整理収納アドバイザー、住宅収納スペシャリスト、クリンネスト2級。「家事は素早くラクに!」をモットーに、家事が時短になるテクや片付けに関する記事を「ESSE-online」「収納マガジン」などで多数執筆。

防災グッズや備蓄品のベストな収納方法は?収納ケースの選び方とおすすめアイテム5選
防災グッズや備蓄品については、
「どこに置いたらいいのかわからない」
「収納するスペースがなくて困っている」
「防災グッズがあるとごちゃごちゃして見える」
こんなお悩みの声をよく聞きます。
緊急時に必要な防災グッズを、普段の生活スペースにそのまま置きっぱなしというのも見栄えがイマイチ……。
だとしたら、どんな収納がいいのでしょうか?
そこで今回は、防災グッズや備蓄品の収納方法についてまとめました。収納ケースの選び方やおすすめアイテムもあわせて紹介しています。

防災グッズや備蓄品の収納についての基本的な考え方

まずは防災グッズや備蓄品を収納するための基本的な考え方を解説します。
防災グッズを収納するときに大切なことは5つ。
- いざというときにすぐに取り出せること
- 緊急用と自宅待機用の2つに分ける
- 自宅が倒壊した場合のリスク回避のために、分散して収納する
- 飲料水やレトルト食品などの備蓄品は「ローリングストック」で管理
- モノが落下したり家具が倒れたりしても持ち出せる場所に収納する
これらを踏まえて防災グッズや備蓄品の収納場所と収納方法を考えていきましょう。
▼必要最低限な非常持ち出し用のチェックリスト
- リュック
- ヘルメット(防災頭巾)
- ホイッスル(居場所を知らせます)
- 皮手袋・軍手(けがの防止)
- 簡易トイレ(避難所は混雑することも)
- タオル、ウェットティッシュ
- ラジオ、ライト
- 各種乾電池
- 現金等貴重品
- 飲料水・非常食
- 常備薬、救急箱
- 生理用品
- マスク、手指消毒用アルコール
- 毛布
- 携帯用カイロ
- 衣類・下着
- 洗面用具
+α あなたに必要なモノ、忘れていませんか?
赤ちゃんのおむつや粉ミルク、お子さまが落ち着ける「大好きなもの」、ペットのご飯や消臭剤、補聴器やお薬手帳など……
身を守るものだけでなく、自分だけの「必需品」も確認しましょう。
※必要最小限のリストとなっています。
ライフラインの復旧待ちには、1週間分の水・食料が必要です。各自治体の防災マップ等を確認し、日ごろからご家族とどの避難先へ行くのか決めておきましょう。
緊急時の連絡先や、伝言の残し方も決めておくと安心ですね。
防災グッズや備蓄品の収納場所・方法を決めるポイント

では、具体的にどのような収納を心がけたらいいのでしょうか?
防災グッズや備蓄品の収納場所と収納方法を決めるポイントは、6つあります。
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
【1】非常用持ち出し袋はすぐに取り出せる場所に
緊急時にすぐに必要な非常用持ち出し袋は、リビングや寝室に保管しておくのが望ましいです。
リビングなら収納棚、寝室ならクローゼットなどが収納場所として適しています。
悪目立ちしないおしゃれな防災リュックならインテリアにも馴染むので、壁面フックにそのまま掛けておくのもあり。
玄関や廊下に収納しても構いませんが、災害時に玄関や廊下までたどり着けないこともあり得るので、普段過ごしている部屋との距離が近いことが条件です。
また、非常用持ち出し袋を収納ケースに入れてしまうと、ケースから取り出す時間のロスが生じます。緊急時にはわずかな時間のロスが命取りになってしまうかもしれません。
ですから、非常用持ち出し袋はすぐに持ち出せるようにそのまま置いておくことが重要です。
【2】備蓄用の食料品はローリングストックで管理

非常用の食料品は「ローリングストック」で管理するのが基本。
長期保存できる非常食は値段が高くてそろえにくいので、食べ慣れているレトルト食品・インスタント麺・缶詰などを保存食として常備しておきます。
保存食をほかの備蓄品と一緒にまとめて収納ケースに入れてしまうと、気づいたら賞味期限切れなんてことも……。
そんな状況にならないように、備蓄用だとしても食料品はキッチンに収納し、消費したら買い足すことを繰り返していく「ローリングストック」を意識しましょう。
ティッシュやラップ、ゴミ袋などの日用品の備蓄も同じ方法で管理するのがおすすめです。
【3】使う場所に収納する
非常用トイレはトイレに、懐中電灯やスリッパはベッド脇に置く。
このように、一部の防災グッズは、その場で使える場所に収納しておくのがベストです。
【4】分散収納する
1箇所にすべての防災グッズをまとめてしまったために、災害による倒壊で使いたいのに取り出せなくなってしまう可能性があります。
そんなリスクを軽減する意味でも「分散収納」を心がけてください。
収納スペースが足りない場合も、分散させて収納すればスペースを確保できます。
【5】高い位置よりも低い位置に収納する
普段は使わないからといって防災グッズを収納棚の上部に置くと、落下して破損してしまう可能性があります。
ですから、防災グッズはなるべく低い位置に収納しておきましょう。
【6】丈夫な収納ケースにまとめて収納する
家が倒壊したり、家具が倒れてきたりしてもモノが取り出せるように、二次的な備蓄品は、丈夫で壊れにくい収納ケースにまとめておくのがおすすめです。
収納ケースに入れてしまうと中身を忘れてしまいがちなので、1年に1度は動作確認したり、期限切れがないかチェックしたりして、防災グッズの見直しをしましょう。
防災グッズ用の収納ケースの選び方
防災グッズや備蓄品をそろえても、収納ケースはどんなものを選べばいいのかわからない方もいるのではないでしょうか?
ここでは収納ケースの選び方やケースを置くスペースがない場合の代替品を解説していきます。
収納ケースは丈夫なものを選ぶ
防災グッズや備蓄品を収納するケースを選ぶときにもっとも大切なのは「丈夫さ」です。
家具が倒れてきたり、クローゼットや押し入れが崩れてきたりしても壊れにくい頑丈なつくりの収納ケースを選びましょう。
適正量と持ち運びやすさで収納ケースのサイズを決める

