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「エンバランス加工」の袋と容器で比較実験

エンバランス加工の効果を検証! 長持ちするという噂は本当か実験してみた

家事のコツ

最近、食品の鮮度を保つとして人気を集めているのが、エンバランス加工の袋や容器。ただ一方で、どれぐらい鮮度が保てるの?と疑問をもっている人も多いはず。
そこで今回は、エンバランスを使って、野菜がどれだけもつのか実験しました。ぜひチェックしてください。

ハウジーマガジンを運営するキッチン・雑貨の専門卸売り「クラスフィルグループ」で実験を担当するリケジョ。「何を買ったらいいの?」という悩みに応えるべく、商品を実験して徹底調査していきます!

エコ素材「エンバランス加工」とは

<p>「EMBALANCE/エンバランス」</p>

「EMBALANCE/エンバランス」

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「エンバランス加工」の商品は、ウィルマックスというメーカーから発売されています。「脱プラではなく、持続可能なプラスチックを」との考えから、独自の加工技術で開発されました。エンバランス加工の特徴は以下の通りです。

  • 食品の鮮度や栄養素をキープできる
  • BPAフリーで安全に使える
  • 洗っても効果が持続する

エンバランス加工は、殺菌するのではなく、食品そのものを元気にさせる技術。また、表面にコーティングするような加工ではないため、剥がれたり溶けだしたりすることなく安心して使えます。

ただ、本当に鮮度がキープできるのかは気になるところ。早速、実験で試してみたいと思います。

エンバランス加工の袋では? きゅうりと白菜で実験

最初に実験するのは、エンバランス加工の袋。100均で購入したジッパー付きの袋を用意し、野菜を入れて比較していきます。

袋に入れた「きゅうり」では?

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「きゅうり1日目」

まずはきゅうりで実験スタート。きゅうりは、サラダに使って半分残ることもありますよね。でも冷蔵庫に入れたまま存在を忘れて、気付いた時には腐ってた……なんてことも。そんなきゅうりの鮮度は、エンバランス加工の袋と、普通のジッパー付きの袋で差が出るのか、早速調べていきます。

<実験条件>

実験の条件は以下のとおりです。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「同じ個体を切って条件をそろえる」

個体によって差が出ないよう、1つのきゅうりを切って実験に使います。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「きゅうりを真ん中で切って使う」

ちょうど半分になるよう、測ってカットします。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「きゅうりを普通の袋とエンバランスの袋に分けて入れる」

切ったきゅうりを、普通のジッパー付きの袋とエンバランス加工の袋に分けて入れます。

撮影する時以外は、冷蔵庫の野菜室に入れて保存します。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「手の菌が移らないよう手袋をする」

撮影時には、手に付いた菌がつかないよう、手袋をつけて取り出します。

<実験の経過>

それでは早速、きゅうりの様子をみていきましょう。カットした断面を比較していきます。

1日目

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「1日目のきゅうり」

断面は少し乾いていた程度。普通の袋とエンバランス加工の袋で、鮮度の違いは見られませんでした。

1週間目

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「1週間目のきゅうり」

断面のフチのほうから、乾燥が進んできました。ただ、まだ普通の袋とエンバランス加工の袋で、違いは見られませんでした。

22日目

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「2週間目のきゅうり」

断面をよく見ると、普通の袋に入れたきゅうりは、断面のフチがやや黄色くなって乾燥が進んでいました。エンバランス加工の袋のきゅうりは、白っぽい色のままでした。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「きゅうりの袋についた水滴を拭く」

この頃から、袋の内側によく水滴がつくようになってきました。水滴は、キッチンペーパーで拭き取りながら実験を続けました。

34日目

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「34日目のきゅうりの断面」

普通の袋のきゅうりは、断面の真ん中が黄色くなっていました。断面の形も、ややいびつになって変形していました。エンバランス加工の袋のきゅうりは、断面は白っぽい色のまま。形も見る限りでは、変形していませんでした。

<実験の結果>

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「34日目のきゅうり 」

皮の部分を見るとこの通り、普通の袋に入れたきゅうりは、一部へこんでカビが生えているように見えました。サイズも、乾燥が進み全体的に縮んでいるように感じました。一方、エンバランス加工の袋のきゅうりは、やや乾燥しているものの、腐敗やカビている様子は見られませんでした。1か月以上たっても、この状態をキープしているのは驚きです。最終的にエンバランス加工のきゅうりがカビたのは40日目。普通の袋と比べると、1週間ほどの差が出ました。

2週間を過ぎたあたりから、袋の内部に水滴がつくようになったのですが、明らかに普通の袋のほうが多く水滴がついていました。これが、きゅうりの傷みに差がついた原因かもしれません。

袋に入れた「白菜」では?

