家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
掃除をしてピカピカになったのなら、「予防掃除」も一緒にやってみてはいかがでしょうか? ちょっとした工夫で掃除の回数を減らすことができるんです。今回はそんな予防掃除のアイデアをお部屋別にご紹介します。ぜひ参考にしてください。
掃除をラクにする裏ワザ“予防掃除”の基本の鉄則
予防掃除とは、あらかじめ汚れないような工夫をしておくことです。少しの工夫で、格段に掃除が楽になると話題になっています。予防掃除の基本ポイントからおさらいしましょう。
モノを増やさないようにする
モノがあるから汚れるのであって、なるべくモノを増やさないことが大事です。便利だからとモノをいろいろ買えば買うほど、そこにはホコリが溜まってしまい、隙間が増えてしまいます。
例えばコンロ周り。調理中便利だからと、キッチンツールや調味料を手に届く場所に置いておくと、知らない間に油が飛び散っていることってありませんか? 100均で買った便利グッズもあまりたくさんあると掃除が大変になってしまいます。
ラグやリビングの棚もモノを増やすとき、買うときに「本当にそれは必要なのか」と一度立ち止まって考えてみるのが、掃除を楽にする近道です。
汚れが直接つかないように工夫をする
「汚れが付く場所にあらかじめカバーをかける」というのは予防掃除の鉄板の手法です。換気扇にレンジフィルターをしておけば、「換気扇を掃除する」行為が「レンジフィルターを交換する」作業に変わります。他にも汚れやすい隙間にマスキングテープを貼るのも定番の予防掃除の方法です。
またカビが発生する水周りでは、「浮かせる収納」にして通気性がよくなるよう心がけ、カビの温床となる接地面を失くし汚れがつかないよう意識しましょう。
汚れにくいもの、掃除しやすいものを選ぶ
例えば、キッチンやお風呂の排水溝。こういったカビが生えやすい場所は、カビが付きやすいプラスチック製ゴミ受けではなく、汚れに強いステンレス製のゴミ受けに代えてしまえば掃除が楽になります。
また、ホコリが溜まりやすいリビングや寝室は、掃除機をかけやすい家具、隙間のできない家具を選ぶように心がけましょう。一時期、ロボット掃除機が通る“ルンバブルな家具”がトレンドになりましたが、掃除機が使いやすい環境にすることも大事です。
お掃除グッズをサッととれる場所に置く
家事の導線を無視して、お掃除道具を掃除場所から遠くにしまうのは悪手です。すぐにサッととれる場所に掃除道具を置けば、気になったときに掃除をすることができます。汚れる前に掃除をするのが予防掃除の鉄則です。
「そう言われても……。わかっているけど、なかなかできない」と思うかもしれませんが、キレイを保っていると少しの汚れが気になって自然と掃除するようになります。編集部で最もズボラなひらこも、この方法でキレイをキープしています。このとき、気に入った見た目のかわいいお掃除道具を使うことも大切。インテリアになるものなら、掃除のテンションもアップしますよ。
汚れがつきにくいようコーティングする
お掃除をした後は、コーティングすることも大事です。例えば、お風呂で掃除をした後は防カビ用燻煙剤をする、水回りに撥水加工や防カビのコーティングをするといったことです。ひと手間が必要になってきますが、掃除をする回数を減らせるので、コスパもタイパも抜群です。
【キッチン】掃除をラクにする予防掃除グッズ
キッチンは、油汚れと水回り汚れという2つの嫌な汚れが溜まる場所です。しかも食べ物を扱う場所だけに、衛生面を考えても常にキレイに保っておきたいですよね。そういう意味では予防掃除グッズが最も活躍する場所といえます。
キッチンの換気扇に、レンジフィルターをかける
油まみれで掃除がやっかいなキッチンの換気扇。すでにしている人も多いと思いますが、換気扇が汚れないよう「レンジフィルター」でカバーする“予防掃除”はキホンのキ。
最近は換気扇にも様々なタイプがありますが、それぞれ合ったレンジフィルターが出回っています。おうちのフィルターがどのレンジフィルターが合うのわからない場合は、好きなサイズにカットして使うものもあります。
ちなみに、ハウジーのECページの制作スタッフタカハシは、キッチンフードの裏にもフィルターをかけているのだそう。
魚焼きグリルの排気口にカバーをかける
