コンビニなどの商品開発業務に従事し、食の大切さに気づく。双子の男の子を育てながら、「食べ方」と「出し方」、ゆるいナチュラル生活の実践の仕方をお伝え中。
毎日のごはんには欠かすことができない調味料ですが、みなさん、どんな風に保存していますか?
あまり細かく考えずに保存している。
実家での保存方法を真似している。
など、あまり関心がない方ももしかしたら多いのではないでしょうか?
もしそうであればもったいないです。
実は、日常的に使用する調味料には、それぞれ正しい保存方法があります。
この保存方法を知っておくと、日持ちがよくなるだけでなく、長くおいしく食べることができます。
ぜひ、今回をきっかけに、調味料の保存方法を見直してみるのはいかがでしょうか?
おうちに常備されている調味料の種類
調味料と一言で言っても、その種類はとても豊富です。
みなさんのおうちにはどのような調味料が常備されているでしょうか?
基本調味料「さしすせそ」
多くの人が常備しており、料理をするのであれば、揃えておきたいのが、調味料「さしすせそ」です。
調味料「さしすせそ」は、以下のものを指しています。
- さ:さとう(砂糖)
- し:しお(塩)
- す:す(酢)
- せ:せうす(醤油)
- そ:みそ(味噌)
また、調味料「さしすせそ」に加えて、油(ナタネ油、オリーブオイル、ゴマ油、米油、ココナッツオイルなど)や料理酒、みりんなどが揃うことで、大抵のごはんを作ることができます。
加えて、マヨネーズやトマトケチャップ、ソース類、ポン酢、ドレッシング類を調味料として常備しているというおうちも多いかもしれません。
この通り、おうちに常備されている調味料の種類は思ったよりたくさんあるんです。
開封前・開封後で保存方法が変わる!?
現在使用している調味料は、開封前と開封後で保存方法を変えているでしょうか?それとも、同じ状態で保存しているでしょうか?
もし、どちらも同じ場所で保存しているという場合には、もしかしたら見直しが必要かもしれません。
開封前は販売時の陳列状態に合わせる
いろいろな調味料がありますが、調味料は常に買い置きしているという人も多いかもしれません。
そんな買い置きしているストック調味料の保存方法は、基本的には、販売時の保存方法に合わせるとよいでしょう。
- 常温で陳列されているものに関しては、常温保存
- 冷蔵で陳列されているものに関しては、冷蔵保存
基本は、このような状態で保存してあげれば間違いありません。
開封後は保存方法を変える必要がある場合も
基本的には、開封前と開封後では、保存場所が変わることが多いです。
ただし、変えない方がよいものもあるため、それぞれの調味料をしっかりとチェックしていきましょう。
調味料の保存方法は、調味料のパッケージに記載されていることも多いです。
例えば、醤油のパッケージにはこのように「開封後要冷蔵」と書かれています。
基本的には、作り手が指定している保存方法に合わせるとよいでしょう。
「常温」で保存すべき調味料と保存の注意点
ちなみに、調味料を保存するのにおすすめの常温とは、どんな状態か知っていますか?
基本的に、食品の劣化を早める要因として、以下の3つがあります。
- 日光
- 温度
- 酸素
常温保存としておすすめな状態は、『直射日光が当たらず風通しがよい涼しい場所』です。
具体的には、床下収納やシンク下の収納、パントリーなどがおすすめです。
湿気が多い場所や熱がこもる場所は避ける必要があります。
特に、日が差し込んでくる窓側や、コンロや炊飯器の近くなど熱くなる場所は避けましょう。
「常温」で保存すべき調味料は?
