ハウジーマガジンを運営するキッチン・雑貨の専門卸売り「クラスフィルグループ」で実験を担当するリケジョ。「何を買ったらいいの?」という悩みに応えるべく、商品を実験して徹底調査していきます!
置くだけで素早く解凍できる「解凍プレート」。調理の時短になると話題のアイテムです。
でも、どのくらい早く解凍できるのか、解凍具合に差があるのか、気になりませんか? 今回は、解凍プレートに置いた時と、他の方法で解凍した時で違いを比べてみました。ぜひ参考にしてください。
置くだけ!エコで手軽と話題の「解凍プレート」とは
冷凍した食材を早く解凍できる「解凍プレート」。熱伝導率の高い素材で作られていて、食材をこの上に置いて常温で放置するだけ、というアイテムです。
解凍プレートの魅力・メリットは?
最近、いろんな商品が発売され、話題になっている理由は、以下のようなメリットがあるからです。
- お皿の上にのせるより早く解凍できる
- ムラなく解凍できる
- 解凍プレートで解凍した料理がおいしい
- 電気代・ガス代を使わないので、エコ
という点。これは本当なのでしょうか? 実験してみます。
今回、実験に使うのは、「解凍皿 Newクイッ君」。
四角いトレーのような見た目。幅は25センチくらいと大きすぎず、カウンターやテーブルにも置きやすいサイズ感です。ただ重さは約700g。アルミニウム合金という金属でできているというだけあって、持つとずっしりくるかんじ。
さらに、裏がえしてみてびっくり。深さ1センチくらいのみぞが端から端まで入っていました。これは、何やらヒミツが隠されている予感。さっそく、凍った食材をのせて実験していきたいと思います。
【解凍プレートvs お皿】解凍時間やドリップを「厚切り肉」で比較
まずは、お皿に置いた時の自然解凍と比べます。使う食材はロース肉。薄い肉は、レンジ解凍ではうっかり火を通し過ぎてしまうこともあるので避けたいところ。自然解凍にすると時間がかかるイメージもありますが、解凍プレートを使うと本当に早くなるのか実験していきます。
実験条件
実験条件は以下になります。
- 室温:20度
- ロース肉:約100gの同じくらいの大きさものを用意し、平らに冷凍したものを使用
実験の経過
それでは、解凍時間に差があったのか、早速みていきましょう。
<冷凍庫から出したところ>
まずは、冷凍庫から出した2枚のロース肉を、1枚は解凍プレートの上に、1枚は普通のお皿の上に置きます。時々、箸や指で触って解凍具合を確かめながら、解凍できるまでの時間を計測しました。
解凍プレートの肉もお皿の肉も、半分くらい解凍できたところで裏返しました。
<40分後>
40分後で比べると、解凍プレートのロース肉は、箸で持ち上げると大きく垂れさがって完全に解凍できていました。
お皿の置いたロース肉は、端のほうがやわらかくってきているものの、箸で持ち上げようとするとまっすぐになったままで垂れる様子はなし。調理にはまだ早いなと感じました。この後、全体が垂れるほど完全に解凍できたのは、約80分後でした。
解凍プレートは、皿の上にのせる自然解凍に比べ、約半分の時間で解凍できたことになります。
【解凍プレートvs お皿】実験の結果
実験中に肉の様子を観察してみたところ、解凍プレートは、20分くらいでこのやわらかさになっていました。端はまだ固い部分があるものの、真ん中はやわらかくなっていて、調理できるくらいには解凍されていたのにびっくり。
また解凍ムラがあまりないのも◎。おいしさの結晶であるドリップがでてないのもうれしいところ。ドリップが染み出てないのでおいしさが逃げていないと思います。
【解凍プレートvs電子レンジ】解凍時間とドリップを「ミンチ肉」で比較
「今日ハンバーグ食べたい!」なんていう急なリクエストのために、ミンチを冷凍しているという人は多いはず。ただ、電子レンジを使うと、解凍ムラができやすい食材でもあります。タイパのよい電子レンジと、解凍プレートでは、どんな違いが出るのか調べます。
実験条件
- 室温:20度
- ミンチ肉:200gを2個用意し、同じ厚みになるように冷凍したものを使用
実験の経過
果たしてどんな違いが出たのか、さっそく見ていきましょう。
<冷凍庫から出したところ>
ミンチ肉は、ラップに包んだまま解凍します。解凍プレートが最も性能を発揮できるのは食材をそのまま置いた時ですが、ラップに包んだままでもOKです。
解凍プレートはそのまま、解凍できるまで放置。電子レンジ解凍は、様子をみながらレンジにかけました。
<解凍後>
