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桐製の衣装ケース

大切な着物、正しく収納できてる?桐たんすを使って正しく保管しよう

収納

久しぶりに着物を着ようと取り出したときによくあるのが、思わぬところに付いたシミや虫食いに気づいてしまうこと。
そんな残念な思いをしないように、着物の収納には細心の注意が必要です。

着物の収納といえば桐たんす。湿度を調節し虫の被害を防いでくれることから、昔から着物の収納によく使われています。

しかし、「桐たんすに入れておけば安心」というわけではありません。
大切な着物を長く着られるように、着物収納のポイントや注意点を押さえておきましょう。

ディズニーとコーギーとあみものをこよなく愛するWEBライター。中学生男子のおかん。2級和裁技能士。縫いものは手縫い派。あみものはかぎ針派。 ゆったりとしたおうち時間を楽しむための家事やインテリア、ハンドメイドを中心に書き綴る毎日を過ごしています。

着物収納には桐たんすがよいワケ

着物は絹織物やウールなど天然素材が多いため、お家での保管には気を使いますよね。
特に、絹はシミやカビが付きやすく、虫の被害もあるため注意が必要です。

着物の収納には桐たんすがいいと言われているのは、このような着物のデリケートさと深く関わっています。
まずはこの桐たんすの特徴について見てみましょう。

<p>桐たんす 着物用 6段</p>

桐たんす 着物用 6段

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木製の家具は湿気を調節してくれるので、着物に限らず衣類全般の収納に適しています。
中でも桐は調湿性が高く、虫が付きにくいという特徴があります。

桐は、湿度の高い日は湿気を吸収し、膨張することで引き出しを密閉させます。このおかげで、中に湿気がこもるのを防いでくれるのです。
逆に乾燥した日は膨張しないため、たんす内にも乾燥した空気が入り、カビが発生しにくくなるのです。

<p>桐 洋風チェスト 3段</p>

桐 洋風チェスト 3段

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また、桐にはタンニンなど虫の嫌う成分が含まれています。すなわち、桐のたんすそのものに防虫効果があるのです。
防虫剤も最低限で済むため、入れっぱなしにした防虫剤で着物にシミがつくなどの影響が少なくなります。

さらに、桐がたんすの材料によく使われる理由は、木材の中でも燃えにくいという特徴があるから。
着火温度が高く熱伝導率が低い桐は、中まで燃えるまで時間がかかるため、着物を守ってくれます。

ずっと昔から桐たんすが着物の収納に使われているのには、こういう理由があるのです。

着物をベストな状態で収納しておく方法

着物を収納しておく際、「湿気・虫害」など気を付けるべきことがたくさんあります。
ただ桐たんすに入れておくだけでは、正しく収納できているとは言えません。

着物の収納方法が間違っていると、シミやカビの原因になり、着物の寿命を縮めてしまうことになります。
大切な着物をベストな状態で収納しておくにはどうしたらいいのか、4つのポイントをご紹介します。

【ポイント1】お手入れをしてから収納する

着物を収納する前に、必ずシミ抜きやクリーニングをしましょう。

汚れがついていないように見えても、実は汚れていることがあります。
目立たない汚れでも時間が経つとシミになったり、カビや虫食いの原因になります。
もし着物を汚してしまったら、できるだけすぐに汚れを落とす、シミ抜きをするようにしましょう。

自力では落とせなさそうな大きな汚れや、小さな汚れでも広範囲にわたる場合は、プロの手を借ります。長期保管の前には、できるだけクリーニングに出しましょう。

すぐにもう一度着る予定がある場合でも、着物用ブラシを使って表面のホコリを軽く払っておくと良いでしょう。

脱いだ後に湿気をとることも大切です。脱いだ着物は1日程度ハンガーにかけて、湿気をとってから収納しましょう。

【ポイント2】必ずたとう紙を使う

湿気や虫害の影響を受けやすい繊細な着物は、必ずたとう紙に包んでから収納します。

たとう紙は着物を包むための和紙で、種類はいろいろありますが、着物を汚れや湿気から守ってくれます。

金箔や金糸(きんし)や銀糸(ぎんし)などを使っている着物は、たとう紙に包むだけでなく、薄紙をあてて収納すると箔の部分が傷みにくいためおすすめです。

1つの引き出しに入れすぎない

たとう紙に包んだ着物は重ねて収納できます。
ただし、たんすの引き出しに収納する場合、重ねすぎると通気性が悪くなり、シミやカビの原因になります。
1つの引き出しに入れすぎず、余裕をもって入れるようにしましょう。

【ポイント3】桐たんすや桐の衣装ケースを使う

桐には調湿効果、防虫効果などの利点があり、着物の収納には最適です。
しかし、桐たんすは高価でサイズも大きく、最近の住宅事情にそぐわないことがあります。

所有している着物の枚数が多い場合は、昔ながらの桐のたんすが必要になりますが、着物の枚数が少ないなら桐たんすより桐の衣装ケースがおすすめです。

<p>桐 衣装ケース 4段</p>

桐 衣装ケース 4段

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最近は、クローゼットやベッド下にも収納できるコンパクトなものが作られています。
キャスター付きの桐の収納ケースならウォークインクローゼットの中にも収められるので便利ですよ。

