ドラッグストアやホームセンターなどでたくさんの種類が販売されているアルコール入りの消臭・除菌スプレー。
使い始めてから、好みの香りじゃなくてガッカリしたり、使い切るまでに香りに飽きてしまうことはありませんか?
実は、消臭・除菌スプレーは、おうちでも簡単に手作りすることができます。
家のあちこちで便利に使える消臭・除菌スプレーを、必要な分だけ好きな香りで作れたら、とっても便利ですよね。
今回は重曹やクエン酸など身近な材料で簡単に作れる、アルコール入りの「消臭・除菌スプレー」の作り方とおすすめの使い方をご紹介します。
目次
消臭・除菌スプレーを手作りするメリットとは?
消臭・除菌スプレーは、最近はスーパーやコンビニ、100均などでも見かけますよね。
わざわざ作らなくても買えばいいという方もいらっしゃる方も多いかもしれません。
でも、自分で消臭・除菌スプレーを手作りをすると色々なメリットがあります。
好みの香りで作れる
例えば、市販されている消臭スプレーは、購入前に実際の香りを確認することができないできないため、使い始めてから好みの香りじゃなかったということがあります。
大きなボトルの場合は使い切るまでに、香りに飽きてしまうということもあります。
手づくりであれば、お気に入りの精油など好みの香りで作れるので、失敗がありません。
加える精油の量を調整すれば、香りの強弱なども好みに応じて変えられます。
目的に応じて、必要な分だけ作れる
市販の消臭スプレーは、トイレや寝室、キッチン、リビングなど、家の中の場所やモノ別にさまざまな種類が売られており、それぞれ目的別に購入するのも大変だったりしますよね。
その点、自分で手作りすれば、ニオイの元に合わせたスプレーが簡単に作れて、香りも自分好みで好きなものがつけられます。
また、作る量も調節できるので、必要な分だけ作ることができ、無駄がありません。
アルコール入りなら除菌も可能!
今回は消臭だけでなく、エタノールを少し多めにいれた除菌もできる消臭スプレーの作り方を紹介します。
手作りすれば、必要に応じてアルコール濃度を高くしたり、薄めたりして調整でき、好きな香りもつけることができます。
アルコールを入れることで除菌ができ、スプレーした場所が早く乾くというメリットもありますよ。
気になるニオイの種類(性質)と「除菌・消臭」の仕組み
ここではまず、どんなニオイにどういう成分のスプレーを作れば効果があるか知っておくために、ニオイの種類(性質)と主な「除菌・消臭」の仕組みについて簡単に解説します。
「除菌」したい場合はアルコールが必須
生活環境中のカビや細菌を減少させる方法が「除菌」です。
さまざまな方法がありますが、主に加熱や洗浄消毒、アルコールなどで殺菌することができます。
エタノールはアルコールの代表で、殺菌によく用いられ、70%の溶液が最も殺菌力に優れています。
※参考文献:「菌・カビを知る・防ぐ60の知恵ープロ直伝!防菌・防カビの新常識ー日本防菌防黴学会」
「消臭」はニオイの元となる成分の中和によって行われる
ニオイの正体は、雑菌によってニオイの元となる成分が食べられ、分解されていくときの副産物です。
この「ニオイの元」を掃除することが一番ベストですが、ニオイの元が掃除しにくいものである場合は、スプレーによって中和します。
ほとんどの汚れとニオイの元の成分は酸性であることが多いので、アルカリ性の重曹スプレーで中和させてニオイを消すことができます。
例外的なアルカリ性のニオイは、トイレ、たばこ、魚。
その三つには、酸性の性質をもつクエン酸スプレーで中和・消臭ができます。
※参考文献:「生活実用シリーズ NHK住まい自分流 手作り洗剤レシピ 重曹・酢・石けん 岩尾明子」
消臭除菌スプレー作りに必要なものと注意点
実際に消臭・除菌スプレーを作ってみる前に、まずは必要な道具や材料を揃えましょう。
必要な道具はこちら。
- スプレーボトル
- ろうと
- 計量スプーン
- 「重曹」と「クエン酸」
- 無水エタノール
- お好きな精油
- ビーカー
- 精製水
これらを選ぶ時に少し注意したいポイントがいくつかあるので、スプレーを作る前に必ずチェックしてみてください。
手作りの消臭・除菌スプレー用の「スプレーボトル」の選び方
無水エタノールや精油を利用するのでガラス製か「耐油性」「耐アルコール性」のものを選びます。
プラスチックはエタノール原液を先に入れるとボトルが傷んでしまう場合があるので、別にビーカーで作ってから、薄まった状態でスプレーボトルに注ぐようにしてください
クエン酸スプレーは塩素系や漂白剤などの空きボトルで絶対作らないようにします。有害なガスが発生します。
ろうと
ボトルにうつすときに「ろうと」1「じょうご」とも呼ばれ、液体を口の狭い容器に移したり、濾過(ろか)したりするときに使う器具のこと。があると入れやすいです。ビーカーがあれば注ぎ口があるので「ろうと」は不要です。
計量スプーン
スプレーの項目でも説明したように、プラスチック素材のものはアルコールで変色したり変質する場合があるので、ステンレス製の物がオススメです。
「重曹」と「クエン酸」
どちらもナチュラル洗剤として有名で、100均やドラッグストア、ホームセンターなどで手に入ります。
スプレーづくりの材料以外にも、家じゅうのあちこちに洗剤として使用できるので、常備しておくと便利です。
「今更聞けないナチュラル洗剤の基本」重曹とクエン酸の使い分け方とお掃除方法
「重曹」が得意とする汚れやニオイ
重曹は、油汚れ、こげつき、ヤニ、湯あか、汗、手垢、石鹸かすなどの酸性の汚れを落とします。
キッチンの生ごみの腐敗臭、靴箱のニオイ、カーテンやラグの食べ物臭、ペット臭、寝具の汗くささに効果があります。
「クエン酸」が得意とする汚れやニオイ
クエン酸は重曹では落とせないアルカリ性の汚れを落とします。
トイレのアンモニア臭、魚の生臭さ、たばこの煙が挙げられます。
無水エタノール
無水エタノールとは、水を(ほとんど)含まないエタノールのことです。
ホームセンターの「衛生用品」などのコーナーに置かれていることが多いです。
エタノールは水にも油にも溶けやすいという性質をもっており、水溶性の汚れにも油汚れにもどちらにも効果を発揮するのが特徴です。
今回のスプレーでは精油や精製水と混ぜる必要があるため、どちらにも溶けやすい性質をもつ「無水エタノール」を使用します。
これを精製水などで薄めることでエタノール濃度を70~80%まで抑えると、除菌(消毒)用エタノールとして使えます。
お好きな精油
好きな香りのエッセンシャルオイルを準備します。
手に入りやすい消臭、防臭作用のあるオイルは、ユーカリ、レモングラス、ヒノキなど。
殺菌効果があるオイルは、ティートゥリー、ラベンダー、ペパーミントなど。精油の濃度を1%までにして、好きなオイルをブレンドして使えます。
オイルは好みに応じて減らしてもOK。10滴でも香りを楽しめます。
ビーカー
ガラス製の容器が好ましいです。エタノールに精油を溶かす際に利用します。
精製水
精製水とは、不純な物がほとんど含まれていない水のこと。
ドラッグストアなどで購入ができますが、手に入らない場合は水道水でも代用できます。
ただし、精製水ではなく水道水で作った場合は、ごく少量含まれることのある細菌が増殖する可能性もあるので、なるべく早めに使い切るように気をつけましょう。
重曹やクエン酸を使った「消臭・除菌スプレー」の作り方
それでは、ここからは実際に消臭・除菌スプレーの作り方と手順をご紹介します。
「クエン酸スプレー(アルコール度70%)」
重曹スプレー(アルコール度60%)
アルコール70%にすると重曹が溶けにくいので、60%にしました。
しっかり重曹を溶かしてからスプレーボトルに入れないと、噴射口がつまるので要注意です。
- 重曹小さじ2分の1
- 無水エタノール120ml
- 水(蒸留水)80ml
- 精油40滴まで(今回はラベンダーとティートリーを入れました)
重曹を使った消臭スプレーの作り方