葉物野菜も気付いたらシナシナになっていて、無駄にした経験がある人も多いかもしれません。薄くて柔らかい葉っぱは、普通の袋とエンバランス加工の袋で、鮮度に差が出るのか気になりますよね。今回は、葉物野菜の中でも、1回の料理では使いきれないことも多い白菜で実験しました。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「白菜をジッパー付きの袋とエンバランスの袋に分けて入れる」

まずは個体による差が影響しないよう、1つの白菜を、半分切りました。それぞれを、スーパーでもらったビニール袋とエンバランス加工の袋に分けて入れ、冷蔵庫の野菜室で保存し、経過を観察しました。

1週間目

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「1週間目の白菜」

ややしんなりしたかんじはあるものの、どちらの白菜もまだ葉がシャキッとして、色もそれほど変わりはありませんでした。

22日目

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「22日目の白菜」

スーパーのビニール袋の白菜は、外側に近い葉がしんなりと丸まってきました。エンバランス加工の袋の白菜は、葉はまだピンとしていました。

34日目

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「34日目の白菜」

スーパーのビニール袋に入れた白菜は、葉が黄色っぽくなって、最初に比べてかなり小さく縮んでしまいました。エンバランス加工の袋の白菜は、全体にシャキッと感が残っていて、軸の部分はまだ硬い状態でした。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「38日目の白菜」の葉先

スーパーのビニール袋に入れて白菜の葉先は、水分が抜けてしんなりした様子。一方、エンバランス加工の袋に入れた白菜は、葉の緑色が残っていて、外側の葉がまだ張りがあってピンとしていたのに驚きました。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「38日目の白菜」の根元

白菜の付け根の切り口に注目してみると、ビニール袋に入れたものは黄色く変色していたのに対し、エンバランスの袋に入れたほうは、やや変色しているものの白い色のまま。ここでも鮮度の違いがみられました。

この実験でも、途中からどちらの袋も内側に水分がついていたのですが、スーパーのビニール袋のほうが多く水滴がついていました。エンバランス加工の袋のほうが、野菜の水分が外に出にくく、鮮度をキープをできていたと考えられそうです。

エンバランス加工の容器では? しいたけとプチトマトで実験

次に、容器に入れた時にどう違うのか比較していきます。実験に使うのは、100均の容器とエンバランス加工の容器。同じくらいの大きさの容器を用意して実験しました。

容器に入れた「しいたけ」では?

エンバランスの鮮度を調べる実験「しいたけ開始時」

入れる野菜は生のしいたけです。しいたけは、乾燥させたり冷凍したりと保存方法もありますが、食感が変わってしまうので、生のしいたけならではの味わいをキープをしたい時もありますよね。ただ、うっかりすると、黒く変色したりカビが生えたりということも。そんな生しいたけで、鮮度をどれだけキープできるのか実験していきます。

<実験条件>

実験の条件は以下の通り。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「同じくらいの色や大きさのしいたけを選んで容器に入れる」

できるだけ同じくらいの色や大きさのしいたけを選び、普通の容器とエンバランスの容器に1つずつ入れました。

エンバランスの袋で鮮度保持の比較実験「しいたけを冷蔵庫で保存」

撮影時以外は冷蔵庫に入れて保存しました。

<実験の経過>

それでは早速、しいたけの変化を見ていきましょう。

1週間目

エンバランスの鮮度を調べる実験「しいたけ1週間目」

普通の容器に入れたしいたけはフチが少し濃い色になっていました。エンバランス加工の容器に入れたしいたけは変わりない様子。

2週間目

エンバランスの鮮度を調べる実験「しいたけ2週間目」

普通の容器に入れたしいたけは、フチがさらに濃い色になり乾燥も進んでいました。エンバランス加工の容器に入れたしいたけも、フチの色が濃くなってきましたが、他は変わりがない様子でした。

