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好きなアロマオイルで簡単にできるマスクスプレーの作り方

マスクに使ってもOK!アロマスプレーの作り方

家事のコツ

ふとした瞬間に気になるファブリック類につくニオイ。洗濯するのではなく、サッと一瞬で消臭したいときもありますよね。そんなときに役立つのが、精油で作る手作り「アロマスプレー」です。
今回は、簡単に作れる「アロマスプレー」の作り方や香りの選び方をくわしくご紹介します。

元小学校家庭科教諭。子どものハウスダストアレルギーをきっかけにおそうじにはまり、ブログ「節約ママのこだわり掃除」をスタート。時短家事や節約を楽しみながら日々研究中です。 著書「家族が笑顔になる おそうじの魔法」など。

アロマスプレーにおすすめの4つの香りと効能

マスクスプレーにおすすめの精油

「アロマスプレー」を一本作っておけば、マスク、衣類、布団、カーテン、車内などあらゆる所で使えるので、とても便利です。
好きな香りの精油をブレンドして、ファブリック等にスプレーすれば、いつもお気に入りの香りの中で生活することができますよ。

スプレーづくりに使う精油は、好みで選ぶのも良いですが、せっかくなので「アロマスプレー」作りにおすすめの4つの香りと、それぞれの効能について解説します。

精油の香りは、「ハーブ系」「フローラル系」「柑橘系」「樹脂系」「スパイス系」「樹木系」「オリエンタル系」と7つのグループに分けられます。

<7つの香りのグループ>

  • ハーブ系…..スパイシーで、スッキリとした香り。植物の花や葉から抽出された精油。
  • フローラル系……植物の花から抽出した精油で、一部は葉や茎から抽出される。華やかな香り。
  • 柑橘系……柑橘系の果物をベースにしたさわやかな香り。
  • 樹脂系……木の樹脂から抽出された精油。ウッディで少し重たい香り。
  • スパイス系……料理の香辛料として使われているスパイスが原料の精油。
  • 樹木系……樹脂、枝、葉などから抽出された精油。ウッディでさわやかな香り。
  • オリエンタル系……東南アジアや中東の植物から抽出された精油。

この中でも今回は特に、消臭・防臭できる「アロマスプレー」におすすめのオイルを紹介します。

【おすすめの香り1】ティートリー(tea tree)

ティートゥリー

ティートリー(ティーツリーやティートゥリーとも呼ばれる)は「樹木系」の香り。
殺菌・消毒・抗菌・鎮痛効果があります。アロマでは殺菌効果のある植物として有名。

体の免疫機能を高め、細菌、真菌、ウイルスなどによる感染症に効果的でかぜの予防にも役立ちます。
(敏感肌、アレルギー肌の方は使用を避けてください)

【おすすめの香り2】ラベンダー(lavender)

ラベンダー

ラベンダーは「フローラル系」の香り。
ストレスを軽減したり、痛みを和らげます。

オールマイティに使えて「万能精油」と言われる精油でリラックス効果があります。殺菌効果もあるので掃除にも使えます。

(妊娠初期や低血圧の方は使用を避けてください)

【おすすめの香り3】ユーカリ(eucalyptus)

ユーカリ


ユーカリは「樹木系」の香り。
主な作用は殺菌・抗ウイルス、抗菌、鎮痛など。

のどの痛みを緩和して、鼻の通りをよくするのでかぜや花粉症に役立ちます。

【おすすめの香り4】ペパーミント(peppermint)

ペパーミント

ペパーミントは「ハーブ系」の香り。
主な作用は胃健、殺菌、鎮痛など。主成分はメントールで清涼感がほしい時に利用できます。

胃腸の不調や頭痛、花粉症、鼻づまり、眠気覚まし、乗り物酔いのときに役立ちます。

手作り「アロマスプレー」に必要なものは?

