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天ぷら専用の鍋がなくても、中華鍋やフライパンで代用できれば便利ですよね。
実は、天ぷら鍋を使わずに、フライパンや他の鍋で揚げ物をするメリットもあるんです。
今回の記事では、天ぷら鍋の代用ができる調理器具のおすすめアイテムをご紹介します。
天ぷら鍋は、揚げ物に必要か判断基準は?
天ぷらや揚げ物専用の鍋って、本当に必要なのでしょうか。年に数回しか揚げ物を作らないのであれば、確かに専用の揚げ鍋は必要がないかもしれません。
揚げ物をおいしく作るため、揚げる際ポイントは
- 油を一定温度になるべく保つ
- 食材にとって最適の温度で揚げる
油の温度を一定に保つのには、なるべく多くの油を使ってあげる必要があります。そのため天ぷら鍋は、普通の鍋よりも深めで大きめ。また保温力を保てるよう分厚くなっていることが多いのが特徴です。
そのため、基本的に天ぷら鍋は普通の鍋よりも重くて扱いづらい、収納するときに場所をとるなどのデメリットがあります。そのため、収納場所がない場合は天ぷら鍋を買うかどうか迷ってしまいますよね。
天ぷら鍋を購入するかどうかは、使用頻度や作りたい料理の好みに合わせて考えるとよいでしょう。厚みのある食材を揚げる場合や、たくさん揚げて作り置きしたい場合は、深さのある天ぷら鍋があった方がうまく、おいしく揚がります。
揚げ物に向いている調理器具の選び方
普通の鍋やフライパンの中には、天ぷら鍋のように揚げものができるものもあります。揚げ物に向いている調理器具かどうかは、「素材」と「形状」を見て決めましょう。
揚げ物をおいしく作るには、先ほどお伝えしように油の温度を一定に保つ必要があります。つまり揚げ物用の調理器具には、熱伝導率の良さや保温力の高さが求められるのです。
素材選びのポイント
一般に、熱伝導率が良いのは銅、アルミ、鉄、ステンレスの順番です。また保温力があるのが、銅が一番あり、次に鉄、ステンレス、鋳物ホーロー、土鍋。
この中で、揚げ物に向いているのは、銅、鉄、ホーロー製です。アルミは熱伝導率がよすぎて熱しやすく冷めやすいので油の温度を一定に保ちにくく向いていません。またステンレスは天ぷら鍋に使われる素材ではありますが、他の調理と兼用するなら避けた方がベター(理由は後述します)。ただし、素材の弱点を補うようステンレスとアルミ両方を使った多重構造でセラミック加工した鍋は向いています。
一番熱伝導に優れ保温力のある「銅製」が、最も揚げ物に向いているといえます。天ぷら専門店もよく使われているのもこのため。ただ値段が高く、お手入れが大変なので、天ぷら鍋を買わず代用鍋ですませたいときにわざわざ買うというにはちょっと敷居が高いかもしれません。
もし天ぷら鍋を買わず代用鍋ですませたい場合は
- 鉄
- 鋳物ホーロー製
- ステンレスとアルミにセラミック加工を施したもの
上記いずれかで選ぶとよいでしょう。
カタチを選ぶときのポイント
保温力の良し悪しは、鍋の形状によっても左右されます。
天ぷら鍋のように深さのある鍋なら、たくさん油を使う分、油の温度が下がりにくくなります。また、油はねによるコンロ周りの汚れも軽減できるのも利点です。フライパンのように浅い調理器具でも揚げものは可能ですが、おいしく安全に揚げたいときは、深さのある鍋を選ぶのがおすすめです。
フライパンで天ぷら鍋の代用するときのポイント
一番手軽なのが、どのご家庭にもあるフライパンで代用する方法です。
揚げ物には鉄製のフライパンが最適ですが、ステンレスとアルミの多重構造のものを使っても◎。ただし注意しないといけないのは、フライパンによく施されている表面加工です。フッ素加工は高温調理には向かないとされていますが、中には揚げ物をしても大丈夫なものもあるので、商品説明の表記をよく確認するようにしましょう。またセラミック加工なら高温調理に耐えられるのでベターです。