開封前・開封後ともに、常温保存をおすすめする調味料は、主に以下の4つです。
常温保存すべき調味料一覧
- 砂糖・塩
- 本みりん・(料理)酒
- 酢
- 油類
砂糖・塩の正しい保存方法
基本調味料でもある「塩と砂糖」は、常温保存しておく調味料です。
基本的には、その保存性の高さから、賞味期限が設定されていないものも多くあります。
ただし、砂糖・塩ともに湿気やにおいを吸着しやすいという特徴があります。
そのため、密閉容器などに入れて、水分やにおいに触れないような環境を作ってあげることが大切です。
本みりん・(料理)酒の正しい保存方法
アルコール度数が高い本物の本みりんや(料理)酒は、アルコールが防腐剤の役割を果たすため、開封後も常温保存で問題なく使用することができます。
ただし、直射日光や高温下では、劣化するスピードが早まるため、冷暗所で保存することがおすすめです。
一方で、みりん風調味料や清酒風調味料というような、本みりんや(料理)酒に似せて作られた調味料に関しては、開封後は冷蔵保存がおすすめです。
本物に比べると、アルコール度数も低いため保存性が低く、常温保存すると菌が繁殖しやすくなります。
そのため、冷蔵保存をして早めに使い切るのがおすすめです。
酢の正しい保存方法
さまざまな種類がある酢は、最も劣化しにくい調味料のひとつです。
米酢や穀物酢など純粋な酢は、開封後も常温保存できます。酢自体の殺菌効果や防腐効果が高いためです。
温度変化にも強いため、保管場所に神経質になる必要はありませんが、直射日光を避けることで、より長く高い品質を保つことができます。
また、真夏で部屋の中が高温になりすぎる場合に関しては、一時的に冷蔵庫に入れてあげるのもひとつの方法です。
ただし、酢に他のものを混ぜ合わせているポン酢などの調味酢に関しては、保存性は低下してしまいます。
保存環境によっては、常温では菌が繁殖したり、カビが生えたりのリスクも高まるため、冷蔵保存するように気をつけましょう。
油類の正しい保存方法
油類に関しては、低温状態では固まってしまうことが多いです。
固まってしまっても品質は変わらないという意見もありますが、使い勝手が悪くなってしまいます。
加えて、使用する前に、湯煎したり加熱したりすると酸化させすぎてしまい、品質低下を招く危険性もあります。
また、油類は空気や熱、日光などによって酸化のスピードが増し、劣化しやすいという特徴があります。
そのため、遮光ができる瓶や紙パックなどに入っているものを選ぶのもひとつの手段ですが、一番は風通しのよい冷暗所で保存するのがおすすめです。
「冷蔵」で保存すべき調味料と保存の注意点
開封する前も後も冷蔵保存した方がよい調味料もあれば、開封前は常温保存でも開封後には冷蔵保存がおすすめの調味料も多いです。
しっかりと把握しておくとよいでしょう。
ちなみに、冷蔵保存のものは、取り出しやすさを考慮して、冷蔵庫のドアポケットに保存しておくのがおすすめですよ。
「冷蔵」で保存すべき調味料は?
冷蔵庫で保存する必要がある調味料は、主にこちらの4つ。
冷蔵保存すべき調味料一覧
- 醤油
- 味噌
- バター
- その他の調味料
醤油の正しい保存方法
醤油は、開封前は常温保存で問題ありません。
しかし、開封すると空気に触れることで酸化をしてしまい、劣化が進んでしまいます。
そのため、開封後は劣化スピードを抑えるために、冷蔵庫で保存するのがおすすめです。
低温で保存することで、酸化のスピードを抑えることができます。
加えて、カビの発生を抑えてくれる可能性も高いため、理想は1ヶ月位で消費できる大きさのものを購入するようにしましょう。
空気にできるだけ触れないよう、キャップをしっかりと閉めるのも大切です。
醬油をベースに作られるポン酢やめんつゆも、開封前は直射日光の当たらない冷暗所で問題ありませんが、開封後は冷蔵庫で保存して、できるだけ早めに使い切るのがおすすめです。
味噌の正しい保存方法
スーパーなどでは、常温の商品棚に陳列されていることも多い味噌ですが、基本的には冷蔵保存をする必要があります。
発酵食品である味噌は、冷蔵庫のなかった昔は常温保存されていました。
しかし、常温では発酵しすぎて酸化することにより、色が濃くなったり、風味が落ちたり、カビたりしてしまう危険性があります。
もし、常温で保存しなければならない場合は、風通しがよく、湿気も少ない冷暗所で保存するようにしましょう。
冷蔵庫に入りきらないお味噌に関しては、冷凍保存でも大丈夫です。
味噌は、家庭用冷凍庫の温度帯では、凍ることがありません。
ただし、減塩味噌や出汁入り味噌には注意が必要です。
通常、塩分濃度が高いことで保存性が高い味噌ですが、これらの味噌は、塩分濃度が低かったり、他の原材料や食品添加物等が入っていたりします。
そのため、本物の調味料よりも保存性は低くなってしまっています。
冷蔵保存は必須ですが、できるだけ早めに消費することを心がけましょう。
バターの正しい保存方法
基本的に、油類は常温保存ですが、バターに関しては溶けるのを防ぐためにも冷蔵保存が必要です。
他にも、保存温度が高いと酸化が進みやすかったり、分離したりすることで、カビや品質劣化を引き起こしやすいので注意が必要です。
ものによっては、冷凍保存も可能です。
1回で使用する分にカットして冷凍保存しておくと、必要な分だけ取り出して使用することができるため、日持ちを長くすることが可能になります。
その他の調味料の正しい保存方法
マヨネーズやトマトケチャップ、ソース、ドレッシングなども、開封後には、冷蔵庫保存が必須です。
開封後は、空気に触れることで、酸化が進んでいきます。
できるだけ早めに使い切る方がよいでしょう。
たくさん作った自家製調味料の保存実例
ここ数年の発酵ブームなどもあり、甘酒や塩麹(しおこうじ)、醬油麹(しょうゆこうじ)などを手作りしているという人も多いのではないでしょうか?