魚焼きグリルの排気口。調理中にいろんなものが飛び散って、知らない間に汚れる場所です。しかもいったん汚れると、隙間が小さいだけに掃除も困難。そこで排気口カバーを付けて、飛び散る油や食材の侵入を防ぐようにしましょう。
キッチンの五徳周りにガスマットを敷く
吹きこぼれると必ず汚れる五徳周り。知らない間に、“なにか”が焼け焦げてカチコチになっていて掃除が大変な場所のひとつです。その五徳周りにガスマットを引けば、五徳とコンロ台の隙間汚れを防止することができます。
キッチンの壁のフチに、マスキングテープをはる
キッチンのフチの継ぎ目は知らないうちに油汚れがたまってしまう場所。しかも掃除もしにくい場所ですよね。ここには防カビ剤入りのテープや白いマスキングテープを貼ってしまうのが正解です。そうすれば、テープを貼り替えるだけでOKに。掃除の手間がなくなり、格段に楽になりますよ。
カビ汚れ防止テープを、シンク周りから一気にはってしまうのも手。半透明のメンディングテープを貼るのもおすすめです。
排水口汚れに、ゴミ受け・排水口をステンレスにする
キッチン周りでもっとも汚れるシンクの排水口。備え付けのモノはプラスチック製であることが多く、台所漂白剤を使ってもなかなか汚れがとれにくくなってしまいます。排水口のフタやゴミ受けをステンレス製に変えるだけで、劇的に掃除が楽になります。
また排水溝の排水トラップもすぐにヌメヌメしていしまいますよね。こちらもステンレス製のアイテムがあります。
ちなみに、整理収納アドバイザーのまいさんは、排水口のフタをつけていないそうです。フタの掃除をしなくてすむばかりか、ゴミが丸見えになることで小まめに捨てるようになったそうです。
>>シンク周りをキレイに保つため、 整理収納アドバイザーがやめたこと・やっていること
三角コーナーを、自立型の水切りゴミ袋にする
三角コーナーは、ちょっと放置するだけで、黒カビやヌメリ、水アカが付いてしまう場所。しかも三角コーナーは、網の目が小さいので、掃除もしにくいですよね。三角コーナーをやめて、使い捨てのゴミ袋にすれば掃除をする手間を省くことができます。
キッチンの収納棚に、汚れ防止シートをひく
キッチンのシンク下にある収納棚。きっちり閉めているのに、知らない間に調味料の汚れがついていたり小さな食材のカスがはいっていたりしますよね。なぜ汚れるのかわからない場所ですが、ここにシートを敷くと、汚れ防止になるだけでなく、収納しているものがずれないというよいことが。また防虫加工されているものもあるので、嫌な“あの虫”除けにも。一石三鳥です。
キッチンのゴミ箱のフタに消臭剤をはる
生ごみをいれるキッチンのゴミ箱。特にプラスチック製のものは、どうしても悪臭が付いてしまうので、定期的にお手入れが必要。そのお手入れの回数を減らすためにも、フタに消臭剤を貼っておくとよいでしょう。ニオイ軽減にもなります。
キッチンのゴミ箱の下に、新聞紙を敷く
キッチンのゴミ箱のお手入れを減らす方法として、底に新聞紙を敷くのもおすすめです。ゴミ箱にしっかりゴミ袋を掛けていても、なぜかこぼれている“ナゾの液体”小さな物体。新聞紙を敷いておけば、これらがこぼれていても、吸収してくれます。
冷蔵庫上に「シートやラップ」を敷く
冷蔵庫上は、普段目にすることがないので、ホコリが溜まっていても放置しがち。でもキッチンのホコリは、油分を含んでいてベタついているのでお掃除にひと手間かかることも。食器用洗剤を含ませた水で拭きとる必要があり、ちょっと面倒ですよね。でも、新聞紙やラップ、シートを敷いておけば、交換するだけでOKになりますよ。
洗いやすい「水切りカゴ・水切りマット」を使う
水切りカゴも水アカがつきやすく、掃除が大変なアイテムですよね。掃除しやすいアイテムにするだけで、手間がぐんと減るアイテムです。最近は、毎日洗うことを前提にした水切りカゴも登場しています。例えば写真の「すっきり暮らす」シリーズの水切りかご。水切りかごをキッチンに常設せず、使うたびに洗うことを前提にしたアイテムです。
また、水切りマットもおすすめです。都度、洗う必要がでてきますが、片付けやすいので調理台を広々と使えるアイテムです。下記の記事ではライフスタイルアドバイザーの山本瑠実さんが水切りマットの使い勝手について紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。
>>狭いキッチンで大活躍!水切りかごを使わない派におすすめの水切りマットとは?
