コンビニなどの商品開発業務に従事し、食の大切さに気づく。双子の男の子を育てながら、「食べ方」と「出し方」、ゆるいナチュラル生活の実践の仕方をお伝え中。
香味野菜の代表でもあり、薬味として使用する人も多い野菜のひとつがにんにくです。
にんにくは、丸ごと1つを購入しても1度に使用する量は決して多くはないでしょう。
そのため、冷蔵庫で保存をしていても、使い切る前に「芽が出てしまった」「しわしわになった」「カビが生えてしまった」という経験がある人もいるかもしれません。
にんにくは、丸ごと1つを購入しても1度に使用する量は決して多くはないため、保存方法に迷う人も多いはず。
すぐに傷むわけではないにんにくですが、正しい保存をすることで、味を落とさずに日持ちさせることが出来ます。
今回は常温・冷蔵・冷凍、それぞれのにんにくの正しい保存方法をお伝えします。
ご自身にとって、1番やりやすい方法を取り入れてもらえたらなと思います。
にんにくの最適な保存方法【常温・冷蔵・冷凍】
にんにくの保存状態に最適な温度と湿度ですが、
- 温度…0~6度
- 湿度…65%~70%
このような条件が最適であると言われてます。
にんにくは湿気に弱い野菜なので、温度だけでなく保存する場所の湿度にも少し気を付けましょう。
常温で保存する場合も、じめじめしたところは避けたいですね。
にんにくは常温でも冷蔵でも冷凍でも保存できる野菜ですが、それぞれ保存期間やポイントが異なります。
ここからは、常温・冷蔵・冷凍の3つの保存方法別に、保存のコツをご紹介します。
にんにくの保存方法|すぐに使用しないなら常温保存でもOK
にんにくを購入してもすぐに使用しない場合、常温保存がおすすめです。
ただし、押さえておきたいポイントが2点あります。
にんにくの常温保存のポイント
- 風通しがよい場所・状態で保存する
- 直射日光が当たらない涼しいところで保存する
【1】風通しがよい場所・状態で保存する
にんにくは風通しがよい場所で保存してあげるとよいでしょう。
また、ビニール袋に入れるのではなく、ネット(網状の袋)に入れた状態での保存がおすすめ。
ネット入りで購入したにんにくは、すぐに開封しないのであれば、そのまま吊るしても大丈夫です。
【2】直射日光が当たらない涼しいところで保存する
にんにくは直射日光の当たらない場所に吊るしてあげましょう。
暑い時期ではなくても、直射日光が当たってしまうと、にんにくが温められてしまうので要注意。
直射日光が当たらない日陰に吊るしてあげるのがベストですよ。
にんにくは収穫後に一定期間乾燥させて出荷される野菜ではありますが、水分が完全に抜けきっているわけではありません。
そのため、暑い時期には常温保存ではなく、冷蔵もしくは冷凍保存の方がおすすめです。
●常温保存のにんにくの保存期間は?
最適な場所・状態で保存しておくことで、2~4週間は保存することができるでしょう。
ただし、常温での保存期間が長くなると、にんにく乾燥しすぎてしまい、中身がカスカスになってしまう可能性も。
常温での保存期間は、長くても1ヶ月が目安と考えましょう。
にんにくの保存方法|1~2ヶ月で使い切るのであれば冷蔵保存が最適
にんにくを冷蔵保存しておくなら、おすすめの保存方法は2種類あります。
- 丸ごと保存
- バラバラにして保存
【方法1】にんにくを丸ごと冷蔵保存する
1番手軽な保存方法ですが、注意したいことがあります。
にんにくは湿気に弱いので、そのままビニール袋や保存袋などに入れて保存すると蒸れてしまい、カビが生える原因になりかねません。
一手間かかりますが、1個ずつを新聞紙もしくはキッチンペーパーなどで包んでから、保存袋に入れてあげるとよいでしょう。
保存袋に入れて口を閉めておくことで、にんにく特有のにおいが他の野菜にうつるのを防げます。
途中で、新聞紙やキッチンペーパーなどが濡れているのが気になる場合には、新しく包みなおしてあげるとよいでしょう。
野菜室やチルド室で1~2ヶ月くらいの保存が可能です。
【方法2】にんにくをバラバラにして冷蔵保存
にんにくを1片だけ使用し、残りは冷蔵か冷凍で保存する場合も多いでしょう。
冷蔵で保存したい時には、にんにくをバラバラにし、1片ずつに分けます。
バラバラにしたあと薄皮を剥き、とがっていない根元の部分を2~3mm切り落としましょう。
そのあと1片ずつキッチンペーパーなどで包んでから、保存袋に入れます。
この状態で2週間ほど保存することができます。
保存期間が長くなると緑色の芽が生えてきてしまうので、その前には使い切りたいところですね。
芽が生えた状態のまま放置すると、にんにくがしわしわになり、風味も落ちてしまうので気をつけましょう。
にんにくの保存方法|1番長期保存に向いているのは冷凍保存
「そんなに量を使用しないため、すぐに使い切れない」