エンバランスの鮮度を調べる実験「しいたけの容器のフタについた水滴」

この頃から、普通の容器には、フタによく水滴がついていました。エンバランス加工の容器はほとんど水滴がついていませんでした。

22日目

エンバランスの鮮度を調べる実験「しいたけ22日目」

普通の容器に入れたしいたけは、カサにカビが生えました。エンバランス加工の容器に入れたしいたけには、カビは見られず差が出ました。

<実験結果>

エンバランスの鮮度を調べる実験「しいたけ35日目」

容器から出してみるとこの違い。普通の容器のしいたけは、カサの外側部分に白いカビがついていたのに対し、エンバランス加工の容器に入れたしいたけは、カサのフチが黒くなっている程度でした。

エンバランスの鮮度を調べる実験「しいたけの裏側35日目」

裏返してみると、普通の容器のしいたけは軸にもカビが生えていました。エンバランス加工の容器のしいたけは、軸の先が黒くなってはいましたが、カビが生えている様子はありませんでした。

実験の途中から、普通の容器には内側に水滴がたくさんついていたのに対し、エンバランス加工の容器は、水滴は少ししかついていませんでした。このことから、容器の中が、カビが生えやすい環境とそうでない環境になっていたと考えられそうです。

容器に入れた「プチトマト」では?

保存容器には、サラダの残りなどカットした野菜を入れておくこともあると思います。そこで次は、プチトマトで比較実験しました。

エンバランスの鮮度を調べる実験「プチトマトを半分に切る」

プチトマトも、個体による差をなくすため、1つを半分に切って実験しました。

エンバランスの鮮度を調べる実験「プチトマト34日目」

また、部位によって腐りやすさに差があるかもしれないので、2つのプチトマトを横半分に切り、半分を交換する形で、ヘタ側とおしり側のペアにしました。これらを、普通の容器とエンバランスの容器に分けて入れ、冷蔵庫の野菜室で保存して経過を観察しました。

エンバランスの鮮度を調べる実験「プチトマト1週間目」

実験開始から2週間目の様子です。普通の容器のプチトマトは、皮が柔らかくなって種の部分がへこんできました。エンバランス加工の容器のプチトマトも、皮は柔らかくなっていましたが、種の部分のへこみは見られませんでした。

エンバランスの鮮度を調べる実験「プチトマト22日目」

22日目の様子です。普通の容器のプチトマトは、断面の種の部分がさらにへこんでいました。エンバランス加工の容器に入れたプチトマトは、それほどへこんでおらず、断面の種の粒もはっきり見えていました。

エンバランスの鮮度を調べる実験「プチトマト34日目」

34日目の様子です。普通の容器に入れたプチトマトは断面に白いカビが発生していました。エンバランス加工の容器に入れたプチトマトには、カビは見られませんでした。

触ったかんじでは、普通の容器に入れたほうは触ると崩れそうなくらい柔らかくなっていたのに対し、エンバランス加工の容器に入れたプチトマトは、比較的、皮がしっかりしていました。

この後も実験を続けた結果、エンバランス加工の容器のプチトマトにカビが見られたのは、38日目。カビの発生には、4日の差が出たことになります。

エンバランス加工のラップでは? プチトマトで実験

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験

エンバランス加工のラインナップには、手軽に使えるラップもあります。カットした野菜は、断面をラップで包むという場合も多いはず。そこで、普通のラップとエンバランス加工のラップを使って、変化を比較しました。

ラップに包んだ「プチトマト」では?

