家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
家事の中でも、毎日の洗濯はなかなかの重労働。
「なるべくたくさん干したい」「早く乾かしたい」など、洗濯に関する悩みはつきないですよね。
洗濯物の中でも特に量が多いのが、フェイスタオルやバスタオルなどのタオル類。
どうやって干すと効率が良いのでしょうか?
今回はタオルを効率良く干す方法や、タオルを干すための洗濯ハンガーを使い比べて「タオルの干しやすさ」を比較・調査してみました。
タオルを効率良く干すには?
あなたは普段、どんな風にタオル類を干していますか?
ご家庭によって一度に洗濯するタオル類の量は異なります。
一人暮らしの場合はそこまで多くないので、衣類用のハンガーを使っている人もいるかもしれません。
逆に家族の人数が多いと、タオルを干す専用のハンガーを使っている、という人が多いでしょう。
ただ、専用の道具を使っていたとしても、量が多いと効率的に乾かすにはコツが要ります。
早く乾かしたいなら干し方のポイントを抑える!
最近はホテルに置いてあるような、分厚くて高級感のある「ホテルスタイルタオル」なども人気です。
肌触りの良さはピカイチですが、衣類と同じく、タオル類も分厚ければ分厚いほど乾かすのが大変になります。
タオルを早く、ふんわり乾かすには、
- 干す前に風になびかせ、タオルに空気を含ませる
- できるだけ重ならないようにする・タオル同士の間隔をあける
- 日光に当てて、ニオイの元となる菌の繁殖を防ぐ
などのコツがあります。
こういったコツを抑えつつ、たくさんの量のタオルを干すために考え出されたのが、タオルを干す専用のハンガーなどです。
タオルを干すための洗濯ハンガーの種類
なるべくたくさんのタオルを一気に干すためには、やはりタオルを干す専用のハンガーが便利です。
主にどんな種類があるのか見て見ましょう。
小物を干すのが得意な「ピンチハンガー」
ピンチハンガーは、その名の通りピンチがたくさん付いているアイテム。靴下や下着など小物を干すのに便利です。
「これさえあれば一気に干せる」と洗濯物の多いご家庭に人気!
外側にタオルを干して、内側に見せたくない下着を干すという、いわゆる「隠し干し」ができるのも魅力です。
ピンチが絡まる問題が起きない「パラソルハンガー」
ピンチハンガーでよく耳にするトラブルが、「ピンチが絡まって使いづらい」というもの。
ピンチハンガーを広げるときにピンチが絡まり、使う度にストレスを感じるものもあるようです。
その点、パラソルハンガーならピンチが付いていないので、広げる度にイライラすることもありません。
パラソルハンガーはたこ足ハンガーとも呼ばれており、開いてみるとこの通り。
実は、この形状のハンガーに馴染みがない地域もあるようです。関西での認知度は比較的高いのかも?
傘のように放射線状に開くため、ピンチハンガーの中でもベーシックな角ハンガーと比べると場所を取る印象。
「狭いベランダだと開くことができなかった」という声もあるようなので、事前に広げた状態のサイズを確認しておくのが無難です。
パラソルハンガーとピンチハンガー、どちらが優秀?
今回は屋外で干すことを想定したこの2種類のハンガーを使って、どちらの方がタオルを干すのに優れているのかを調査してみたいと思います。
- 1.パラソルハンガー(株式会社オーエ)
- 2.ピンチハンガー(株式会社オーエ)
実施した実験は5つ。タオルを干すときに気になるポイントをトコトン比べてみることにしました。
【比較1】タオルの干しやすさ
まずは、どちらの方が「タオルが干しやすいのか」を比べてみましょう。
干し方はいくつかあるのですが、まずは素直に部屋干しをしてみて、10枚のタオルをどのくらいの時間で干せるのかを計ってみます。
早く結果が知りたい方は、実験の動画をご覧ください。
パラソルハンガーでタオルを干してみると?
パラソルハンガーは、タオルを半分にして丈を揃え、ハンガー部分に掛けて干していきます。
気になったのは、タオルを掛ける度にハンガーが傾くということ。
また、タオルが落ちないように端のフックにはさみこむのが、慣れていないと少しやりにくい…という印象です。
タオルの丈を揃えるのにも少し時間を取られました。
ピンチハンガーでタオルを干してみると?
今回使用したピンチハンガーは四角い形の角ハンガー。タオルの両端をピンチではさんで干していきます。
奥から手前へと干していくと、パラソルハンガーと同じくハンガーが傾いてきました。
ただ、タオルの丈を揃える必要がないので作業はとても順調でした。
タオルを10枚干すのにかかった時間をまとめてみると、このような結果に。
- パラソルハンガー…2分14秒
- ピンチハンガー(角ハンガー)…1分22秒
ピンチハンガーの方が1分近く早く干すことができました。
同じテストを4名のスタッフで行いましたが、なんと全員ピンチハンガーの方が早く干せるという結果に。
パラソルハンガーはタオルをフックにはさみこむのと、丈を揃えるのに時間がかかったようです。
ハンガーの傾きを抑えてもっと干しやすく!
