入れてほぐすと、羽根が折れてしまいます。
かたよった部分を両側から包み、軽くもみほぐすようにしてください。

【ポイント7】乾燥機をうまく使う

先ほどから、コインランドリーで低温乾燥させるとふわふわに仕上がると説明していますが、洗濯直後に乾燥機を使用するのはNGです。

洗濯直後のダウンジャケットには大量の水分が含まれているので、そのままの状態だと乾燥までに1時間以上必要になります。
デリケートなダウンジャケットを1時間以上乾燥機に入れっぱなしにしていると、羽毛や表面の生地が傷んでしまうことに。
そのため、コインランドリーで洗濯から乾燥までを一括でおこなうのはやめましょう。

失敗しないためのコツとして、ダウンジャケットを洗濯したら、一度自然乾燥させてください。
乾燥機を使用する場合は、半乾きまたは完全に乾燥した状態になってからにしましょう。
この状態だと短時間の乾燥で済むので、ダウンジャケットを傷めません。

覚えておきたいコツまとめ

ダウンジャケットは決して安いものではありません。
家庭で洗濯をする際、失敗しないよう以下のコツを押えてくださいね。

  • 水洗いができる素材か確認する
  • ステッチがほつれたら糸を引き抜かない
  • 水がたまってから洗濯機に沈める
  • 乾燥中は軽く叩いたりほぐしたりする
  • 日陰で2~3日じっくりと乾燥させる
  • 羽毛が偏ったら軽くほぐして全体を振りさばく
  • 熱に弱い素材以外は、仕上げに乾燥機の低温モードを活用する(洗濯直後に乾燥機を使用しない)

自分で洗えるか心配な場合や、水洗いNGのものはクリーニング店へ任せるのがベターです。
ワンシーズン着込んだダウンジャケットをキレイにして、また来シーズンも気持ちよく着ましょう。

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