家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
全身が映る「姿見」と呼ばれるスタンドミラー。お出かけ前、身だしなみチェックに使うので、玄関に置いている人も多いのではないでしょうか?
そのため地震が起こると割れて、避難経路を防ぐ心配もありますよね。
そこで今回は、スタンドミラーの地震対策について考えていきたいと思います。
地震が起きたとき、全身鏡の危険性とは?
一般的に販売されている鏡は、ガラス製のものがほとんどです。そのため強い衝撃に弱く、倒れると割れる危険性が。板硝子協会「ガラスの破損事故による事故事例調査結果」によると、1995年1月に起きた釧路沖地震では」「停電中、足元のガラスを踏み抜いた」などの訴えが目立ったとのこと(※)。
身だしなみをチェックする全身鏡は、玄関やクローゼットがある寝室に置くこと多いアイテム。それだけに、災害時に備えて割れない工夫をしておく必要がアイテムです。
特に立て掛けてあるだけのスタンド型ミラーや金具だけで固定しているミラーはちょっとした衝撃でもすぐ倒れたり落下してしまうため、注意が必要です。
【地震対策1】全身鏡・スタンドミラーは避難経路に置かない
避難をする際に通る場所、例えば廊下や玄関にはスタンドミラーや倒れやすい全身鏡を置かないというのが基本のキ。
身だしなみは出かける前にチェックすることが多いので、どうしても全身鏡を玄関に置きたいというなら、これから紹介する対策2~5のいずれかをする必要があります。
【地震対策2】使わないときは隙間に収納しておく
編集部のnoemiuはこの方法をとっています。寝室とクローゼットが同じ部屋にあるので、常に鏡があるのが気になるからというのが理由ですが、必要なときだけ取り出す方が鏡の表面にホコリも付きにくいので一石二鳥です。
ヨガをする時だけといったように使用シーンが限られている場合も、普段は収納しておく方がおすすめです。
【地震対策3】全身鏡・スタンドミラーをしっかり固定する
まず第一歩の対策として、鏡をしっかり固定することが大事です。
固定する方法としては、主に以下の3つ。
スタンドミラーは固定具を使って、壁掛け鏡にする
立て掛け型のスタンドミラーは、壁にしっかり固定して壁掛け鏡にしてしまうのが一番安心です。
<おすすめの固定具>
おすすめは「鏡美人」というアイテム。石膏ボード用の固定金具ですが、業務用ホチキス1本で取り付けられるのでとっても手軽です。石膏の壁ならどこでも取り付け取り外しが簡単にでき、壁穴も目立たないので、賃貸の人にも使えるアイテムです(ただし全く傷がつかないわけではありません)。
ミラーマット・ミラーボンドを使って壁に貼り付ける
ミラーマットやミラーボンドで貼り付けるのもおすすめです。
<おすすめのミラーマット>
積水化学工業のミラーマットは、強力で大きな鏡でもしっかり貼ることが可能。最近は賃貸の壁を傷つけないアイテムも発売されています。
家具用のチェーンやフック使って固定する
一番オーソドックスな固定方法です。もしチェーンやフックでDIYする際、壁に穴をあけられないなら家具に取り付けるとよいでしょう。
【地震対策4】鏡用の飛散防止フィルムを貼りつける
フィルムやシートを貼りつけて飛び散らないようにする方法です。今持っているお気に入りの鏡をそのまま使い続けられる一方、空気や傷が入らないよう表面に飛散防止フィルムを貼り付けるのは、ちょっとしたテクニックが必要です。特に、全身用鏡は長細いので、難易度は高めです。
そこで鏡の裏の反射面に貼るのもおすすめです。ここに貼れば、ある程度は飛散するのを防ぐことができます。ただし何より裏面に貼る場合は、「キレイに姿が映る」ことを考えなくてよいので、空気や傷が入っても気にする必要がありません。表面にうまく貼れないというなら、裏面の反射層に貼ってみるのも検討してみてください。
【地震対策5】割れない鏡に買い替える
「割れない鏡」にいっそ買い替えてしまうのもおすすめです。
割れない鏡には、特殊なフィルムでできたリフェクスミラーやアクリルミラー、アルミミラー、貼り付けるシールミラーなどいくつか種類があります。数年前にSNSでバズったのは、リフェクスミラーです。
二重映りせず、軽い「リフェクスミラー(REFEX)ミラー」
高性能のポリエステルフィルムを使用。割れないだけでなく、軽いのもうれしいところ。またガラス鏡と違って二重映りせず、映りは鮮明で、ガラス鏡と遜色(そんしょく)なし。ただ、少しお値段が高いのが難点です。
<おすすめのリフェクスミラー>
縦150センチで少し小さめながら、壁掛けにするのにぴったりなサイズ。メープル材、オークル材を模した木目調のフレーム2種と、シルバーとシャンパンゴールドのフレームがあるので、お部屋のテイストに合わせてえらんでください。
<おすすめのリフェクスミラー>
フック付きで、ドアにかけられるようになっているリフェクスミラー。割れないだけでなく、軽くて二重映りしないところもうれしいアイテムです。フックだけだと心もとないので、しっかりドアに固定して地震対策は万全にしてください。
安価だが少し重い「アルミミラー」
アルミを使ったミラー。リフェクスミラーよりは重いものの、ガラス製のものより軽く扱いやすいのがポイント。ただし、傷がつきやすいので注意が必要です。
<おすすめのアルミミラー>
フレームがなく圧迫感のないデザインのアルミミラー。粘着テープで簡単に取り付けができるので、玄関にも洗面所にもどこにでも貼り付けできるのがうれしいアイテムです。
自分で加工もできる「シールミラー」
カッティングがしやすいので、いろんなカタチのものが発売されています。シートタイプのものを貼っても組み合わせて使っても◎。ただ、映りはガラスタイプに比べ少し劣ることと、凹凸のある場所に貼ると、映るものが歪むのが難点。そのため、全身鏡として使いたいなら、大きなサイズのものを1枚貼るのではなく、小さめのものを組み合わせるのがおすすめです。
<おすすめのシールミラー>
アクリル製のミラーステッカー。水にぬれてもOKなので、バスルームにも使えるアイテムです。六角形なので、組み合わせてお好きなカタチにして、インテリアにの一種として楽しんでも正解。3枚入り。
全身鏡・スタンドは倒れない工夫をして地震対策を
防災対策といってもなかなか鏡にまで気が及ばないかもしれません。でも地震が起こってからでは遅いということもあります。
特にペットや小さなお子さんがいる場合は、全身鏡やスタンドミラーが倒れたことが致命傷になることも。
「防災グッズセレクション」では非常時に役立つアイテムを多数ご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
参考資料
一般社団法人板硝子協会「ガラスの破損事故による事故事例調査結果」検索日:2024年1月8日