冷蔵庫内の野菜は「収納ケース、収納袋」にいれる
野菜をうっかり腐らせると野菜室ごと掃除をする羽目になってしまいますよね。腐らせたことがないという人でも、小さな野菜くずがおちて野菜室は汚れがちに。そこで、こういった収納ケースに入れて、冷蔵庫を清潔に保つようにしましょう。
根菜はペーパーバッグタイプにいれるのもおすすめです。近年、猛暑が続いて夏は常温野菜でも野菜室に入れているという人もいるのではないでしょうか。ただ、常温野菜は、冷やし過ぎはNG。また、じゃがいもや玉ねぎは土を落としすぎず皮をむかないで保存した方がよいため、こういった使い捨てのペーパーバッグで区切って冷蔵庫が汚れないようにするとよいでしょう。
【リビング】掃除機をかけやすいように工夫を
リビングでの予防掃除のコツは、いかに掃除機をかけやすくするかということです。そのためにポイントとなるとは家具の配置。また、掃除をしやすくするよう床にモノを置かないようにすることも大事です。
観葉植物や家電は「台車」にのせる
観葉植物や加湿器・ファンヒーターといった動かすのにひと苦労するモノ。掃除をする際に、動かすのに億劫(おっくう)になって、ホコリがたまりがちになってしまいます。
そこで台車を使ってスイスイ動かせるようにすればOK。とくに観葉植物は、鉢の下が知らず知らずに汚れたり落葉したりすることもあるので、この方法で予防掃除をするのがおすすめです。
エアコンに外付けフィルターをかける
▲写真撮影:よしママ
エアコンのフィルター掃除や内部の掃除は、なかなかやっかい。ただ放置しておくと、エアコンと一緒にホコリが飛び散ってしまい、身体にもよくありません。そこで人気お掃除ブロガーのよしママさんは、「吸気口に外付けフィルターを取り付けている」とのことです。「これを使用することで、内部のフィルター掃除の回数が半分に減りました。使い始めるシーズンの直前に新しく張り替え、使用している期間は2か月に一度くらいのペースで交換しています」。ぜひやってみてください。
テレビの裏のケーブルをまとめる
テレビをモニター代わりに使うこともできるようになり、周辺機器もどんどん増えてきたテレビ。その裏には、HDMIやコードなどケーブル類がごちゃごちゃしていて、ホコリが溜まると掃除が大変に。これらのケーブル類をまとめるだけで、掃除がぐんと楽になりますよ。
テレビのリモコンにカバーをかける
リモコンは隙間も多く、また子供がいるとべたついたりするので、カバーをかけておくのがおすすめです。テレビのリモコン用カバーもありますが、ラップで代用して頻繁に交換するというのでもよいでしょう。
【お風呂】掃除をラクにする予防掃除グッズ
黒カビやヌメリ、ピンク汚れが発生して、家の中でも掃除の難関場所といえるお風呂。お風呂の“予防掃除”に最も大事なのは、浴室内になるべくモノを置かないことと「浮かせる収納」をして通気性をたもつことです。
浮かせられる「風呂イス」を使う
裏側がすぐに真っ黒になってしまう風呂イスや湯桶は、浮かせる収納にして通気性を保つように心がけることが大事です。置いておくと接地面の床にもカビが生える原因になるので、ぜひ心掛けたい“予防掃除”です。
風呂フタを洗面所に置く
面積も大きく、カビが発生するとやっかいな風呂フタは、使っていない日中は洗面所においておくのもひとつの手。洗面所に置く場所がない場合は、浮かせられる風呂フタ収納アイテムを使って、設置面を少なくする工夫をしましょう。
シャンプー・ボディーソープは浮かせる