マスクスプレーの作り方

アロマスプレーに使いたい香りの精油が決まったら、さっそく作ってみましょう。
必要な材料さえそろえれば、とても簡単に作れますよ。

<基本のアロマスプレーの材料>

  • 無水エタノール
  • お好きな精油
  • 精製水
  • ビーカー
  • 計量スプーン
  • スプレー容器

初めて作る方の場合「無水エタノールって?」とか「精製水とはどんなもの?」という方もいらっしゃるかもしれません。
ここではアロマスプレーの材料について、くわしく解説していきます。

無水エタノール

無水エタノールはアルコール度99%以上と一番濃度が高いので、好きな濃度に調整しやすいです。
揮発性があり燃えやすいので、ふたをしっかりしめて火の近くに保管しないようにしましょう。

また、油溶性の精油と精製水は分離する性質なので、それらを混ぜ合わせるための基材として使用します。無水エタノールは薬局で50ml入り1200円前後で購入できます。

精油(エッセンシャルオイル)

精油とはエッセンシャルオイルとも呼ばれ、植物の花や葉、果皮、樹皮などから抽出された100%天然成分の物です。
ただし「アロマオイル」の名称で販売されている製品は、人工的な合成香料を含んだオイルで、精油と同じ効果は期待できません。
購入前に必ずパッケージを確認して、「精油」(エッセンシャルオイル)を選ぶようにしましょう。

アロマスプレー作りには、それほど量は必要ありません。小さい3ml入りの精油がだいたい500円前後くらいの価格なので購入しやすいですよ。

精製水

精製水とは、無色透明、無味無臭で純度の高い水です。薬局などで手に入ります。
軟水のミネラルウォーターでも代用できます。50ml入り100円以下で購入できます。

ビーカー

ガラス製やプラスチック製の物で、注ぎ口つきのものがオススメです。
飲み薬のミニ計量カップ等でも代用できます。
(写真では大きめのビーカーを使用していますが、もう少し小さい方が注ぎやすいと思います)

計量スプーン

ステンレス製の物がオススメ。
エタノールや精製水を計量します。オイルは1滴(約0.05ml)ずつ入れて、何滴加えたかで計量します。

スプレー容器

アロマは紫外線や日光に当たると劣化するので、遮光タイプの容器で保存しておくのがオススメ。
遮光瓶などで保存し、使用する分だけ耐エタノールのプラスチックのスプレーに移し替えてスプレーすることもできます。遮光瓶は30mlサイズのものが1本500円前後で、アロマオイル取扱い店やネットで手に入ります(通販の場合、送料などは別途かかります)。

【用途別】「アロマスプレー」の作り方

今回は、布マスクなどにおすすめの「マスクスプレー」と、お好きな香りで気になる香りを消臭できる「消臭スプレー」の作り方の2種類のスプレーの作り方の手順をご紹介します。