使ったのはプチトマト。サラダ用に切って余ったプチトマトを、乾燥しないようにラップに包んだ想定で実験しました。

<実験条件>

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験「プチトマトを半分に切る」

個体差による違い、部位による違いが出ないよう、2つのプチトマトを半分にカットし、ヘタとおしり部分を入れ替えてラップに包みました。

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験「プチトマトをラップで包む」

ラップの長さも10cmで測ってカットし、同じ大きさにして条件をそろえました。

包んだプチトマトは皿に並べ、冷蔵庫の野菜室で保存して経過を観察しました。

<実験の経過>

それでは早速、プチトマトの様子を見ていきましょう。

1週間目

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験「1週間目のプチトマト」

普通のラップに包んだプチトマトから汁が出ていました。エンバランス加工のラップでは変化が見られませんでした。

2週間目

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験「2週間目のプチトマト」

普通のラップのプチトマトは形が崩れてきました。エンバランス加工のラップのプチトマトも柔らかくなっていますが、形はそれほど崩れていませんでした。

22日目

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験「22日目のプチトマト」

どのプチトマトもふにゃふにゃになってきました。ただ比べると、やはり普通のラップのほうがより形が崩れていて、皮も柔らかくなっていました。

34日目

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験「34日目のプチトマト」

普通のラップのプチトマトを触ってみると、つぶれそうなくらい柔らかく腐る寸前というかんじ。エンバランス加工のラップのプチトマトも、柔らかくはなっていましたが、まだ皮がしっかりしていました。

<実験の結果>

エンバランスのラップで鮮度保持の比較実験「34日目のプチトマトの断面」

空気に触れていないせいか、普通のラップもエンバランスのラップも、プチトマトにカビの発生は見られませんでした。ただ、皮や種の部分には違いが出ていて、触ってみても普通のラップのほうが柔らかくなって傷みが進んでいると感じました。

エンバランス加工は効果アリ? 調べて分かったこと

実験の結果をまとめます。

  • 袋のきゅうり……100均の袋は1か月ほど、エンバランス加工の袋は40日目で腐りはじめた。エンバランス加工のほうが1週間、腐るのが遅かった。
  • 袋の白菜……スーパーの袋に入れると1か月でシナシナに。エンバランス加工の袋では鮮度を保っていた
  • 容器のしいたけ……普通の容器では20日ほどでカビが生えた。エンバランス加工のほうが長持ちした
  • 容器のプチトマト……普通の容器では34日目にカビが見られた。エンバランス加工のほうが4日カビの発生が遅かった
  • ラップのプチトマト……普通のラップでは1か月後には形が崩れていた。エンバランス加工のラップでは比較的皮がしっかりしていた

袋や容器では、途中から内側についた水滴をふきながら実験を続けました。水滴をそのままにしておくと、より早く腐ったりカビが生えていたかもしれません。ただ、どの実験でも、エンバランス加工のほうが、より野菜が長持ちする結果となりました。

だいたい1週間くらいは寿命が延びる

今回実験してみて、実際にカビが生えた日数の差や、観察した野菜の様子を比べると、だいたい1週間くらいは、エンバランス加工のほうが鮮度を長くキープできていました。

野菜の種類やカットするかしないか、また保存状態などによって、必ず寿命が延びるとは言い切れません。ただ今回の実験からは、エンバランス加工のアイテムは、野菜の水分を保持し、鮮度を保つ効果が期待できると言えそう。特に1か月以上保存した際に、普通の袋や容器と比較してカビや傷みが少ない結果に驚きました。

エンバランス加工のアイテムで、野菜を無駄なく使い切ろう

エンバランス加工の商品は、普通のものと比べると金額的に高く、買うのをためらう人もいると思います。ただ、野菜などを、よりお得な大袋や1玉単位などで買った時、使い切れずに腐らせてしまっていては、お得にはなりませんよね。その点、エンバランスで長く鮮度をキープできれば、無駄にならず、結果的にコスパがよいと言えそうです。

さらに、袋や容器は洗って繰り返し使えるのも、うれしい点。洗っても効果が変わらないので、長く使えば使うほどエンバランス加工の魅力を実感できるはずです。

エンバランスは、種類もサイズも豊富。気になっている人は、自分がよく使うアイテムから、ぜひ一度試してみてくださいね。

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※本記事は、メーカーからのサンプル協力をいただいて執筆しています。ただし、記事内容やランキングへの意思決定に関与するものではありません。