パラソルハンガーもピンチハンガーも、どちらもタオルを干すときにハンガーが傾くのが気になりました。
ピンチハンガーを干すときは、重心となる内側から外側に向かって順番に干していくことで、傾きを抑えられます。
パラソルハンガーの場合は、構造上どうしても最初の1枚を干すと大きく傾いてしまいます。
最初の1枚を干したらハンガーを半回転させ、対角線上の脚にタオルを掛けると安定します。
【比較2】タオルを干すのに必要なスペース
今度は、「タオルを干すのにどのくらいのスペースが必要になるのか」を比べてみます。
タオル10枚を全部干し終わったところで、どれくらいのスペースをとっているのか測ってみました。
並べてみて気になったのは「高さ」と「奥行き」です。
どちらもお家でタオルを干すときに気にしなければいけないポイントです。
ピンチハンガーを干すには120cm以上の高さが必要
ピンチハンガーの場合、竿が低いと地面にタオルがついてしまうことが考えられます。
ベランダやバルコニーに物干し竿を設置している場合、洗濯物が外から見えないように竿の高さが低いことがありますね。
お家の物干し竿の高さが120cm未満なら、ピンチハンガーを物干し竿に吊るしてタオルを干すのは難しそうです。
狭いベランダでは開けない?パラソルハンガーの奥行き
一方、奥行きはパラソルハンガーの方が84cmと場所をとっていました。
ピンチハンガーの37cmと比べると2倍以上もあります。
結果をまとめてみます。
省スペース対決は引き分け。
ピンチハンガーは高さが、パラソルハンガーは奥行きがネックになるので、干す場所の条件に合うものを選ぶ必要があるようです。
一度に干せるタオルの枚数は?
ちなみに、今回使用したパラソルハンガーとピンチハンガーでは、一度に干せるタオルの枚数に差があります。
今回使用したパラソルハンガーは足が20本付いているので、最大で20枚のタオルが干せる計算になります。
一方、ピンチハンガーは40個のピンチが付いているとはいえ、一度に干せる枚数は10枚が限界。
60個のピンチが付いているピンチハンガーでも、干せる枚数は最大で14枚です。
パラソルハンガーもピンチハンガーもどちらも使えるスペースがあって、「いつもタオルは10枚以上干す」という方なら、より多くのタオルを干せるパラソルハンガーの方がおすすめと言えます。
【比較3】タオルの乾きやすさ
ところで、一番気になるのは「どちらのハンガーの方がタオルが早く乾くのか」ということ。果たしてタオルが乾く時間に差はあるのでしょうか。
タオルを干してから10枚のタオルが完全に乾くのにかかった時間を1時間ごとにチェックしました。
- パラソルハンガー…2時間20分
- ピンチハンガー(角ハンガー)…3時間10分
ピンチハンガーの場合、2時間後にはほぼ乾いたかなという状態に。
一方、パラソルハンガーの場合はこの時点でタオルも外側は乾いていましたが、内側(ハンガーの中央部分)まだ湿っていました。
完全に乾いたのは3時間10分経ってから、という結果になりました。
タオルが完全に乾くのにかかった時間の差は50分と約1時間もありました。
部屋干しだと、この差は大きく感じるかもしれません。
どうして乾きやすさに差が出たのか
パラソルハンガーの方がタオルの乾きが遅かった理由には、タオルの干し方が関係していそうです。
パラソルハンガーは足にタオルを引っ掛けて干します。
当然、タオルは半分に重なってしまうため、風通しが悪くなってしまいます。
また、乾きにくかったハンガーの中央部分を見てみると、タオル同士の距離がかなり近くなっています。
タオルとタオルの間は約3cm。ピンチハンガーは一定して約7cmの間隔があいているので、ムラが少なくタオルを乾かすことができる構造になっています。
「タオルを早く乾かす」能力で言えば、ピンチハンガーの方に軍配が上がりました。
【比較4】タオルのたたみやすさ
続いて、「乾いたタオルのたたみやすさ」を見ていきましょう。
同じタオルを干しているんだから、たたみやすさに違いはないのでは?と思われるかもしれません。
しかし、パラソルハンガーよりタオルが早く乾いたピンチハンガーに、気がかりなところを見つけてしまいました。
ピンチハンガーで干したタオルは形が変わってしまう?