収納ケースはどこに収納するのかでサイズが変わりますが、「何をどのくらい収納するのか」でサイズを選ぶことも大切です。
収納スペースがあるからといって特大サイズの収納ケースに飲料水や食料品などの重いモノを入れてしまうと、いざというときに動かせない可能性があります。
そんな場合は、小さめの収納ケースを2つ並べたほうがいいですよね。
備蓄用として必要なモノの適正量を把握して、持ち運びやすさも考慮して収納ケースを選びましょう。
インテリアの邪魔にならないものを選ぶ

普段使わない防災グッズが見える場所にあるのは落ち着かないと感じるなら、インテリアにも馴染みやすい収納を心がけましょう。
インテリアと同じ色の防災リュックや収納ケースを選べばごちゃごちゃして見えません。
収納スペースが足りないときは?
大きな収納ボックスを置くスペースが、必ずしも確保できるとは限りません。
そんな場合は、海外旅行や長期旅行でしか使わないスーツケースがあれば、そこに防災グッズを保管しておくことをおすすめします。
空っぽのスーツケースを置いておくだけではスペースがもったいないので、中のデッドスペースを有効活用しましょう。
ただし、実際の緊急時は床にモノが散乱しているかもしれないのでスーツケースのキャスターを転がしにくく、また、リュックと違い片手が使えないというデメリットがあります。
そのため、スーツケースごと持ち運ぶのは、難しい可能性が高いでしょう。
あくまでも、スーツケースは二次的な防災グッズの収納として利用してください。
また、まとまった収納スペースがなければ分散収納しておけばOKです。
おすすめの防災グッズ用収納ケース
防災グッズ用の収納ケースもいろいろなものがあるので、どんな商品がいいのか迷っている方もいるかもしれませんね。
ここでは、防災グッズや備蓄品を保管するのにおすすめの収納ケースをご紹介します。
無印良品「ポリプロピレン頑丈収納ボックス」

防災グッズ用の収納ケースとして人気があるのが無印良品の「ポリプロピレン頑丈収納ボックス」です。ベランダや屋外でも使用可能。
デザインも色もシンプルなので、玄関やリビングに置いておいても悪目立ちしません。非常に丈夫で大人が座っても問題ないので、災害時はベンチやテーブル代わりにもなります。
座れる収納ボックス「ベリアスボート」

サンカ ベリアスボード
「ベリアスボート」も持ち運べて丈夫な収納ボックスです。
4色のカラーから選べるので、自宅のインテリアに馴染みやすいものを見つけましょう。
S〜Lなら椅子としても使えるサイズ感です。
収納力抜群の「コンテナボックス」

リッチェル コンテナボックス
積み重ねがしやすく、丈夫な「コンテナボックス」も防災グッズの収納に向いています。
サイズの違うコンテナボックスを組み合わせれば、スペースを有効活用できるでしょう。
室内にもなじむ「頑丈ボックス」

リス トランクカーゴ
ペットボトルを立てて収納できる深型ボックス。2Lのペットボトルが15本入ります。耐荷重100kgで踏み台や椅子として使用することも可能。マットな仕上がりでキズや汚れが目立たず、室内にも自然になじみます。
中を整理しながら収納できる「スタックアップコンテナ―」

スタックアップコンテナー
専用のインナーボックス(別売り)でコンテナー内を細かく仕切ることができます。防災グッズを整理しながら収納しておけるので便利。空間に合わせて自由にスタッキングでき、滑り止めでしっかり固定できるのでガタガタしない構造になっています。
防災グッズをベストな方法で収納して安全を確保しましょう
防災グッズは災害時の生命線です。
せっかくグッズをそろえておいても、収納に適さない場所を選んでしまったり、収納方法を間違えていたりすると、いざというときに活用できない可能性が高くなります。
ですから、自分にとってベストな収納方法を見つけて、緊急時に慌てずに防災グッズを取り出せるようにしてくださいね。
「防災グッズセレクション」では非常時に役立つアイテムを多数ご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。
参考資料
政府広報オンライン「災害時に命を守る一人一人の防災対策」検索日:2022/9/8
首相官邸ホームページ 防災特集 「<非常バッグの準備、できていますか?>」 検索日:2022/9/8