元小学校家庭科教諭。子どものハウスダストアレルギーをきっかけにおそうじにはまり、ブログ「節約ママのこだわり掃除」をスタート。時短家事や節約を楽しみながら日々研究中です。 著書「家族が笑顔になる おそうじの魔法」など。
家族の毎日の食事作りに欠かせないのが炊飯器。
家族のために美味しいごはんを食べてもらうためにも、炊飯器のお手入れはきちんと行いましょう。
ここでは普段炊飯器の汚れ別に、くわしいお手入れ方法をご紹介します。
わが家の炊飯器は可変圧力炊飯の「おどり炊き圧力IHジャー炊飯器」(三洋)です。似たタイプの炊飯器をお使いの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
炊飯器はどれぐらいの頻度で掃除すべき?
炊飯器は、炊飯・保温・調理のあと、毎回お手入れすることが推奨されています。
あまり汚れていないように感じる炊飯器ですが、一度炊飯するたびに内ブタや蒸気ガイドには「デンプン質」がこびりついています。そのまま放置しておくと、カビやニオイの原因になってしまいますので、早めに対処しましょう。
本体内部も水分や米粒が入り込んだりすることで、うまく炊けないことがあるので定期的なお手入れが重要です。
内釜や内ぶたは使用するたびに掃除。外ぶたや蒸気ガイド、本体は1~2週間に1度のペースで。炊飯器の裏にあるファン部分は1年に一度汚れがたまっていないか確認しましょう。
<炊飯器のパーツ別、掃除頻度>
- 内釜、内ぶた………毎回(使用後)
- 外ブタ、蒸気ガイド、本体………1~2週間に1度
- 炊飯器の裏にあるファン部分……1年に1度
- 内釜、内ブタ、蒸気ガイド部分……白米以外を調理した後
また炊き込みご飯などを炊いた場合は、その都度ニオイ落としのお掃除が必要です。
ニオイがひどくなる前にお掃除して、ふだんの炊飯時にニオイが残らないようにしましょう。
炊飯器の掃除に必要なもの
炊飯器は身近なものでお手入れができます。
ここでは、炊飯器のお手入れに役立つアイテムについてご紹介します。
隙間掃除には「やわらかめのブラシ」
炊飯器は隙間が多いので、細かい部分まで入り込んで汚れをかきだすものが必要になります。
特にお掃除専用に買ってくる必要はないので、家にあるもので柔らかめのナイロンブラシを使ってみましょう。なるべく傷をつけないように柔らかめのブラシがおすすめです。
今回使用するのは、左から哺乳瓶洗いブラシ、炊飯器にセットになっていたブラシ、お菓子作り用の刷毛(ハケ)です。
お菓子作り用の刷毛は、持ち手はプラスチック製のものが丸洗いできて便利です。毛も抜けにくいので、安心して使えます。
ナイロンブラシは、水切れもよく乾きも早いので清潔で長く使えます。
気になる汚れには「マイクロファイバー」
マイクロファイバークロスは超極細繊維でできていて、汚れをからめ取るのが得意です。水拭きするだけで汚れが落ちるので何度もこする必要がありません。
炊飯器の本体内部のお掃除には、水拭きだけで簡単に汚れを落とせます。
洗剤がなくても軽い汚れを落とすことができますが、洗剤を併用するとさらに汚れ落ちもよくなります。
油汚れなどが気になる外側のお手入れには、セスキなどアルカリ性の洗剤を使用し、マイクロファイバークロスで拭き取れば、簡単に汚れを落とすことができますよ。
使用する洗剤は内側は「食器用洗剤」、外側は「アルカリ性の洗剤」
内釜や内ぶたは基本的には水洗いでOK。どうしても気になるなら食器用洗剤を使用します。
また、外側の汚れが油汚れなどで気にある場合は、セスキ水やアルカリ電解水などアルカリ性の洗剤を利用すると落とすことができます。
ただし、重曹などの研磨性をもつ洗剤は避けてください。どうしても重曹を使用するときには、しっかり溶かしてから使用します。
炊飯器の【内釜・内ぶた】普段の掃除方法
炊飯器の主な汚れであるデンプン質は、水で落とせる汚れです。
ですので、基本的には水洗いでOK。固まって落ちないときでも、水に浸しておくとやわらかくなります。
<お手入れの手順>
1.お釜と内ぶたは水につける
まずは内釜と内ぶたを水につけて、ふやかします。
2.内釜を柔らかいスポンジであらう
こびりついたお米が柔らかくなったら、お釜はスポンジで水洗いします。