解凍プレートは、50分ほどで解凍できました。端、真ん中と場所を変えて触ってみると、一部だけ固いということもなく、ムラなく均一に解凍されていました。ドリップはほとんど見られません。変色しているところもなく、色もキレイなまま解凍できました。
電子レンジは、3分加熱してまだ固いところがあったので、もう1分追加したところ写真のような状態に。何か所か火が通って色が変わってしまい、ラップに肉から出た赤いドリップがたまっていました。
【解凍プレートvs 電子レンジ】実験の結果
電子レンジ解凍は、解凍にムラがあり、凍っている部分をなくそうとすると一部が煮えた状態になってしまいました。全体をムラなくちょうどよく解凍するするのは難しいなと感じました。
一方、解凍プレートは、キレイに解凍できたものの、けっこう時間がかかったなという印象。ミンチ肉の厚みが1センチほどあったので、もっと薄くして冷凍しておくと早く解凍できるかもしれません。ただ、30分をすぎたころには半解凍くらいになっていたので、炒め物などメニューによってはもっと早く調理スタートできそうです。
【解凍プレートvs流水解凍】解凍時間とムラを「冷凍サバ」を使って実験
変質しやすい魚介類。電子レンジは致命的、また自然解凍で放置しておくのも心配ですよね? そこで、流水解凍する人も多いかもしれません。次は、冷凍した半身のサバを使って、流水解凍と解凍プレートに置いた解凍で違いを比較していきます。
実験条件
- 室温:20度
- サバ:同じくらいの大きさのものを用意し冷凍したものを使用
実験の経過
はたして、見た目や解凍時間に違いは出たのか見ていきましょう。
<冷凍庫から出したところ>
解凍プレートにはサバをそのまま置き、時間を計りました。半分くらい解凍できたところで裏返しました。
流水解凍は、密閉できる袋に入れ、水道の水を当てながら解凍したました。触ってみて全体がやわらかくなるまで解凍し、時間を計りました。
<解凍後>
解凍プレートでは、40分後に全体がやわらかくなって解凍できていました。全体がムラなく解凍できていて、サバの色もキレイなままでした。
流水解凍は、15分ほどで解凍できました。ドリップは出ていませんでしたが、サバの色は少し悪くなっているように感じました。
実験の結果
解凍プレートで解凍して驚いたのは、ドリップが全然出なかったこと。時間がかかると水分が出てきそうでしたが、サバをめくってもほとんど汚れていませんでした。触ってみると、薄いところも厚みのあるところも均一に解凍できていました。
流水解凍も見た目に分かるほどのドリップは出なかったものの、少し水分が出てベタベタしていました。解凍中、一部はやわらかく一部はまだ凍っていて、半解凍で調理するにはムラが出ていると思いました。それに、水を出しっぱなしにするのでちょっともったいない気がしました。
解凍プレートの実験結果まとめ
実験結果をまとめます。
- 解凍プレートvsお皿の自然解凍
解凍プレートを使うと、解凍時間がお皿の自然解凍と比べて半分になりました。 - 解凍プレートvs電子レンジ解凍
電子レンジ解凍では、変色やドリップが見られました。解凍プレートでは全体をムラなく解凍できました。 - 解凍プレートvs流水解凍
解凍プレートではドリップも出ず、色も鮮やかなまま解凍できました。流水解凍は、少し水分が出ていました。
解凍中に解凍プレートに触れてみると、肉が触れていない端のほうでも、すごく冷たくなっていました。まるで肉の冷たさをプレート全体で吸い取っているかのよう。さらに、ミゾ付近に指を近づけるとひんやりした空気が感じられました。プレートに伝わった冷たさをミゾから空気中に発散しているかのようです。素材に加えて形状で効率よく冷たさを逃がす仕組みになっていて、解凍が早くなっているのだなと思いました。
実験して分かった「解凍プレート」のメリット
今回実験して感じたのは、解凍プレートを使うと、解凍に失敗しないこと。レンジや流水ではどうしても状態が悪くなることもありますが、解凍プレートだと「冷凍してた?」と思うほどキレイな状態で解凍できたのにビックリしました。ムラなく解凍できるので、料理も失敗がなさそうです。
もちろん、自然解凍と比べて、半分の早さで解凍できることも実証。解凍プレートの実力を確かめることができました。
以下の記事では、ズボラ主婦ひらこが解凍プレートを実際に使って、いろいろな使い方を試しているので、こちらも参考にしてください。
>>タイパもコスパもUP「解凍プレート」試してわかった便利な使い方
食材をまとめ買いして冷凍することが多いという人は、ぜひ解凍プレートを試してみてくださいね。
解凍皿 Newクイッ君
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