ハウジーマガジンを運営するキッチン・雑貨の専門卸売り「クラスフィルグループ」で実験を担当するリケジョ。「何を買ったらいいの?」という悩みに応えるべく、商品を実験して徹底調査していきます!
大根おろし器を選ぶときは、すりおろしやすさだけでなく「おろした大根の食感や辛さ」も気になりますよね。そこで今回は、素材や目の粗さが違う大根おろし器を使って大根をおろし、実際に食べてみることに。食感や辛さに違いは出るのか? せひご覧ください。
千切り大根は辛くないのに、なぜ大根おろしは辛いの?
「千切り大根で作られた大根サラダやツマ、なますといった料理は辛くないのに、なぜすりおろした大根は辛いの?」そう疑問に思ったことはありませんか?
調べてみると、大根の辛み成分であるイソチオシアネ-トは、細胞が壊れたときに酵素の働きによってつくられるそう。だから大根を切っただけではそんなに細胞が壊れず辛くならないけど、大根おろし器ですりおろすことで、たくさんの細胞が壊れて辛くなるということなんですね。
でも大根おろし器って、目が細かいものから粗いものまでいろんな種類があります。ということは、大根おろし器の目の粗さによって、すりおろした大根の辛みも変わる? 目が細かい大根おろし器のほうが辛みが強くなるってことでしょうか? さっそく試してみましょう!
刃の目・素材の違う3つの大根おろし器で比較
今回比べた大根おろし器は次の3つ。
- 【A】「セラミック製大根おろし器」
- 【B】「プラスチック製大根おろし器」
- 【C】「竹製大根おろし器」
それぞれの特徴を見ていきましょう。
【A】「セラミック製大根おろし器」の特徴は?
色やニオイがつきにくく、そのまま食卓に出せる見た目もあって、愛用者も多いセラミック製の大根おろし器。
刃は先端が少し丸くなっている三角錐の形で、放射状に並んでいます。おろした大根はまわりのミゾの部分にたまるようになっています。
【B】「プラスチック製大根おろし器」の特徴は?
プラスチック製でよく見るタイプの大根おろし器です。手軽に手に入りやすいので、このタイプを持っているという人も多いのでは。
刃は角錐形でまっすぐ立っていて、穴からおろした大根が下に落ちる仕組みになっています。
【C】「竹製大根おろし器」の特徴は?
大きなギザギザの刃が付いた大根おろし器、通称「鬼おろし」。こちらは竹製で見た目の雰囲気も抜群です。
他の大根おろし器と比べると、刃の大きさも形もずいぶん違います。はたしてどんな大根おろしができるのか、さっそく実験していきます。
大根をおろしの「辛さ」の違いを比較する実験方法
まずは大根の真ん中部分を長さ10cmで切ります。さらにその大根を縦に4等分にします。この切りそろえた大根をさきほどの3つの大根おろし器ですりおろしていきます。大根は首の部分やしっぽの部分など、部位によって辛さが違うと言われますが、今回の実験では同じ部位から切り取った大根を使用。部位による辛さの違い出ない状態で実験をスタートしました。
【実験】大根おろしの「辛さ」の違いを比較
すりおろした大根を器に入れてみると、見た目で粒の粗さが違うのが分かりました。はたして辛さは?さっそく食べてみてリポートしていきます。
「セラミック製大根おろし器」でおろした時の辛さは?
すりおろした大根おろしの粒は、見えないほどの細かさになりました。おろした時に出てきた水分もたっぷり。
食べてみると、しっとりしていてなめらかな食感ながら、はっきりと辛さを感じました。
「プラスチック製大根おろし器」でおろした時の辛さは?
大根おろし器の粒は、細かくもなく粗くもなく中くらいの大きさ。大根おろしといえば、このぐらいの粒をイメージする人が多そうです。粒をよく見てみるとザラザラした感じになっています。
食べてみると、少し水分があってシャキシャキした食感。少し辛さを感じました。
「竹製大根おろし器」でおろした時の辛さは?
すりおろした大根おろしを器に入れるとこんなにこんもり。粒は形がはっきり分かるほど粗く、ボリュームたっぷりの大根おろしになりました。
食べてみると、大根サラダを食べているみたいなかんじがするほど、ザクザクした食感。繊維がこわれていないせいか、辛さを感じませんでした。
【まとめ】大根おろし器のタイプ別「辛さ」比較
3つの大根おろし器でおろした大根おろしの、辛さや食感などの違いをまとめると以下のようになりました。
細かい目の大根おろし器でおろした大根は、辛さを感じる結果に。目が粗くなるほど、辛さを感じにくくなることが分かりました。
やはり、大根おろし器の目が細かいほど、おろした時に大根の細胞が壊れてより多くの辛み成分が出たことになり、予想通りの結果に。大根おろしの辛さという点だけをみると、辛いのが苦手なら「目の粗い大根おろし器」でおろしてみるとよさそうです。
ただ出来上がった大根おろしの粒が細かいと、そのまま食べても水分たっぷりのなめらかな食感を楽しめました。「ザクザクよりふわふわの食感がいいけど、辛いのはなんとかならないかな……」という人は、以下の記事で大根おろしの辛みを抑える方法を紹介しているので、参考にしてみてください。
>>大根おろしの辛みの原因は?辛みを抑える方法とおろした後の対処方法を徹底解説
大根おろし器は辛さや料理で使い分けるのも手
今回の実験では大根おろし器によって、大根おろしの辛さや食感が違うことが分かりました。焼き魚に添えたり、みぞれ鍋に入れたりと食卓にのることが多い大根おろし。好みや使う料理に合わせて、大根おろし器を使い分けるのも手ですね。
ちなみに前回の実験では、大根おろし器のタイプによって、おろすスピードに違いが出るのか試してみたので、こちらも参考にしてください。