内面のフッ素樹脂がはがれないように、かたいスポンジで洗わないようにしています。汚れが気になる方は台所用中性洗剤を少しつけて洗いましょう。
3.内ぶたの隙間を念入りに洗う
内ぶたの隙間の汚れを刷毛(はけ)などで落とします。隙間部分はお米のネバネバが残っていることが多いので念入りに洗いましょう。
こちらも気になる方は台所用中性洗剤を少しつけて洗います。
4.最後にパーツを乾かします。
<掃除の際に注意すること>
釜の外側は濡れていると故障の原因になるので、炊飯ジャーに戻す前に確認します。温度センサー付近にもご飯が落ちていないか確認して、もし落ちていたら取り除きます。
また、炊飯器を開けた時に、つゆ受け部に水分がしたたります。つゆ受け部には結露した水分がたまったりごはん粒が入ったりしますので、汚れをフキンなどでふき取っておきましょう。
炊飯器の【外蓋・蒸気ガイド・本体】定期的にやっておきたい掃除方法
本来は炊飯するたびに行いたい場所ですが、なかなか難しいですよね。
それでも、せめて1~2週間に一度くらいを目安にきれいにしておきたい場所です。
コンセントを抜いてから作業を行いましょう。
<お手入れの手順>
1.蒸気ガイドをはずす
まずは、外ぶたにある蒸気ガイドを外します。
2. 内部を洗い流す
内部を開けて、デンプンのぬるぬるした部分を刷毛などで洗い流します。
外せるタイプのパッキンは外して、洗いましょう。水洗いできれいになります。
3.蒸気ガイドを外した、本体部分もデンプン汚れがつきやすい場所です。マイクロファイバークロスなどで拭き取るときれいになります。水で濡らしてかたく絞って使いましょう。
4.内蓋を外した本体部分も汚れています。同じようにマイクロファイバークロスで拭き取りましょう。パッキンは外れません。無理に引っ張ったりしないようにしましょう。
5.最後に炊飯器の表面全体を拭いていきます。油汚れがとれない場合はセスキ水(水500mlに対してセスキ小さじ1)をマイクロファイバークロスにスプレーして拭き取りましょう。
【ファン部分の吸気口】年に一度のお手入れ方法
わが家が毎年必ずおこなっているのは、炊飯器を裏返して、ファン部分の吸気口を掃除することです。
ほこりが油と一緒にたまっているので、セスキ水をしみ込ませたクロスを串に挟んで、ほこりをかきだします。
内部にほこりが落ちないように、優しく持ち上げるように取るのがお掃除のコツです。
ニオイが取れない時のお手入れ方法
炊き込みご飯などを作った後の炊飯器は、しばらくニオイが残ってしまうことがあります。
この問題は、使用後できるだけ早く炊飯器を洗うことで防ぐことができます。
<炊き込みご飯などをした後のお手入れ方法>
お釜、内蓋は台所用中性洗剤をつけてスポンジで洗います。ボールが入っている部分も転がすように洗いましょう。
蒸気ガイド部分も、外して台所用中性洗剤で洗います。外して洗える部分全てを洗うとニオイが取れやすいです。
<それでも炊飯器のニオイが取れないときは?>
調理後すぐに洗ってもニオイが取れない場合や丸洗いできないタイプのお手入れは、内窯に水を入れて、炊飯器のクリーンコースで煮沸消毒(なければ炊飯モードでも可)を試してみてください。
このとき、レモン果汁大さじ1~2杯入れて、クリーニングコースを行うと効果的です。(機種によっては使用できないものもあります)
<クエン酸や重曹の使用での注意>
ニオイを落とす方法として、クエン酸や重曹を使ったお手入れもあるようですが、お使いの炊飯器によっては内釜に施された特殊コーティングが傷む原因になるため、お手入れにクエン酸や重曹を使ってはいけないものもあります。「おどり炊き圧力IHジャー炊飯器」(三洋)も、クエン酸や重曹は使えません。
なお上記でご紹介したレモン果汁を使用するお手入れ方法については、メーカーに確認したうえで行なっております。
炊飯器のお手入れは簡単・シンプル
炊飯器の普段のお掃除は意外とシンプル。内部はデンプン汚れを落とすだけなので、水洗いで十分きれいになります。外側の汚れはキッチンの油汚れが飛ぶので、セスキと併用すると時短になります。
蒸気口部分は、丸洗いできる物の方が、炊き込みご飯を作った後はニオイが取れやすいです。
炊飯器の種類によっては多少お手入れ方法が変わってくると思いますので、取り扱い説明書も参考にしてくださいね。