ピンチハンガーでタオルを干すと、どうしてもタオルが弧を描いたような形になって、少しだらしなく見えてしまいます。
乾いたタオルをピンチから外してみると、やはりタオルの両端が引っ張られた形のまま乾いてしまいました。ピンチの跡もちょっと気になります。
今回は薄手のタオルを使用しましたが、分厚いタオルだともっと形が崩れたり、ピンチの跡がくっきりと残ってしまいそうです。
タオルの形が変わらないのはパラソルハンガー
乾いたタオルを並べてみました。
パラソルハンガーで干したタオルの方が、歪みが少なくてキレイに見えます。
パラソルハンガーはタオルを半分にして干すため、その跡がタオルについたことで、さらにたたみやすさがアップしました。
タオルの形が歪むと、たたむときに端を合わせにくくなったり、たたんだときの見栄えが悪くなってしまいます。
乾いたタオルのたたみやすさや見栄えを気にする方は、よりキレイにタオルが干せるパラソルハンガーの方が向いているかもしれません。
【比較5】乾いたタオルの取り込みやすさ
洗濯物を干しているときに、急に雨が降ってきた!なんてことはよくありますよね。
そんな時はあわててハンガーごと取り込むわけですが、ハンガーによって「タオルの取り込みやすさ」に違いはあるのでしょうか?
タオルを干したままハンガーを取り込む場合…
「タオルの干すのに必要なスペース」でもご紹介した通り、パラソルハンガーは開いたままだと直径が84cmもあります。
タオルを干した状態でたたまずに取り込もうとすると、家の壁にぶつからないように移動するのは結構気を使います。
ピンチハンガーも、そのままの状態ではなかなかの大きさがあります。
タオルが地面につかないよう気を付ける必要はありますが、パラソルハンガーより移動はしやすそうです。
ハンガーをたたんだ状態で取り込む場合…
次に、タオルをハンガーに干したまま、ハンガーをたたんでみました。
どちらもコンパクトにはなりましたが、パラソルハンガーのタオルは向きがバラバラで乱雑な印象。
一方、ピンチハンガーは10枚のタオルがまっすぐ揃っていてとてもキレイ。
動画はコチラ。
タオルを干したままハンガーを閉じたり開いたりして、ハンガーによる違いを検証しています。
タオルを干したまま開きやすいのは?
タオルを干したハンガーをたたんで取り入れた後、乾いたタオルを取り込むにはハンガーを開かなくてはなりません。
ピンチハンガーは、この通りサッと開くことができて、ハンガーを閉じる前の状態に戻すことができました。
一方、パラソルハンガーの方はというと、ハンガーの足とタオルが絡まって、いっきに開くことができません。
タオルはピンチで固定せず、フックにはさみ込んでいるだけなので、タオルがずれたりよれたりしてしまいました。
元の状態に戻すのはなかなか大変です。
急な雨でもスムーズに対応できるのはピンチハンガーと言えそうです。
パラソルハンガーとピンチハンガーをもっと便利に使うコツ
5つの比較実験を通して、パラソルハンガーやピンチハンガーにはそれぞれにメリット・デメリットがあるということが分かりました。
というわけで、こちらではそれぞれのハンガー愛用者に聞いてみた、デメリットを克服する使い方のアイデアをご紹介していきます。
パラソルハンガーを使ってタオルを早く乾かすには?
パラソルハンガーは、毎日タオルをたくさん干す人や、タオルの形をキレイに保ちたい人が使っているようです。
しかし、ピンチハンガーなどに比べると、乾くのが遅いという事実はやっぱり気になりますよね。
タオル干しはパラソルハンガー派の方に聞いてみると、「タオルはできるだけ重ならないように干しているよ」とのこと。
このように、できる限りタオルの風が当たる面積を増やすことで、乾きを早くすることができるようです。
ただ、この干し方だとタオルの中途半端なところに折り目が付いてしまいます。
タオルのたたみやすさは少々損なわれますが、乾いたタオルのキレイさは、タオルを半分にして干した場合と、そう変わりませんでした。
ピンチハンガーで干したタオルをたたむアイデア
ピンチハンガーの愛用者によると、乾くのが早いから使っているという声が多かったです。
しかし、ピンチハンガーで干したタオルの端はピンチに引っぱられてしまい、乾くとタオルの形が変わってしまいます。
「これって気にならない?」とピンチハンガー派に聞いてみると、「タオルは丸めて収納しているんですよ!」との回答が。
実際にタオルを丸めてたたんでみると、タオルの端が少々曲がっていても気にならない形状に。
収納する場所にもよりますが、慣れるとたたまずに丸める方がラクに感じるかもしれません。
タオルを干す洗濯ハンガーに求めるものは?
それでは、最後にこれまでの実験結果を一覧にまとめてみます。
洗濯ハンガーにはそれぞれメリット・デメリットがあります。
お家で使っているタオルの枚数や、タオルを干す際にどんなことを重視するのかによって、洗濯ハンガーを選ぶと良いでしょう。
洗濯ハンガーのデメリットを補う工夫などもご紹介しましたので、今回の記事を参考に、ぜひあなたの好みの洗濯ハンガーを使ってみてくださいね。