【ポイント4】年に数回虫干しをする

着物をたんすの中に入れたままでは、カビやシミが付きやすくなります。
そのため、年に数回は虫干しをして、こもった湿気を飛ばしましょう。

虫干しのやり方ですが、着物ハンガーに掛けた着物を直射日光が当たらないところで陰干しします。
1~2時間干したら、ハンガーからはずして縫い目に沿ってきちんと一枚になるように「本だたみ」にします。
そのあと、たとう紙にシミや汚れがある場合は取り換え、新しいたとう紙に包んでたんすに戻します。

着物の量が多いと、すべての着物を虫干しするには時間もかかりますし、広いスペースが必要です。
時間がないときは、たんすの引き出しを開けて中の湿気を飛ばすようにしましょう。

虫干しに適している時期や条件は?
虫干しに適している時期は年に3回あります。

  • 2月
  • 7月末~8月
  • 10月末~11月

梅雨明けの7月末だと湿気が気になる地域の場合は、5月頃に虫干しすると良いでしょう。

他に気を付けたい気候の条件として、

  • 晴れの日が2日以上続いているか
  • 虫干し予定日のあと1~2日は晴れが続くか

などがあります。
このような条件が整っている日に、10時~14時の間で1~2時間程度虫干しするのが望ましいです。

着物を収納するときに気を付けたいこと

着物や帯などは湿気の影響を受けやすい繊細な絹織物が多いです。
そのため、着物類を収納するときに1番気を付けたいのは「湿気」です。

ベッドの下に衣装ケースを入れて衣類を収納している人も多いと思いますが、ベッドの下は湿気がたまりやすく、着物の収納には向きません。

<p>桐チェスト 1段</p>

桐チェスト 1段

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とはいえ、ベッドの下しか収納スペースがない…という場合もありますよね。
ベッド下にしか収納できないというときは、桐の衣装ケースを使ったり、寝具に除湿シートを敷くなど、しっかり湿気対策をしましょう。

着物に「証紙」が付いているときの注意点

証紙とは、紬(つむぎ)など経済産業大臣指定の伝統工芸品に付けられている証明書です。
着物が伝統工芸品であることの証明ですので残しておきましょう。

ただ、証紙を着物と一緒にたとう紙に入れて保管するのはおすすめできません。
証紙に使われている糊などが、カビやシミの原因になります。

仕立て上がりに証紙の部分と残り布をしつけ糸で縫い付けて、お返ししている和裁士や仕立屋は多いと思います。
別で返された場合は、証紙と残り布を簡単に縫い留めて別の場所で保管しましょう。

帯や草履などの着物用小物はどうやって収納する?

着物と同じく、着物用小物も正絹(しょうけん)で作られているものがあります。
着物と同じようにカビや虫食いに気を付けて収納する必要があります。

専用のケースや箱などを用意して、ひとつずつていねいに保管しましょう。代表的な着物用小物の収納方法をご紹介していきます。

帯・帯揚げ・帯締めの収納

帯は、着物と同じようにたとう紙に包んで収納します。
可能であれば、着物と分けて収納する方が無難です。一緒にする場合、重みのある帯は着物の上に重ねるのは避けましょう。

帯揚げや帯締めは、専用の桐の収納ケースを使うと見やすくなります。
絞りやちりめんの帯揚げは重ねて収納するとしわや型崩れするため、仕切りのあるケースや引き出しにひとつずつ収納するのが良いでしょう。
帯締めも同様に、一本ずつ仕切りのある収納ケースがベストです。

バッグ・草履などの収納

バッグや草履もクローゼットや引き出しに収納しましょう。

草履は専用の収納箱や収納袋が販売されているので、ひとつずつ入れて収納します。
バッグも草履と同じく箱やケースに入れて収納します。型崩れしないように注意して収納しましょう。

専用の箱や袋があれば、冠婚葬祭で持ち運ぶときなども便利ですよ。

髪飾り・かんざしなどの収納

髪飾りやかんざしも、桐製の衣装ケースがあればそこに収納します。

髪飾りは絞りやちりめんのつまみ細工など繊細なデザインなものも多いため、仕切りのあるケースにひとつずつ入れておくのがベスト。
帯留めも同様に仕切りのあるケースに入れておくようにしましょう。

浴衣の収納

浴衣は綿のものが多く、お手入れも収納も着物より簡単です。
ただし、着物と同様、しわが付かないようにたとう紙や不織布ケースなどに入れてから、クローゼットや引き出しに収納しましょう。

絞りの浴衣は、つぶれないように上に重いものを置かないようにしてください。
また、浴衣に合わせる帯やバッグ、小物なども、着物と同じく浴衣と同じケースや引き出しに入れないようにするのがおすすめです。

大切な着物をずっと着続けるために

高価な着物をカビやシミ、虫食いなどから守るため、着物は正しく収納しておきましょう。

防虫・防湿対策をしっかりとする、定期的に虫干しするなど、着物の収納やお手入れには手間がかかります。
しかし、手をかけるだけ愛着がわくのも、美しい着物ならでは。

ていねいにお手入れした着物を着たいときに楽しむために、自宅でできる最大限の収納の工夫をしてみてくださいね。

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