風邪や花粉の気になる時期に。「マスクスプレー」の作り方

花粉の時期にも鼻の通りをよくしてくれるスプレーです。風邪予防にもなるので、季節を問わず1年中使えます。

マスクスプレーにおすすめなのが、ユーカリとティートリー。
精油6滴をユーカリのみ6滴、ティートリーのみ6滴など好きなブレンドに変更できます。

乗り物酔いしやすい人はペパーミントを多めにできます。
また、香りが物足りないと感じる場合は、ペパーミントをラベンダーに替えてもOK。

お好きな組み合わせと配分で作れますが、濃度が高くならないよう、精油は全部で6滴までにしてくださいね。

ここでは、使い切りやすい30ml分の分量のアロマスプレーの作り方を紹介します。

マスクスプレーの材料>

  • 無水エタノール…… 5ml
  • 精製水…… 25ml
  • 精油…… 6滴(お好きな組み合わせでどうぞ)
  • スプレー容器

今回は、ユーカリ3滴:ティートリー 2滴:ペパーミント 1滴(ペパーミントの代わりにラベンダーでも可)という配分で作ってみます。

マスクスプレーの作り方の手順

無水エタノールで消臭スプレー

1.ビーカーにエタノールを計量して入れる。

ティートゥリーの精油を使ったマスクスプレーの作り方

2.ビーカーに精油を1滴ずつ入れて6滴分全て入れたら、ビーカーを振ってしっかり混ぜる。

精製水

3.ビーカーに精製水を計量して入れて混ぜる。

手づくりのマスクスプレー

4.スプレー容器にうつしかえてラベルを貼る。

5.冷蔵室に保管して2週間以内で使い切ります。

好きな香りを楽しめる。「消臭スプレー」の作り方

こちらの「アロマスプレー」は、お好きな香りを入れて、香りを楽しみながら消臭するスプレーです。

消臭や防臭作用のあるオイルは、ユーカリ、レモングラス、ヒノキなど。
殺菌効果があるオイルは、ティートゥリー、ラベンダー、ペパーミントなど。

布団や枕カバーなどにスプレーしたいという場合は、リラックス効果もあるラベンダーがおススメです。

消臭スプレーの材料>

  • 無水エタノール…… 5ml
  • 精製水…… 45ml
  • 好きな精油…… 10滴

先ほどのマスクスプレーとは違って、こちらはソファやカーテンなど広範囲で使うため、少し多めの50ml分の分量で作っています。

消臭スプレーの作り方

1.ビーカーにエタノールを入れる。

2.ビーカーに精油15~20滴を入れて混ぜる。

3.ビーカーに精製水を入れて混ぜる。

4.スプレー容器に移してラベルを貼る。

5.冷暗所に保管して2週間以内で使い切る。柑橘系やティートリーを使用した場合は冷蔵保管します。

手作りアロマスプレーを使うときに気をつけたいこと

手づくりアロマスプレーの取り扱いの注意点

簡単に作れて色々と便利に使えるアロマスプレーですが、取り扱いに少し気をつけて頂きたい点がいくつかあります。
安全に使うためにも、必ずさっと目を通しておいてくださいね。

【注意1】決められた容量・濃度・用途を守る

精油は濃縮された成分のため、必ず薄めて使います。
原液は基本、肌につけられません。また飲用もできません。

特にボディオイルや化粧水、アロマスプレーなど、精油が体に触れるような使い方をするときには、濃度に宙が必要です。全体の精油の容量の1%くらいの濃度を目安に使いましょう。
肌に直接つける場合は、必ずパッチテストを行ってからにしてください。肌に刺激を感じた場合など異常があればすぐに使用をやめてくださいね。

また、柑橘系などの光感作がある精油は、紫外線に当たると皮膚トラブルが起こるので、肌に直接使用した後は直射日光はさけましょう。

【注意2】精油の保管に関する注意点を守る

精油は湿度空気に弱いため、高温多湿をさけて冷暗所に保管します。

柑橘系、ティートリーは冷蔵庫保管で半年ほどもちます。その他の精油は10度以下の所で保管し、1年以内に使用してください。

【注意3】子どもやペットに配慮する

3歳未満の乳幼児には、精油は使用しないでください。
また、幼児やペットの手の届かない所に保管するなど注意してください。

猫は精油で中毒をおこす危険性があります。
特に柑橘系やティートリーが苦手なので、必ず別の部屋へ移動させてから使用しましょう。

手作りアロマスプレーで好きな香りを楽しんで

お気に入りの香りでスプレーを作ったら、ニオイがこもりがちで気になる場所に使ってみてください。
ただし、スプレーするだけでなく、日頃から部屋の風通しをよくしておくことも大切ですよ。

手づくりのアロマスプレーは、コスパもばつぐん。
最初に材料をそろえるときにはお金がかかりますが、スプレーの中身は安くできます。今回つくった中身は、マスクスプレーは約59円、消臭スプレーは約170円でできました。

精油でつくる手作りのアロマスプレーは、合成の香料とはちがい、本物の草花から抽出した香りなので自然の香りが楽しめます。
ブレンドして好きな香りを作ることができるのも手作りのメリットなので、自分好みの香りになるように試してみてくださいね。


参考資料

『アロマテラピー外来が教える メディカルアロマ&ハーブのセルフケア事典』菅野 かおり (著), 釜野 聖子 (監修) アスペクト(2011/05/25)

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