前菜からデザートのレシピ、スパイスやハーブの使い方、器の知識まで、幅広く学べるヨーロッパ家庭料理教室の講師として活動。お料理やお菓子作りの魅力は、作った人と食べる人の間におしゃべりを生んでくれるところです。人を笑顔にさせる、ほっとあたたかなひと工夫をお届けします。
材料を混ぜて焼くだけでできる焼きっぱなしケーキは、お店で買うケーキのような華やかさはありませんが、そのぶん作り方はシンプル!
「ケーキを食べるのは好き。でも作るのは苦手」という方でも、気負わず簡単に作れます。
今回はお菓子作りのプロが、冷凍保存もできる簡単なパウンドケーキの作り方をご紹介。
ぜひ、この機会にお菓子作りに挑戦してみましょう。
混ぜて焼くだけ! 「焼きっぱなしケーキ」の簡単レシピ
今回は、旬のリンゴを使ったパウンドケーキの作り方をご紹介します。
焼きっぱなしケーキの作り方は基本どれも同じなので、リンゴの代わりにお好みの食材を使うと、簡単にアレンジを楽しめます。
基本の材料
- バター……80g
- 砂糖……80g
- 卵……2個(LまたはLL)
- 小麦粉……150g
- ベーキングパウダー……小さじ1強
- お好みの副材料(今回はりんご)
砂糖は、白砂糖(50g)と黒砂糖(30g)を混ぜて使うとコクのあるケーキに仕上がります。
また、卵は泡立てないので、できるだけ大きいサイズ、LまたはLLを選ぶようにします。
ベーキングパウダーを使う量は、卵を泡立てて作るケーキよりも多めの小さじに小盛り程度が適量です。
また、あらかじめ
- 材料を量っておく
- ケーキ型にクッキングシートを敷くorクッキングシートを敷けない型の場合はバターを塗って粉をはたいておく
という基本的な作業を済ませておくとケーキ作りがスムーズです。
「りんごの焼きっぱなしケーキ」の作り方
1. バターを泡立て器で、クリーム状になるまでしっかり混ぜます。
2. 砂糖を加えて、さらによく混ぜます。
3. 卵を1個ずつ割り入れながら、さらにしっかりと混ぜていきます。
4.その後、細かく刻んだりんごを入れます。
5.残りの材料もすべて入れ、さっくりと混ぜ合わせから、型に流し込みます。
ポイントは、生地の表面を平らにしないで、あえて凸凹にすること。
バターが入った生地の場合、熱が凸凹に入るので、焼き上がりは平らになります。
6.準備ができたら、オーブンで170℃で25分~30分焼きます。
(焼く時間は、オーブンの機種やケーキ型によって異なるので注意してください。)
7.焼き上がったら完成!
「焼きっぱなしケーキ」をさらに楽しむアレンジアイデア
焼きっぱなしケーキは、その日の気分や食べる人に合わせて、アレンジが自由自在にできるというのもうれしい点です。
【アレンジ1】旬のフルーツでお好みの味に
先ほどのパウンドケーキのレシピでも、りんごの代わりにお好みの副材料を使うことで、いろんな焼きっぱなしケーキが作れますよ。
- あんずジャム+サワークリームで、あんずケーキに
- 水分を取ったヨーグルトで、ヨーグルトケーキに
- バナナ+溶かしたチョコで、バナナ&チョコレートケーキに
季節に合わせた旬のフルーツを取り入れられるのも、焼きっぱなしケーキならでは!
春先ならイチゴなどもいいですね。
【アレンジ2】粉砂糖やアイシングでデコレーション
焼けたケーキに、冷ましてから粉砂糖をふると見栄えも味もアップします。
こちらは、バナナとチョコレートのケーキ。
粉砂糖をレモン汁でといてアイシングをするのもよいですね。
アイシングするときは、レモン汁に小さじ1位の粉砂糖を入れ、流れないくらいの硬さに調節するのがポイント。
自分で甘味を調節できるのは、手作りケーキならでは!
レモンは輪切りにして冷凍しておくと、ほかの料理に使うときにも便利です。
「焼きっぱなしケーキ」は冷凍で長期保存もOK
焼きっぱなしケーキは、デコレーションケーキに比べて日持ちするのもうれしいポイント。
特に焼きっぱなしケーキのひとつであるパウンドケーキの場合、できたてより常温で3日ほど置いたほうが味がなじみ、しっとりした食感を楽しめます。
また、冷凍保存も可能です。冷凍保存すると、焼きたてと同じ風味が長く続きで、味も落ちません。
食べる分だけ冷凍庫から取り出していただけるけるので、食べ過ぎの防止にもなりますよ。
ご家庭の冷凍庫で保存した場合だと、だいたい1カ月ほどで食べきるようにすると最後までおいしくいただけます。
<「焼きっぱなしケーキ」の賞味期限の目安>
- 常温で保存する場合……約5日
- 冷凍で保存する場合……1か月程度
ただし、焼きっぱなしケーキの中でも、シフォンケーキのように水分を多く含むものは、上記の目安ほど長持ちしないのでご注意ください。
焼きっぱなしケーキで楽しいひとときを
作り方のコツが頭に入ったら、ぜひ気の合うお友だちや子ども連れのお母さんなど、どなたでも何か1品作ってご招待しませんか?
もしくは、たまには皆でお話しながらケーキ作りというのもいかがでしょう?
小さい子どもでも、粉や砂糖を計量するなど、喜んでお手伝いしてくれます。男性にはバターをかき立てるのをお願いするのもよいかもしれませんね。
なんだかんだと話している間に、おいしいケーキが焼き上がります。
また、ちょっと遠方のお友達には、凍ったままのケーキをラッピングして送りましょう。
保冷剤入りの保冷袋に入れれば、宅配便でも気軽に送れます。
先方のところに届くときには、ちょうど解凍されて食べごろになっていますよ。
シンプルだけど上品な味の手作りケーキに、皆「おや! すごい! 」とびっくりされること間違いなしですよ。