フライパンで揚げ物をすると、油は少量ですむので経済的かつ、片付けもラクチン。また「揚げ焼き」になるのでカリっとした食感に仕上がるのが特徴。
ただ油が少量な分、食材を入れると油の温度が急激に下がります。そのため、天ぷら鍋を使うときよりも油をやや高温にしておくようにしましょう。フライパンの場合、食材をたくさん詰めて一気に揚げることで油の温度変化をおさえることができます。
フライパンに入れる油の量は、フライパンの深さの半分までにするのがポイント。加熱すると油は少しかさが増えますし、食材を入れると油があふれたり激しく飛び散る可能性があるからです。ガスコンロでは引火の危険もあるので特に注意してください。フライパンと一緒に油の飛び散りを防ぐ「油はね防止ネット」を使うのもおすすめです。
<フライパンで揚げ物をするときポイント>
- フライパンは鉄製のものがぴったり
- 加工なしか、セラミック加工のフライパンがベター。フッ素加工の場合は、揚げ物OKと表記のあるものを使う
- 油をやや高温にしてから食材をいれる
- 食材をたくさん詰めて、一気にあげる
- 油はフライパンの深さの半分までにして入れ過ぎない
「フライパンで揚げ物を作る方法」は、別の記事でくわしくご紹介しているので、こちらも参考にしてくださいね。
油の温度を保っておいしく揚がる
保温性の高い鉄製で、油の温度を一定に保ちやすくおいしい揚げ物ができるフライパンです。深型でたっぷり油を使えるのも◎。底面を厚く、側面を薄くする独自の加工で重さを軽減し、扱いやすいのが特徴。鉄製ですが、「空焼き・油ならし」のお手入れが要らず、気軽に揚げ物を楽しめるのも魅力です。
フタ付きで油の飛び散りを防げる
こちらはフッ素加工ですが、耐熱性が高く揚げ物にも対応したフライパンです。5.7cmの深型で油がたっぷり入り、フタ付きで調理中の油の飛び散りを防止できます。汚れ落ちがよく、揚げた後のお手入れがラクなのもうれしい点です。
中華鍋で天ぷら鍋の代用するときのポイント
鉄製の中華鍋は、炒め鍋・天ぷら鍋(揚げ鍋)兼用で活用できるアイテムです。
中華鍋は底に向かって小さくなる形なので、同じ直径の鍋より使用する油が少なくても問題ありません。鍋の傾斜を利用して滑らせるように食材を入れられるため、食材を入れた瞬間の油はねが少なくて済みます。
ただしこの形状はいいことばかりではありません。空気に触れる面積が大きい分、場所によって油の温度に差が生まれます。
中華鍋でおいしく揚げるポイントは、揚げ網などで大きくかき混ぜながら揚げること。かき混ぜることで油の温度のムラを少なくすることができます。
IHコンロでは使えないことが多いですが、むしろ中華鍋は火力の強いガスコンロ向きの鍋。「お家がガスコンロで、たまに揚げ物をしたい」という場合は、中華鍋で天ぷら鍋の代用をすることも検討してみてください。
鉄製マグマプレートでしっかり火が通る
内側と外側の細かい凹凸を付けた独自開発プレート「マグマプレート」を使用。凹凸により表面積が広くなり、高い熱伝導率で食材の奥までしっかりと熱が伝わります。8.2cmの深さがあるのでたっぷり油を入れられ、一気に揚げ物を作りたい時にぴったり。高品質鉄材を使用した日本製の逸品です。
油の移し替えがラクにできる
揚げ物の他、野菜炒めやチャーハンを炒めてもこぼれにくいのが特徴のフライパン。少し傾斜のあるアップハンドルで握りやすいのも◎。取っ手の反対側には補助ハンドルが付いているので、油の移し替えもラクにできます。
卵焼き器で天ぷら鍋の代用するときのポイント
お弁当のおかずに揚げものを加えたいときには、他のおかずを作るついでに卵焼き器で揚げ物もしてしまいましょう。深めの卵焼き器は、特に揚げ物をするのにぴったりです。揚げ物をしたあと、残った油をさっと拭き取って卵やウインナーを焼けば、弁当作りの効率がアップ!
