家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
買いそろえた備蓄品を、そのままクローゼットに入れるのはNG。備蓄品は、もしもの時にサッと取り出して使えるよう、適した収納ボックスにまとめておく必要があります。
今回は、備蓄品の収納に適した収納ボックスの選び方やおすすめのアイテムをご紹介します。
防災グッズ用の収納ケースの選び方
以前に整理収納アドバイザーの資格を持つ藤野ことさんに防災グッズ・備蓄品のベストな収納方法として、以下のポイントを教えてもらいました。
<自宅待機用の二次的防災グッズ・備蓄品を収納するポイント>
- 使う場所の近くに収納する
- モノが壊れたり、倒れたりしても、持ち出せる場所に収納する
- 高い位置より低い位置に収納する
- リスク回避のため「分散収納」する
では具体的に、そろえた防災グッズや備蓄品を入れるのはどんな収納ボックスが適しているかわからない方もいるのではないでしょうか。藤野ことさんにうかがいながら、まずは選び方をご紹介します。
【耐荷重】丈夫で衝撃に強い収納ボックスを選ぶ
「防災グッズや備蓄品を収納するボックスを選ぶとき、もっとも大切なのは頑丈かどうかです」と藤野さん。災害時には、家具が倒れたり、家の一部分が倒壊してしまうことも。それでも、避難所が開設されたり、国や自治体から配給品が届くまで、自分が備蓄したものや防災グッズでしのがなければなりません。そのため、壊れにくく頑丈なものを選ぶ必要があります。
耐荷重を確認して選ぶとよいでしょう。
【サイズ】適正量と持ち運びやすさでサイズを決める
収納ボックスのサイズは
- どれぐらいの量を備蓄するか
- 収納ボックスをどこに置くか(収納場所)
を考えて選びます。
このとき、「収納スペースが十分あるからといって、大きな収納ボックスを選ばないようにしましょう」と藤野さん。備蓄品は、飲料水や食料品などの重いものが多いので、あまりにも大きな収納ボックスに入れてしまうと、いざというときに動かせない可能性があるからです。
「小さめの収納ボックスを複数使うのも視野に入れて」と藤野さん。備蓄用として必要なモノの適正量を把握して、持ち運びやすさも考慮して収納ケースを選びましょう。
東京消防庁が発表している、水と食料の備蓄の目安は以下です。
<食料品の備蓄の目安>
- 飲料水:1人1日3リットル×最低3日分(理想は1週間分)×家族の人数
(4人家族で1週間に必要な飲料水は、84リットル) - 食料品:1週間程度
藤野ことさんによると「食料品は、ローリングストックがおすすめ」とのことです。
インテリアの邪魔にならないものを選ぶ
「普段使わない防災グッズが見える場所にあるのは落ち着かないと感じるなら、インテリアにも馴染みやすい収納を心がけましょう」と藤野さん。
特に非常用の持ち出し袋は、「リビングや寝室など、普段過ごしている場所に取り出しやすい状態で収納することが大切」とのこと。非常用持ち出し袋をしまい込んでしまうと、収納ボックスから取り出す時間分ロスになり、命取りになる可能性もあります。
黄色やオレンジの防災リュックが販売されていますが、それが悪目立ちして嫌だという場合は、インテリアと同じ色の防災リュックや収納ケースを選ぶといいでしょう。
【使い勝手】座れたり、テーブルにもなるものなら、なお良い
収納ボックスの中には、アウトドアシーンでも使えるように、座ったりテーブルにできたりするアイテムもあります。そういった収納ボックスを選べば、避難生活をする際にテーブルや椅子の代わりとして使うことが可能に。
耐荷重が高いかどうか、座れるかどうかもチェックしたいポイントです。
椅子にもテーブルにもなる!備蓄用の収納ボックス
耐荷重の高い収納ボックスをご紹介します。ベランダや屋外でも使用可能な上、災害時はベンチやテーブル代わりにもなるアイテムラインナップです。
シンプルでいつでも買い足しできる無印のボックス
「デザインも色もシンプルなので、玄関やリビングに置いておいても悪目立ちしない」という理由から、藤野ことさんが使っているアイテムがこれ。ロングセラー商品で、いつでも買い足しができるのが魅力です。
座れる収納ボックス「ベリアスボート」
サイドのバックルでがっちりロックしてしっかり中身を守ることができる収納ボックス。バックルは持ちやすい持ち手になるので、中身が重くなっても移動させやすいのが◎。ベーシックな4色のカラー展開から選べるので、自宅のインテリアに馴染みやすいものを見つけましょう。S〜Lなら椅子としても使えるサイズ感です。
- サイズ展開:4サイズ
- 重さ:約870g/1.76kg/2.5kg/3.55kg
- 耐荷重:約50kg/100kg/100kg/100kg
積み重ねても崩れにくい「ラッチコンテナ」
しっかり積み重ねることができるデザインで荷崩れしにくいので、災害時にも安心。耐熱温度は100度、耐冷温度-20度という防災グッズの収納に向いています。サイズの違うコンテナボックスを組み合わせれば、スペースを有効活用できるでしょう。
- サイズ展開:6サイズ
- 耐荷重:約14kg/20kg/27kg/29kg/30kg/30kg
室内にもなじむ「トランクカーゴ」
ペットボトルを立てて収納できる深型ボックス。2Lのペットボトルが15本入ります。耐荷重100kgで踏み台や椅子として使用することも可能。マットな仕上がりでキズや汚れが目立たず、室内にも自然になじみます。
中を整理しながら収納できる「スタックアップコンテナー」
専用のインナーボックス(別売り)でコンテナー内を細かく仕切ることができます。防災グッズを整理しながら収納しておけるので便利。空間に合わせて自由にスタッキングでき、滑り止めでしっかり固定できるのでガタガタしない構造になっています。
エコな素材で作られた「トランクボックス」
リサイクル材を配合したエコな素材を使用しているのが特徴。約2kgと軽量ながら、耐荷重は80kgと頑丈に作られています。下にLサイズを置いて、サイズ違いでスタッキングも可能。インテリアに馴染む4色のアースカラーから選べます。
遊び心のあるデザインが楽しい「グリッドコンテナー」
ブロックのような楽しいデザインの収納ボックス。正方形と長方形の2サイズ展開、カラーは4色で、自由に組み合わせてスタッキングできます。凹凸にカチッとはまってズレないのも安心のポイント。使わない時は折りたたんでコンパクトになるのも◎。
- サイズ展開:2サイズ
- 重さ:約1.5kg/2.54kg
- 耐荷重:約100kg
ローリングストックが楽にできる「スタックイット」
4面すべてにロック式のドアが付いていて、積み重ねたままでもラクに中身を出し入れできる収納ボックス。食品や飲料など、使いながら備蓄するローリングにもぴったりのアイテムです。落ち着いた色味と、空間のアクセントになるおしゃれなデザインが◎。
防災グッズをベストな方法で収納して安全を確保しましょう
防災グッズは災害時の生命線です。せっかくグッズをそろえておいても、収納に適さない場所を選んでしまったり、収納方法を間違えていたりすると、いざというときに活用できない可能性が高くなります。
ですから、自分にとってベストな収納方法を見つけて、緊急時に慌てずに防災グッズを取り出せるようにしてくださいね。
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