クエン酸スプレー(アルコール度70%)
- クエン酸小さじ1
- 無水エタノール140ml
- 精製水60ml(水道水でも可)
- 好きな精油40滴まで(今回はペパーミントを入れました)
クエン酸を使った消臭スプレーの作り方





手作り「消臭スプレー」のおすすめの使い方
スプレーが完成したら、さっそく気になる場所に使ってみましょう。
ここでは、おすすめの使い方をご紹介します。
気になるニオイを解消!「重曹スプレー」の使い方
【玄関や靴に…】



スプレー後は嫌なニオイがとれ、アロマの香りが残るので爽やかです。
ほかにはお掃除ではキッチンの油汚れ落としに使えますし、除菌スプレーとして机の上や扉の取っ手などを除菌することができます。
ただし、アルコールが使えない素材には注意してください。
気になるニオイを解消!「クエン酸スプレー」の使い方とご注意点
タバコのニオイのついたカーテンやラグにスプレーします。
トイレのマットのニオイ消しができます。またトイレの空間に向けて1~2プッシュすれば、エアリーフレッシュナーとして活躍します。
【トイレの消臭に…】

換気をしながら少しずつスプレーしてください。

使わないほうがいい場所・素材は?
この消臭・除菌スプレーにはエタノールが含まれているため、下記の場所や素材には使用しないでください。
変色、変質、表面塗装が剥がれるなどの原因となります。
- ニス塗装の家具
- 木材のフローリング
- 革グッズ・ゴム製品
- 一部のプラスチック
- 大理石
その他のご注意点
- エタノールには引火性があり、近くに火の気があると発火してやけどしたり、火事になったりする可能性があります。
お掃除後も窓を開けたり、換気扇を回したりして換気し、完全に揮発させて下さい。 - 人によっては頭痛や手指の乾燥を起こすことがあります。換気に注意して、掃除に使うときは炊事用手袋を着用するなどしてください。
- 塩素ガスが発生して危険なので、絶対に塩素系漂白剤と混ぜないでください。
「消臭・除菌スプレー」や材料の保管について
無水エタノールは揮発性が大変高いので、容器はしっかり密閉しましょう。
また、小さなお子さんのおられる家庭では、特に誤飲や目に入ったりという事故を防ぐため、保管場所には十分にご注意ください。
温度の高くなる所では保管せず、基本は冷暗所に保管します。
ただし冬場だけは、重曹スプレーは室温で保管するようにしましょう。
気温が低い場所だと溶けていた重曹が結晶化し、スプレーが詰まってしまいます。
まとめ
冬場は特に、窓をしめた状態にしていることが多いので、ニオイがこもりがち。
自作の消臭剤でスプレーを作れば、簡単にニオイを減らすことができ、リフレッシュできます。
重曹水だけ、クエン酸水だけでも十分消臭できますが、エタノールを加えることで好きなアロマを加え香りにすることができます。
今回はエタノール多めの配合をして、除菌もできるスプレーにしました。
香りのブレンドを楽しんだり、エタノールの配合を変えたりして、オリジナルな消臭スプレーが楽しめますよ。