ただ、コツはフライパンと同じですが、油の温度を一定に保ちにくいので、揚げ焼きをする感覚で使ってくださいね。フライパンより小さくて浅いので油が飛び散りやすいので注意が必要です。
洗い物も少なくて済むので、ぜひ試してみてくださいね。
油ハネが怖くないフタ付き
フタがセットになった深型の卵焼き器。フタは透明ガラスで揚げ具合が確認しやすいのがうれしい点です。ガラスの周りがシリコン素材になっているので、本体と密着してズレにくいのも◎。つまみ部分には菜箸を置けるくぼみ付きで、朝の忙しい時間にもプチストレスなく使えます。
使うほどに油がなじむ鉄製
4.2cmの深さのある鉄製の卵焼き器。ビタクラフト独自の「窒化4層加工」により、鉄の弱点である錆びやすさをクリア。使うほどに油がなじみ、お料理がおいしく仕上がるのが魅力です。
両手鍋で天ぷら鍋を代用するときのポイント
キャセロールと呼ばれるような両手鍋も天ぷら鍋の代用にするのにおすすめ。
ここでも銅、鉄、ホーロー、もしくはアルミとステンレスの多重構造で表面にセラミック加工されたものから選ぶのが正解。とくに素材を高熱で溶かし型に流し込んで作られる「鋳物(いもの)」は保温性も高く油を一定温度に保つことができるので最適です。
鋳物鍋には、鉄鋳物とホーロー鋳物がありますが、どちらも揚げ物には◎。ただ鋳物の両手鍋は、鉄製にしろホーロー製にしろお値段が結構はるものが多いため、揚げ物をひんぱんにするなら代用をせず天ぷら鍋を買ってしまった方が安心かもしれません。
片手鍋で天ぷら鍋の代用するときのポイント
最近、1つ7役のマルチポットのようなアイテムを使うのもひとつの手です。このときも、銅・鉄・ホーロー製のものがおすすめです。フライパンと同様に表面加工は、されてないものかセラミック加工の鍋がおすすめです。
小さい片手鍋は、温度変化が大きくなるので、食材を一気に入れないよう注意にしてください。また、マルチポットのように口がすぼまったものなら油の飛び散りも少なく揚げることが可能です。
こちらにマルチポットを検討している方はこちらの記事も参考にして、選ぶとよいでしょう。
>>マルチポットおすすめトップ10。進化が止まらない人気アイテム
ミルクパンで天ぷら鍋の代用するときのポイント
一人暮らしで、少量の揚げ物しかしないというならミルクパンで代用するのもあり。ミルクパンを使う場合も、ホーロー製か表面がセラミック加工のものを使うのがおすすめ。ミルクパンに油を入れっぱなしにしないというなら、ステンレス製もありです。
ただしミルクパンを使うときには注意が必要です。小さい分、油の温度がすぐ上がり発火したりする恐れがあります。そのため油をいれずぎないこと、温度管理は徹底するようにしましょう。このような理由から、14センチ以下の小さすぎるミルクパンを使うのは避けた方がベターです。
くわしくはこちらの記事を参考にしてみてください。
>>ちょこっと使いに便利「ミルクパン」離乳食や一人ごはんに。意外な使い道もご紹介
揚げものNGな調理器具はコレ
揚げ物との相性が悪い調理器具を使うと、おいしく揚げられないだけでなく、調理器具の寿命を縮めてしまうことも。
揚げ物NGな調理器具で、代表的なものをおさえておきましょう。
コレはNG!アルミ製の鍋
アルミは、非常に伝導率に優れています。そのため揚げ物を作るには熱伝導率が良すぎて、食材を入れるとすぐに温度がさがり、油の温度を一定に保つことができません。油の温度変化が激しいので、揚げ時間を見定めるのが難しいといわれています。
ただし極厚のアルミ鍋か、ステンレス製と多重構造になった鍋なら使ってもOKです。
コレはNG!ステンレス製の鍋
ステンレス製の鍋は保温力に優れていますが、油汚れに弱いのが難点。また、油を冷ますために入れっぱなしで放置していると、サビや茶色い変色の原因になることもあります。
ステンレス製の天ぷら鍋もあるので問題ないように思いますが、他の素材の鍋があるならそちらを使うのがベストです。
コレはNG!雪平鍋
槌目(つちめ)と呼ばれる表面の凹凸が特徴的な雪平鍋は、熱伝導率が良すぎるので油の温度が安定しません。
コレは絶対NG!土鍋
揚げ物は絶対NGなのが土鍋です。焼き物である土鍋は水分を吸い込みますが、油も吸ってしまうため、次に使うときに鍋ごと燃えてしまう可能性があります。
天ぷら鍋以外で揚げものを楽しもう
揚げ物専用の天ぷら鍋があると便利ですが、フライパンや中華鍋で代用できる揚げものもたくさんあります。
フライパンや中華鍋で揚げものをするときには、この記事で紹介したコツを参考にしてチャレンジしてみてくださいね。