ディスペンサーの底面も滑りやすくカビが生えやすい場所です。また「置く」とシャンプーやボディーソープの液だれが溜まることもあるので、こちらも浮かせて収納して通気性を保つように心がけましょう。
ちなみに、整理収納アドバイザーのまいさんは、シャンプーやボディソープは普段は洗面所に置いて、使うときに持ち込む「銭湯スタイル」にしているのだそうです。他にもお風呂の掃除頻度を減らすための工夫を紹介しているそうです。くわしくは、下記の記事も参考にしてみてください。
>>備え付けの収納棚は必要ない?掃除しやすい&リラックスできる「お風呂」の工夫
お風呂の鏡は、ちゃんと水切りをする
一度つくとなかなか取れない鏡のウロコの汚れ。そのため普段から“予防掃除”を心掛けているかどうかが、大事です。鏡のウロコは水アカが原因。そこでお風呂から出る前に、鏡についた水滴をしっかり拭き取ることが重要です。
まずひとつめの方法は、スクイージーを使う方法。
大き目のワイパーなら、鏡だけでなく壁や床の水切りも一緒に行えば、ヌメリ予防にもなります。
こちらの記事でも、お風呂の掃除をやめるためにワイパーを使っているという声がありますので、参考にしてみてください。
>>【やめ家事リポート5】「お風呂ゴシゴシ洗い」のやめ人さんに突撃
もうひとつウロコの予防掃除としておすすめなのは、マイクロファイバークロスを使って拭き取ること。家事アドバイザーの矢野きくのさんがおすすめしている方法です。マイクロファイバーは細かい繊維で作られているので、雑巾アトが付きにくいというのがおすすめされている理由です。
下記の記事でくわしく説明されているので、一緒に参考にしてみてください。
お風呂の掃除後は、防カビ剤でコーティングする
▲写真撮影:整理収納アドバイザーまい
最近、お風呂の防カビ対策には、天井が大事と言われていますよね。理由は、天井に一度カビつくと、お風呂全体に落ちるように広がるので、いくら床や壁を掃除しても意味がないというもの。床拭き用ワイパーに防カビ洗剤をしみ込ませたシートをくっつけて掃除すると◎。
そのあとは、防カビくん煙剤でコーティングすると、お風呂のキレイが長持ちします。防カビくん煙剤を密閉空間で使うことに抵抗がある人は、バイオの力で抗菌力を発揮する防カビアイテムを選ぶとよいでしょう。
ソープディスペンサーは洗いやすいモノにする
石鹸カスがたまるソープトレー。水切れをちゃんとしてくれる設計で、なおかつお手入れのしやすいものを選ぶようにしましょう。
ソープディスペンサーを使っている場合は、こちらもお手入れしやすいものが◎。泡状にしてくれるソープディスペンサーは、つまりやすいので定期的にお手入れが必須。そのため、あまり大容量のものにしない方がベター。詰め替えが面倒というなら、泡状にならないタイプを選ぶ方がよいでしょう。
ソープディスペンサーにも浮かせられるタイプもあります。
予防掃除をして、お掃除の手間をへらそう
ちょっとした工夫で、お掃除が劇的に楽になる予防掃除のアイデアをお届けしました。
お掃除をする時間を1年で換算すると相当なものです。予防掃除をすればお掃除時間の時短にもなるので、アイテムを買い替えたとしてもタイパは◎。
ちなみに、クリンネストの藤野ことさんに疲れない掃除のコツを教えていただいているので、こちらの記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
お掃除嫌いの人はもちろん、お掃除好きの人もぜひ今日からやってみてください。