「使用する時の手間を省きたい」
そんな人におすすめなのが、冷凍保存です。
冷凍保存も大きく2種類の方法に分けることができます。
- 皮付きのまま保存
- お好みに形にカットしてから保存
【方法1】にんにくを皮付きのまま冷凍保存
にんにくを長期保存したい場合、皮付きのまま冷凍保存しておく方法が1番向いています。
まず、にんにくを1片ずつバラバラにします。
バラバラにしたにんにくをそのまま、もしくは2~3片ずつラップで包んでから保存袋に入れます。
その状態で冷凍庫に入れたら完了です。
皮付きのまま冷凍保存することで、風味の劣化を最小限に抑えられる他、最大で約6ヵ月ほど保存できます。
● 解凍はせずそのまま使う
冷凍保存した皮付きにんにくを使用する場合は、解凍するとビショビショになってしまうので、解凍はせずにそのまま使用しましょう。
冷凍庫から取り出したら、まず根元を数mmカットします。水に1分ほど浸けてあげるとツルっと皮が剥きやすいです。
皮を剥いた後は、お好みの形にカットして使用しましょう。
【方法2】にんにくをお好みに形にカットしてから冷凍保存
あらかじめ使用用途が決まっており、2週間以内に使い切るのであれば、先にカットしてから保存しておくのもおすすめ。
料理をする時にそのまま取り出して使用することができるので、時短にもつながります。
ただし、先にカットをするとどうしても風味は落ちやすくなってしまうので、保存期間は2週間を目安にするのがよいでしょう。
用途に合わせて、みじん切りや薄切り、すりおろしなどにして、1回の使用量で小分けにしておくと使用する時に便利ですよ。
すりおろしの場合には、保存袋に板状にうすく伸ばし、使いたい分をパキッと折れるようにするのもおすすめです。
にんにくを保存するときの注意点と長持ちさせるポイント
にんにくに限らず、長期保存をする時に起こりがちなのが、「いつ保存をし始めたのか忘れてしまう」という問題。
気づいたら、いつの間にか半年、1年と経過してしまい、1度も使わずに処分……ということを経験した人も多いのではないでしょうか?
長期保存する時には、保存袋などに保存開始日を必ず記入しておくことをおすすめします。
また、保存袋で保存する時には、できるだけ空気を抜いて密閉してから保存することを心がけましょう。空気が入ることで酸化が進みやすくなり、劣化するスピードは増していきます。
にんにくを加工して保存するアイデアも
にんにくを大量に入手して保存方法に困った時におすすめなのが、にんにくを使用した加工食品を作ること。
にんにくの醤油漬けやにんにく卵黄、にんにく味噌、ガーリックオイルなどに加工してあげることで、保存性が高まります。
加えて、いろんな料理の味付けに使いやすくなり、食卓にバリエーションを持たせることができます。
一度にたくさんのものを加工するのは大変かもしれませんが、一度試してみてはいかがでしょうか。
カット・すりおろしたにんにくはどうやって保存する?
上の章でもご紹介しましたが、にんにくはカットやおろしてしまうと酸化しやすくなるため、劣化のスピードが増してしまいます。
そのため、基本的には冷凍保存をすることがおすすめです。
特に、すりおろしたにんにくに関しては注意が必要。
にんにくに含まれているアリインという成分が、にんにく特有のにおいの元となるアリシンに変化した後、長時間放置してしまうと更に酸化が進み、鉄分とくっつくことで緑色に変化してしまいます。
これは腐ったわけではないので、変色しても食べることはできます。
しかし、風味はどうしても落ちてしまっているので、できれば緑色に変色しないように気をつけたいですね。
すりおろしたにんにくの変色も冷凍保存すると防げるため、保存袋に入れて冷凍保存することをおすすめします。
にんにくから緑の芽が出てきたら食べたらダメ?
しっかりと保存をしていてもつい食べ忘れてしまい、「気づいたらにんにくから芽が出てしまっていた」という経験がある人も多いでしょう。
そんな時、芽が出てしまったにんにくは食べてしまっても大丈夫なのか、気になる人も多いはず。
結論からいうと、芽が出てしまったにんにくも食べることはできます。
ただし、発芽をするためににんにくの栄養素が使用されています。そのため、栄養価だけでなく香りや風味も落ちてしまっています。
できるだけ早く食べきるのはもちろん、にんにくの芽が出ないような正しい保存方法を取り入れるとよいでしょう。
保存方法をマスターしてにんにくを上手に活用しよう
にんにくは、いろいろな保存方法がある香味野菜。
1回に使用する量があまり多くはないので、保存方法をマスターすることで、今まで以上ににんにくを活用できること間違いなしです。
ちょっと一手間を加えるだけで、にんにくの風味を落とさずに、美味しく・無駄なく食べきることができますよ。
ぜひ、いろんな保存方法を試してみてください。