私自身もさまざまなものを自家製で仕込むこともあり、その保管場所・方法については、今までも試行錯誤してきました。
そんな自家製調味料の保管場所や保存方法について、少しですがご紹介しますね。
自家製調味料は「原則冷蔵保存」
基本的に、自家製調味料の多くは、冷蔵保存もしくは冷凍保存することがほとんどです。
自分自身で手を加えるため、常温での保存は酸化を早めてしまい、カビが生えやすくなってしまいます。
ただし、塩麹や醬油麹などの麹を使用した発酵調味料は、仕込み中は、発酵を促すために常温で保存します。
しかし、完成してからは、過発酵になってしまわないようにするために、冷蔵庫保存に移行するのです。
他にも、自家製のポン酢やめんつゆ、豆板醤、ゆず胡椒、味噌なども基本はガラス製、ホーロー製の瓶・保存容器などに入れて、冷蔵保存をします。
そんな時におすすめなのが、蓋付きのスタッキングできる容器です。
重ねて保存することで、冷蔵庫内のスペースを有効に活用できます。
私の場合、瓶は100均のセリアで購入することもあれば、空き瓶を再利用することもあります。
味噌などは、イワキのガラス容器や野田琺瑯の保存容器に入れることもあります。
液体系の自家製調味料に関しては、ボトル状の容器に入れて、冷蔵庫のドアポケットに保存するとよいでしょう。
私はWECKのガラスボトルに入れたり、サイズが合えば、ちょっとお安く買えるナチュラルキッチンで購入したものを使っています。
冷凍保存はチャック付きの保存袋がおすすめ
自家製調味料は、「ついつい多く仕込みすぎてしまった」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
そんな時には、冷凍できる調味料を上手に冷凍保存することで日持ちします。
甘酒や塩麹や豆板醤、ゆず胡椒、味噌などは、冷凍庫での保存も可能です。
冷凍保存の場合には、保存袋に空気が入らないように板状に広げて入れることで、狭いスペースにたくさん保存することが可能になります。
また、使用する時に、欲しい部分だけをパキッと折って使えるため、とても便利ですよ。
冷蔵庫で保存できる分だけ作る
自家製調味料に関しては、保管スペースを考慮しながら仕込んであげるとよいでしょう。
そして、できあがりまでにかかる時間も考えて、上手に冷蔵・冷凍で保存できるように、楽しんでみるのもおすすめです。
自家製味噌を保存するときのポイント
ちなみに、減塩せずに仕込んだ自家製味噌は、ずっと常温保存でも基本的には腐敗することはありません。
しかし、過発酵しすぎて、色が濃くなりすぎたり、風味が落ちたりということはあるので、自分好みの味になったら、冷蔵もしくは冷凍で保存してあげるとよいでしょう。
冷蔵庫や冷凍庫のスペースがないという場合でも、直射日光の当たらない風通しのよい冷暗所であれな、自家製味噌を保存しておくことができます。
その場合には、できるだけ早く消費することを心がけるのがおすすめです。
少し過発酵してしまった場合は、他の味噌と混ぜ合わせて使用することで食べやすくなるので、ぜひ、一度試してみてくださいね。
調味料の保存方法をマスターしよう
それぞれの調味料で、美味しさを長く保つための保存方法は異なります。
そのため、まずは、自分自身がよく使用する調味料の保存方法を知ることが大切。
正しい保存方法を知ることで、調味料の鮮度や美味しさを長く保つことができます。
料理の味もよくなること間違いないですよ。